RE: (1)はじめに…全体概要

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fujiwara_setsuo

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Apr 27, 2011, 11:24:30 PM4/27/11
to 1藤原節男ybb
各位
from 藤原 節男
件名 RE: (1)はじめに…全体概要

頭書の件、URL添付資料「原子力安全に関する内部告発訴訟について改3.pdf」につい
て、Hメーカの電気技術者(匿名)とQ&Aをしました。E-mail(1)~E-mail(8)のとおりで
す。
電気技術者疑問点への回答です。ご参考まで、連絡申し上げます。

===== E-mail(8) ===============================
From: fujiwara_setsuo [mailto:fujiwara_...@ybb.ne.jp]
Sent: Thursday, April 28, 2011 12:13 AM
To: NY殿
Subject: RE: 内部告発について
NY様及びその同窓生各位
from 藤原 節男
件名 RE: 内部告発について
お世話になっております。以下のE-mail(7)を受信しました。次のとおり回答申し上
げます。

[質問3-1] [回答2-1] に関して、「測定のために仕方がない」状況を設定する検査
自体が、本質的に間違いではないでしょうか? 一回であろうが、限られた運転状態
であろうが。 「単一でマイナス係数にならない状況は存在することを明確にして
『その回避、防御方法により』システムとして安全性が担保されている」とし、その
検査を行うべきではないでしょうか?
[回答3-1]
減速材温度係数測定検査は、一回は必ず検査する必要があります。もちろん、安全を
担保するため、臨界状態監視には、細心の注意を払って検査を実施します。 即ち、
反応度計を用いて、中性子増倍率(原子炉ペリオド)を計測しながら、検査を実施しま
す。U235、プルトニウム239が中性子と反応して、核分裂すると、即発中性子と遅発
中性子が出ます。中性子増倍率が低い時は、即発臨界にならない状態で制御が可能な
のです。中性子増倍率がある一定値を超過すると、即発臨界になります。原子爆弾と
同じ状態になります。中性子増倍率(原子炉ペリオド)、即発中性子、遅発中性子につ
いては以下のURLを参照方。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E9%8E%96%E5%8F%8D%E5%BF%9C_(%E6%A0%B8
%E5%88%86%E8%A3%82)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=03-06-04-09

[質問3-2]  [回答2-4]に関して、QMS規定より(適確に運用されている状況で)、原
発の運用開始が優先すべきとは勿論思いません。ただ、検査結果には問題がなく、検
査成績書自体がその結果を正しく記録しているならば、検査成績書を作成する過程、
経緯とは関係ないのではとの意見です。(JNESの内部業務の問題との見方です。JNES
内部の、一般業務規定とISO9000、QMS規定との体系化が未整備であることが大問題)
むしろ、「グループ長は、それを電力提出済み分も含めて記録変更(記録改竄)を指示
したのです」が、本質的な問題だと思います。これが事実であれば、明らかに記録改
竄行為でしょう。溶接工作物熱応力除去工程での記録改竄事件が発生して以降、原子
力業界で生じたヒステリックとも言える記録改竄防止運動からは考えられない状況で
す。
[回答3-2]
「グループ長は、それを電力提出済み分も含めて記録変更(記録改竄)を指示したので
す」が、本質的な問題だと思いますとのこと、まさにそのとおりです。「炉物理の知
識がないこと」、「上意下達の精神」が合体すると信じられないことが生じるので
す。炉物理の知識がないと、3月4日の記録がなくとも全然、大丈夫との判断となりま
す。「出来の悪い成績書」を監視して、検査員に修正させるのはグループ長の使命で
あり、「命令に従わないやつは、査定だ」との判断になります。グループ長は、自分
の行為が記録改竄になるなどとは、全然、気がつかないのです。おそろしいことで
す。例えがよくないですが、子供がケンカして、殺人事件を引き起こす場合に似てい
ます。

追伸1)
貴殿たちの同窓生「メールリスト」に、関係者外非公開のグーグルグループ機能を使
用すると、メール履歴が残ります。便利です。
追伸2)
内部告発は、以下のURLにて公開しています。福島原発事故については、URLリンク
集、事故対策案を記載しています。是非、アクセス、一読くださるようにお願い申し
上げます。
「原子力安全に関する内部告発 in JNES」
http://groups.google.com/group/nuclear-whistlebiow-in-jnes

===== E-mail(7) ===============================
Sent: Wednesday, April 27, 2011 10:30 PM
To: fujiwara_setsuo
Subject: Re: 内部告発について
from NY
藤原様、 cc 同窓生各位

[質問3-1] [回答2-1] に関して、「測定のために仕方がない」状況を設定する検査
自体が、本質的に間違いではないでしょうか? 一回であろうが、限られた運転状態
であろうが。 「単一でマイナス係数にならない状況は存在することを明確にして
『その回避、防御方法により』システムとして安全性が担保されている」とし、その
検査を行うべきではないでしょうか?
[質問3-2]  [回答2-4]に関して、QMS規定より(適確に運用されている状況で)、原
発の運用開始が優先すべきとは勿論思いません。ただ、検査結果には問題がなく、検
査成績書自体がその結果を正しく記録しているならば、検査成績書を作成する過程、
経緯とは関係ないのではとの意見です。(JNESの内部業務の問題との見方です。JNES
内部の、一般業務規定とISO9000、QMS規定との体系化が未整備であることが大問題)
むしろ、「グループ長は、それを電力提出済み分も含めて記録変更(記録改竄)を指示
したのです」が、本質的な問題だと思います。これが事実であれば、明らかに記録改
竄行為でしょう。溶接工作物熱応力除去工程での記録改竄事件が発生して以降、原子
力業界で生じたヒステリックとも言える記録改竄防止運動からは考えられない状況で
す。

 それにしても、TVで見る、原子力安全・保安院の院長、原子力安全委員会の委員長
の説明能力の無さは目を覆いたくなります。 覚悟や信念は、微塵も窺えない。彼ら
は、一体、今までどんな業務を、人生を送ってきたのかと心底思います。
 では、

===== E-mail(6) ===============================
From: fujiwara_setsuo [mailto:fujiwara_...@ybb.ne.jp]
Sent: Tuesday, April 26, 2011 6:35 PM
Subject: RE: 内部告発について

