OpenFoamでのMPS法について

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川村

unread,
Dec 5, 2010, 2:13:18 AM12/5/10
to OpenFOAM
質問させていただきます。数値計算およびOpenFoam初心者の川村と申します。
今、OpenFoamで沸騰や凝縮問題を解きたく情報収集をしております。

沸騰・凝縮問題は分子動力学的に解くのが有効でありそうなので、
二相流ソルバーであるinterFoamやtwoPhaseEulerFoamなどによっては沸騰現象を扱えないのではないかと思っています。
そこで、越塚先生のMPS法に興味を持ちました。

第一段階としてMPS法を使ってまずはダムブレイク問題を解析してみたいと思っていますがそもそもOpenFoamではMPS法に該当するソルバーはあ
るのでしょうか。

チュートリアルにあるlagrangianがそうだと思ったのですが、どれも化学反応を扱ってるようで、いまいち二相流への応用に結びつきません。

質問をまとめます。
MPS法によるダムブレイク問題を扱うにはどのソルバーを使えば良いのでしょうか?
もしくは、自らプログラミングをしなくてはならないのでしょうか?

OpenFoam1.7.0を使っています。

根本的に間違っていることを言っているかもしれません、何卒ご教授をお願いします。

S.kita

unread,
Dec 5, 2010, 8:36:26 AM12/5/10
to OpenFOAM
S.kitaといいます。
私もMPS法がどういうふうに計算しているか程度のぼんやりとした知識しかありませんが
わかる範囲でお答えします。

まずopenfoamにMPS法に該当するソルバがあるかどうかというと、無いです。
というか、粒子法/meshfree法に該当する手法は開発版等でもimplementされていないようです。
(それこそ分子動力学方面のDSMCやMDのソルバはありますが、それだったらLAMMPSのような
他のフリーコードの方が機能が充実しているように思います)

開発者が集中する欧州では粒子法としてSPHによるコードがフリーで配布されていまして
これが粒子法の分野における欧州でのopenfoam的な役割をしているのかと個人的には思います。

SPHYSICS(F77、 並列化対応版は未配布)
http://wiki.manchester.ac.uk/sphysics/index.php/Main_Page

ただしこのコードの解析対象は主に海洋・土木向けのコードなので
沸騰・凝縮は取り扱えません。

MPSでのダムブレイクならば、越塚先生が主催されている粒子法の研究会
(粒子法コードユーザーグループ)に登録すれば、先生の研究室で開発された3次元の
海水打ち込みのコードを提供してもらえます。私も入会していますが、入会に際して
特に制限等はなかったと記憶しています。

http://dynaxserve.nmri.go.jp/MPSCUG/

それから既存のopenfoamで沸騰・凝縮ができるかどうかについては調べたことなかったのですが
ネットで探すとVOF法ベースで沸騰現象を解析するような試みもやられているようです。

http://www.csi.tu-darmstadt.de/media/csi/news_1/dbdopenfoamworkshop/kunkelmann_20090407_csi_openfoam_workshop_kunkelmann.pdf

現行のinterFoam等を改良するか、MPSのモジュールを作るか、はたまたopenFoam抜きでやるかのいずれかだと思いますが、
試み的にはopenFoamにMPSを実装するのはSMAC法に近いMPSのアルゴリズムはopenFOAMの従来のコードと比較的
近いのではないかと考えています。
ただ粒子法全般にいえることのようですが、並列化させてlinearにパフォーマンスを出そうとすると、結構大変だという印象があります。

雑駁な文章となってしまいましたが、お役に立てれば幸いです。

川村

unread,
Dec 6, 2010, 9:03:49 AM12/6/10
to OpenFOAM
S.kita 様

ご回答ありがとうございます。
LAMMPSやSPHYSICSなど初耳のものばかりで、自分の調査の薄さを痛感しました。


OpenFoamにMPSが実装されていないのは残念ですが、VOF法ベースで沸騰現象を扱えるのであれば、そちらへシフトしたほうが自分にとって良い
と思いました。
今まで、VOF法では沸騰現象は計算が破たんすると思っていたので、ご紹介いただいた資料はとても興味の持てるものでした。

ただ、ソルバーの改造はicoFoamに温度場と重力を導入の経験しかないのでかなり難航しそうですが、相変化現象やC言語について学びつつ頑張りたい
と思います。
それに際し、どなたかOpenFoamへ相変化現象を導入するためのソルバー改造のヒントを頂けると幸いです。

On 12月5日, 午後10:36, "S.kita" <shingo0323northw...@gmail.com> wrote:
> S.kitaといいます。
> 私もMPS法がどういうふうに計算しているか程度のぼんやりとした知識しかありませんが
> わかる範囲でお答えします。
>
> まずopenfoamにMPS法に該当するソルバがあるかどうかというと、無いです。
> というか、粒子法/meshfree法に該当する手法は開発版等でもimplementされていないようです。
> (それこそ分子動力学方面のDSMCやMDのソルバはありますが、それだったらLAMMPSのような
> 他のフリーコードの方が機能が充実しているように思います)
>
> 開発者が集中する欧州では粒子法としてSPHによるコードがフリーで配布されていまして
> これが粒子法の分野における欧州でのopenfoam的な役割をしているのかと個人的には思います。
>
> SPHYSICS(F77、 並列化対応版は未配布)http://wiki.manchester.ac.uk/sphysics/index.php/Main_Page
>
> ただしこのコードの解析対象は主に海洋・土木向けのコードなので
> 沸騰・凝縮は取り扱えません。
>
> MPSでのダムブレイクならば、越塚先生が主催されている粒子法の研究会
> (粒子法コードユーザーグループ)に登録すれば、先生の研究室で開発された3次元の
> 海水打ち込みのコードを提供してもらえます。私も入会していますが、入会に際して
> 特に制限等はなかったと記憶しています。
>
> http://dynaxserve.nmri.go.jp/MPSCUG/
>
> それから既存のopenfoamで沸騰・凝縮ができるかどうかについては調べたことなかったのですが
> ネットで探すとVOF法ベースで沸騰現象を解析するような試みもやられているようです。
>
> http://www.csi.tu-darmstadt.de/media/csi/news_1/dbdopenfoamworkshop/k...
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