ラエルサイエンスニュース 79aH 11・12月号
おおやまてつや
1 生命科学
1.1 -老化の原因となるタンパク質を生成する遺伝子を改変することで、ショウジョウバエの寿命を 25 ～ 30 パーセント延ばすことができます。繊維状アクチンは細胞からの老廃物の除去を阻害し、神経機能の低下を招き、認知機能の低下につながります。
Tweak to common cell protein gene extends healthy lifespan by 30%
1.2 -患者の再プログラムされた細胞が腹部に再移植され、インスリンの生産が開始されました。数週間後、外部からの介入なしに血糖値が安定したため、患者はインスリン注射を必要としなくなりました。
1.3 -人体は 36 ～ 37 兆個の細胞で構成されており、さまざまな役割を持つ多数の細胞タイプに分かれています。ヒト細胞アトラス (HCA) プロジェクトは、細胞の位置、性質、機能を特定して包括的な細胞マップを作成することを目的とした科学プログラムです。HCA の取り組みはすでに目覚ましい科学的進歩をもたらし、主要な学術誌に 40 本の論文シリーズとして発表されています。https://www.cam.ac.uk/stories/human-cell-atlas-2024
1.4 -腸には 5 億個のニューロンがあり、迷走神経や神経伝達物質などの神経によって脳とつながっています。腸内の数十億の微生物は、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの短鎖脂肪酸 (SCFA) も生成します。腸とその微生物は炎症も抑制します。プロバイオティクスの中には、ストレス、不安、うつ病の症状を改善するものもあります。腸内細菌によって発酵される繊維であるプレバイオティクスも、脳の健康に影響を与える可能性があります。
https://www.healthline.com/nutrition/gut-brain-connection
2 物理学
2.1 –ニュートリノは物理学で最も謎に包まれた粒子の一つです。JUNO プロジェクト (江門地下ニュートリノ観測所) は、ニュートリノを捕獲して研究するために地下 700 メートルに設置された 44 メートルの深さの球体です。1 日あたり約 40 回の相互作用しか予想されていません。
Introduction to JUNO----Jiangmen Underground Neutrino Observatory
2.2 –地球から26,000光年離れたところにある連星系4U 1820-30は、白色矮星と中性子星で構成されています。直径12km、質量は太陽の1.4倍で、毎秒716回という目もくらむような速度で自転しています。
2.3 - 太陽系の周囲約 1,000 光年にわたって広がる低密度宇宙領域である局所的ホット バブル (LHB) には、他の星間物質とは異なる星間トンネルが含まれています。LHB は他の低密度バブルとつながっている可能性があり、天の川銀河全体に広がる星間トンネル ネットワークの存在を示唆する 1974 年に策定された理論を裏付ける最初の観測的証拠となる可能性があります。
3 新技術
3.1 –デンドリコロイドと呼ばれる微細構造が枝分かれしてナノスケールの繊維のネットワークを形成します。これにより、DNA を沈着できる大きな表面積が生まれ、消しゴムほどの大きさのストレージ デバイスに 1,000 台のラップトップのデータが保存されます。
A primordial DNA store and compute engine | Nature Nanotechnology
3.2 –多くの人が、AI による自動化が私たちの仕事を奪ってしまうのではないかと恐れています。AI は、退屈で反復的なタスクを引き継いで、人間が感情的知性、創造的思考、スマートな計画を必要とする重要なタスクに多くの時間を費やせるようにすることを目的としています。AI システムは、アルゴリズムに従って情報を処理し、データに基づいて意思決定を行うのに役立ちます。AI には自己認識や本当の感情はありません。AI は話し方を認識したり、感情があるかのように行動したりするなど、人間のやり取りの一部を模倣できますが、何も感じません。多くの人は、AI があらゆる問題を解決できると信じています。ただし、AI がどれだけうまく機能するかは、使用するデータ、解決しようとしている特定の問題、適切な方法の使用に大きく依存します。
https://softblues.io/blog/ai-myths-debunk-the-line-between-fact-and-fiction/
4 社会科学
4.1 –高濃度大麻（THC 含有量 >10%）を定期的に使用すると、DNA のメチル化が変化し、遺伝子の配列は変化せずに遺伝子発現が調節されます。言い換えれば、DNA が変化していなくても、大麻への曝露などの環境要因によって DNA の発現方法が変化する可能性があります。
4.2 –自発的に孤独になることは、日常のストレスに対する本当の解毒剤として機能します。孤独は、心を外部からの誘惑から解放し、脳を再生する機会を与えます。この静かなひとときが創造性を促進し、気を散らすことなく心を自由にさまよわせます。
Using your alone time well can make solitude an uplifting experience - The Washington Post
4.3 –世界で最も合計特殊出生率が低い国々はアジアの国々です。アジアからは上位 20 位以内に 6 か国がランクインしています。一方、ヨーロッパからは 8 か国が同じくランクインしています。ヨーロッパ大陸は、短期間(2022 年から 2050 年の間)で人口が全体的に減少する世界で唯一の大陸でもあり、推定によると約 7% の減少となります。