shpファイルを緯度経度情報とともにcsv出力する方法

[TK]

農研機構がオープンデータとして無償配布している全国デジタル土壌図のshpファイルを，QGISを用いて緯度経度情報とともに，csvファイルで出力したいと考えています．

その際に，可能であればshpファイルのデータを一度，250m間隔のメッシュに区切り，

格子ごとに緯度経度の与え，最終的にはcsvファイルに緯度経度とshpファイルの属性データを数値として出力したいです．

QGISに関する知識が乏しいため，つたない説明となってしまいましたが，解決策や

その方法を知っている方がいましたら，過程だけでもご教授していただきたいです．

よろしくお願いいたします。

[ありた]

こんにちは

まず CSV 形式への出力方法です。

レイヤパネルより目的のベクタレイヤを右クリックし、「エクスポート　→　地物の保存」を

選択します。そして出力する際に、形式を「カンマで区切られた値[CSV]」とします。

レイヤオプションより「GEOMETRY」を「AS_WKT」とすることで位置情報が付加されます。

ただし点データではなくポリゴンデータであるため WKT とよばれる下記のような形式と

なります。

POLYGON ((30 10, 40 40, 20 40, 10 20, 30 10))

ポリゴンの WKT はカンマを含みますので、好みにより「SEPARATOR」を「TAB」とすると

よいかと思います。

（カンマ区切りの場合、引用符で囲まれるためちゃんとしたソフトでは問題ないかと

　思いますが、単純にカンマで分割してしまうソフトだと正しく認識できません）

次に 250m メッシュですが、もとのポリゴンを 250m 間隔で分割したいのか（分割した結果、

土壌ポリゴンの領域末端では分割結果が正方形でなかったり、非常に小さかったりする）

250m グリッドごとにデータを整理したいのか（グリッド内に複数の土壌情報が含まれる

場合、占める面積や、グリッド重心に位置する方などを代表として示すのか）により

行う処理が異なります。

とりあえず単純な前者について述べます。

プロセシングツールの「グリッドの作成」でグリッドタイプを「長方形」にし、 250m 間隔の

グリッドを生成します。（※脚注参照）

「メニュー　→　ベクタ　→　空間演算ツール　→　交差 (intersect) 」を実行し、

入力レイヤ（私の手元の環境だと入力ラスタと誤訳がありますね）に分割したい土壌レイヤを、

オーバーレイレイヤに生成したグリッドレイヤを指定します。

その他引き継ぎたい属性データを選択し、処理を開始すると分割されます。

このように、 QGIS では目的そのものを解決する処理ではなく、単純な機能が多数用意され、

それを組み合わせて（ときに多くの中間レイヤが作成されつつ）目的を達成できるように

なっています。

※

なお、「 250m メッシュ」という場合、平面直角座標系などの距離感が非常に正確な

座標系上で 250m 間隔で区切ったグリッドという場合と、経緯度座標系を使用し、

緯度差7.5秒、経度差11.25秒とした「約 250m メッシュ」あるいは「4分の1地域メッシュ」を

指す場合があります。

後者は距離が約 250m で、かつ、地域（緯度）によって大きさが異なりますが、

日本全国をダブりなく分割できるので、統計などで用いられています。

[TK]

ありた様

非常にわかりやすい解説いただきありがとうございます。

改めて2点質問があります。

まず、解説いただきました通りに進めた結果、shpファイルのポリゴンデータの緯度経度情報を

csvファイルで出力することができました。

しかし、出力先のcsvファイルを開くとデータ量が多いせいか下図のように出力されてしまします。

これを改善するための方法を知っていましたら改めて教えていただきたく思います。

続いて、250mメッシュについてですが、ありた様が後者として挙げられていた

4分の1地域メッシュごとに、メッシュ内に含まれる土壌情報の占める割合からデータを整理したいと考えています。

そのため、そちらについての解説を詳しくお聞きしたいです。

図々しく申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

2021年2月27日土曜日 12:13:41 UTC+9 ありた:

