睡眠中の乳児におくるみを使い、特にうつぶせにすると、乳児突然死症候群(SIDS)による死亡リスクが高まることが、米バージニア大学医学校小児科教授のRachel Moon氏らの研究で示唆され、研究論文が「Pediatrics」オンライン版に5月9日掲載された。
おくるみとは通常、頭は出して腕を中に入れた状態で毛布や布で子どもをくるむことを指す。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国では2014年、約1,500人の小児がSIDSで死亡したという。
Moon氏らは、これまでに発表された4件の研究の結果を分析し、SIDSで死亡した乳児760人をそうでない乳児1,759人と比較した。これらの研究は20年にわたり、英国、オーストラリアのタスマニア、米シカゴで実施された。
分析の結果、くるまれた乳児では、SIDSで死亡する可能性が50~60%高かったという。おくるみによりSIDSリスクは全般的に上昇したが、うつぶせにして寝かせるとさらに上昇し、これらの乳児のSIDSリスクはおくるみを使わない乳児の約13倍に達した。このリスクは、乳児が自分で寝返りができる可能性の高まる生後6カ月に近づくにつれて上昇した。
Moon氏は、これらの関連性の原因は説明できず、本研究はおくるみとSIDSリスクの因果関係を証明できないとしている。また本分析には、4件の研究でおくるみの定義が異なるなど、いくつかの限界があったという。
Moon氏は、「子どもが寝返りできるようになったらおくるみを使ってはならないこと、うつぶせまたは横向きに寝かせないことを覚えておいてほしい」と話している。一方で他の専門家は、「睡眠時のおくるみは全て推奨しない」とコメントしている。