WA 『尖閣諸島は誰のもの?』(猫王 @ 腱鞘炎さんの日記)・・国際法に詳しいらしい・・ :tk

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Sep 26, 2010, 12:25:37 PM9/26/10
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『尖閣諸島は誰のもの?』 (猫王@腱鞘炎さんの日記)・・国際法に詳しいらしい・・
http://www.asyura2.com/10/warb5/msg/746.html
WA 746 2010/9/27 01:25:34
投稿者: tk

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1582580200&owner_id=147405

日本の非知性の潮流 2010年09月14日21:37
■蓮舫大臣が不適切発言「尖閣諸島は領土問題」
(読売新聞 - 09月14日 18:37)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1342053&media_id=20


『尖閣諸島は誰のもの?』

■はじめに

尖閣諸島の領有権など、どうでもいいのだ
それは日中両政府も同じ
対面を気にする両国の右派とその影響を受けている者だけが、問題にして騒いでいる


◆じゃ~なぜ揉めるのか?

東シナの地下資源を、両国とも我が物にしたいがためだ

島など、土地の領有権を巡る、国家同士の問題が起きて
両国間が合意に至らないときは
国際司法裁判所で決着をつける、国際的な慣習、ルールがある


◆では、なぜ国際司法裁判所に提訴しないのか?

日中両国とも、自身の領有権を主張する理屈が
あやふやなのを理解しているからだ

もし裁判に負けて、尖閣諸島を失うことにともない
「排他的経済水域」の境界線の変更により
地下資源の自国の取り分が減ることを恐れるからだ


海底地下資源がどの国に属するかは、「排他的経済水域」によって決まる
これは複雑な問題なので、いちいち解説していたら長くなるので
ひじょうに大雑把に説明します

国際ルールによって、境界を定めると
日中の両国の、地下資源を独占したいという思惑が叶わないからだ
両国ともに、地下資源の権利を得ることになる
だからこの問題も、提訴は出来ないんだよね

独占が不可能なのは両国とも理解しているので
お互い、外交手腕を駆使して
少しでも自国に有利な条件で、地下資源を得たい

日中両国がこういう思惑である以上、自国に有利な条件での合意なんて無理だわな
そこで、今年の六月に両国が、地下資源の問題で
痛み訳の手打ち合意して、一応の決着がついたのだ

そうであるのに
「中国は尖閣諸島を侵略している」
「中国は地下資源を盗掘している」
などという主張は、まったくのデタラメだ


「排他的経済水域」の境界線を、国家間でも揉めた場合は
国連海洋法条約の、第5部の排他的経済水域の項目にある第74条に
以下のように記されている

「向かい合っているか又は隣接している海岸を有する国の間における排他的経済水域の境界画定
向かい合っているか又は隣接している海岸を有する国の間における排他的経済水域の境界画定は、衡平な解決を達成するために、国際司法裁判所規程第38条に規定する国際法に基づいて合意により行う」

■それは分かったけど、どっちの領土なのか知りたい

日中両国とも、自国の領土だと主張するには
決定的な根拠がないのだ
以下にそれを見ていこう


◆日本側の主張

外務省の主張をみる
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/

「清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上
1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行なって正式に
わが国の領土に編入することとしたものです。
 同諸島は爾来歴史的に一貫してわが国の領土たる南西諸島の一部を構成しており、
1895年5月発効の下関条約第2条に基づきわが国が
清国より割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれていません~(後略)」

※読みやすさを考慮して、改行しております


この主張が正しいかどうかも疑問があるんだが
そこには今回触れないでも、コレにはへ理屈なのだ


◇日本側主張の間違い

①戦前の占有を根拠にする主張の間違い

第二次世界大戦終結後、沖縄はアメリカに組み込まれている
アメリカ政府は沖縄県は独自の国で
沖縄の人は日本に同化された異民族という考えで、軍政下に置いたのだ

この時点で、日本の領有権は失効している
言い換えるなら
これで日本の実効支配(占有権も)失われている

国際司法裁判所の、似たような領有権をめぐる判例でも
領有権を主張するには、実効支配の継続が必要だと示されている
(「東部グリーンランド事件」 常設国際司法裁判所 1933年4月5日)


②沖縄返還後の主張の間違い

日本は沖縄返還後、日本の実効支配していることにより
日本の領土だと主張する

先にリンクを貼った外務省の主張を見ると、こうも言ってる
「1971年6月17日署名の琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(沖縄返還協定)によりわが国に施政権が返還された地域の中に含まれています」

