早速ですがお聞きしたいことが二つあります。
1. ロジバンを母語とする話者は存在するのでしょうか?
2. 自然言語には幼児語や、子どものよくする間違いに優先して覚える語彙などがあります。ロジバンの母語話者にはそういったものが存在しうるのでしょうか。仮にあればどんな間違いになりますか?
ロジバン母語話者という設定の人物を自作に登場させようかと思っております。どうか皆さまのお知恵をお貸しください。よろしくお願いします。
子どもにロジバンを教える試みをしている家庭を2組知っていますが、家庭内の主な言語は英語なので、母語とは言えないと思います。
ロジバンの幼児語として定着している語彙は無いと思います。子どもが自分で発音しやすいように発話した音が、ロジバンの本来の語彙と違う音素列として認識されることはあり得ますが、その認識のされ方によっては、文法上の役割が変わってしまう可能性があります。
例えば子どもが mamta (母だ)という述語のつもりで mamma に似た発話をする場合、聞き取る側では ロジバンとして可能な音素列の範囲内で認識すると思います。ロジバンの音素列として mm が存在しないので、この発話を mama という音素列とみなすかもしれません。その場合は「何、何」という名辞の列として認識されることになり、述語ではなくなります。
子どもの発話を、本人の意図した意味を表す幼児語として認識するためには、述語として発話しているものを述語として可能な音素列とみなすように、聞く方が気を付ける必要があると思います。
例えば、mamta (母だ)の意味で子どもが発話したものを manma という音素列とみなせば、これはロジバンの述語として可能な音素列になります。そうすれば、これを mamta と同じ意味を表す幼児語とみなせます。
名称語を述語の仲間に入れるという新文法を採用するなら、 maman という音素列も幼児語として妥当です。
ほかに、擬音語などから作成する幼児語についても、述語として可能な音素列であれば、幼児語として採用できます。
以上の点に注意すると、以下のようなものが幼児語として提案できます。
mamta (母だ): manma, matca, maman (ママ)
patfu (父だ): pampu, patcu, pampa, patca(パパ)
bartu (外だ): batcu, bamba (オンモ)
jamfu (足だ): jampu, janja (アンヨ)
xance (手だ): atce, atca (テッテ)
cadzu (歩く): tcaju (アンヨ)
cidja (食べ物だ): djadja (マンマ、これは本来のロジバンとしてもこの意味として認識されます。)
jgari (抱く): garga (ダッコ)
sipna (眠っている): simpa (ネンネ)
cikna (目覚めている): kanka (オッキ)
gerku (犬だ): barba, barban (ワンワン)
mlatu (猫だ):nanta, nanan (ニャンニャン)
他の語彙も、述語になれる音素列で、なるべく既存の語彙と衝突しないものであれば、幼児語として使えると思います。
代名詞 ta (それ、そっち) ti (これ、こっち) tu (あれ、あっち) はもともと発音が難しくないので、幼児語の間でそのまま使われても違和感がないと思います。
mi'e la guskant