ラエルサイエンスニュース 76aH 3・4月号
おおやまてつや
1-生命科学
1.1 - 10MHzの音波のおかげで、間葉系幹細胞は骨細胞に分化します。このシンプルな装置は、効率的な組織工学に不可欠な大量の細胞を同時に処理できるので、簡単にスケールアップできます。
Sound waves convert stem cells into bone in regenerative breakthrough (newatlas.com)
1.2 – アデノシンデアミナーゼ欠損症（ADA）から、生命を脅かす免疫疾患、重症複合免疫不全症（SCID）をもって生まれた多くの子どもたちが、10年以上にわたって健康な生活を送っています。これは、効果が長期間持続し、重篤な副作用のない効果的な遺伝子治療のおかげであり、他の多くの致命的な免疫疾患の治療にも応用できると期待されています。
1.3 –カリブ海の沼地で、巨大なバクテリアが発見されました。その大きさは2cmにも及び、大きなゲノムを持つユニークな生態を持っています。さらに、その遺伝物質は区画化され、膜に非常に近いところにあることから、従来のバクテリアの細胞に対する概念を覆すものです。
A centimeter-long bacterium with DNA compartmentalized in membrane-bound organelles | bioRxiv
1.4 – 心臓が停止する前後約30秒間、男性の脳は記憶の想起、瞑想、夢想に関連する部分の活動が活発になっていることがわかりました。科学者たちは、この男性の脳が、臨死体験で報告されたものと同様に、生涯を通じての記憶を再生していた可能性を示唆しています。
1.5 – 炭水化物作物からのエネルギー消費と比較して、肉の総消費量は、総カロリー摂取量、経済的豊かさ、都市の優位性、肥満の競合効果とは無関係に、より大きく寿命と相関しています。
Meat-eating extends human life expectancy worldwide | Newsroom | University of Adelaide
2 物理学
2.1 –宇宙には、「ORC（Odd Radio Circles）」と呼ばれる直径100万光年以上の、シャボン玉やファベルジェの卵のような奇妙な構造物が存在します。天文学者もその正体を知らないし、人間には理解できない大きさのこの怪物を説明することもできません。
https://www.physics-astronomy.com/2022/04/astronomers-discover-space-structure-of.html
2.2 – 低密度で高温のプラズマが、低温で中性のガスや塵の殻に囲まれた空洞はローカルバブルと呼ばれ、幅は1000光年にも及びます。太陽近傍の星形成複合体は、ほぼすべてローカルバブルの表面に存在しています。バブルは、超新星の爆発による衝撃波が星形成の引き金になっているようです。
https://astronomy.com/news/2022/01/the-1000-light-year-wide-cosmic-bubble-around-earth
3 新技術
3.1 – ガリウム、アルミニウムナノ粒子、水を用いて、90%の収率で水素を製造するシンプルで費用対効果の高い新しいプロセスが開発されました。ガリウムは無期限に再利用可能です。アルミニウムと水はどのようなものでも使用可能です。
4 社会科学
4.1 – 謙虚さは、いくつかのポジティブな精神的健康上の結果と関連しています。大学生では、謙虚さの5つの次元すべてが、より大きな人生への愛と関連していました。宗教的、価値観的、他者志向的な謙虚さが高いほど、幸福感が高いことと関連していました。成人では、全体的に謙虚であることが、経験に対する開放性、良心性、喜びの大きさと関連していました。
https://www.psypost.org/2022/02/being-humble-cultivates-a-greater-love-of-life-and-higher-self-efficacy-among-young-adults-study-suggests-62623?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook
4.2 – 創造性の高い人々の脳は、非創造的な脳に見られる「ハブ」を迂回し、より迅速に遠くのつながりを作る非典型的なアプローチで、他の人々とは異なる働きをしているようです。ビッグCの人々、ビジュアルアーティストや科学者は、特定の創造的な作業を行うために他の賢い人々ほど努力する必要がないのかもしれません。
4.3 –ある研究によると、柔軟な思考を助けるのは動きそのものではなく、自分で決めた動きをする自由が担っていることがわかりました。座っているときの小さな動きでも、創造的思考に同じようによい影響を与えることができるのです。
https://neurosciencenews.com/creativity-movement-19923/
5 メッセージに沿った記事
5.1 –突然変異は、DNAが損傷を受け、修復されないまま放置されることによって起こり、新しい変異を生み出します。それらの突然変異において、初期の突然変異は完全にランダムであり、生物に観察される突然変異は自然選択によってのみ決定されるという定説とは矛盾しています、非ランダムなパターンが明らかにされました。生物学的に最も重要な領域は、突然変異から保護されているのです。
https://phys.org/news/2022-01-evolutionary-theory-dna-mutations-random.html