NY様
from 藤原 節男
件名 RE: 内部告発について

お世話になっております。以下のE-mail(1)を受信しました。
次のとおり回答申し上げます。
追伸1)
できれば、私の回答は、前回の回答も含め、貴殿方のメールリストで広く開示頂きた
い。ご批判を賜りたい。よろしくお願い申し上げます。

[質問2-1] 「3/4実施結果が不合格」ではなく、「検査の一段階」であったことを理
解しました。「使用前検査実施要領書では、減速材温度係数がマイナスにならなかっ
た場合の処置要領」とありますが、これは、マイナスでないことも良しとの意です
か? [回答6]で「減速材温度係数は、それ単一でマイナスにしなければ、原子炉を
運転してはいけない」との基準に反するのでは?
[感想]小生は、主に火力・水力関係の電気関係での経験でしたが、官庁検査では、被
受験者である電力会社の支援の立場でした。電気関係は、(成熟した)既知部分が領
域が多く、検査において、事前準備と条件及びその結果が異なることは殆どなく、異
なる結果は論理的な説明が出来なければ不合格を意味していました。安全弁の吹き出
し/吹き止まり検査は、貴方説明同様、合格するまで調整していたような気がしま
す。 同様事例は、ボイラーやタービンの機械等領域では他にもあったと記憶してい
ます。(要領書は確認していませんが、電気と違いいい加減だなと思って見過ごして
来ましたが)    
[回答2-1] [回答6]で「減速材温度係数は、それ単一でマイナスにしなければ、原子
炉を運転してはいけない」との基準に反するのでは、とのこと、「減速材温度係数測
定検査の一回だけは、測定のために、仕方がない。しかし、危険だから、その一回だ
けでお終いです。他の運転時はダメです」という基準です。

[質問2-2] [回答22] で、設計予想値は未改訂、予想値と異なった場合の対処は不明
確とありますが、これは問題で訂正されなければ、今後、3/4,5のごとき検査経緯を
繰り返すことになるのでは?と思いますが。
[回答2-2] そのとおりです。私が裁判に勝ったあかつきには、予想値と異なった原
因を追求する予定です。使用前検査の当時は、検査実施要領書どおりに検査が遂行さ
れており、検査員としての職務範囲外のことでした。三菱重工業の不正(臨界計算不
履行)に関する懸念事項です。

[質問2-3] [回答16]で、「当時のJNESにおけるISOの位置づけ」、「QMSが命であ
り、正しく作成され記載されていたが、個々の運用が規定(一般的な業務規定?)と
異なっている」とありました。小生が、[質問16]で述べたISO-9000に対する一般業務
規定との体系化、優先順位等の位置づけが明確ではなかったとのことでしょうか?
規定(解釈)と運用の問題は、確かに日本の環境では多々ありますね。海外ではあま
り経験しなかったような気がします。これが、直面されている裁判の争点かも知れま
せんが。
[回答2-3] ISO-9000に準拠してJNESのQMS(品質マネジメントシステム)規程が制定
されている。しかし、別規程「職員就業規則」で、「上司の指示命令に従わなかった
場合には、上司の指示命令レベル相応の罰を与える」とかの一般的な業務規程がある
のです。原告(藤原 節男)はQMS(品質マネジメントシステム)規程を楯にして、被
告(JNES)は「職員就業規則」を楯にして裁判をしているということです。

[質問2-4] 報告書提出についてですが、[質問20]の意図は、検査成績書に基づき経
産大臣が、設備の運用開始の可否を決定するとすれば、検査成績書そのものに不備が
なければ(記録改竄が阻止されたのであれば)、公文書として提出すべきではないの
か? 検査成績書作成に関わる運用の是非は(記録改竄命令再発防止対策)、JNES内
部の対応事項ではないのか? つまり、原発の運転開始を左右する判断基準とは別と
考えるべきでは?(検査成績書の発行遅れにより、原発の運用開始が遅延してしま
う?)
[回答2-4]「検査成績書そのものに不備がなければ(記録改竄が阻止されたのであれ
ば)、公文書として提出すべきではないのか」とのこと、そのとおりです。しかし、
このケースでは、不適合業務処置において、修正は終了したが、修正処置(不適合報
告書作成)が未了した。是正処置(是正処置報告書作成)も未了でした。この場合、不
適合業務処置を実施した上で、検査成績書をリリースすることがQM規程(第53 条第1
~3 項)に基づく処置です。「検査成績書の発行遅れにより、原発の運用開始が遅延
してしまう?」とのこと、このケースでは3月5日の段階で、電力が検査成績書の写)を
保持しており、検査成績書の発行は完了しています。グループ長は、それを電力提出
済み分も含めて記録変更(記録改竄)を指示したのです。問題は、報告書、成績書の原
子力安全保安院への提出時期です。これは、他の報告書、成績書と合冊して2009年7
月に提出予定でした。したがって、グループ長上覧印、検査業務部長の上覧印は、7
月に押印されていれば、原発の運用開始が遅れることはありませんでした。
それに、仮に、原発の運用開始が遅れたとしても、QM 規程(第53 条第1~3 項)を遵
守するほうが優先します。QMS(品質マネジメントシステム)規程とは、そのような
品質最優先経営理念を具体化した規程です。原発の運用開始が、QMSより優先する
ようでは、原子力安全は保持できません。

