特定宗教に関係するgismuについて

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man Tansan

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Mar 15, 2016, 8:37:36 AM3/15/16
to ロジバン相談室
 gismu の中には特定の宗教を表す単語がいくつかあります。
例えば budjo, dadjo, jegvo, xriso, muslo などです。
しかし、これらの単語は文化的に中立でしょうか?
空飛ぶスパゲッティモンスター教徒の私には不公平だと感じられます(冗談)
国名の gismu が中立的ではないといった理由から批判があったのならば当然特定の宗教に関係する gismu も不適当だと思います。
皆さんはどう思いますか?
また、不適当だと思う場合は gismu を用いずにどういった方法で宗教を表せばいいでしょうか?

cogas.

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Mar 15, 2016, 10:34:23 PM3/15/16
to ロジバン相談室


2016年3月15日火曜日 21時37分36秒 UTC+9 man Tansan:
iesai 見えざるピンクのユニコーン信者の私としても不公平に感じます zo'o

国名や言語名同様、ISOが使えればそれが一番妥当な気がしますが、あいにく宗教のISO名はないので、
他のfu'ivlaのように {lijda}「宗教」を語幹につけて、

lijd r XXX

とするのがまず思いつきます。動物や植物名だとリンネ二名法のロジバン音写したものをXXXにもってこればいいですが、宗教名にはあいにくそういうものがないので、そこは考えどころです。こういうときは大抵、それの土着名の音写をもってきますので、今回もそうするのがいいかと思います(ただ、僕はそれぞれの宗教の土着名を知りませんし、「宗教の土着名」というキーワード自体なにか波乱を起こしかねない気もしてきます)。

現時点で、gismuに登録されている宗教をgismuを使わず表現する一番簡単な方法は、先ほどの fu'ivla の XXX にいまある gismuを当てはめる方法かと思います。つまり、「仏教」なら {lijdrbudjo}ですね。応急処置的ですが、「宗教gismu反対!」という意思表示にはなるかと思います。

mu'o

guskant

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Mar 16, 2016, 5:35:25 AM3/16/16
to ロジバン相談室


Le mercredi 16 mars 2016 02:34:23 UTC, cogas. a écrit :


2016年3月15日火曜日 21時37分36秒 UTC+9 man Tansan:
 gismu の中には特定の宗教を表す単語がいくつかあります。
例えば budjo, dadjo, jegvo, xriso, muslo などです。
しかし、これらの単語は文化的に中立でしょうか?
空飛ぶスパゲッティモンスター教徒の私には不公平だと感じられます(冗談)
国名の gismu が中立的ではないといった理由から批判があったのならば当然特定の宗教に関係する gismu も不適当だと思います。
皆さんはどう思いますか?
また、不適当だと思う場合は gismu を用いずにどういった方法で宗教を表せばいいでしょうか?





特定の宗教を表す gismu もブラックリストに入っています。


公式の gismu セットの見直しについてはまだ BPFK で議論されていませんが、 todo リストには入っています。


それが実際に議論される際に、上記のブラックリストに入っている gismu を "obsolete" 扱いにするかどうか検討することは可能だと思います。
(今までに BPFK による設計変更に従ってロジバンから排除された単語で、 既に jbovlaste に登録されていたものは、 "obsolete" というカテゴリに入っています。 例えば


この単語は 以下の設計変更に従って排除されました。



 
iesai 見えざるピンクのユニコーン信者の私としても不公平に感じます zo'o

国名や言語名同様、ISOが使えればそれが一番妥当な気がしますが、あいにく宗教のISO名はないので、
他のfu'ivlaのように {lijda}「宗教」を語幹につけて、

lijd r XXX

とするのがまず思いつきます。動物や植物名だとリンネ二名法のロジバン音写したものをXXXにもってこればいいですが、宗教名にはあいにくそういうものがないので、そこは考えどころです。こういうときは大抵、それの土着名の音写をもってきますので、今回もそうするのがいいかと思います(ただ、僕はそれぞれの宗教の土着名を知りませんし、「宗教の土着名」というキーワード自体なにか波乱を起こしかねない気もしてきます)。

現時点で、gismuに登録されている宗教をgismuを使わず表現する一番簡単な方法は、先ほどの fu'ivla の XXX にいまある gismuを当てはめる方法かと思います。つまり、「仏教」なら {lijdrbudjo}ですね。応急処置的ですが、「宗教gismu反対!」という意思表示にはなるかと思います。

mu'o



ie

lijd-r-[GISMU] という形の第3段階 fu'ivla は、 上記のブラックリストに載っていない gismu 形にも応用できますね。 {lijdrlojbo} ロジバン教、 {lijdrspero} エスペラント教、 {lijdrgugle} グーグル教...


