発起人の[石橋秀仁]です。
日本語でのMarkdownの普及を推し進めたく、Japanese Markdown User Groupを作ることにしました。
ここでは
- 使いやすいMarkdownエディタの情報を共有することや、
- Markdownの利用に際して困ったことの相談など
の話題を取り扱いたいと思います。
Markdownユーザーの日常的な情報交換の場として活用して頂ければと思います。
さて、それはそれで大事なことなのですが、「なぜMarkdownが重要なのか」についても語るべきことがあります。
いまMarkdownに注目する理由としては、「オープン・ガバメント」(開かれた政府)や「オープン・データ」(公共データの公開)といったムーブメントがあります。これは行政機関が持つ「構造化されたデータ」を公開する取り組みです。
一方で、行政機関が作成した「文書」「文章」を、よりアクセスしやすい形で公開していくことも重要です。このような「アクセスしやすさ」は「アクセシビリティ」(accessibility)とも呼ばれます。
アクセシビリティはウェブの根本的な価値です。「オープン・データ」よりも「アクセシビリティ」のほうが広い概念です。どちらも「オープン・ガバメント」(開かれた政府)の実現のための取り組みです。ところが「文書のアクセシビリティを高めること」は、それほど進展しているように思えません。これが私(石橋)の問題意識です。
日本の行政機関は、しばしばアクセシビリティを無視した「情報公開」を行います。例えば「一太郎で作成した文書をプリント・アウトし、それをスキャンした画像をPDFとして公開する」といったようなことです(「一太郎」を知らない人は「Microsoft Word」と同類のソフトウェアだと思ってください)。行政コストの観点から、わざわざ一度印刷したものをスキャンするという「無駄な仕事のやり方」は気になります。しかし、ここでの問題はそれではありません。より大きな問題は、情報のアクセシビリティが損なわれているという点です。
もし同じ文書がデジタルなテキスト・データのまま公開されれば、例えば視覚障害者にとってもアクセスしやすいですし、Googleのような検索エンジンが収集して検索可能にもなります。情報へのアクセシビリティが高い状態とは、つまりこういう多様なアクセス手段がある状態のことです。画像にすることで、文書のアクセシビリティが損なわれてしまっています。つまり、視覚障害者が読み上げソフトウェアを使って文書の内容を聴くことは難しくなります。Googleが文書の内容を検索可能にすることも難しくなります。
「文書」のアクセシビリティを高めることが大事です。そして、その手段としてMarkdownを普及したいと考えています。
「なぜMarkdownなのか」については『[Markdown は、公文書のアクセシビリティを高め、オープン・ガバメントを促進する破壊的イノベーションか? - Zerobase Journal]』に書きましたので、ご参照下さい。要点だけ言えば、私が考える「現実解」だということです。
以上が、発起人の私(石橋)がMarkdownを普及したい理由です。それはそれとして、みなさんがMarkdownの情報を気軽に交換することも大事です。堅い話と柔らかい話、その二つが混じり合うような場にしたいと思います。