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[Announce] kinput2 version 3.0 released

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Makoto Ishisone

未読、
1999/05/27 3:00:001999/05/27
To:

kinput2 ユーザの皆様、

kinput2 のバージョン 3.0 をリリースしました。

ソースは以下の場所にあります。

ftp://ftp.sra.co.jp/pub/x11/kinput2/kinput2-v3.tar.gz

今回のリリースはメジャーバージョンアップで、今までのバージョン(最後は
version 2.0 fix4) に比べると、次のような大きな機能が加わっています。

* Wnn6 をサポートしました。変換エンジンとして Wnn6 が使用できます。
もちろん FI 変換ができます。Wnn4 か Wnn6 かは kinput2 のコンパイル
時に選択することができます。Wnn6 を選択した場合、Wnn4/Wnn6 のいず
れの jserver にも接続して使用することができます。
Wnn4 と Wnn6 とでは使用する wnnenvrc が異なりますが、これは
-wnnenvrc4 および -wnnenvrc6 オプション (あるいは *wnnEnvrc4 およ
び *wnnEnvrc6 リソース)で独立して指定することが可能です。

* 新たに on-the-spot 変換スタイルをサポートしました。これはいわゆる
その場変換方式の1つです。もう1つのその場変換方式である
over-the-spotとの違いは、変換途中のテキスト(プリエディットテキスト)
を誰が描画するかにあります。over-the-spot では入力サーバ、つまり
kinput2 が描画しますが、on-the-spot では描画はクライアントの責任に
なります。したがって on-the-spot を使うには、クライアントが
on-the-spot タイプの変換スタイルをサポートしている必要があります。

* ついに Wnn の辞書登録機能が実装されました。kinput2 から単語を辞書
登録できます。ただし、実際の登録機能は kinput2 とは別の tkwnnregと
いうアプリケーションが行ない、kinput2 はこのアプリケーションを呼び
出すことによって登録機能を実現しています。したがって登録するには
kinput2 の他にこのアプリケーションが必要です。これは名前からもわか
るように Tcl/Tk で書かれており、ソースは

ftp://ftp.sra.co.jp/pub/lang/tcl/contrib/tcl-wnn-0.3.tar.gz

にあります。ただしこれはまだα版です。kinput2 をリリースしたので、
次はこちらの改良にとりかかる予定です。

今年は kinput2 の前身である kinput のリリースから10年というめでたい年
(?) なのですが、それに合わせたかのように、お二人の方からコードを寄贈し
ていただいて、大幅に機能が追加されました。上記の Wnn6 および
on-the-spot スタイルのサポートのコードはいずれも寄贈していただいたもの
です。

その他にも version 3.0 では次のような点が改良されました。

* version 2.0 fix4 で入ったたまご (egg) のエミュレーションが改良され、
より実際のたまごに近付きました。

* Wnn6 のサポートにともない、Wnn4 のコードも大幅に変わりました。その
ため、Wnn4 も今までとは多少操作感が違っています。

* さまざまなバージョンの Xlib や Xt ライブラリのバグの回避策を入れま
した。例えば、今までは Xlib のバージョンによっては ASCII 文字と漢
字の混在した文字列を確定すると文字化けを起こすことがありましたが、
このバージョンでは直っているはずです。

* FilterEvents という XIC 属性をサポートしました。これにより、Motif
ベースのアプリケーションが発狂することはなくなるはずです。

* over-the-spot スタイルの変換時に表示されるモードシェル (現在の変換
モードを表示する小さなウィンドウ) に mwm ウィンドウマネージャ用の
ヒントを設定し、タイトルバーがつかないようにしました。最近のウィン
ドウマネージャはこのヒントを参照するものが多いようで、これらのウィ
ンドウマネージャをお使いの場合には、何も設定しなくてもタイトルバー
がつかなくなります。

* いくつかのウィンドウマネージャと kinput2 との組合せでは、入力フォー
カス処理がうまくいかず、モードシェルが現れたり消えたりを繰り返して
入力できないことがあります。これはウィンドウマネージャが ICCCM に
準拠していないためだと思われますが、その回避策として
useOverrideShellForMode というリソースを用意しました。詳しくはマニュ
アルを見てください。

αテストおよびβテストに時間(だけは)かけたので、大きなバグはないと思っ
ていますが、もし何か問題を発見したら kin...@sra.co.jp まで報告をお願
いします。バグだと思われるような症状を見つけたらぜひ報告してください。
再現性がある場合には再現手順を添えてもらえるとうれしいのですが、そうで
ない場合もとりあえず報告だけはお願いします。我々開発者はそもそもそうい
うバグの存在にすら気がついていないことがほとんどです。

それから、バグレポート以外にも、改良の要望なども kin...@sra.co.jp
でお寄せください。ただし要望がかなえられるかどうかについては全く保証の
限りではありませんが。

さらに、kinput2 の将来の配布に取り込んでほしいコードなどありましたら
やはり kin...@sra.co.jp まで御一報ください。

-- ishi...@sra.co.jp

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