ラエルサイエンスニュース 79aH 1、2、3月号

[おおやまてつや]

1  生命科学

 

1.1 - 蝶の中には、水分を失った植物や病気の植物が発する超音波の音を聞くものもいます。この隠された言語によって、蝶は産卵行動を変えます。

Female Moths Incorporate Plant Acoustic Emissions into Their Oviposition Decision-Making Process | bioRxiv

 

1.2 – インフルエンザのゲノムは 8 つの RNA 分子で構成されており、各分子はタンパク質にしっかりと結合し、タンパク質が二重らせん状に集まって保護膜を形成します。この保護膜の構造とウイルスの RNA との相互作用は、保護膜内の RNA 分子の正確な位置と、この保護膜の 2 つのらせん間で起こる相互作用によって、原子レベルで説明されました。

 Influenza a virus antiparallel helical nucleocapsid-like pseudo-atomic structure | Nucleic Acids Research | Oxford Academic

 

1.3 – 心臓には、脳の介入なしに心拍数などの心臓機能の一部を調節できる可能性のある、洗練された内部神経ネットワークがあります。特定されたニューロンの種類の 1 つは、呼吸や運動などの生理的リズムの調節に重要な役割を果たします。

Decoding the molecular, cellular, and functional heterogeneity of zebrafish intracardiac nervous system | Nature Communications

 

1,4 – プラセボ効果では、痛みの緩和が期待される場合、特定のニューロンが発火し、痛みの知覚が軽減されます。皮質のこれらのニューロンには、鎮痛効果に役割を果たしていると思われるオピオイド受容体が含まれています。

Neural circuit basis of placebo pain relief | Nature

 

 

2  物理学

 

2.1 – 地球から約 800 光年離れた岩石惑星 K2-360 b は、地球の 1.6 倍の大きさ、7.7 倍の質量を持ち、密度は 1 立方センチメートルあたり約 11 グラムで鉛と同じです。わずか 21 時間で恒星を一周する超短周期のこのスーパーアースは、知られている太陽系外惑星の中で最も密度が高いものの 1 つです。

Record-Breaking Super-Earth Has The Density of Lead, Scientists Say : ScienceAlert

 

2.2 – 直径 371,600 光年の新しい「奇数電波円」(ORC) は、巨大な楕円銀河と関連しています。これは、これまで発見されたものよりもはるかに小さく、暗く、現在の知識のギャップを明らかにしています。

[2411.17311] MeerKAT discovery of a MIGHTEE Odd Radio Circle

 

2.3 – 天の川銀河は、数百万度の温度を持つガスの外層に囲まれています。このガスは、70万光年まで広がっており、重力によるもの、あるいは寿命を終えた大質量星、あるいは超新星爆発を起こすこともあるいわゆる「脱出した」星によるものと考えられます。

On the Origin of the 107 K Hot Emitting Gas in the Circumgalactic Medium of the Milky Way - IOPscience

 

2.4 – 初めて、銀河系の中心にある超大質量ブラックホール、いて座A*の近くを周回する連星が観測されました。この極限環境で連星が形成され、生き残ったということは、ブラックホールがこれまで考えられていたほど破壊的ではないことを意味します。

https://www.eso.org/public/news/eso2418/

 

 

3  新技術

 

3.1 – NEO（Neural Electronic Opportunity）は、皮質の外側に設置された電極を使用して、脳の感覚および運動領域から神経信号を捕捉し、それを義肢やコンピュータなどの外部装置に送信します。これにより、上海の患者3人が運動能力をある程度回復しました。

Chinese scientists make breakthrough in BCI-assisted rehabilitation trial, 'showing higher safety than Musk's Telepathy' - Global Times

 

3.2 – 人間は自然に乳歯と永久歯が生えてきます。 最近の研究では、歯茎の下に休眠中の歯芽が存在することがわかっています。これらの歯芽は、薬剤によって活性化され、失われた歯や新しい歯を再生する可能性があります。

Advances in tooth agenesis and tooth regeneration - PubMed

 

3.3 - インドは世界初の常温核融合技術を導入し、クリーンエネルギー分野で大きな一歩を踏み出しました。このプロセスは従来の核融合よりもはるかに低い温度で行われるため、革命的です。

https://interestingengineering.com/energy/hylenr-cold-fusion-demonstrated

 

3.4 – 中国は、溶接から製造、自動車試験に至るまで、さまざまな専門訓練シナリオを通じて100台以上のヒューマノイドロボットを同時に訓練する革新的な訓練センターを開設しています。

https://www.globaltimes.cn/page/202501/1327325.shtml

 

 

4  社会科学

 

4.1 – 孤独は、コレステロールや心血管疾患に関連する ASGR1 などのタンパク質に直接影響を与えるようです。他のタンパク質は、インスリン抵抗性や癌の進行などのプロセスに関係しています。これらの研究結果は、孤独が心理的影響をはるかに超えて、生物学的リスク要因として作用することを示唆しています。

Plasma proteomic signatures of social isolation and loneliness associated with morbidity and mortality | Nature Human Behaviour

 

 

5  メッセージに沿った記事

 

5.1 – スパイダーパルサーは、ミリ秒パルサーと非常に低質量の伴星からなる連星で、推進システムになる可能性があります。高度な地球外文明は、恒星のエネルギーをすべて消費するのではなく、これらのスパイダーパルサーを恒星エンジンとして使用して銀河間を移動するでしょう。

https://scitechdaily.com/are-alien-civilizations-using-spider-pulsars-to-move-stars-across-the-galaxy/