===== E-mail(5) ============================
Sent: Sunday, April 24, 2011 10:02 PM
To: fujiwara_setsuo
Subject: Re: 内部告発について
藤原様、
 返事遅くなりました。ご多忙中にもかかわらず、詳細且つ丁寧な解説に対し厚く御
礼申し上げます。早速、「原子力安全に関する内部告発 in JNES」にもアクセスし
てみました。「曲突徙薪無恩沢 焦頭爛額為上客耶」は、子供向けの本を読んだ記憶
で「上に立つ者は、は目立つ人ではなく、縁の下の力持ちに目を配ることが大切」と
の意味だと思っていましたが、改めて調べて見ると、貴方の解説のように、「根本を
忘れ、些末なことを重視する」ことを戒めるという意味もあるのだと思い至りまし
た。そして、徐福は、あの「不老不死の薬を求めて、日本に来た」という人物とは、
全く違うことを今回初めて知りました。(漠然と同一人物だと思い込んでいた。)
 貴方の直面されている経緯や、組織での事例にも当てはめるとなかなか含蓄のある
ものですね。全電源喪失の項目は興味深く読みました。 我々同期の間でも、今回の
事故防止として、究極のフェイルセーフとして「電気他のエネルギーに依存しない、
冷却方法」が必須として、「自然落下冷却水」「空冷」等のアイディアが提起され、
また、原子力畑の者からは、20年くらい前から自然循環型の冷却システムが研究され
ていたとの情報もありました。小生は、自然落下冷却水だけでなく、原発とセットで
(ダムの冷却水と原発の調整負荷として)揚水式水力を設けること等、思っていたの
ですが。AP1000は、中国で大量受注と第3世代原子炉との認識しかありませんでした
が、上記の安全性向上があることを、はじめて知りました。
小生の原発(日本の)に関する認識は、
 1.信仰のごとき安全神話
 2.廃棄物処理、廃炉コストを無視した電力コストの他への優位性
 3.人智の及ばぬ外乱が発生した場合の影響度評価
以上の点から胡散臭く思っていました。
人類の、未知なるものへの挑戦は、宇宙、原子力利用、遺伝子等マクロからミクロへ
止まることはないでしょう。過去の、技術の進歩は、初期の犠牲やトラブルによって
なされてきたといっても良いでしょう。 日本における原発の利用は、地震国、人工
密集などを考え、原子力の専門家による、技術論だけでなく広く国民が上記を理解・
吟味し採否を判断すべきだと思っています。貧しい、困窮した人々にリスクを隠し、
様々な補助を餌に原発を立地してきた日本の過程はやはり正すべきだと思っていま
す。 かく言う小生は、福島から約100kmそして東海第二(津波対策未完の非常用DEG
が水没、起動しなかった)からは10km圏に住んでいます。リスクを理解し、納得した
上で住んで居るか? いざことが起きた場合、文句を言わぬか? というと、心中複
雑ですが。(東海村と違って、日立市は直接原発立地補助の恩恵には預かっていませ
んが・・・)
 小生が既質問《21》で述べた「専門家は否定できぬ」と述べたのは、所謂専門家
が専門分野を、その存在そのものを俯瞰して見、全てを否定することは、ほぼ不可能
だと考えているからです。
 長くなって恐縮ですが、貴方のご説明で理解出来ぬ部分あり、教示頂けたらと思い
ます。
[質問2-1] 「3/4実施結果が不合格」ではなく、「検査の一段階」であったことを理
解しました。「使用前検査実施要領書では、減速材温度係数がマイナスにならなかっ
た場合の処置要領」とありますが、これは、マイナスでないことも良しとの意です
か? [回答6]で「減速材温度係数は、それ単一でマイナスにしなければ、原子炉を
運転してはいけない」との基準に反するのでは?
[感想]小生は、主に火力・水力関係の電気関係での経験でしたが、官庁検査では、被
受験者である電力会社の支援の立場でした。電気関係は、(成熟した)既知部分が領
域が多く、検査において、事前準備と条件及びその結果が異なることは殆どなく、異
なる結果は論理的な説明が出来なければ不合格を意味していました。安全弁の吹き出
し/吹き止まり検査は、貴方説明同様、合格するまで調整していたような気がしま
す。 同様事例は、ボイラーやタービンの機械等領域では他にもあったと記憶してい
ます。(要領書は確認していませんが、電気と違いいい加減だなと思って見過ごして
来ましたが)

[質問2-2] [回答22] で、設計予想値は未改訂、予想値と異なった場合の対処は不明
確とありますが、これは問題で訂正されなければ、今後、3/4,5のごとき検査経緯を
繰り返すことになるのでは?と思いますが。

[質問2-3] [回答16]で、「当時のJNESにおけるISOの位置づけ」、「QMSが命であ
り、正しく作成され記載されていたが、個々の運用が規定(一般的な業務規定?)と
異なっている」とありました。小生が、[質問16]で述べたISO-9000に対する一般業務
規定との体系化、優先順位等の位置づけが明確ではなかったとのことでしょうか?
規定(解釈)と運用の問題は、確かに日本の環境では多々ありますね。海外ではあま
り経験しなかったような気がします。これが、直面されている裁判の争点かも知れま
せんが。

[質問2-4] 報告書提出についてですが、[質問20]の意図は、検査成績書に基づき経
産大臣が、設備の運用開始の可否を決定するとすれば、検査成績書そのものに不備が
なければ(記録改竄が阻止されたのであれば)、公文書として提出すべきではないの
か? 検査成績書作成に関わる運用の是非は(記録改竄命令再発防止対策)、JNES内
部の対応事項ではないのか? つまり、原発の運転開始を左右する判断基準とは別と
考えるべきでは?(検査成績書の発行遅れにより、原発の運用開始が遅延してしま
う?)

 己の信ずることに従ってそれを実践している姿勢には改めて敬意を表します。
 貴方の手が空いたときに、回答頂ければと思っています。
 では、

===== E-mail(4) ===============================
Sent: Wednesday, April 27, 2011 9:26 AM
Subject: Fw: RE: 内部告発について(その1)
同窓生各位、
cc 藤原様
 まだまだ、余震が続き福島原発も沈静化未だしの状況ですが、皆さんそれぞれ元気
に過ごしておられるものと思います。以前、US君から紹介された藤原氏とのやりとり
を紹介します。
---長く三菱原子力(現三菱重工)で原発を手掛け、その後『原子力安全基盤機
構』(以下JNES)で原発の検査に携わっていた。 ----
原発を巡る詳細情報、内部告発者に対する環境の実態等今回の事故を考える際、参考
になると思います。政府発表や新聞・雑誌等メディア情報だけでない観点も貴重か
な?
本人からも是非紹介して欲しいとの申し出がありました。
 今後、小生とのやりとりも、逐次連絡することにしたいと思っています。受取不要
の方は、連絡下さい。

===== E-mail(3) ===============================
From: "fujiwara_setsuo" <fujiwara_...@ybb.ne.jp>
Date: Wed, 20 Apr 2011 12:19:14 +0900
Subject: RE: 内部告発について
NY様
写)US様
from 藤原 節男
件名 内部告発について