これは国際法を無視した、おかしな主張なんだよね

いったん、米の沖縄支配により
日本の領有権は失効している
沖縄返還後に、尖閣諸島が日本の帰属することを日米の合意によってなさようとしている
このことが分かって、中・台が抗議をした
(もちろん冒頭でも述べたように、地下資源が目的だけどね。それは日本も一緒だけど)

国際法で、自国の領土だと主張し、それが確定するには
他国の抗議がないことが条件にある

これまた国際司法裁判所の判例を紹介しておこう

・「リギタン島およびシパダン島に対する主権事件」 国際司法裁判所 2002年12月17日

「他国におよる不同意・抗議の表明がされることなく」、
「法規則といった疑いようのない明確な文書に基づく、(政府)組織による発現が必要」

日本の主張は、この要件を満たしていないんだな

沖縄の支配と返還の当事者である米国政府、その報道官も
「沖縄の施政権返還は、釣魚島の主権問題には関係しない」と発言している


◇1895年に日本が閣議決定したんだから、実効支配が成立している?

これも似たような国際司法裁判所の判例(先に挙げた東部グリーンランド事件)をみると
これで勝訴しているのは、ちゃんと相手国や諸外国にも
「うちの領土としますよ、いいですか?」と
聴いてるんだな

判決にも、「相手国の承認」を理由にしている
この点、日本は中国や国際社会に聴いてもないし
中国も承認していない

ネットでは、東部グリーンランド事件の判例をもとに
実効支配が有効というのもあったけど
これまた右派お得意の、「都合の良いとこだけ持ってきました」ってやつだね

もし仮の話で、中国が承認したとしても
武力侵略による承認でしかなく
この力で脅した承認は、有効であるのかはなはだ疑わしい


◇日本側の主張についてのまとめ

判例でも明らかなように
国際法を曲解し、利用した屁理屈にしかすぎない
まあ、これはちょっと言いすぎか

法の不理解により誤謬といったほうが正確だけど
外務省のエリートが、こんなこと分からないはずがないから
やっぱり意図的だよな
そう思えば、屁理屈なんだよなw

◆中国側の主張をみる

長いので、私の解釈で書かせていただきます

①もともと中国領土だ(史料に基づく主張)

②日清戦争で中国の負けが決定的になったときに
日本が領有権を主張したので、侵略であるので日本の領有権は無効
沖縄とともに日本の領土とすることは認められない

③カイロ宣言で、侵略した土地を返すことになっているのだから
尖閣諸島も返さないといけない

④サンフランシスコ条約は中華人民共和国が参加しておらず
日本との不完全な講和条約であり、中国政府は法的根拠がなく無効

こんなとこかな?
これらも、やっぱり日本と同様におかしいんだよな


②~④の主張は、尖閣諸島はもともと中国の領土だという主張に基づいている
日本の領土であることを、否定する意見としては
拝聴すべき主張だが
これに触れ出すと長くなるので、今回は触れません

尖閣諸島は中国の領土だったのかのみを扱い
中国領だったという根拠である、史実・史料に着目します


※私は極右政治家と、伝統的な本当の右翼と関係ない小林よしのり的なエセ右翼
彼らの屁理屈に対して反論している
私の主張に反論するのは、大概が彼らなので
中国の主張を間違っていると主張する項は、詳細にやる必要もないだろうから
かなりはしょっていきます


◇史実・史料による中国の主張の、間違い 

中国の主張を、日本の場合と同じく
国際法からみて考えます

領域取得の諸権原には、先占、時効、併合、割譲、添付、征服がある

要は、国がココは私の領土ですよと主張するには
国際法上、上述したような原則がありますよってことです


中国の主張は史実・史料に基づいて、この原則のうち
「先占」をもってなされている
中国の先占を示す史料があるのだ
(その史料が、どれだけ歴史事実を示しているか史料精査が必要だが)

この「先占」とは、無人島のような未発見の島に適用される
(よって日本の先占、実効的占有は屁理屈なんだが)
正確にいうと、人が住んでるか住んでないかも関係ないらしい
(事例で学ぶ国際法 島田征夫編著)


