東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門メールマガジン No.6

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UT-EcoEne-Officer

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Oct 21, 2009, 1:40:09 AM10/21/09
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   東京大学新環境エネルギー科学創成特別部門メールマガジン
                No.6 (2009.10.21)
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こんにちは。
今回は、最近では日本でもほとんど報じられることのない日本の「捕鯨外交」
の実態についての寄稿をお届けします!
 
========内容==============================================
○イベント案内:第4回トークショー
「自分でできる地球温暖化対策~エコフレンドリーなライフスタイルを考える」
ゲスト:丸山晴美さん(節約アドバイザー)
○講座案内:高校生のための金曜講座
「地球温暖化問題と風力発電の仕組み、技術展望」
講師:NEDO特別部門 飯田誠特任講師
○研究についての寄稿:
「目からウロコ?の捕鯨問題」  大久保彩子特任研究員
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○イベント案内:
第4回新環境エネルギー科学創成特別部門トークショー
『自分でできる地球温暖化対策~エコフレンドリーなライフスタイルを考える』
 
日時:2009年10月22日(木)
12:10-12:50 (第1部 トークショー) 
12:50-13:20 (第2部 フリーディスカッション)
場所:東京大学教養学部生協前広場(生協北側)
ゲスト:丸山晴美さん(節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー)
参加費:無料
 
 
TVや雑誌で数々の節約ワザを披露し、カリスマ節約アドバイザーとして
活躍中の丸山晴美さんをゲストにお迎えします。省エネの視点からの
身近な環境とエネルギー問題について、丸山さんとディスカッションしながら
エコフレンドリーなライフスタイルを模索します。一般の方の参加も歓迎です!
 
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○講座案内:
高校生のための金曜講座
『地球温暖化問題と風力発電の仕組み・技術展望』
 
東京大学教養学部では、高校生を対象とした公開講座を開講しているのを
ご存じですか?
11月6日(金)は、NEDO特別部門の飯田誠先生が講師を務めます。
高校生以外の方の参加もできますので、ぜひお越しください!
 
会場:東京大学教養学部駒場キャンパス 18号館ホール
日時:11月6日(金) 17:30-19:00
参加費:無料
登録:不要  
定員:約200名(先着順)
 
※「高校生のための金曜講座」はこちら↓
 
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○研究についての寄稿:大久保彩子特任研究員
 
 「目からウロコ?の捕鯨問題:何が『問題』なのか」
 
捕鯨問題では、商業捕鯨の再開を目指す日本と、感情的に捕鯨に反対する反捕鯨国
という対立構図がしばしば描かれる。しかし、日本の捕鯨外交の実態を分析すると、
商業捕鯨の再開を目的として掲げながら、その実現に必要な行動をとっておらず、
むしろ調査捕鯨の維持拡大を最優先してきたことが分かる。
 
日本は商業捕鯨モラトリアムの発効後、資源管理に必要な知見を得るためとして
調査捕鯨を開始。費用は国庫補助金と鯨肉の売上げで賄われ、これまでの捕獲頭数は
約12,600頭である。調査捕鯨は事実上、国際規制を受けずに各国の裁量で実施できる。
だが、IWCで合意されている資源管理方式には調査捕鯨のデータは必要ない。
IWCでは、南極海での調査捕鯨を停止または縮小すれば、日本の周辺海域での捕鯨を
認める提案が何度か出されているが、日本はそうした妥協に応じたことはない。
 
  
(※写真は、国際捕鯨委員会IWCの会議の様子)
 
そして、調査捕鯨を最優先する現状の日本の捕鯨政策には、実は商業捕鯨モラトリアムは
必要である。モラトリアムが解除されれば、「商業捕鯨再開のため」の調査捕鯨には
根拠がなくなり、補助金も受け取れなくなるだろう。さらに、モラトリアムが解除された
としても、南極海の捕鯨に乗り出す民間企業はいなそうなのである。
 
現実には、「感情的で非科学的な反捕鯨国のせいで」、モラトリアム解除の見通しはない。
反捕鯨国もまた、日本の行動を批判することで鯨類保護の姿勢をアピールしながらも、
調査捕鯨を国際規制のもとに置くための妥協はしていない。こうしてみると、反捕鯨国の
強硬な態度が日本の調査捕鯨を支えている。日本と反捕鯨国の間には、お互いに不機嫌な
顔をしつつも現状に安住する、ある種の共生関係がある。
 
果たして、これで良いのだろうか。答えは否、だろう。国際的には、関係国の合意に基づく
鯨類管理は不在のままである。国内的には、商業捕鯨の再開に役立てるはずが、阻害要因
となっている調査捕鯨を、税金を投入して継続する現在の政策は、責任説明を著しく欠いた
状態にある。
 
 
★詳しくは、Atsushi Ishii & Ayako Okubo (2007) “An Alternative Explanation
of Japan's Whaling Diplomacy in the Post-Moratorium Era” Journal of
International Wildlife Law & Policy, Volume 10, Issue 1, pages 55 ? 87.  
10.1080/13880290701229911
を、ぜひ読んでみてください。
 
※上記の寄稿の内容は、さらにブログで詳しく綴っています↓
 
 
大久保 彩子(おおくぼ あやこ):
東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。
米本研究室所属。専門は環境政策論。商業捕鯨
モラトリアム以降の日本の捕鯨外交を新たな視点で
読み解く。
 
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【編集後記】
私が子どもの頃は鯨肉が学校の給食に出されていました。当時は何の疑問ももたずに
食べていましたが、いつの間にか鯨肉を口にする機会はなくなりました。若い世代では、
鯨肉を食べたこともないという人も少なくありません。今の日本で食料としての鯨が
どれだけ必要なのでしょうか。改めて考えてみる必要がありそうです。
                     松本真由美(東大先端研特任研究員)
 
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東京大学NEDO新環境エネルギー科学創成特別部門は、東京大学駒場キャンパスの
三部局(先端科学技術研究センター、生産技術研究所、教養学部附属教養教育
開発機構)に設置されています。これは、独立行政法人「新エネルギー・産業
技術総合開発機構」(NEDO)のプロジェクトである「循環社会構築型光触媒産業
創成プロジェクト」の一環として採択された「新環境科学創成のための人材育成・
異分野融合拠点化事業」により実施されています。
 
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