お世話になっております。以下のE-mail(1)(2)を受信しました。資料を熟読頂き、更
に、たくさんのコメントを頂き、ありがとうございます。コメントは私の論理を整理
するのに非常に役立つと思います。それでは、以下にコメントに対する回答を記載し
ます。よろしくお願い申し上げます。
追伸)
「皆さんのご意見も伺う機会も必要だと思い、全員に配布します」とのこと、できれ
ば、私の回答も、メールリスト皆様、全員に配布ください。よろしくお願い申し上げ
ます。

[NY様の質問、ご意見に対する藤原 節男の回答]
【公的資格(経産省、原子力安全・保安院、JNES)を持つ、電気工作物検査員の北電
/泊原発3号機における使用前検査に関する『内部告発』について及びその他の事例】
[質問1]
1.使用前検査(2009.3/4~5)のゼロ出力運転時減速材温度係数測定について
1)3/4実施結果が不合格であったならば、使用前検査は不合格であり翌日の検査を
継続すべきではない?
[回答1]
「3月4日実施結果が不合格」ではありません。まだ、合格、不合格が決まらない段
階、検査の一段階です。使用前検査実施要領書では、減速材温度係数がマイナスにな
らなかった場合の処置要領が記載あります。つまり、3月4日実施結果、マイナスにな
らなかったので、要領書どおりに、そのデータを記録して、Dバンク制御棒を部分挿
入、ほう酸微小希釈を実施して、3月5日再検査を実施し、条件付き検査合格としたの
です。要領書どおりです。3月4日実施結果にて検査判定をするわけではありません。

[質問2]
ましてや、検査員が指摘する危険事象を内在するプラントの運転は認めるべきではな
いのではないか?(資料の取り扱いより、深刻な問題では?)
3月4日の検査そのものが成立しないとすべきではないか?つまり、不合格との結論で
はなく、検査過程記録にとどまるのではないか?
これが、JNESの抹消(行き過ぎで問題)、不備と認定する原因では?
[回答2]
これは、[回答1-1]のとおり、検査実施要領書どおりに検査をしました。もともと、
原子力は危険を内臓しているものです。その中で、臨界試験はチェルノブイリ、JCO
のような反応度事故にもっとも近い危険な検査という意味です。危険に近い試験状態
だけれど、検査実施要領書どおりに検査すれば、安全は保持できるということです。

[質問3]
2)検査員の”責任と権限”には、電事法/事務規定により実施計画の策定検査方法
の立案も含まれるが、上記”温度係数測定”に関しては、計画、方法とも妥当であっ
たか?
即ち、ゼロ出力運転時、制御棒引き抜き状態での、ホウ酸の所定濃度状態における温
度係数測定は立案され、検査要領書に記述されていたか? → もし、Yesならば、
上記1)と同様の問題がある。
[回答3]
①計画、方法とも妥当でした。②Yesです。しかし、上記1)の回答のとおり、問題
はありません。

[質問4]
3)「余剰反応度が設計予想値よりも高く、ホウ酸が入りすぎ、一時冷却水中のホウ
酸濃度が高すぎたため」とするならば、余剰反応度の設計値をやりなおし、妥当な値
でのホウ酸濃度として再検査を実施すべきではないか?
制御棒を部分挿入且つホウ酸濃度を下げるという条件設定での検査は、許されるもの
か? 許されるなら、3月4日もその条件で検査実施すべきだった。さらに、3月5日の
検査を「使用前検査実施要領書にしたがい」とあるが、これが正ならば、3月4日の検
査での要領書は存在していなかったのか?
[回答4]
吟味された要領書どおりに3月4日も3月5日も試験を実施しました。PDCAの言葉のとお
り、要領書で決めたことは、要領書を修正してからでないと、別のアクションはでき
ません。検査員が要領書の間違いに試験中に気がついた場合には、その時点で、検査
を一度、ホールドします。もし、検査員の気づき事項とおりの場合にはそこで、検査
は中止となります。要領書を改訂した後に再検査です。検査員の思い過ごしの場合に
は試験継続です。今回の場合には、検査要領書は正しかった。検査員も納得してい
た。

[質問5]
4)3月5日実施び”制御棒引き抜き制限の条件付き”使用前検査合格としたのは、事
務規定には違反しないか? 実施計画、検査方法と異なるのでは?
さらに、この判断は本来、検査業務を統括する検査業務部長と検査結果の決裁事項で
はなかったか?
[回答5]
検査は実施計画、検査方法どおりで、検査実施要領書どおりです。電気工作物検査員
の業務所掌範囲内のことです。

[質問6]
 《素人の個人的な疑問》
5)原子炉設計に求められる反応度負というのは、原子炉全体の評価ではないか?
即ち、本件では制御棒の負反応度も加味すべきではないか?
[回答6]
PWR原子炉の減速材(冷却材)には、ホウ素が溶け込んでいます。ホウ素が濃くなりす
ぎると減速材(冷却材)温度係数がプラスになります。反応度係数は他にも、ドップ
ラー係数(これは燃料ペレット温度の関数)、出力係数、ボイド係数(これは沸騰した
時の関数)等、いろいろの反応度係数があり、それらが組み合わさって、原子炉全体
の反応度評価となります。「減速材温度係数は、それ単一でマイナスにしなければ、
原子炉を運転してはいけない」ということが、安全審査の審査基準にあります。これ
は、原子炉固有の安全性を確保するという意味から、もっとも重要な規定です。

