TRPGシナリオ作成大全の次号(
http://scenario.trpg.me/article/86)の内容を考えている中で、「このシナリオではプレイヤに対して何を提供するか」「このシナリオではプレイヤをどう楽しませるか」というのを明確にすることでシナリオ作成の助けになることもあるのかな、と思い整理してみました。
以下のように、「このシナリオではプレイヤをどう楽しませるか」によって、シナリオの位置づけが変わってきます。
(1)ゲーム
プレイヤは、シナリオで用意された課題/障害(強力なモンスターなど)に挑みそれを乗り越える過程をゲームとして楽しみます。
シナリオでは適切な難易度の課題/障害を用意します。
(2)キャラクタの活躍
キャラクタを縦横無尽に活躍させプレイヤに爽快感を与えるようなシナリオです。
シナリオで登場する課題・障害は、キャラクタの能力で容易に突破できるものにするか、キャラクタの凄さを引き立てるための存在として登場します。
キャラクタの活躍を奪ってしまうようなでしゃばりなNPCはご法度です。また、キャラクタの弱点をつくような課題/障害も好まれません。キャラクタの得意分野に正面からぶつかって砕け散るような課題/障害が望ましいといえます。
(3)ストーリー/ドラマを鑑賞する
主にシナリオ作成者によって用意されたストーリーやNPC、ドラマをプレイヤたちに楽しんでもらいます。
特に読み物としてのリプレイにすることを前提とする場合、この要素が強くなるでしょう。
シナリオでは、プレイヤたちをあっと驚かせるような展開や、壮大な設定、謎や伏線、魅力的なNPCなどを提供します。
判定に失敗することで展開が詰まってしまいかねない難易度の高い課題/障害は避けたほうが無難です。
(4)ストーリー/ドラマを作り上げる
主にプレイヤによってストーリーやドラマを作り上げる過程や結果を楽しんでもらいます。
シナリオとしては、キャラクタが動きやすい背景設定やイベント、ネタを提供していきます。
プレイヤ達がストーリーを作り上げる側なので、マスターから固定的な展開を提示することは避けます。
(5)参加者間でのアドリブ・掛け合い
プレイヤには、キャラクタとしてのセリフ、演技、行動の選択などを楽しんでもらいます。
シナリオでは、そうしたセリフや演技を見せる対象であるPC間の関係を用意したり、NPCを用意します。
ゲームとしての難易度が高いと、そうした余裕がなくなるのでプレイヤたちに好まれないかもしれません。
(6)世界の疑似体験
プレイヤには、異なる世界、異なるシチュエーションでの異なる人物としての体験を楽しんでもらいます。
箱庭シナリオと呼ばれるようなシナリオタイプがこれにあたります。
シナリオとしては、疑似体験を邪魔しないような「リアリティ/納得感」のある、細部にまで凝った設定や描写を広範囲に渡って用意します。
マスター側でご都合主義的な展開や設定を用意することは避けます。
なお、実際には多くのシナリオは複数のタイプが混じってしますが、ご覧の通り相性の悪いタイプもあるので、自分がどのタイプのシナリオを作ろうとしているのかには意識的になったほうが良いでしょう。
このテーマで記事を書いてみたい人がいましたらぜひ m(__)m