jbovlasteのstikaとxraniの定義について

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いっしょうさん

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Dec 4, 2016, 1:23:19 AM12/4/16
to ロジバン相談室
jbovlaste で stika と xrani を調べたところ次のような定義がでてきました:
stika
ロジバン: x1 gasnu lo nu x2 cenba fi x3
英語:x1 (event) adjusts/regulates/changes x2 (ka/ni) in amount/degree x3.
xrani
ロジバン:x1 gasnu lo nu x2 spofu x3 gi'a jdika lo ka tolpo'u x3
英語:x1 (event) injures/harms/damages victim x2 in property x3 (ka) resulting in injury x4 (state).

ところが、gasnu を調べると、
gasnu
ロジバン:lo nu x1 zukte cu selja'e x2
英語:x1 [person/agent] is an agentive cause of event x2; x1 does/brings about x2.
となっています。
つまり、gasnu の定義が正しいとすると、stika と xrani のx1はevent項であることはできないと思われますので、
これらの英語定義は間違っている、となります。
例えば、xrani の例としては、

la alis. nasai se xrani アリスは全く怪我が無かった。 

lo'e xunre glare tunta cu jelca xrani lo'e zo'o jgari be ty 赤熱した棒を面白がってつかむ者は火傷する。

となっており、どちらも event ではなく agent です。


jbovlaste では、英語定義が主であると今まで思っていたのですが、他にもロジバン定義と英語定義の矛盾が見られます。

上の問題は、やはり英語定義が正しく、ロジバン定義が間違っているのでしょうか?

ロジバンをロジバンで学習しようと思い立った私には、意外と大きな問題ですので、

どうかよろしくご助言お願い致します。


niftg

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Dec 4, 2016, 9:36:14 AM12/4/16
to lojban...@googlegroups.com
> jbovlaste では、英語定義が主であると今まで思っていたのですが、他にもロジバン定義と英語定義の矛盾が見られます。
> 上の問題は、やはり英語定義が正しく、ロジバン定義が間違っているのでしょうか?

英語定義が公式で、ロジバン定義が暫定的である、とのみ自分は認識します。どちらが「正しい」かは、使用者の立場や目的によりけりかと。

現状のロジバン定義は殆どがla.xorxes.によるものですが、英語定義との互換性はしばしば無く、何らかの方針に基づいてPSの「整理」が為されたものです。その「整理」の方針がBPFKの意嚮[1]とどれほど重なるのかちょっとよくわからないので、もしロジバン定義が将来的に公式なものとして英語定義に取って代るとしても、現状の定義のまま継承されるかどうか自分には確信がありません。(個人的にはそもそも「整理」の必要性についてやや疑念を抱きます。)

[1]: https://mw.lojban.org/papri/BPFK_Section:_gismu_Issues などは雑然としたリストですが参考までに

{galfi}のロジバン定義なんかを見てみると、la.xorxes.が{x1 gasnu lo nu x2 binxo x3}とするのに対して、la.ilmen.は{x1 selja'e lo nu x2 binxo x3}としてたりして、ロジバン定義(に限定はされませんが)の方針は必ずしも一通りではない様に感じます。
(個人的にはgasnuではなくselja'eで定義する事により現状の英語定義との互換性を図る様な方針に共感する立場ですが、la.xorxes.による定義の背後にある思想が十分に明文化されて一覧できる形にまとめられた際には立場を改める可能性も無くはないです。)

cogas.

unread,
Dec 5, 2016, 2:30:53 AM12/5/16
to ロジバン相談室


2016年12月4日日曜日 15時23分19秒 UTC+9 いっしょうさん:

例えば、xrani の例としては、

la alis. nasai se xrani アリスは全く怪我が無かった。 

lo'e xunre glare tunta cu jelca xrani lo'e zo'o jgari be ty 赤熱した棒を面白がってつかむ者は火傷する。

となっており、どちらも event ではなく agent です。



ちなみに、この{xrani}の例はどこから持ってきたものですか?

些細ですが、1つ目の例においては{la .alis.} は xrani_2 の項であり、これはロジバン定義とも矛盾しないと思います。

 

jbovlaste では、英語定義が主であると今まで思っていたのですが、他にもロジバン定義と英語定義の矛盾が見られます。

上の問題は、やはり英語定義が正しく、ロジバン定義が間違っているのでしょうか?