[質問7]
6)PWRの基本方針は、燃料ペレットのドップラ効果による温度係数;常に負、減速
材の温度係数高出力運転状態において;負、これらを総合した出力係数は常に負であ
ること。即ち、減速材温度係数は、ホウ酸濃度が高くなるほど、正側となり、ゼロ出
力状態での減速材温度係数を負とするために、バーナブルポイズンを使用し、ホウ酸
濃度を低くしている。 つまり、ホウ酸濃度自身の温度係数は本質的に正ではない
か?
   (制御棒の部分挿入、ホウ酸濃度の適性注入が、検査条件とすべきでは?)
[回答7]
そのとおりです。バーナブルポイズンは出力運転を続けると減少して行きます。定期
検査からプラントを起動した初期、ホウ素濃度は余剰反応度を制御するために高くし
て運転します。そのうち、燃料が燃焼しますので、余剰反応度が減少する。それを補
償するため、ホウ素濃度を薄くします。そうすると、減速材温度係数のマイナスは大
きくなります。
追伸)
減速材温度係数がプラスになるのは使用前検査期間中で、出力が低い条件だけです。
出力が上がると、出力係数がマイナスゆえ、それを補償するため、ホウ素濃度を低く
する必要があります。ホウ素濃度が低くなれば、減速材温度係数がマイナスになりま
す。
問題は、使用前検査期間中で、出力を上げ、何らかの事情、事故等でプラントを出力
ダウンする時です。通常の運転では、まずホウ素濃度を上げ、出力ダウンをします。
この時に、制御棒引き抜き制限が必要となります。この時、制御棒引き抜き制限を逸
脱すると、反応度事故になる可能性があります。

[質問8]
7)以上の観点から、チェルブイリ事故との対比記述が散見されるが、対比対象とし
ては、不適ではないか?
[回答8] 上記[回答7]の事情により、チェルブイリ事故に繋がる可能性のある臨界試
験です。例えば、燃料ペレットにウラン235が高濃縮度となっているものが使用され
ていた場合、安全解析が間違っていて反応度余裕が少なかった場合等、それらの間違
いが重なった場合には、制御棒引き抜き制限を遵守しないと、臨界事故になります。
JCO事故のとおりです。減速材温度係数マイナスの規定は、絶対に守る必要のある規
定なのです。

[質問9]
2.記録改ざん命令について
1)3月4日の検査は、合否判断を伴うものであったか?
  3月4日の経過は、検査記録にとどめるべきではないか?
[回答9]
3月4日の検査は、3月5日まで継続する検査の一段階であり、合否判断の材料となるも
のです。3月4日の経過は、検査記録にして、のこさなければいけない。これは使用前
検査実施要領書の記載事項です。

[質問10]
 2)公的書類に関して(社内書類ではなく)グループ長の責任と権限が、検査業務
部長と比し不明確であるが、グループ長による記録の改ざん(訂正、削除、変更)指
示は業務上あり得ないのでは?
[回答10]
使用前検査実施規定では、電気工作物検査員が署名、捺印した検査報告書、検査記録
は、だれも改竄命令することはできません。しかし、一般的な業務規定(職員就業規
則)では「上司の指示命令には従うこと」となっており、指示命令に従わない場合に
は罰則規定が適用されます。どちらを優先するかが、今回の焦点です。

[質問11]
3)「一般的に、検査業務部では、検査結果不合格時点での記録は検査成績書に記載
しない」とあるが、特殊な場合とはどのようなケースで、誰が判断するか?
また、文書化(規格化)されていないのか?

[回答11]
「一般的に、検査業務部では、検査結果不合格時点での記録は検査成績書に記載しな
い」はそのとおりです。しかし、それを述べたのは藤原 節男ではなく、グループ長
です。安全弁吹き出し圧力測定検査等がそれに当たります。検査の実態は吹き出し圧
力測定検査一回で合格しないことがあり、吹き出し圧力調整ネジで調整して、再度検
査を行う。本当は、使用前検査中の出来事は全部、記録に留めるのが良いのですが、
JNESの要領書では、一回の検査で合格となったかのような記載をします。要領書、成
績書の不備です。主蒸気安全弁吹き出し圧力測定検査等は、要領書にそのようなこと
を示唆する図面があり、繰り返して試験を実施しています。しかし、明確に試験を繰
り返すように文章記載すると、問題化するためか、印刷文字化はされていなく、図面
で示唆しているだけです。後は、検査員の判断ということになっています。検査不合
格の場合には、その日のうちに再検査して合格にさせて帰ってくる。これが慣行で
す。特殊な場合は、今回の減速材温度係数測定検査です。特別に記録することが検査
実施要領書に明記しています。
追伸)
「昔、規定どおりに試験を実施する検査官がいて、一日で終了するはずの検査が、検
査官の不合格宣言で、検査官が帰ってしまった」とのエピソードがあります。豪傑と
いわれたそうです。

[質問12]
4)できの悪い検査成績書との判断根拠は何か?
  グループ長の具体的説明はあったか?
[回答12]
判断根拠は「慣行」と推測します。具体的説明は「合否以外のことを記載しているの
で、抹消すること」です。当方からの反論は「検査実施要領書に違反するので、記録
抹消はできない」です。

[質問13]
5)電気工作物検査員の責任と権限は、検査業務部長の統括のもと有効であり、グ
ループ長は、上司とはいえ無関係ではないか?
[回答13]
これは、[回答10]のとおりです。

[質問14]
6)恫喝発言は、パワーハラスメントであることに同意する。
  *小生にも、在職時同様の経験はあったが、目の前の業務消化、同僚後輩への想
いに関心があり、時間が過ぎた。 証明できない人事考課等はあったと思う。
[回答14] 了解致しました。

[質問15]  
7)使用前検査事務規定違反については、3月4日の検査が合否判定を伴うものでなけ
れば、成立しないのではないか?
検査業務部長は、検査成績書の改訂不要と判断しており、妥当な経緯だと思う。
また、検査実施要領書に、3月4日の検査について明確に記述してあったか? がポイ
ント。
[回答15] これは、[回答9]のとおりです。
追伸)
「検査業務部長は、検査成績書の改訂不要と判断しており、妥当な経緯だと思う」と
のこと、そのこと自体は妥当ですが、「記録改竄命令」再発防止対策をしないことが
妥当ではありません。QMS(品質マネジメントシステム)規定違反となります。