史料から、中国は最初に尖閣諸島を発見してますよと主張している
それが正しかったとしても、尖閣諸島の領土であることの証明にはならない

日本のところでも述べたけど
実効支配が継続していないと、発見しただけでは領有権は認められない
発見し、漁業などの実効支配に類する行為を行っていたとしても
原初的な権利を認められるだけで、正式な承認とはならない
このことは、先に挙げた原則のひとつ、「時効」においても言われていることだ

「時効」とは、簡単にいうと
どんだけ長く実効支配していたかによって、領有権が決まりますよってことです


◇中国側の主張についてのまとめ

尖閣諸島は日本のもんだと主張する人が、公開している史料や資料をみていくと
史料に出てくる時代(江戸以前)には
中国は尖閣諸島にあまり関心がなかったし(それは日本も同じ)
慣習的になんとなく、うちの領土じゃないの?
もしくはうちと宗主国の関係を結んでいた琉球のもの
その程度の感覚だったと思う

地下資源があることが分かって、領有権問題を意識しだした
そこで、中国がそれまでなんとなく思っていたこと
歴史的慣習を持ち出して、領有権を主張しだした

この感覚も、理解できなくはないが
近代以降、両国で合意に至らない場合は
国際法に則って、領土問題が解決される

尖閣諸島は沖縄返還も絡むので
国際法による判例からみても、かなり特殊だ
沖縄返還後に一からやり直しである

だから、中国の牧歌的な感覚で、領有権を主張するには
これもまた決定力はない

■結論

日中どちらの主張にも、決定的な論拠はなく
どちらの領土か分からない
ルールに則って、国際司法裁判所で決着をつけるべきだ

国境は時代と共に変化することは
歴史の様々な事実が明らかにしている

両国とも
もともとうちの領土ですという主張(日本は明治期の閣議決定、中国はそれ以前の牧歌的なもの)だけでは
国境を決める理由にはなりがたい

アメリカの沖縄支配によって、リセットされるからだ


私個人としては、日本優位な感じもするが
「中国は日本の領土を侵略している」
「日本の地下資源を盗掘している」

このような、エセ右翼や右巻きバカボンの
オカルトな主張に反論するために
この問題を扱った

このオカルトな言説についての反論は
日記本文が長くなったので
コメント欄に記します

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

蓮舫大臣が不適切発言「尖閣諸島は領土問題」
(読売新聞 - 09月14日 18:37)

 蓮舫行政刷新相は14日午前の閣議後の記者会見で、東シナ海の尖閣諸島周辺の日本領海内で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船船長を逮捕した事件について「領土問題なので、毅然とした日本国としての立場を冷静に発信すべきで、感情論に陥るべきではない」と述べた。

 その後、都内で記者団に「誤解を与える表現があった。訂正する。尖閣は歴史的にも国際法上もわが国固有のものだ」と釈明した。政府は、尖閣諸島について「領土問題は存在しない」という立場を取っている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

===

コメント

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猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 21:38
◆中国は尖閣諸島を不法占拠している?

領海を定めるのは、国際法によります
領土問題が起きた時は、国際司法裁判所に提訴して
その帰属を明らかにします

尖閣諸島が日本の領土であって
中国が侵略しているという意見がよくありますが
それが本当なら
なぜ国際司法裁判所に提訴しないのでしょう?
おかしな話です

このような
・国際法で領海を定める
・国際司法裁判所の提訴
ルールを無視して、独自の理屈や解釈で
「日本の領土で間違いない!」という主張は
ちょっと道理も理屈も通らないんですよね

