Pradier et al. 2026 How multilingual is scholarly communication? Mapping the global distribution of languages in publications and citations
日本語論文の位置づけや英語偏重評価の妥当性を、国際比較データに基づいて再検討。
この研究の面白さ・すごさ
OpenAlexとDimensionsを用い、1990–2023年の論文約8,800万件、引用約14.8億件を分析した世界最大級の言語マッピング研究 。英語論文比率は93.86%から85.52%へ低下。一方、インドネシア語はほぼゼロから2023年に2.69%へ急伸。引用では依然98.89%が英語だが、ポルトガル語・スペイン語圏やインドネシア語圏で「同一言語選好」が確認された。SSH(社会科学と人文学)は最も英語支配が弱い分野でもある。日本語はジャーナル数が近年急減し、英語圏への吸収が進む傾向が示唆される。
注意点・前提条件
非英語文献はデータベース上で過小把握されやすく、本研究は多言語性の「下限推定」。DOI未付与誌や地域誌は十分に反映されていない。したがって、日本語を含む各国語の実態は、統計値以上に厚みがある可能性がある。
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三浦です。
多言語での学術環境整備に関するHelsinki Initiativeが発行されたのを受けて進められた研究です。日本語の文献は英語併記の割合が極めて低く、すなわち英語で書くか日本語で書くかの二択になっている、という結果ですが、JSTAGEの文献がほとんど含まれていないように見えます。南米やインドネシアは最近国内の研究力強化に非常に力を入れています。
ではまた。