【YR:Vol.905】
2019年6月12日
吉田雄人のユーティングレポート
■Satoyama推進コンソーシアムシンポジウム:「里山資本主義の先にあるもの」■
JapanTimesSatoyama推進コンソーシアムで毎年開催となりましたシンポジウムを開催しました。タイトルは、「里山資本主義の先にあるもの」。40万部を更新した『里山資本主義』が出版されて5年が経ち、どのような実践が自治体や現場でなされているか検証し、『その先』を見据えた活動をしていくためにも、適切なテーマだったと思います。特に今回のセッションでは、「関係人口」と「事業継承」を切り口に議論を深めました。
私がモデレーターを務めたのは「関係人口×里山里海」のセッションでした。ご登壇いただいたのは、三重県鈴木知事、広島県福山市枝廣市長、青森県むつ市宮下市長です。お三方とも国の省庁のご出身でしたが、地元愛に溢れて時間が圧倒的に足りなくなるセッションでした。
私がまず気になったのは、「関係人口」に関する議論をどのような機会として捉えるか、という点でした。鈴木知事からは「大切なものを守り続けるために、関わり方の多様性を確保していく」こと、枝廣市長からは「外部からの刺激をもらって、まちに暮らすみなさんがもっと自分の街を好きになってもらうこと」、宮下市長からは「ただ単にお金を落とすことではなく、地域の未来をデザインするきっかけにすること」という意見が出ました。定住への呼び込みという観点も無いといえば嘘になるけれども、人口の奪い合いの結果「勝ち負け」のような競争をしても仕方がない、日本全体の人口が減少する中で1人の人がいくつもの自治体に関わっていく・貢献していくことで地域を元気にしていくことができるのではないか、という話が印象的でした。
続いて基調講演をしていただいた藻谷浩介さんの話は、迫力・凄みが増していました。今回も金言の数々『国の貿易収支や個人所得の推移などを見ると「現実とイメージ」のギャップがある』、『東京に人口が流入しているというが実際は高齢者が増えている現実を見るべき』、『お金の大事さを否定しないがそれを物差しにしてはいけない』、、、などなど、たくさんの学びをいただきました。
そして最後に、実践者の皆さんのセッションでは「事業承継×里山里海」という観点から、豪華な登壇者から素晴らしい取り組みをご紹介いただきました。
銀を産出していた頃の隆盛は過去のものとして、人口が400人の大森町で『復古創新』を掲げる石見銀山生活文化研究所の松場忠さん、90年の歴史を紡いできたタオル工房を自ら進んで引き継いだ株式会社丹後の丹後佳代さん、
佐渡島で、酒造りだけでなく、海外への発信から世代を超えた学びの場を作るために廃校を利用した学校蔵を設立し、『幸醸心』を育てる127年の歴史の尾畑酒造株式会社の尾畑留美子さん、
そして、モデレーターを務めていただいたのは、Satoyama推進コンソーシアムの運営委員長でもある瀬戸内ジャムズガーデンの松嶋匡史さんでした。
冒頭、ご挨拶いただいた小林史明衆議院議員も「『0か1か』という議論ではなく自治体との関係を捉えなおすべきという話がありましたが、まさに里山資本主義の『その先』を垣間見ることができたシンポジウムに仕上がったのでは無いでしょうか。具体的なセッションについての記事は、Japantimes本紙でも、日本語版はホームページでも後日公開されますので、ぜひご期待ください。
https://satoyama-satoumi.net●前回のメールで「6月3日の開催」と書きましたが、
6月2日(日曜日)の開催の間違えです。申し訳ありません。
Aさん、ご指摘ありがとうございます!
●いつも最後まで読んで頂いてありがとうございます。
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