◆地下資源問題

東シナガス油田の、日本側の主張の根拠の主要なものは
「排他的経済水域」です

日本が勝手に、日本と中国の境界線、「日中中間線」を定めたんです
いいですか、中国や国際機関の了承なしに
日本が自分で勝手に定めたんですよ

中国は、その外側から
調査、採掘しているにすぎません
しかも、その費用は全部自前です

調査結果を日本に無償で教えろとか
採掘したモノは日本にも権利があるなどとは
ちょっと泥棒のような理屈に聞こえます


◆境界線の外側からと言えど、日本の地下の資源を取ってる諭

境界線の外側からと言えど
境界線をまたいで、ガス油田は日本の「排他的経済水域」の地下に及ぶ
だから盗掘だ
そういう日本側の主張があります

この主張が正しいなら
やっぱり国際司法裁判所に提訴するなり
何らかの国際機関に訴えればいいんですよ

後者の場合は、国際機関が問題の判断を下すのに
適しているかどうかの問題を考えないといけないですが

なぜしないんでしょうね?
したら、日本の主張が全面的に通ることはないことを
知っているからです

サダム=フセインが統治するイラクが
クウェートに対して、まったく同じ理屈を主張して
国際社会から非難を浴びたんですよ

クウェートはイラク国境付近で油田を掘った
イラクの石油を盗掘している

これが、イラクのクウェート侵攻の、ひとつの理由とされました


「自国の地下資源が、他国にまでまたがっているので採掘してはいけない」
この理屈も、ずいぶんおかしな気もしますが
これが正しいと仮定しましょう

だとしたら、日本も採掘してはいけませんよね
じゃ~どうやって解決するか
二国間協議するしかないんですよね

そこで、実際に協議して
今年の六月に、日中両政府で合意に至りましたよね
http://www.47news.jp/CN/200806/CN2008061501000588.html

内容は
(1)日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線「日中中間線」をまたぎ、天然ガス田
「翌檜(あすなろ)」(中国名・龍井)周辺海域を共同開発
(2)中国が開発に着手しているガス田「白樺」(同・春暁)に日本側も出資
(3)残りのガス田周辺海域は継続協議とし、境界線問題は棚上げ-など


こういう事実を無視して
「盗掘だ」、「侵略だ」という主張は
まったくもっておかしな主張です

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 21:38
「先占」については
「平和的且つ継続的」に行われなければならないのです
(それだけじゃないですけどね)

戦争相手と、どちらの領土か微妙な土地を
自分たちが占有したといっても
それは「平和的」とは言えません


じゃ~、沖縄返還以降は、日本が実効支配しているという人もいますが
それも国際法の判例からみても、間違いです
判例については、別建の日記に書きました

米国が実効支配した時点で
国際法上には、日中台の領有権は切れたのです
そこで、あらたにどの国の領土となるかです

日本が実効支配していると主張する人もいますが
それについても、関係諸国からクレームがつかなければ
成り立つんです
その条件も満たしていません

中国、台湾も、自国領であることを主張しております


沖縄返還以降、日本が実行支配している
その実効支配の中身をみても
これまた、実効支配にあたりませんね

余談ですけど、国際法そのものが
そもそも帝国主義の国の都合で作られた一面があります
一応は、国際社会のルールを守る必要はありますが
それを教条的に絶対視するのでなく
国際法そのものを、批判的にみていくことも必要ですね

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 21:39
日清戦争で、日本の勝利が事実上確定している時期で
「火事場泥棒」です
これをもって、この時期の尖閣諸島が、誰も支配していない土地
国際法の言葉でいうなら「無主地」は言えません
「平和的且つ継続的」に行われなければならない「先占」にも当りません


しかし、ご存知の通り
沖縄が米の支配地域になったとき
尖閣諸島も同時に、米の支配地域に入ったのです

終戦から沖縄返還までの間
尖閣諸島を実効支配していたのは、米になります

この問題の最新の日記でも書きましたが
原則の「時効」に当てはまり
もし例え、1895年の日本の占有を認めたとしても
この時点で、領有権を失っております

返還が決まってから、新しく領有権をめぐる争いが起きているのが
本当の領土争いです

米による尖閣諸島の実効支配以前の歴史は
もう両国とも無効なのです

ちょとここはややこしいな
じゃ~なぜ中国は史料をもってして、もともと中国の領土だと主張するのか?

それは、返還後のあらたな領有権争いに加わるために
持ち出しているんですよね
過去に支配をもとに、現在も領土だと主張しているのではないのです

アメリカが沖縄を日本に返すときに
「その島はうちのもんですよ」とクレームつけるときに
理由が必要だから、言ってるんです

中国も現在の実効支配を主張しようと
色々行動しているのは、その口を挟む権利の主張と
現在の領有権を、別けて考えているからです

※補足

戦争に負ける寸前の状態で
離れ小島を実効支配(これも国際法の言葉です)することは不可能です
日本にアメリカ軍が進出している時期に
日本領土の無人島に、実効支配がないからといって
アメリカが「先占」したから日本の領土だといって
その主張が通るでしょうか?