[sakuya_izayoi]

izayoiです。

①CSVで得られたデータの改善といわれましても、色々とありますが、各セルに数字が入ってほしいという意味合いでとらえました。

手元にExcelがあることを前提で話します。

1.まず、自分なら「MULTIPOLYGON」が邪魔なので、置換機能を使って全部置換で消してしまいます。同じく、 括弧（　）もいらないので置換します。

2.その後「区切り位置」コマンドを用いて、「カンマやタブなどの区切り文字によって～」を選び、「区切り文字」は「カンマとスペース」のみにチェックを入れます。

3.完了を押すと、各セルに数字のみが入った状態になります。

その後は、どのように成形したいか分からないので、自分で使いたい形に整形します。

② 4分の1地域メッシュごとに整理。

基本的に、実施コマンドはありたさんが書いてくださっているのでそれを参考にすると良いです。

4分の1地域メッシュが欲しいという事でしたら

https://www.e-stat.go.jp/gis/statmap-search?type=2

を訪れて、５次メッシュのデータをダウンロードして使ってみてください。その時に、

「世界測地系緯度経度 shapefile」を用いるか「世界測地系平面直角座標系 shapefile」を用いるかなのですが、私の場合は、市町村～県レベルまでなら平面直角座標系を使います。東海地方や首都圏とか複数都道府県をまたぐようなら緯度経度を使います。が、この辺りは好みの問題となるので、面積算定などをささっと行うという感じなら平面直角系で良いかなと思います。

2021年2月28日日曜日 17:26:12 UTC+9 TK:

[TK]

izayoi様

解説いただきありがとうございます。

①についてなのですが、Excel上での操作ではなくQGISでshpファイルをcsvファイルで出力する際に

1つのセルだけでなく、勝手に他のセルへ情報が書き出されてしまうことを防止・改善する方法についてお聞きしていたつもりでした。

言葉足らずな部分があり誠に申し訳ありませんでした。

②貴重な情報をありがとうございます。

例えばなのですがお知らせしていただきました５次メッシュのデータのshpファイルと土壌特性データのshpファイルを

組み合わせて５次メッシュのデータごとに土壌特性の割合を計算したり、メッシュの中心点の緯度経度と併せて出力したりする

方法はありますでしょうか？

御回答いただけたら幸いです。

2021年3月2日火曜日 9:50:47 UTC+9 sakuya_izayoi:

[sakuya_izayoi]

izayoiです。

①については、自分で選択した地物のみのCSVファイルが欲しいという事でしょうか？

それならば、あらかじめ地物を選択しておき、エクスポートする際に、添付図の赤枠部分にチェック入れておくと良いです。

②5次メッシュと土壌特性データのshpファイルを、「ベクタ」→「データ管理ツール」→「属性の空間結合」

を使うのが楽かなと思います。入力レイヤは5次メッシュ、結合するレイヤを土壌図とするのが良いかなと。

また、中心が欲しいならば、フィールド計算機を用いて、

x( $geometry)

y( $geometry)

としてやればポリゴンの座標系に応じた中心を得ることができます。そのため、レイヤを自分が望んだ座標系に変換しておく必要があります。

（エクスポートでcsvを出力するときコマンドで、csvではなく、Esri Shapefileなどを選び、座標系を自分で任意のモノに変化してやればＯＫです。）

他にもう少し簡単な関数があったような気もしないでもないけど、今すぐ出てきません。（centroid関数はポリゴンに使えないのかな？）

2021年3月2日火曜日 16:19:12 UTC+9 TK:

[TK]

izayoi様

改めて解説いただきありがとうございます。

①こちらが勘違いしており、出力されたcsvファイルをExcelではなく、テキストで開くことで解消されました。

②とても分かりやすい説明をありがとうございます。参考にして試させていただきます。

2021年3月2日火曜日 17:27:45 UTC+9 sakuya_izayoi: