絶対収束/条件収束する級数の項の並べ替え

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H.Hiro(Maraigue)

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May 15, 2013, 1:51:42 AM5/15/13
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H.Hiroです。

私が大学2年のときに使っていたテキスト(井上純治、勝股脩、林実樹広「級数」、共立出版 http://www.amazon.co.jp/dp/4320015878)を読んでいたら、今回のテキストでは扱われていない「級数の項の並べ替え」という話題があったことに気づいたので、個人的に勉強してました。

で出てきたのが、以下の性質でした。
(1) 級数 Σ a_n が絶対収束するとき、この級数の項を並べ替えても級数の値は変わらない。
(2) 級数 Σ a_n が条件収束するとき、この級数の項を適当に並べ替えることで、その値を任意の実数にできる。

「級数の項の順序を並び替えても値は変わらないんじゃない?」というのが自然な感覚なのですけど、それが保証されるのは絶対収束する場合に限られる、というのが興味深いところです。しかも条件収束であれば、うまく並び替えることで値を自由に変えられるというのです。

例えば 1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 + 1/5 - 1/6 + ... を並べ替えて、1 + 1/3 - 1/2 + 1/5 + 1/7 - 1/4 + (正負交互ではなく、正2項・負1項の順で並べる)としただけでも、級数の値は変わります(前者はln 2、後者は(3 ln 2)/2)。

まとめたものはここに書きました。
http://nazolab.net/notes/n/279

小南秀一郎

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May 15, 2013, 8:26:03 PM5/15/13
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Hiroさん、 小南です。 
 
とっても面白いですね、定理1は最初無限級数の項を並び替えるってイメージが浮かばなかったのですが証明見て理解できました。定理2はもっとわくわくしますね。ところで質問が2つ。定理1の証明で正の項と負の項それぞれの級数が収束するのは「解析入門」の定理42から判るのですが、その和が元の級数に等しいというのは無限和の場合には’直には’言えないように思うのでうすが共立のテキストにはこの証明がありますか、多分一般の級数の場合にはこうならなくて正項級数の場合はこうなるのかなと思ったりするのですが。それから定理2の証明で正項の級数も負項の級数も両方発散するというのはやはり’直に’言えるのでしょうか。片方だけ発散するというのもあるような気がするのですが。’直ちに’でいつもひっかかってしまう小南からの質問です。今度お会いした時にでも教えてください。
 

2013年5月15日水曜日 14時51分42秒 UTC+9 H.Hiro(Maraigue):

小南秀一郎

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May 16, 2013, 2:20:21 AM5/16/13
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Hiroさん  小南です。
 
定理1の方の疑問は自分でなんとか証明らしきものが出来ました。 絶対収束すればイコールになるんですね。 定理2の方の疑問はまだ解けません。
 

2013年5月15日水曜日 14時51分42秒 UTC+9 H.Hiro(Maraigue):

小南秀一郎

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May 16, 2013, 8:17:06 PM5/16/13
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Hiroさん。 小南です。 定理2の方の疑問も一応解決しました。 お騒がせしてすみませんでした。 なんか自問自答の一人相撲になってしまいました。
 
ちなみに私の考えた証明(やってみると証明という程のものではないですが)の概要は以下のとおりです。
 
定理1の方の疑問は 正項の無限和をS 負項の無限和をT 元の級数の無限和をU。nまでの和をそれぞれSn、Tn、Unとすると。
Nを十分大きくとれば、Un<S+T+-e+-e<S+T+-2e
 
定理2の方の疑問は ケース1:SもTも収束、ケース2:どちらかが収束、他方が発散、ケース3:両方発散(これで全ての場合を網羅している)
ケース1は絶対収束してしまう。ケース2はUが発散してしまう。したがってケース3しかない。
 
多分合っていると思うのですが。
 
 

2013年5月15日水曜日 14時51分42秒 UTC+9 H.Hiro(Maraigue):

小南秀一郎

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May 19, 2013, 10:33:32 PM5/19/13
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すみません、小南です。またまたお騒がせ。
 
定理1の疑問の証明、最後の式は
 
 S+T-2e<U<S+T+2e (eはεのつもり)  
 
でした。
 

2013年5月15日水曜日 14時51分42秒 UTC+9 H.Hiro(Maraigue):
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