まあ、これは本質的な話ではありますが
これを言っても話は平行線なので
ここは軽く触れておくだけです

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 21:39
もし日本の領土が本当に占領されていたり
不当な占拠をされているのであれば
国際社会に訴えればいいのであるし

国際司法裁判所での解決を、相手が拒否しても
国連海洋法条約上の強制的解決で対処できます


それができないのは、不当な占拠ではないからです
そういう事実を無視して
ネットを中心に、自称愛国主義者の似非右翼などが騒いでおりますけど


日本は竹島も尖閣諸島でもそうですが
不当占拠にあたらないのに
外交の落ち度をごまかすために
内向きには
相手のことを悪くいいますが
実際には、相手に訴えてすらいないのです

右派の人も、それに激怒しています

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 21:39
要は、どの国のものかという
決定的な証拠がないということです

アメリカの絡みは
国際法上を解釈すると
領有権を喪失しているという話で
アメリカと日本の、両国間の話し合いの問題は
そういう国際法上の話とは無関係にやり取りされたというものにすぎません

そもそもが、アメリカが日本のものだと思っていたとしての
その根拠が乏しいのです

単に、アメリカが返すよと言ったところで
その主張に、客観的な根拠があるかというと
そうじゃないということです


結局、この問題は
どこかの国に帰属するというかたちでは
解決しないでしょう

日中は、経済的に最大のパートナーで
切っても切れない関係にあります
尖閣諸島は、経済的権益が見込めるからこそ
係争になっております

実際にそれを利用するのは
国という抽象的なものではなく
企業などの経済活動体なので
合弁企業などが、尖閣諸島の経済開発と利益を得るというかたちで
両国に、関係諸国に利益を分配する
そういうカタチで、落ち着くことになるでしょう

実際、いまそういうカタチに向かっていますね
コメント欄の上で私が紹介している事実などは
そういう方向ですね

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 21:40
もっと根本的なことを言うと
国際法というものは
欧米列強が、自分の利益のために設けた詐術のようなものです

国際社会の発展と共に
それはカタチを代え
世界の利益の調整する方向に向かってはいますが

もともとは領土問題や経済権益を
他国から奪うための
欧米列強が定めた詐術的ルールです


アジアには、もちろんそういう欧米の国際法などなく
牧歌的な国際感覚、領土感覚があっただけです

尖閣諸島も、どちらがどうのという
明確な意識がないことは
それこそ、日本や中国が提示するたくさんの史料を鑑みると
浮き彫りになってきます

そこへ、遅ればせながら列強の仲間入りを果たした日本が
尖閣諸島をはじめ、戦争中に領土を拡大しました
その正当性を主張するために

都合のよい
欧米列強の詐術を利用している
それにすぎないのです

ゆえに、この問題を
国際法上の問題に帰して思考すること自体が
間違いなのです

こういう考えは、国際法自体を学ぶ場所でも
語られていることです
国際法について書かれた学術書などを
参考にされると良いでしょう


しかしながら、そういう詐術をもって
事実と異なる主張をするものがいるので
あえてそれに乗っかって
その屁理屈ですら通らないことを
示しているのです

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 21:40
どちらの領土か分からない状況で日本が戦争中に、領土編入
(国際法上でも、正当だという根拠ない領有権)
これが最初

次に、戦争終結後、アメリカが領有
・これは、単なる二国間の関係にすぎないこと
・そこで語られていることには、正当な根拠を持たないこと

もうちょっとこれを説明すると
日本の領有権(そもそもそんなものがあるのが疑問ですらあるけど)が
消失しているということ
なぜなら、領土は時代とともに変化しているし
・沖縄の問題をみても、返さないという選択肢があること
・変換は、あくまでも強い立場の国の利益にかなう、かなわないでなされること

要は、拝借するという主張自体が
建前にすぎないということです


そして沖縄返還後
領有権は、あいまいなままだということです
それについては、日記本文やコメント欄で
詳細に説明さしあげた通りです

どちらの領有かは、実際に定まっておらず
竹島や尖閣諸島などの、領有権問題で
不当な占拠にすら、事実として存在しないこと


事実関係を簡単に時系列で説明すると、こういう感じですかね

---

のぶくん 2010年09月14日 21:51
ニュースから失礼します

国際司法裁判所は両国のサイン(表明?)が必要なのですよね?だとしたら中国が受けないといった可能性もあるのでしょうか?

