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記録的決算は本物か
半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(HD)は、15日に発表した2026年3月期決算で、売上高は前の期比約1.4倍の約2兆3300億円、営業利益は倍増近い約8700億円と、過去最高を記録。27年3月期4~6月期には、わずか3か月で売上高1兆7500億円、営業利益1兆2980億円を見込み、営業利益率は実に74%に達するとしています。足元の時価総額は24年12月の新規株式公開(IPO)時(約7843億円、公開価格ベース)の約30倍、20兆円を超える規模になっています。(キオクシア、4~6月営業利益1.3兆円予想 「東芝」DRAM撤退がもたらした果実)
キオクシアの源流は東芝のメモリー事業で、1987年に世界で初めてNAND型フラッシュメモリーを開発しました。データを長期記憶できるため、米テック大手を中心としたAIデータセンターへの巨額投資が、強力な追い風となっています。2001年に、市況が低迷していた短期記憶用のDRAMから撤退し、NAND専業として経営資源を集中させたことが結果的に奏功したと言えます。
17年に、経営危機にあった東芝がメモリー事業を東芝メモリとして切り出し、18年には米投資ファンドのベインキャピタルなどが約2兆円で買収し、19年に社名をキオクシアに変更。曲折を経て、24年に新規上場を果たしました。(キオクシア、時価総額“半減”でも急いだ上場 4年の空白重く)
そして今、旺盛な需要を背景に、「言い値」をつけられる供給者優位の状況が生んだ記録的決算。それが、キオクシアの企業としての「地力」にどこまで裏付けられたものなのか、これから真価が問われます。
(日経ビジネス編集部長 吉岡 陽)
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