公式がどうであれ、文化的 gismu を使いたくない場合、 それの代わりにロジバンの単語として話し手が自由に作れるものは cmevla か fu'ivla です。
今の公式文法では cmevla が selbrisle になれないので、 文法上の自由度から考えると fu'ivla のほうが使いやすいと思います。

fu'ivla を作る方法は以下のところに書かれています。


(この中で「短いラフシを付与」と書いてある方法は避けられる傾向があります。 それは、3文字 rafsi が fu'ivla のロジバン語根として判別されない場合があるという理由からです:

ここに書かれた方法を使って、例えば「空飛ぶスパゲッティモンスター教」を表す fu'ivla を作ってみましょう。

第3段階 fu'ivla の場合:
宗教であることがわかるように lijda という gismu から派生する lijd- という4文字 rafsi を接頭辞とします。

lijd- と、原語から転写したロジバン音素列を、 r か n か l で繋ぐと第3段階 fu'ivla ができますが、その元になる音素列として、いくつかの候補があり得ます。

1. 原語である flying spaghetti monster の音をロジバンの音素列に転写した 
-flainspagetimonsta

2. それぞれの語をロジバンに訳した vofli spageti cizda'u の音を並べた
-voflispageticizda'u
(この音素列そのままでは第4段階 fu'ivla にはなれません。 詳しくは後述します。)

3. 原語の別名 pastafarianism の音をロジバンの音素列に転写した
-pastafariiani
(この音素列そのままでは第4段階 fu'ivla にはなれません。 詳しくは後述します。)

4. 他の宗教と混同する恐れが無ければ、 簡単に
-spageti
だけを採用しても良いと思います。

以上の4つの音素列はどれも r で始まらないので、 接頭する lijd- との繋ぎとして r を使います。 
接頭する rafsi が r で終わるか、 原語からの転写文字列が r で始まる場合には、 「rr」 という音素列がロジバンで禁止されているために、 r を繋ぎに使えません。 そのため、代わりに n を使います。
同様に、 r も n も使えない場合の繋ぎには l を使います。

以上の音素列から作られる第3段階 fu'ivla はそれぞれ

1. lijdrflainspagetimonsta
2. lijdrvoflispageticizda'u
3. lijdrpastafariiani
4. lijdrspageti

となります。 



第4段階 fu'ivla の場合:
上記のロジバンに転写した音素列から第4段階 fu'ivla を作ることができます。 このとき、以下の点に注意して調整する必要があります。

1. brivla の特徴を満たすこと
2. gismu や lujvo や 第3段階 fu'ivla の形ではないこと
3. slinku'i テストに合格すること:
候補となる音素列の前に {pa} を付けても lujvo の形にならないことを確認する。例えば 「slinku'i」という音素列の前に {pa} を付けると、 {pas-lin-ku'i} という lujvo として解析され、 {pa}+[FUhIVLA] としては解析されない。 これを避けるために「slinku'i」という音素列は fu'ivla から除外される。
4. 2語に分離する形ではないこと

この 第4の条件は、 上記の音素列の候補 -voflispageticizda'u と -pastafariiani が、そのままでは第4段階 fu'ivla になれない理由です。  これらの例について言えば、 -fl- や -st- が brivla の語頭の子音のペアとして許されるので(


)、 {vo flispageticizda'u} や {pa stafariiani} という2語として解析されます。 それを避けるために、 i を除いて {voflspageticizda'u} としたり、 r を挿入して {parstafariiani}  とするなど、何らかの工夫をして、分離しない形に調整する必要があります。この調整後の形であれば、 -flsp- や -rst- が上記の brivla の語頭の音素列の条件を満たさないので、 vo- や pa- が cmavo として切り離されて解析されることはありません。

この第4の条件は lujvo 作成時の tosmabru テスト 
と同じ原理なのですが、 fu'ivla の場合の対処方法が lujvo と異なる(lujvo の場合は y を挿入するが、 fu'ivla の中では y が禁止されている)せいか、条件自体に呼び名は付いていません。 fu'ivla の場合の対処方法にアルゴリズムはないので、 ロジバンの音素列としての一般的な条件
や、 上記の条件 1 2 3 に違反しないように気をつけながら、 条件 4 を満たすように模索するしかありません。