[質問16]
8)QM規定違反のQMSとは、ISO-9000/2000年版にて導入された概念で、それまでの
ISO9000での品質保証システムとのとらえ方から顧客を意識した品質マネージメント
システムという管理体制という認識となった。さらに、トップによるコミットメント
との言葉を導入し、最高意志決定者(グループ)の責任が明確化された。
(それまでは、世間からのお墨付き、特に欧州輸出業務での必須事項としての手法と
の認識が強かった。)
 本件は、2009年に発生しており、当時JNESにおけるISO-9000の位置づけは社規
(JNES内規?)等に優先されると体系づけられていなかったのでは?(トップの責任
も曖昧だった)
従って、グループ長の不適合業務、QM規定違反とするものは、JNES組織上には存在し
なかったのでは?(道義的には、間違いなく問題)
[回答16]
原子力規制では、QMS(品質マネジメントシステム) が命です。 ISO-9000に準拠す
ることが命です。したがって、原子力基盤機構では規定は正しく作成され、記載して
います。それが役所というものです。ただし、個々の運用が、規定と違うのです。上
意下達が命になります。

[質問17]
9)検査業務部長の厳重口頭注意とは、具体的に何だったのか資料から読み取れな
い。
[回答17] 「指示命令『4月30日までに、報告書提出の意志があるのかを連絡しなさ
い』に違反した」という厳重口頭注意です。

[質問18]
 10)総務部長のメールは、読解困難
    i)再検証とは?
    ii)賞罰委員会の手続き要件は何か?
[回答18] 原告が「厳重口頭注意」を軽視していることが判ったので、正しく検証し
て、再度、賞罰委員会にかけることです。手続き要件は不知です。

[質問19]
11)再雇用否の判断は、過去3年間の勤務成績不良を理由としているがそれを裏付
ける具体的な証拠(JNES把握事項)は? 再雇用協定(拒否の根拠)との整合性は?
 遅刻、欠勤、明確な業務指示違反、会社(組織)の名誉等を著しく傷つけた等の事
例・証拠が必要では?(D評価とした根拠)→ 裁判官も指摘している。
[回答19]
添付資料[準備書面(5)]の、6/10ページ以降を参照ください。なお、6/10ページに
は、以下のとおり原告主張文章があります。
これに対する被告の口頭回答(4月6日弁論準備)は「指示命令『4月30日までに、報告
書提出の意志があるのかを連絡しなさい』に違反した」ということだけです。
[6/10ページの文章]
被告は、裁判長からの要請「D 評価の評価根拠についての説明」のうち、「平成
21(2009)年上期D 評価根拠」についての説明をしていない。下期D評価は、上期D 評
価根拠を踏まえたものである。上期D評価根拠に妥当性が無ければ、下期D 評価の妥
当性もない。上期D 評価根拠説明は必須のものです。

[質問20]
12)4月30日迄に使用前検査報告書提出の業務命令は、「重大かつ明白な瑕疵」の
ある業務命令と言えるか? 
公式文書として、3月4日の記録については、改訂・削除を指示されておらず、提出可
能であったのではないか?
JNES内部における不適合業務とは次元が異なるのではないか?
グループ長の不適合業務は別途JNES内部で検討・審議すべきものではないか?
[回答20]
添付資料[準備書面(5)]の5/10ページを参照ください。被告主張に対する原告反論は
以下のとおりです。
QM 規程(第53 条第1~3 項)に基づく処置として、一旦、検査員が検査報告書を提出
するのを停止し、不適合業務の問題点を明らかにした上で、記録改竄命令が繰り返さ
れないよう不適合報告書及び是正処置報告書を作成する処置を行う必要があった。に
もかかわらず、上林部長は、不適合業務を看過して、不適合業務処置を行わないま
ま、検査報告書を提出するよう、口頭で命令したものです。よって、上林部長の業務
命令には、QM規程53 条2 項に違反した「重大かつ明白な瑕疵」があります。「重
大かつ明白な瑕疵」がある業務命令は、無効であり、原告はこの業務命令に従う必要
はなかった。また、原告「準備書面(4)」第2の3 項に説明したとおり、電気工作物検
査員は、「使用前検査の独立性(厳正かつ適確な実施)」を確保するために、使用前検
査に関する業務命令について、実質的な審査権を持っており、「重大かつ明白な瑕
疵」がある業務命令を拒否することができる。

[質問21]
13)官僚の「上意下逹」体質については、官僚だけでなく、通常のビジネス関係で
も日本に限らず、ごく当たり前にあると思う(発注者と受注者)。これらを牽制する
ために様々なルール、法律が存在しているが、特に日本では、充分に機能していると
は言えない。H社でもコンプライアンス本部などが設けられたが、その成果について
は認識していない。
福島の事故でも、原子力安全・保安院が原発を推進する経産省の組織であることも所
謂、原子力村を作り上げ、牽制機能が働かない一つの事例だと思う。原子力を学んだ
専門家、有識者、原子力で生計を立てている人は、個々の範疇でベストを尽くし、真
摯に生きていると思うが、原子力を改善する発想はあっても否定する発想は出来ない
と思う。
[回答21] 上記の状況説明には同意。しかし、己が、どのようにに行動するかは別。

[質問22]
14)臨界ホウ素濃度の設計予想値とは、設計値とは異なるのか? 責任元は?
 予想値と異なった場合の対処は明確であったか?
 その後、設計予想値は改訂されたのか?
[回答22]
原子炉内の燃料集合体配列は、原子炉設計の一番後で決まります。実際の個々の燃料
集合体U235濃度実測値を基に決める。決定は使用前検査前となる。燃料体設計認可申
請段階、工認段階ではまだまだ決まっていない。臨界ホウ素濃度の設計予想値は、燃
料集合体配列が決定した後に決まる。今回は、その設計予想値が使用前検査の実測値
とずれていた。今回の状況からは、55GWd/tの予想値を使用すべきところ、炉心設計
計算の手を抜いて、以前の48GWd/t(リファレンスプラント伊方3号機)の予想値を使用
したのではないかとの疑念がある。責任元は三菱重工業であり、それを承認した北海
道電力にも責任はある。しかし、まだ、疑念の段階で、証明されたものではない。
・予想値と異なった場合の対処は明確ではなかった。
・その後、設計予想値は改訂されていない。

