例年フランス大使館主催の科学写真(画像)コンクールが行われています。私もファイナリストとして今週の表彰式(フランス大使館)に行ってまいりました。全体的には物理系シミュレーション結果の可視化なども多い印象でしたが、受賞作品は生物系(顕微鏡画像など)が多く、私の作品は数少ない地球科学系でありました。地質調査所(産総研)からは凡例と文字を抜いた地質図をほぼ無加工で出展した作品もあり、ファイナリストに残っていましたので、来年どなたか「土地利用図」を美しく加工して出展されてはいかがでしょうか。
ファイナリスト12選はこちらをご覧ください。
https://concoursyugen.jp.ambafrance.org/
なお、私自身は今回同時に行われた「タラ オセアン賞」の審査にてファイナリスト6選に入ったので、表彰式(および立食晩餐会)に参加してまいりました。サーモカメラの画像から凡例を抜いただけです(無加工オジサン)。
Ichinose, T. (2024): Soleil, Nuages, Végétation, Rochers(太陽、雲、植生、岩石)
6 finalistes, Le prix Tara Océan(タラ オセアン賞ファイナリスト6選)
La 4ème édition du concours d’images scientifiques “Beauté Cachée de la Science”(第4回サイエンスフォトコンテスト「科学の幽玄」)
L’Ambassade de France au Japon(在日フランス大使館)
栃木県日光市の足尾荒廃地。ここでは近代以降の銅の精錬による深刻な大気汚染により、森林が広大に失われたが、人類の不断の努力により、山の斜面に緑が回復してきた。斜面の一部に雲がかかり、植生が回復した場所と岩石・土砂が露出した場所が混在しているため、四種類の地表面温度をサーモカメラ(低温部:紫、高温部:黄)で見ることができる。
一ノ瀬は1990年に農林水産省の技術官僚(砂防工学:山腹斜面の浸食防止技術)として、栃木県足尾町の現場に赴任し、当該地域の国有林野緑化事業に従事した経緯がある。本作品はその30年後に行われたUAVの空撮画像であるが、これらのデータに、当時自らが従事していた事業の成果を確認することができた。こうした森林の大規模な回復により、野生動物の生息数も増加してきている。
https://concoursyugen.jp.ambafrance.org/le-prix-tara-ocean-%e3%82%bf%e3%83%a9-%e3%82%aa%e3%82%bb%e3%82%a2%e3%83%b3%e8%b3%9e/#!gallery/14-nv/file/358/default
一ノ瀬俊明
国立研究開発法人国立環境研究所シニアリサーチアドミニストレーター
名古屋大学大学院環境学研究科客員教授(2008.2~)
(連携大学院は終了しました:2008.5~2024.3)
中国上海・華東師範大学顧問教授
ICHINOSE, Toshiaki, Prof. Dr. Eng.;
Senior Research Administrator, NIES, Japan;
Visiting Professor (2008.2-), Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University;
(Former Affiliate Professor: 2008.5-2024.3);
Advisory Professor, East China Normal University;
National Institute for Environmental Studies (NIES);
http://researchmap.jp/laijunming/