以上の条件に気を付けると、今回の例の場合には以下の形が第4段階 fu'ivla の条件を満たします。

1. flainspagetimonsta
2. voflspageticizda'u
3. parstafariiani
4. spageti

ただし 1 2 4 は、このままでは意味上の難があります。
1 と 2 は、宗教ではなくて「空飛ぶスパゲッティモンスター」自体を表すと誤解されそうです。
4 は既に食べ物のスパゲッティを表す語として定義されています。

第4段階 fu'ivla として作成した語に、他の意味が充てられる可能性を避けるためのアルゴリズムもありませんから、この問題も作成者が模索して解決するしかありません。
この例の場合には最後に -lijda を追加して

1. flainspagetimonstalijda
2. voflspageticizda'ulijda
4. spagetilijda

とすると、誤解の恐れが減ると思います。 これらも第4段階 fu'ivla の条件を満たします。



こうして作った第3段階・第4段階の fu'ivla を他の人にも使ってもらうためには、定義を jbovlaste に登録する必要があります。
(そのつもりがない場合には、即席の fu'ivla の前に {za'e} を付けると、その場での用は足りると思います。)

 fu'ivla の定義の仕方にアルゴリズムはありません。
この例の場合は、 lijda の定義から派生して、以下のようにするのが適当だと思います。 

x_1 は x_2 (信者)の空飛ぶスパゲッティモンスター教
 

mi'e la guskant mu'o
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man Tansan

unread,
Mar 16, 2016, 10:57:42 AM3/16/16
to ロジバン相談室

丁寧で詳しい回答ありがとうございます。


特定の宗教を表す gismu もブラックリストに入っています。


公式の gismu セットの見直しについてはまだ BPFK で議論されていませんが、 todo リストには入っています。


それが実際に議論される際に、上記のブラックリストに入っている gismu を "obsolete" 扱いにするかどうか検討することは可能だと思います。
(今までに BPFK による設計変更に従ってロジバンから排除された単語で、 既に jbovlaste に登録されていたものは、 "obsolete" というカテゴリに入っています。 例えば


この単語は 以下の設計変更に従って排除されました。


すでにブラックリスト入りしてたんですね、知りませんでした。
fu'ivla には第三段階と第四段階があるようですが、この場合だと第三段階で十分かな?と感じました。

こうして作った第3段階・第4段階の fu'ivla を他の人にも使ってもらうためには、定義を jbovlaste に登録する必要があります。

こういった場合同じ意味の複数の言葉が登録される場合がありそうですね。
初学者の私にはハードルが高いですがいつか利用させていただきます。

ki'e mu'o 

man Tansan

unread,
Mar 16, 2016, 10:59:57 AM3/16/16
to ロジバン相談室
 
ご回答ありがとうございます。

 lijd r XXX
 
これで一応 fu'ivla になれるということですね。
おっしゃる通りXXXに入る土着名で揉める可能性もありますが、そこは折り合いをつけて使いたものを使っていくスタイルでいいのかも知れませんね。

ki'e mu'o

niftg

unread,
Mar 17, 2016, 12:20:33 PM3/17/16
to lojban...@googlegroups.com
2016年3月16日水曜日、cogas.さんは書きました:

2016年3月15日火曜日 21時37分36秒 UTC+9 man Tansan:
 gismu の中には特定の宗教を表す単語がいくつかあります。
例えば budjo, dadjo, jegvo, xriso, muslo などです。
しかし、これらの単語は文化的に中立でしょうか?
空飛ぶスパゲッティモンスター教徒の私には不公平だと感じられます(冗談)
国名の gismu が中立的ではないといった理由から批判があったのならば当然特定の宗教に関係する gismu も不適当だと思います。
皆さんはどう思いますか?

「国名gismuが不適当ならば宗教gismuも不適当だ」との信念を持つのであれば、総称的な「文化的ギスム(cultural gismu)」について検討してみるとよいかもしれません。文法書では形態論についての章の一節(https://lojban.github.io/cll/4/15/)の後半に記述があります(ロジバン大全の抄訳では今の所省略されてる部分)。例のブラックリストも文化的ギスムのリストです。
それらのgismuは、個人的には動物gismuにおける獅子とか狼とかと似た存在で、全肯定はしないものの積極的に排除する立場にも自分はなれません。

また、不適当だと思う場合は gismu を用いずにどういった方法で宗教を表せばいいでしょうか?