[質問23]
3.その他
1)敦賀2号機再生熱交換器配管破断事故と泊2号機の事故について
 i)設計先取りとして、技術的な裏付け、根拠なしで設計変更がされることはあり得
るのか?
 設計変更を、設計内品質管理、更に検査部門による、検証管理もスルーしたことに
なる。
これは、規格漬け、検査漬けの結果ではなく品質管理のバイタルポイントでもある
変更点管理・検証の欠落ではないか?
[回答23]
「設計先取りとして、技術的な裏付け根拠があって、最初からの設計に盛り込んだ」
のであり、設計変更したわけではない。しかし、リファレンスプラントからの設計変
更ではある。その当時、設計検証管理(コンフィギュレーション管理)は十分ではな
かった。今も、厳密にいえば、十分ではない。どのメーカも同じです。「規格漬け、
検査漬けの結果」とのべたのは、規格、検査だけに注意を払う設計として、変更点管
理検証(コンフィギュレーション管理)を怠った結果ということです。

[質問24]
2)温度揺らぎ単独原因説の当初不採用、後で真相原因として採用されたのは、捏造
とまで言えず、複数要因がある事実究明上の検討粗漏だったのではないか? 小生
も、自分の経験から後から振り返ると、真の原因到達まで回り道をしたことや違った
原因を採用していたことがあったと思う。
[回答23]
複数の要因案がある事実究明の後に、都合の良い要因案を採用した。そして、模擬試
験(シミュレーションテスト)をして、それを実証しようとした。 しかし、その模擬
試験では都合の良い結果がでなかった。それでデータ改竄を実施した。これが問題で
す。これが捏造です。真の原因を知りながら、間違った説を強引に押し通した。その
結果、泊3号機で同じ事故が生じた。つまり、再発防止対策に不備があった。罰すべ
きは、模擬試験(シミュレーションテスト)データ改竄です。

===== E-mail(2) ===============================
Sent: Monday, April 18, 2011 5:15 PM
To: 'fujiwara_setsuo'
Subject: 内部告発について
藤原殿
君に関する資料のうち『「原子力安全に関する内部告発」訴訟について』を大学時代
の友人のメーリングリストに流しました。それを読んだ友人の一人がこのようなメー
ルをくれました。原発そのものには携わっていなかったようですが、日立でいろんな
プラント建設を経験してきた人物です。
非常に熱心に読んで考えてくれていると感じました。しかし残念ながら、私には彼の
問いかけや意見についてコメントできる経験も知識もないので、藤原君から直接話を
してもらえるとありがたい。
メールをくれたのは七加家君と言って茨城県在住です。今回の地震ではかなりの被害
を受けています。被災者同士という共通点もあります。簡単な擬似経験もメール文中
に書いてあるので参考にしてください。
US

===== E-mail(1) ===============================
US君、
藤原氏資料に対する意見を下記します。
素人故、疑問点の列挙で、乱雑になりましたが、真剣に読んだことを理解下さい。
 末尾に小生の経験を述べましたが、殆ど担当者ではなく、管理・監督者の立場での
経験だったので、藤原氏と対立しているグループ長、検査業務部長の視点だと言われ
るかもしれません。
 U君のみに返送しようかとも思いましたが、皆さんのご意見も伺う機会も必要だと
思い全員に配布します。
【公的資格(経産省、原子力安全・保安院、JNES)を持つ、電気工作物検査員の北電
/泊原発3号機における使用前検査に関する『内部告発』について及びその他の事例】
1.使用前検査(2009.3/4~5)の”ゼロ出力運転時減速材温度係数測定”につい

1)3/4実施結果が不合格であったならば、使用前検査は不合格であり翌日の検
査を継続すべきではない? ましてや、検査員が指摘する危険事象を内在するプラン
トの運転は認めるべきではないのではないか?(資料の取り扱いより、深刻な問題で
は?)
3/4の検査そのものが成立しないとすべきではないか?つまり、不合格との結論では
なく、検査過程記録にとどまるのではないか?(これが、JNESの抹消(行き過ぎで問
題)、不備と認定する原因では?)

2)検査員の”責任と権限”には、電事法/事務規定により実施計画の策定、検査方
法の立案も含まれるが、上記”温度係数測定”に関しては、計画、方法とも妥当で
あったか?
即ち、ゼロ出力運転時、制御棒引き抜き状態での、ホウ酸の所定濃度状態における温
度係数測定は立案され、検査要領書に記述されていたか?
 → もし、Yesならば、上記1)と同様の問題がある。

3)”余剰反応度が設計予想値よりも高く、ホウ酸が入りすぎ、一時冷却水中のホウ
酸濃度が高すぎたため”とするならば、余剰反応度の設計値をやりなおし、妥当な値
でのホウ酸濃度として再検査を実施すべきではないか?
制御棒を部分挿入且つホウ酸濃度を下げるという条件設定での検査は、許されるもの
か? 許されるなら、3/4もその条件で検査実施すべきだった。さらに、3/5の検査
を”使用前検査実施要領書にしたがい”とあるが、これが正ならば、3/4の検査での
要領書は存在していなかったのか?

4)3/5実施び”制御棒引き抜き制限の条件付き”使用前検査合格としたのは、事務
規定には違反しないか? 実施計画、検査方法と異なるのでは?
さらに、この判断は本来、検査業務を統括する検査業務部長と検査結果の決裁事項で
はなかったか?

 《素人の個人的な疑問》
5)原子炉設計に求められる反応度負というのは、原子炉全体の評価ではない
か?
即ち、本件では制御棒の負反応度も加味すべきではないか?

6)PWRの基本方針は、燃料ペレットのドップラ効果による温度係数;常に負、減速
材の温度係数高出力運転状態において;負、これらを総合した出力係数は常に負であ
ること。
即ち、減速材温度係数は、ホウ酸濃度が高くなるほど、正側となり、ゼロ出力状態で
の減速材温度係数を負とするために、バーナブルポイズンを使用し、ホウ酸濃度を低
くしている。 つまり、ホウ酸濃度自身の温度係数は本質的に正ではないか?
(制御棒の部分挿入、ホウ酸濃度の適性注入が、検査条件とすべきでは?)
  
7)以上の観点から、チェルブイリ事故との対比記述が散見されるが、対比対象
として不適ではないか?

2.記録改ざん命令について
1)3/4の検査は、合否判断を伴うものであったか? 3/4の経過は、検査記録にとど
めるべきではないか?
  
