いつもお世話になっております。
KESIKIの牛丸維人と申します。
映像人類学の修士を経て、写真や映像をリサーチのツールと位置付けたプロジェクトを展開しております。
現在京都で開催されている京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIE の企画、KYOTOGRAPHIE PHOTOBOOK FAIR に「STDUIO BOUKEI」という個人レーベルで出展いたします。
デンマーク・オーフス大学映像人類学修士プログラム在籍中から現在まで取り組んでいるフィリピン北部視覚障害者コミュニティでのプロジェクト『OUR CO-BLIND』のほか、同地域の伝統的な商習慣の根付くパブリックマーケットと資本主義の波の交錯を描いた『PUBLIC MARKET ARCHIVE』、飛騨高山の実家で亡き祖父が建てた小屋とその内部の遺品を撮影した『koya』など、これまで個人で出版してきた写真集を手に取っていただける機会です。
国内外から多様な写真家、リサーチャー、パブリッシャーが参加する貴重な機会ですので、ぜひお時間許す方はお越しください。トークセッションも予定しており、ぜひ会場でお声がけいただけると嬉しいです。
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トークセッション
5月10日(日)17:00-18:00
映像人類学におけるフィールドワーク、写真的な介入、デザインリサーチとの横断について、これまでに制作した写真集やプロジェクトを紹介しながら議論を展開します。
開催概要
KYOTOGRAPHIE PHOTOBOOK FAIR 2026
2026年5月9日(土)〜5月10日(日)12:00 – 19:00
ロームシアター京都 パークプラザ 3F・1F野外特設ブース
入場料 無料
主催 一般社団法人KYOTOGRAPHIE、京都岡崎 蔦屋書店
共催 ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)
協賛 ハニカム株式会社、株式会社写真化学、株式会社京都新聞印刷、株式会社日邦
協力 キヤノン株式会社、ZINE GIN
出展者
■ パークプラザ3階
305 PRESS, 赤々舎, AL/KiKi inc., BOOK AND SONS, crevasse, CYRO, Ephemere, FF Seoul, Four Eyes éditions, full name, gallery 176, GRAF Publishers, IACK, Julia Bohle, ケイタタ, Kimshinwook, 京都新聞印刷, Libro Arte, Luis Casadevall, MAGNETIC 5, 写真店maruphoto, moment, Monika Mogi 茂木モニカ, PHOTO atlas, PHOTOBOOK AS OBJECT / PHOTOBOOK WHO CARES, Place M / M Readers Club, REPORT SASEBO, 青艸堂, 青幻舎, 写真化学, SpringBao, STAIRS PRESS, STUDIO BOUKEI, Sunik Kim, the memory machine, Three Books, torch press, 冬青社, Yezoi Class x Jong Collaboration, YOU ARE HERE, YAMADA Book Publishing, 鷹巣由佳, Zen Foto Gallery, Zontiga、ふげん社
■ 1F野外特設ブース
ZINE GIN, hikita chisato, 銭湯Tシャツコレクション, ETERNAL SUMMER, レトロJAM印刷
京タコス, 咲たこ, スーフル(9日のみ), 丹波亀吾郎(10日のみ)
写真集『koya』
<koya> は、とある冬の日に飛騨高山の山あいの実家の「小屋」に入ることから始まる。私が生まれる前に亡くなった祖父が建てたという二階建ての納屋のような場所を、私は物心ついた頃から「小屋」と呼んできた。幼少期、その小屋はなぜか足を踏み入れてはならない空間のように感じ、長らく近づくことを避けてきた。中に何があるかも知らず、自分は知る必要もなく、むしろ知らないほうが良いのではないかという感覚を抱いてきた。
ハッセルブラッドのカメラを片手に小屋に立ち入る。扉の向こうには、私の父、そして亡き祖父と世代を超えて使われてきた空間が待ち構えていた。祖父が遺したものは、私が会ったこともない彼の輪郭を少しばかり教えてくれる。自身の幼少期に使っていたであろう椅子や玩具たちが奥の部屋にしまわれている。埃をかぶったものたちは、幼少期の虚な記憶に微かな光を提供する。父が現在も時折出入りする痕跡は、祖父の遺品の存在と繋がり、世代を超えた血の存在を示していく。会ったことのない死者の遺品と生者の気配を通して、朧げな家族のイメージに輪郭を与える試みである。
上製本 / 本文80ページ / 糸かがり綴じ / 130mm × 190mm / 税込3,850円
写真集『PUBLIC MARKET ARCHIVE』
写真集『PUBLIC MARKET ARCHIVE』は、フィリピン北部バギオの中心部に広がる広大な市場での10年間にわたるフィールドワークに基づき、零細商人たちに支えられる伝統的な商習慣と、そこに迫り来る巨大資本の波とのせめぎ合いをおったプロジェクトである。1900年代の大戦期、大地震、そして2023年にマーケットを襲った大火と、パブリックマーケットは幾度となく壊滅を経験し、その度に再生してきた。撮影された膨大な写真たちは零細商人たちの営みと市民の生活文化を写しながら、その奥底にあるレジリエンスに光を当てていく。
並製本・224P中綴じ / 印刷:藤原印刷 / 256mm × 172mm / 税込6,600円
※こちらについては、フィリピン国内の書店での取り扱いと同国での展示実施が予定されております
写真集『FOG AND SUN』
2021~2023年の2年間、デンマーク・オーフス大学映像人類学修士課程への留学に際して生活したデンマークでの写真をまとめた写真集 (デンマーク制作・来年個展実施予定)。著者自身が初めて訪れた北欧の地で向き合った人類学研究生活の孤独や葛藤、友人や現地のアーティストたちとの関わりを通した豊かさを、176ページにわたって写真で表現している。撮影者の心情の変化がフレームに投影されていく様を時系列に記録した作品となっている。
https://note.com/atthegorge/n/ndf42f433e74e
写真集『OUR CO-BLIND』
"OUR CO-BLIND -A Visual Ethnography of the Visually Impaired Community in the Northern Philippines" は、フィリピン北部高原地域の視覚障害当事者たちによる共同体形成に関する映像人類学的研究プロジェクトである。当事者たちのケア実践とその共同体の社会運動的性格について、長期のフィールドワークに基づく映像とエスノグラフィを足がかりに、その内側から多感覚的に理解しようと試みる。
https://note.com/atthegorge/n/ne6776423fe2b