ロジバンをロジバンで学習しようと思い立った私には、意外と大きな問題ですので、

どうかよろしくご助言お願い致します。


niftgさんと同じく私も、あくまで公式定義は現在のところ英語定義だけだという認識です。 

jbo定義においてこれらを{gasnu}で記述した意図は xorxesさん本人に聞いてみないと分かりませんが、個人的な見解を書きます。
{xrani} や {stika} の x1 と x2 の関係は、「x1 が x2 が然々である状態を引き起こす」というのではなく、「x1 が x2 が然々である状態を引き起こそうとした」という関係だと思います。
{stika} についていえば、日本語定義にも「結果(調整した後どうなったか)は含意されない。」という記述があります。
{xrani}については分かりませんが、少なくとも xorxes さんは {stika} と同じ類の述語だと考えているのでしょう。

この視点で考えると、{selja'e} というのは「x1 が x2という結果をもたらす」という関係ですから、{stika} を {selja'e} で記述してしまうと意味的に英語定義と矛盾します。
そこで、恐らく xorxes さんは {gasnu} を「x1(意図は問わない)は x2 の状態を実現しようとする」「x1 は x2 の状態の実現を志向する」という素朴な関係として用いたのではないかと思います。

mu'o

いっしょうさん

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Dec 9, 2016, 6:56:12 AM12/9/16
to ロジバン相談室
回答ありがとうございます。
私も英語定義が標準であると思っていますので、
お二人の回答の通りであろうと思います。
ただ、現在辞書を調べているのは、
英語定義の person と agent の存在論(言語学的オントロジー)はどうなっているのか、
という疑問を解決するためでした。
これにロジバン定義が非常に役立つと気付いたので、
英語圏独特の存在論ではなく、
ロジバン標準の存在論をロジバン定義からその輪郭を得られないかと努力しています。
それにしても、お二人が述べているように、
ロジバン定義はまだまだ完全には程遠いと感じました。
しかし、ロジバン定義で gasnu を使っていれば、x1 は agent であるので、
英語定義に較べると、非常に分かり易いので、捨て難いです。


cogas.

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Dec 10, 2016, 2:08:56 AM12/10/16
to ロジバン相談室


2016年12月9日金曜日 20時56分12秒 UTC+9 いっしょうさん:
素人考えですみませんが、
ロジバン定義において、gasnu の x1 にあたる項位置を agent とみなすことで、
ロジバンの agent の存在論を理解しようと(もう少し踏み込んで言えば、gasnu の使われ方によってロジバンの agent 性を定義しようと)いうことですよね。

もしそうでしたら(現状のロジバン辞書がこういった考察に堪えるものであるという前提の上で)、
{stika} や {xrani} の x1 が、ロジバン定義では gasnu_1 であるにもかかわらず、(英語定義では)event 項を取ろうとする構造というのは
まさに英語圏独特の agent の言語学的オントロジーではない、ロジバン固有の agent に対する存在論がそこに現れていると見ることはできないのでしょうか?
つまり、ロジバンにおいては event も agent になりうる(それが従来の・典型的な agent の存在論とくらべて異質であったとしても)とは考えられませんか?

いっしょうさん

unread,
Dec 10, 2016, 9:23:21 PM12/10/16
to ロジバン相談室
こんにちは
agent については、英語の存在論では、言語学の動作主を agent と考えているらしく、動作主は人だけでなく、あらゆる個体(擬人化)がなることができると思える。それで英語ロジバンではこれを
  gasnu(person/agent, event)
なる異種二項関係と定義する。このagent にevent が含まれないのは、gasnu と同じ事を意味する同種二項関係として
  rinka(event, event)
が別に定義されているから。
私も、英語文法をそのまま gasnu に写したのであれば、gasnu のX1を拡大解釈することは可能であると思う。しかし、
述語論理的に関係として、gasnu を異種関係、 rinka を同種関係として区別して定義しているので、論理的には、gasnu のx1は個体、rinka の x1は事象とすべき、と考える。
私にとって、問題と考えているのは、gasnu を object と event の関係とすると、
  x1 gasnu x2
が真であるとき、x2は事象なので、x2は真理値を持たない。(x1はagentではない=person)
一方、catra のような x1 を agent として定義されている賓述語は、
  x1 catra x2
が真であるならば、
  x1 gasnu lo nu x2 mrobi'o
が真であるだけでなく、
  x2 mrobi'o
も真である、のではないかと考えている。
ただ、この考え方はロジバンの英語定義とは少し異なるような気がしている。
agent をロジバンに導入するなら、こうではないかと思えるのだが、
英語定義において、x1がagentであるかないかは、本当に厳密に考察されているかどうかは、
私には分からない。または person と agent に関する説明は CLL には記載されていないので、
私の推測の域をでない。(上の議論は、gasnu と zukte との区別にも使える。)
ロジバンを自然言語ではなく、形式言語として使うなら、重要な問題だと思っている。

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