2)公的書類に関して(社内書類ではなく)グループ長の責任と権限が、検査業務部
長と比し不明確であるが、グループ長による記録の改ざん(訂正、削除、変更)指示
は業務上あり得ないのでは?
  
3)”一般的に、検査業務部では、検査結果不合格時点での記録は検査成績書に
記載しない”とあるが、特殊な場合とはどのようなケースで、誰が判断するか?
また、文書化(規格化)されていないのか?
  
4)”できの悪い検査成績書”との判断根拠は何か?
グループ長の具体的説明はあったか?
  
5)電気工作物検査員の責任と権限は、検査業務部長の統括のもと有効であり、グ
ループ長は、上司とはいえ無関係ではないか?
  
6)”恫喝発言”は、パワーハラスメントであることに同意する。
*小生にも、在職時同様の経験はあったが、目の前の業務消化、同僚後輩への想いに
関心があり、時間が過ぎた。 証明できない人事考課等はあったと思う。
  
7)使用前検査事務規定違反については、3/4の検査が合否判定を伴うものでなけれ
ば、成立しないのではないか?
検査業務部長は、検査成績書の改訂不要と判断しており、妥当な経緯だと思う。ま
た、検査実施要領書に、3/4の検査について明確に記述してあったか?がポイント。
  
8)QM規定違反のQMSとは、ISO-9000/2000年版にて導入された”概念”で、それまで
のISO9000での”品質保証システム”とのとらえ方から顧客を意識した”品質マネー
ジメントシステム”という”管理体制”という認識となった。さらに、トップによ
る”コミットメント”との言葉を導入し、最高意志決定者(グループ)の責任が明確
化された。
(それまでは、世間からのお墨付き、特に欧州輸出業務での必須事項としての手法と
の認識が強かった。)
本件は、2009年に発生しており、当時JNESにおけるISO-9000の位置づけは社規(JNES
内規?)等に優先されると体系づけられていなかったのでは?(トップの責任も曖昧
だった)
従って、グループ長の不適合業務、QM規定違反とするものは、INES組織上には存在し
なかったのでは?(道義的には、間違いなく問題)

9)検査業務部長の厳重口頭注意とは、具体的に何だったのか資料から読み取れな
い。
 
10)総務部長のメールは、読解困難
    i)再検証とは?
    ii)賞罰委員会の手続き要件は何か?
 
11)再雇用否の判断は、過去3年間の勤務成績不良を理由としているがそれを裏付
ける具体的な証拠(INES把握事項)は? 再雇用協定(拒否の根拠)との整合性は?
遅刻、欠勤、明確な業務指示違反、会社(組織)の名誉等を著しく傷つけた等の事
例・証拠が必要では?(D評価とした根拠)→ 裁判官も指摘している。
 
12)”4/30迄に使用前検査報告書提出”の業務命令は、”重大かつ明白な瑕疵”
のある業務命令と言えるか? 公式文書として、3/4の記録については、改訂・削除
を指示されておらず、提出可能であったのではないか?
JNES内部における”不適合業務”とは次元が異なるのではないか?グループ長の”不
適合業務”は別途JNES内部で検討・審議すべきものではないか?
 
13)官僚の「上位下逹」体質については、官僚だけでなく、通常のビジネス関係で
も日本に限らず、ごく当たり前にあると思う(発注者と受注者)。これらを牽制する
ために様々なルール、法律が存在しているが、特に日本では、充分に機能していると
は言えない。日立でもコンプライアンス本部などが設けられたが、その成果について
は認識していない。福島の事故でも、原子力安全・保安院が原発を推進する経産省の
組織であることも所謂原子力村を作り上げ、牽制機能が働かない一つの事例だと思
う。原子力を学んだ専門家、有識者、原子力で生計を立てている人は、個々の範疇で
ベストを尽くし、真摯に生きていると思うが、原子力を改善する発想はあっても否定
する発想は出来ないと思う。
 
14)臨界ホウ素濃度の設計予想値とは、設計値とは異なるのか? 責任元は?
予想値と異なった場合の対処は明確であったか?
その後、設計予想値は改訂されたのか?
 
3.その他
1)敦賀2号機再生熱交換器配管破断事故と泊2号機の事故について
i)設計先取りとして、技術的な裏付け、根拠なしで設計変更がされることはあり得
る のか?
 設計変更を、設計内品質管理、更に検査部門による、検証・管理もスルーしたこと
になる。これは、規格漬け、検査漬けの結果ではなく品質管理のバイタルポイントで
もある”変更点管理・検証”の欠落ではないか?
  
2)温度揺らぎ単独原因説の当初不採用、後で真相原因として採用されたのは、”捏
造”とまで言えず、複数要因がある事実究明上の”検討粗漏”だったのではないか?
小生も、自分の経験から後から振り返ると、真の原因到達まで回り道をしたことや
違った原因を採用していたことがあったと思う。

以上、意見なのか疑問なのか判然としないまとまりのないものになりましたが、敢え
て送付します。

winmail.dat

fujiwara_setsuo

unread,
May 7, 2011, 8:17:54 AM5/7/11
to 原子力安全に関する内部告発
「原子力安全に関する内部告発」支援者各位
from 藤原 節男
件名 対比表 原子力施設安全情報申告調査委員会回答と異議申立(ドラフト)

頭書の件、添付のとおり、原子力施設安全情報申告調査委員会回答と異議申立対比表
(ドラフト)を作成しました。お読みいただき、コメント等ありましたら、是非ご連絡
をお願い申し上げます。
希望期限は5月11日(水)です。

追伸)
是正処置不履行、再発防止対策不履行が根本原因である福島原発事故が生じたため、
2011 年4 月7 日付E-mailにて、2010 年2 月12 日付原子力施設安全情報再申告(その
1)(その2)(その3)(その4)の再審議を、原子力施設安全情報申告調査委員会に申し出
たところ、2011 年4 月28 日付調査委員会の回答がありました。この期に及んでも、
申告不受理とのことです。そこで、異議申立準備をしています。本対比表は、2011
年4 月28 日付調査委員会の回答に対する内部申告者(藤原節男)の異議申立を示した
ものです。

添付
原子力施設安全情報申告調査委員会回答と異議申立対比表.pdf
原子力施設安全情報申告調査委員会回答と異議申立対比表.pdf
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