同じ例で竹島がありますが、あちらは韓国が司法裁判所を避けてるとよく報じられてますね。

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月14日 22:02
中国は拒否するでしょう

だけど、そのときは
堂々と、その態度を批判し
国際社会に訴えればいいのです

竹島問題は、約50年間、日本は何もしておりません
事実上、放棄しております

国際司法裁判所を避けているというのは
約50年前にそういうことがあっただけで
それを、いつまでも
竹島問題の言い訳に、国も、外務省も使っているのです


相手国を、公式の手続きをとらずに
陰口のようなレベルで非難しているだけで
正式な手段、ルートとしては
なんら、解決手段を取ろうとしておりませんし
抗議すらしていません


本当に不当な領土の占拠であるなら
正式に、相手国にクレームをつければいいし
何度も繰り返しいいますけど、それすらしていません

国際機関に訴えればいいし
国際司法裁判所など、相手国が合意しなければ
そのときは、堂々と胸を張って
相手国の不誠実を訴えればいいのですし

もし本当に!
不当な占拠、占領であるのなら
国連海洋法条約上の強制的解決で対処できます

それを日本がしないのは
出来ないから!
占領じゃないから、出来ないです

占領じゃないことの分りやすい説明は
上のコメント欄でも、上でした通りです


日本は、なんらとるべき手段をとっていないんですよ

その言い訳を、自らのダメさ加減を
相手陰口レベルで非難しているのが
日本の政府、外務省です

---

ロボプチ@or-z 2010年09月15日 00:55
ニュースから失礼します

長い文章に挫けるかと思いましたが、なんとか読み切りました

大変勉強になります

読んだあとで、改めてこの問題を考えてみると

『まあ仲良くやろうよ』

という感想が出て来ました

こんなことを言うと、ネトウヨさん達に怒られてしまうかもですね

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月15日 00:56
※日記本文の訂正

日中の話合い、合意について

「今年の六月」と書いておりますが
この日記は、その当時に書いたモノの転載です

日中で合意に至ったのは、数年前です
2008年だったかな~?
ぱっと出てきません
ゴメンちゃい

正確にお知りになりたいかたは
さくっとググってみてください

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月15日 01:06
≫ロボプチ@or-zさん

長いのは本当にゴメンなさい」

いつもお読み下さる方に
申し訳ないと思っております

もっと短く解説する能力がなく
これが限界なのです


領土問題は、竹島でも尖閣諸島でも
日本の外務官僚が、へたれすぎなんですよね

それを認めると、キャリアの失点になっちゃうから
屁理屈こねて、相手の国を非難しているだけですね

だから、少しまともな右翼は
相手を責めるんじゃなくて
逆に日本の官僚や政治家に、怒りの矛先を向けていますね

中国は反人権国家だし
日本も、それに劣らないダメダメちゃんな国だから
まずか、両国の国民同士が
冷静に、仲良くしていかないと
変わらないでしょうねー

---

のぶくん 2010年09月15日 01:20
回答ありがとうございます。

そういえば日本って竹島についても司法裁判所に提訴してないんですね・・・
相手国以前の問題ですね

私は竹島は日本の領土だと思ってますので堂々とすればいいのに、と思います。

---

ぽめぽめ 2010年09月15日 01:26
相変わらずの対応で…と、思ってました。
アジア共同体ができるとは今現在全く思えないけれど、それはこういう小競り合いも理由です…。
小競り合いする前にすることが山のようにあるだろ、と。
くだらないとは言わないけど、こんなことより大事な外交はどこへ捨ててしまってるんでしょうね…。
情けなや…。

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月15日 13:02
世界は共同体の方向に必ず向かいますけど
アジアは、反人権地域ですし
特に日本を中心とする歴史問題がありますから
そういった地域統合の流れから、取り残されるかも知れませんね

その結果、アジアがアフリカと並んで
最貧地域にort

---

猫王@腱鞘炎 2010年09月25日 13:27
実は日記本文は、とても雑に論じているので
ちょっと補足しておきます


私が言いたいのは、領土問題における
国際法を利用した主張は、インチキだと言いたいってこと

日米の沖縄の「領域主権の移譲」の理屈が通るなら
武力による土地の強奪は、みんな正当化されちゃう

戦争に勝った国が、負けた国の土地(この場合は沖縄)を
アメリカの自らの戦略的利益のために
「領域主権の移譲」の名目で奪い取ったわけだ
こんなの、国際法における領域権原の「征服」に相当する
(※征服は現在みとめられていない)

だけど、繰り返すけど
「合意による領域移転」という建前で、戦争に勝った国が
己の利益のために沖縄を得たわけだよ

そういう建前をうわべでやっておきながら
アメリカは、自らの利益のために
沖縄を、国家として独立させる方向を模索した
その事実が、この国際法上の解釈・理念が
建前にすぎないことを現している


このような、国際法の形式的解釈や、概念を
国際法の専門家すら
日本の領土の問題になると
なぜか安易に混同しちゃう

ここが、日本のこの問題における
国際法を持ち出して主張する場合の、インチキなの!


