ジオエンジニアリング政策に関する日本政府の情報発信について感じるところを書きます。
これは僕にとっては苦手な分野です。けれども、4月13日にギャラリーに展示しました「The Global Politics of Climate Engineering」に関する図が切っ掛けになって、現状を変えて欲しいと思うにいたり発言することにしました。(今日現在、「画像なう」にも図は掲示してあります)。大分長文となりますが、御理解下さい。皆様からのコメント・反論などを期待しています。
件の図は、先月3月の26日から29日に開かれた「Planet Under Pressure」でのJoshua Hortonさん(「Geoengineering Politics」というブログ(http://geoengineeringpolitics.blogspot.com/)でジオエンジニアリングについて積極的に発言している方)のポスター発表の結論部分です。ポスターの全体は彼のブログで見ることができます。
図では、日本が米国・イギリスと並んでジオエンジニアリング研究の支援国とされています。これは、僕が感じている日本政府のスタンスとは大分異なると思います。しかし、Hortonさんの分析力から見て、これは単なる個人の意見表明ではなく、外から認識される日本の位置を示しており、更には、彼の影響力から見て、そういう認識を広め定着させるものと言えます。
さて、Hortonさんは発表前にポスターを公開し、コメントを求めていました。そこで僕は、環境省の御担当にポスターについてお知らせしました。すると、確かにこれは環境省の自己イメージとは異なるということであり、環境省として結論部分の変更を求めHortonさんに接触し、日本の立場を説明するとのことでした。
それ以後の経緯詳細を僕は知りませんが、結局、日本が米国・イギリスと並ぶジオエンジニアリング研究支援国であるという結論が変わることはありませんでした。事が迫った時点で説明しただけでは、彼の納得を得ることができなかったのだと思います。
「Geoengineering Politics」というブログを開いているだけに、Hortonさんは各国のジオエンジニアリングに対する姿勢について熱心に情報収集をしています。日本も大きな関心の対象でしょう。そして、常日頃、日本政府が外国に発信している内容に基づいて判断した結果が、「ジオエンジニアリング支援国」という結論だったということです。
では、「常日頃、日本政府が外国に発信している内容」とは一体どんなものなのでしょうか?
国内にいますと、通常、これについて直接体験する機会はないのですが、一度だけ、貴重な経験をしました。それは、本年度から開始するジオエンジニアリング関連研究の公募案内にまつわることです。
この公募について知った僕は、ジオエンジニアリングについて英米人を中心に熱心な議論がされているグーグル・グループである「geoengineering(https://groups.google.com/forum/?hl=ja&fromgroups#!forum/geoengineering)」に投稿しようとしたのです。今年の2月のことです。
そこで、この公募についての英語ソースを探しました。また、関連の資料類も探しました。そして、資料の少なさと内容のお粗末さに驚かされました。公募の英文資料は、書き出しから意味不明なばかりか誤解を呼ぶものだったのです。
日本の事情を多少とも知っている僕でさえ意味不明なものをニュースの根拠として提示して意味があるのか。英語だけを頼りに初見でどこまで理解できるのか。大いに疑問でした。しかし、ニュース価値の大きさから(日本の姿勢については外から関心が高いです)、結局、環境省のサイトと問い合わせ先を示して投稿しました。
投稿の反響は大きかったです。幾つもの問い合わせメールを受けました。同時に、この投稿が、日本政府は英米と並ぶジオエンジニアリング研究支援国であるという印象を与えたとしても仕方なかったと思います。何しろ、それまでジオエンジニアリングについて公開する報告書の一つもない日本が、突然、研究支援をする。それも、支援期間は5年と長く、金額は総額15億円(ジオエンジニアリング研究が含まれている「地球規模の気候変動リスク管理戦略の構築に関する総合的研究」の総額)というのですから。
僕は、日本政府のジオエンジニアリングに対する姿勢がどうであるのかを正しく知る立場にありません。でも、仮にHortonさんの結論が正しいものでないのだとしたら、そうなってしまった原因の一端は政府の発信の貧しさにあると思います。
ジオエンジニアリングは、「多分、避けられまい。(シャーウッド・ローランド(1927-2012);フォーラム「私の思うフォーラム」参照(http://geoeng.brs.nihon-u.ac.jp/))」問題です。地球に暮らす生きもの誰もが利害関係者です。ですから、政府による内外への広報はとても重要な筈です。
今回は政府の対外広報の貧弱さが露呈したと言えますが、対外以上に重要な対国内では、広報どころか情報開示さえもお粗末な状況です。
「日本政府がジオエンジニアリング研究支援国とされた大誤解事件」から教訓を学ぶとするならば、それは、「問題が発生した時点で泥縄で対処するのでは駄目で、日常的にどのような発信をしているかが大事」ということでしょう。
内外を問わず、ちゃんとした情報発信を切に望みます。
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ジオエンジニアリング政策に関する日本政府の情報発信について感じるところを書きます。
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