県議選

[yona]

県議選の街宣車が毎日うるさいですね。
まだ公示前、政治活動はできても選挙活動は本来禁止のはずです。
それが取締られないのは、候補者本人の名前でなく、
後援会を隠れ蓑にしているからだそうです。
実質的には違反でも、言い訳して逃げられればいい、
そういう考えの人は、そもそも議員にはふさわしくないと思うのですが。

本来は今は政治活動でなければならないのです。
名前を連呼する、お願いしますと言うのは選挙活動、
政治活動とは、現状の問題点と解決策、そしてあるべき姿など、
自分の考えを述べ、主張することです。
都会では辻立ちして演説している姿を一年中見かけますが、
この島ではそういう努力をする政治家はまずいないようです。

いやそもそも、この島のほとんどの政治家は
島をどのようにしたいのか、その将来像や理想像を描いて、
その実現のために立候補しているわけでは全くないようです。
ただ自分のため、あるいは一族郎党の代表として立っているだけです。

さて日高しげる陣営の人がビラとカレンダーを持って回ってきました。
お願いしますというので、今までの実績は何かと質問しました。
現職なのだからそれなりの実績がなければおかしいはずです。
しかしビラにはめぼしいものは何も書かれていません。
今まで3期もやってきて何もできなかったのなら、
今後も何も期待できないということでしょう。

このビラの内容は4年前とほとんど変っていないようです。
世の中これだけ変ってきて屋久島もますます厳しさを増しているのに、
この人はそれへの対応も進歩も全くないようです。

まず「豊かな心を育む温もりのある癒しの島づくり」とあります。
「豊かな心」も「温もり」も「癒し」もどうやって計るのですか。
指標のないものは政治目標にはなり得ません。
ただ美辞麗句を並べて内容の空疎さをごまかしているだけです。

そもそもこの島は今、たいへんな問題を抱えています。
過疎化、老齢化、農水産業の衰退、
それらを救うべき観光業の抱える諸問題、
島の生活でも、暮らしを脅かすたび重なる停電、
町の財政も借金が膨らんで危機的状況です。
こういうことに一切取り組まずに何が癒しの島なのでしょう。
県の立場でやってもらわなければならないことは無数にあります。

ビラには一応、観光振興、農林漁業の振興と言葉は並んでいます。
しかし具体的にどうするのか何の方策も示されていません。
これでは寝言と同じです。

最後に電線の地下埋設とあります。
これはたいへん具体的ですが、さてこの4年間、
この人はそのために何をしてきて、
どのくらい実現に近付けたのでしょうか。
今度こそはそれができるという目算でもあるのでしょうか。
できもしないことを並べるのだったら、それは詐欺と同等です。
そもそもそんなお金があったら、
まずやらなければならない差し迫った問題が山ほどあるでしょう。
これはいかに自分がノー天気であるか白状しているようなものです。

現職が再選を目指すなら、なにより前回の公約について、
その実現にどのように努力し、どこまで実現できたか、
まずそれをはっきり示すべきです。
実績があれば現職が絶対に強いのです。
今のところ劣勢だと噂されていますが、
それが住民の下した、3期12年の実績への評価なのでしょう。

ところでこうした私の質問や問いかけに、
後援会の人はただ困ったという顔をしているだけでした。
それでは何のためにお願いしますと回っているのでしょう。
ただ親戚だからと一所懸命になっているだけのようです。
しかしそれもおかしいでしょう。
親戚だって考えが違って当然です。
結局、主義主張でなく、島のためでもなく、
ただ自分たちの利益しか考えていないということです。
この候補者はこんな田舎選挙を堂々と展開しているのです。

[yona]

さて屋久島におけるもう一人の県議候補者、
石田尾しげき側のビラが手に入りました。
これもまた、日高しげる側と同様、
どうでもいいような空疎な言葉が並んでいます。
どうすればそんな夢のようなことが実現できるのか、
具体的に何をするつもりか、さっぱり判りません。

日本中、農山村、離島はどこも衰退の度を深めているのだから、
何か思い切った施策がなければこの流れを食い止められるわけがない。
この人たちは掛け声だけでよくなるとでも思っているのでしょうか。

わずかに書かれてある具体策にはとんでもないものがあります。
まず「屋久島の入島税の創設」とあります。
この人は、放っておいても観光客は、
これからも湯水のように湧いてくるものだと思っているようです。
そこから金をふんだくれば住民は豊かになれるというつもりなのでしょう。

実際は観光客は減少しつつあるのです。
世界遺産のブランドも色あせつつあり、その価値も低下の一途です。
観光がこの島の最大産業になった今、
いかにして観光客を増やすかが最大の課題であるはずです。
基幹産業を食い物にしてつぶしてしまったら、
いったい後に何が残るのでしょう。

この人は今でも屋久島の基幹産業は農水産業と思っているようです。
「まじめに農業をしている人全てを対象とする直接支払い」とあります。
しかしものを作るということは、どこにどのように売るかが前提です。
ただ闇雲に作れば金を払ってやるというのでは産業にはなりえません。
そもそもその金はどうやって作るのでしょう。
ある人たちにお金をあげるためには、
その分、別の人たちから巻上げなければならないはずですが。

