定例のメジャーバージョンアップである 3.4 版がリリースされました。
日本語メッセージファイルが同梱されていないパッケージや、GNU
gettext が無い環境でビルドした人向けに、日本語メッセージファイルを
以下から入手できるようにしてあります。
として配置してください。詳細に関しては以下のページを参照してください。
また、リリースノートに列挙されているもののうち、「後方互換性に影響
有り」とされているものに関しては、別途以下のページにまとめられてい
ます。
スクリプト等による自動化に hg コマンド起動が含まれるケースや、サー
ドパーティ製のエクステンションを開発・利用している方は、特に注意を払っ
ておいたほうが良いでしょ。
3.4 での修正項目のうち、3.4-rc に関する以下の投函では触れなかった
ものについて、簡単にまとめようと思ったのですが、流石に項目が多過ぎ
て、全部をまとめるのは断念しました(笑)
とりあえず、エンドユーザレベルで影響がありそうなものや、個人的に気
になったものを中心に、ピックアップしたものだけを紹介したいと思いま
す。
以降で触れていないものに関して、「この変更ってどういう意味なの?」
等の質問があれば、お気軽にお寄せください。
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コア機能に関する変更
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- subrepo: add 'cat' support for git subrepos
- subrepo: add basic support to hgsubrepo for the files command
- subrepos: support adding files in git subrepos
- subrepo: add include/exclude support for diffing git subrepos
- subrepo: add status support for ignored and clean files in git subrepos
サブリポジトリ機能の強化として、以下のものが取り込まれました。
- cat での git サブリポジトリ対応
- file でのサブリポジトリ対応
- diff での git サブリポジトリにおける -I/-X の適用
- status での git サブリポジトリにおける ignored/clean ファイル対応
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hgweb に関する変更
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- json 形式出力の強化
ウェブ UI での json スタイル定義が強化されています。
情報参照系の処理であれば、Mercurial の内部 API を叩く代わりに、
json 経由で情報を得たほうが、人/状況によっては簡単かもしれませ
んね。
- ウェブ UI の URL 仕様に関するヘルプの追加
hgweb 機能に直接は関係しませんが、"hg help hgweb" の出力に、ウェ
ブ UI の URL 仕様に関するヘルプが追加されました。
おそらく、上記の json 対応の利用者向けなのではないかと思います。
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エクステンションに関する変更
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- censor エクステンションの追加
リリースノート的には、おおっぴらに明記されていませんが、「検閲機
能」の UI を提供する censor エクステンションが、標準同梱されるよ
うになりました。
検閲機能がどのよなものなのかは、別途以下のブログエントリにまとめ
てみましたので、興味があれば参照してみてください。
- color: support a different color mode when the pager is active
Windows 上で color と pager を併用する場合、色々と面倒な話があり
ます。
ANSI モード対応のページャを併用するために、[color] mode = ansi
を設定してしまうと、ページャを使わないケースで、色付けが上手く機
能しなくなってしまいます。
3.4 からは、[color] pageremode 設定が導入されたので、ページャ使
用の有無に応じて、異なる色付け方式が選択できるようになりました。
- largefiles: set the extension as enabled locally after a clone requiring it
largefiles を使用しているリポジトリから clone した際に、複製先リ
ポジトリの .hg/hgrc で largefiles を自動的に有効にするようになり
ました。