んで!
この事実上の「征服」すら、国際法で合法だと
日本側はいうんだから
その主張をもとに、竹島や尖閣諸島は日本のものだと言うんだから

じゃ~
「合意による領域移転」という建前をもってきて
征服を正当化するなら
日本の竹島や尖閣諸島、ましてや沖縄の
「先占」を理由にした領域権原は消滅しちゃう
リセットされちゃうわけだ

わかったかな?

国際法を持ち出すやつが
下手したら学者ですら
都合よく詭弁
もしくは形式的に法律を扱い、実態を無視するという
言葉遊びをやっているわけなんだよ

竹島や尖閣諸島の問題は
現在の国際法では、解決できないんだな

そもそもが、アジア的な牧歌的な領土感覚に置かれた島だったんだから!


国際法に限らず、法律はね
力の強いものが、己の行為を正当化するために
利用されるものなのだよ

それをさせないために、人権を
法律のもっとも基礎に据えてあるわけだ
だーけーど
いまだに国家権力もそうだけど
力の強い者が
己の悪行をごまかすためであったり
正当化するために
言葉遊びを弄して、悪用されているのだよ

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ロボプチ@or-z 2010年09月26日 14:38
私の日記に、この日記のリンクを張らせていただきます

どうも、上手に説明ができないもので・・・

ご迷惑おかけいたします

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カナメ 2010年09月26日 15:13
すいません。バカなもので・・・

1880年代後半に和洋島には日本人が定住&生活していましたよね?
中国政府から贈られた「日本領和洋島」と明記された書簡が示すように
その当時は両国間で「日本領」という認識があったんですよね?
これは国際的に言う「合意」には入らず&沖縄返還のゴチャゴチャと時効やなんちゃらで結局はどちらの領土かは白紙になっている。
バカな頭で省略しちゃいましたが・・・
そう理解しても良いですか?

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猫王@腱鞘炎 2010年09月26日 19:28
≫カナメさん

尖閣諸島の領有権に関しては
日中のそれぞれが
自分たちの領有権を主張しようと

ささいな事実や史料を持ち出して
自国の領土だと主張しておりますが

どれも!
明確な!

自国の領土たる根拠にはなりません

だから、領土が確定しないんですよ

それを、お粗末で不十分な事実や史料を
さも、それが決定的かのように
お互いのバカども(両政府や両国の似非右翼)が
主張しているにすぎないのです

んで!
国際法うんぬんの話も、言葉遊びのようなもんで
その議論すら、尖閣諸島においては
たいした意味を持ちません

なぜなら、国際法による領土確定の仕組みは
中世以降の覇権国家が
己の領域獲得のための詭弁であり
暴力を背景にして
相手を押さえ込ませるための法律にすぎなかったからです

当時のアジアには、そのような考え方がなく
牧歌的な、領域感覚しかなかったんです

だから、国際法を持ち出して
昔の話にまでそれを持ち込んで
うだうだいっても、アジアには適さないんですよね

んで、国際法うんぬんも詭弁だけど
それでもあえてその話に乗っかるなら
アメリカが戦争に勝ったという暴力で
沖縄を支配したわけだから
国際法うんぬんというのも
通らないぞと、そういうことです

あまり国際法の議論は、意味がないんです

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たつや 2010年09月27日 00:08
非常に参考になるエントリでした

ニュースで出てきた日本の領有権の根拠とされる書面が、中華民国との間でやり取りされた感謝状だけだったっていうのが何とも腑に落ちなかったのですが、ようやくすっきりしました。
ありがとうございます。

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猫王@腱鞘炎 2010年09月27日 00:47
≫たつやさん

コメントを複数いただきまして
どうもです!


参考投稿番号: http://www.asyura2.com/10/warb5/msg/744.html

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