プライバシー・ポリシーを読む

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fujio maruyama

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Dec 1, 2011, 4:08:21 PM12/1/11
to 日本Androidの会
丸山です。

今回の定例会は、Androidのセキュリティが一つのテーマですが、何のために
セキュリティが必要なのかと考えると、ネットワーク上でコミュニケーションと情報の
共有を進めながら、個人のプライバシーとコンテンツの権利を守るという課題が
重要であることが分かります。

著作権管理の新しいスタイルについては、以前、「Pay Once, Play Anywhere」
というポストをしましたので、ここでは触れません。 http://bit.ly/uefqZb

この間、Gang of Four(Google, Apple, Facebook, Amazon)を中心に、各社の
プライバシー・ポリシーを読んでいました。以下、簡単なコメントです。

まず、確認したいのは、各社のプライバシー・ポリシーが、必要に応じて最新のものに
更新されていると言うことです。各社のプライバシー・ポリシーの最終更新日です。

Google     2011年10月20日
Apple     2011年10月12日
Facebook  2011年8月27日
Amazon    2011年11月4日

また、概してどこも似たり寄ったりの、日本の会社の「プライバシー・ポリシー」と比べると
各社のプライバシー・ポリシーが、会社の特徴が良く出ていて、スタイルや強調点が異なることは、
印象的です。

こうした更新のスピードの早さや各社毎のプライバシー・ポリシーの特徴は、彼等の
プライバシー・ポリシーが、彼等のビジネスの展開と深く結びついていると考えると、よく理解できます。
同時に、彼等のプライバシー・ポリシーの少なくない部分が、プライバシーの尊重を求める声の
広がりに、敏感に反応していることも、よく分かります。

ネットワーク上で、コンシューマをターゲットにビジネスを展開する上では、適切なプライバシー・ポリシーの
設定は、ある意味、本質的に重要だと、僕は思っています。もちろん、現時点で、「正解」と言える解が
あるわけではないのでしょう。ただ、いずれコンセンサスは生まれていくと思います。

各社のプライバシー・ポリシーに、簡単なコメントを。

Googleについては、その「プライバシー原則」で述べている、次のような観点が特徴的です。
 「Google では、既存のテクノロジーの限界を超えるようなアイデアやサービスを追求しています。
  責任ある企業として、Google は技術革新とユーザーのプライバシーやセキュリティが、
  適切なバランスを保つよう努めています。」
技術とプライバシーとの「バランス論」ですが、僕は、基本的に、それと近い考え方です。
(技術も変化するように、プライバシーの意識も、変化すると思います。)

Appleは、今年の春、iPhoneの位置情報の取得をめぐって大きな問題になります。アメリカ上院の
公聴会に召還されるなど大変でしたが、10月に改定されたプライバシー・ポリシーは、それへの
回答で、次のように明記しています。
 「アップルならびに当社のパートナーおよびライセンシーは、お客様のアップルコンピュータ
  またはデバイスのリアルタイムの所在地を含む正確な所在地データを
  収集、使用および共有することがあります。」
プライバシー保護論者の「非難」に、ひるむところはありません。指摘された問題については、
プライバシー・ポリシーを整備・公開することを通じて、会社の立場を明確にしていくという姿勢は、
立派だと思います。

Facebookは、4社の中で、最も「情報の共有」に力を入れています。そのプライバシー・ポリシーは、
まるで、情報共有のチュートリアルの様にもみえます。彼等はまた、共有の範囲が自身でコントロール
出来るようにすることに力を入れています。それは、いいことだと思います。
僕は、基本的には、自分のプライバシーの範囲は、自分が決めるべきだと考えています。
「情報共有時代のプライバシー」を考える上で、プライバシーの自己決定という考え方は、本質的に
重要です。Facebookは、こうした流れの、最先端にいます。

Amazonのプライバシー・ポリシーの「Amazon.co.jp は受け取った情報を第三者と共有していますか?」
を読むと、情報共有の範囲がきちんと限定されているのが分かります。基本的には、Amazonの
Market Placeのエコ・システムの内部に閉じているように見えます。それはそれで、いいことのように
思えます。あとで紹介する、クレジット会社の情報共有の仕方にも似ています。彼等のビジネスが、
ネットの世界だけに閉じずに、物流の世界をも包摂していることと、それは関係しています。

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