「魚価安定制度の確率」ともあります。
いったい具体的にどのようにするのでしょうか。
市場を無視して統制を図る、それは日本農業が衰退した要因でもあります。
そもそもこの人は資本主義そのものを否定するつもりなのでしょうか。

中には「環境を破壊する公共事業」ともっともなことも書かれています。
しかしそれなら、今のヤクスギランドや白谷雲水峡への道路工事は、
即、中止させなければならないはずです。
今、屋久島で最大の環境破壊はその2工事なのですから。

ただ「海藻による海中ダム」は誰もが賛成するでしょう。
対立候補の「電線の地下埋設」とは月とすっぽんです。

さて、石田尾しげきという人を私は全く知りませんが、
ビラを見る限り、政治には全く素人のようです。
それでももし切れ者なら何とかやっていけるでしょうが、
どうもそんな感じもしません。
役場での実績も特にないようです。
これだともし議員になっても戸惑うことばかりでしょうね。
周りからもまともに相手にしてもらえないで、
おろおろしているうちに任期が終わってしまいそうです。

ただ人柄は悪くなさそうです。
何より自分や一族の利害のために議員になるのではないようです。
対立候補は3代目のボンボンという典型的な家業議員です。
世襲ということが日本の政治をおかしくした主因の一つというのは常識です。
それに3期もやって、めぼしい実績が全くありません。
何もできないという点では両候補とも同レベルです。

それならばこの際、新しい人、白紙の人に替えるしかありません。
家業にしないということで2期8年で辞めると最初から宣言さえすれば、
それは名古屋の河村市長が市議候補公認の条件にしているのですが、
私は石田尾しげきを支持します。

まあ議会といえども、素朴に無骨に、
議会常識に捉われず、一般常識で押し通せば、
今の時代、それなりに道は開けてくるかもしれません。
何より若い人の今後の成長を期待します。

[yona]

昨日の南日本新聞のサイトに以下の記事がありました。

「４月に行われる第１７回統一地方選挙に向け、鹿児島県警は２３日、
鹿児島市の県警本部と県内２８署に事前運動取締本部を設置した。
立候補予定者や後援会による事前の文書頒布や戸別訪問などの
選挙違反を取り締まる」。

遅いでしょう！
もうとっくに「日高しげるをお願いします」と訪問があったし、
「石田尾しげきをお願いします」という電話も受けています。
みんなまだ取締りされていないからと、
おおっぴらに選挙違反をしていたのでしょうね。

こんなのでなく、しっかりした政策の説明や議論ならば、
少々うるさくても聞きたいし、選挙違反にもなりません。
しかしそうした本来やるべきことには関心がないようです。

この掲示板で双方の選挙公約について具体的に批評しましたが、
全く反論がありません。
どのような形であれ、公に批判されたものに答えるのは、
政治家とか候補者にとって義務のようなものと思うのですが。

きっとそんなことはこの島では関係ないということなのでしょう。
選挙は地縁血縁、組織、なにより金や利権で決まる。
どうせこの島の住民など、多くは自分の目先の利益しか見ていない。
島のあり方や将来のことなど議論しても仕方がない。
ありふれた美辞麗句でも並べて格好付けだけしておけばよい。

私はずっと、こうした政治のあり方や、
政治家（政治屋）という連中には生理的嫌悪を感じていました。
たぶんそうした気持ちはほとんどの普通の人たちに共通すると思います。
しかしだからといって避けていたら、それこそ政治屋たちの思う壺です。

幸いこの島は小さいから、いろいろなことが見えやすいのです。
関心を持つ人が増えたら、いつかガラッと変る可能性はあります。
少しでも関心を持ってここを読んでいる皆様には、
それぞれの周囲にその関心の輪を広げていく努力をお願いします。

[yona]

昨日、めったに人の来ない我が家でピンポンと音がしたので、
何だと思ったら、石田尾しげき陣営の戸別訪問でした。

「選挙期間じゃないから戸別訪問は禁止だろう」と言ったら、
「いや、本人でなく後援会だから違法ではない」との返事でした。
「実質同じだろう」と言ったら、
「相手もやってるんだから」としゃあしゃあとしていました。

人がやるからでなく、また取締りがないからでなく、
自分の判断で毅然としてやって欲しいものです。

ともかく、やっと連合など組織が動き出したようで、
もう勝負はあったと、ある人が言っていました。
今回から加わった都市部で、連合などは票を伸ばせる。
日高しげるは全く入り込めないだろうとのことです。
私としては勝ち負けより、屋久島の住民から、
今までの3期12年の評価がちゃんと出ることを願いますが。

それにしてもこの選挙は盛り上がらないですね。
熱くなっているのは身内と利害関係者だけのようです。
そもそも両者ともぜんぜん政治活動など続けてこなかったし、
今もまともな政策論争など全くやっていません。
一般住民はどちらにも何も期待していないのでしょうね。

次に続く町長選も同じ状況です。
自分のためでしかない候補が裏工作をしているだけ。
さまざまな面でこの町は崖っぷちに追い込まれているのに、
みんなで目をつぶっているだけです。
しかしまだ秋まで時間があります。
たとえ一人でも改革者の出てくることを期待します。