合成語において、宗教そのものを指す必要がなければ、上位概念のlujvoで近似できるかもしれません(例:クリスマス→冬の聖誕祭)が、宗教そのものとなるとやはりfu'ivlaかcmeneですかね…

現時点で、gismuに登録されている宗教をgismuを使わず表現する一番簡単な方法は、先ほどの fu'ivla の XXX にいまある gismuを当てはめる方法かと思います。つまり、「仏教」なら {lijdrbudjo}ですね。応急処置的ですが、「宗教gismu反対!」という意思表示にはなるかと思います。

それとは逆に、文化的gismuの形態や意味対象への愛着を示す目的で{po'onjo}とか{gli'ico}の様な形のfu'ivlaを自分は使用するかもしれません。{budjo}の場合は作りにくいですが…

mu'o

guskant

unread,
Mar 17, 2016, 9:03:18 PM3/17/16
to ロジバン相談室


Le jeudi 17 mars 2016 16:20:33 UTC, niftg a écrit :
2016年3月16日水曜日、cogas.さんは書きました:
2016年3月15日火曜日 21時37分36秒 UTC+9 man Tansan:
 gismu の中には特定の宗教を表す単語がいくつかあります。
例えば budjo, dadjo, jegvo, xriso, muslo などです。
しかし、これらの単語は文化的に中立でしょうか?
空飛ぶスパゲッティモンスター教徒の私には不公平だと感じられます(冗談)
国名の gismu が中立的ではないといった理由から批判があったのならば当然特定の宗教に関係する gismu も不適当だと思います。
皆さんはどう思いますか?

「国名gismuが不適当ならば宗教gismuも不適当だ」との信念を持つのであれば、総称的な「文化的ギスム(cultural gismu)」について検討してみるとよいかもしれません。文法書では形態論についての章の一節(https://lojban.github.io/cll/4/15/)の後半に記述があります(ロジバン大全の抄訳では今の所省略されてる部分)。例のブラックリストも文化的ギスムのリストです。
それらのgismuは、個人的には動物gismuにおける獅子とか狼とかと似た存在で、全肯定はしないものの積極的に排除する立場にも自分はなれません。



i'i

動植物や文化だけでなく、あらゆる事物の分類のしかた自体が何かの文化的基盤の上に成立するので、どの程度を gismu として許容するかには個人差があると思います。 

ロジバン設計の gismu リストの選定方針は「最小リスト」を求めるものではなく(CLL12章)、公式 gismu リストを作成した人たちにとって、よく使いそうに思われる概念を表す単語や、 rafsi があると便利そうな単語を集めたものです。 例えば {bambu} が公式 gismu に無い一方で {lanme} が公式 gismu に入っているのは、多分に公式 gismu リスト作成者の文化的背景が影響しているはずです。

ロジバンが中立かどうか議論されるとき、  gismu リストだけが注目されがちですが、 内容語の意味というのはどうしても文化的背景に依存するので、「これなら中立なはず」という決定打は見つかりそうもありません。 私の考えでは、ロジバンが中立性を謳う根拠は gismu リストではなくむしろ文法構造にあります。

つまり、 他の言語の文法的な性、数、時制、相、法などに相当する機能語 (cmavo) が全てオプションであって、文法構造がそれらを話し手に強制することがないという特色です。
これこそが他のどの言語からでもロジバンへの翻訳を正確にすることを可能にしますし、ロジバン話者が母語で強制されていた性、数、時制、相、法などの束縛から自由になることも可能にしています。 この性質は言語という文化の中立性を支えるものだと思います。
 

cogas.

unread,
Mar 18, 2016, 2:48:54 AM3/18/16
to ロジバン相談室


2016年3月18日金曜日 10時03分18秒 UTC+9 guskant:
 例えば {bambu} が公式 gismu に無い一方で {lanme} が公式 gismu に入っているのは、多分に公式 gismu リスト作成者の文化的背景が影響しているはずです。


ta'osai 

gismuの動物たちは家畜系と猛獣系の2つがラインナップしているように思います。

wikipedia「家畜一覧」

あ、でもネズミとかは害獣系ですね。ともあれ、「純朴な」生活において身近な動物たち、というイメージを持っています。

ta'onai
 
ロジバンが中立かどうか議論されるとき、  gismu リストだけが注目されがちですが、 内容語の意味というのはどうしても文化的背景に依存するので、「これなら中立なはず」という決定打は見つかりそうもありません。 私の考えでは、ロジバンが中立性を謳う根拠は gismu リストではなくむしろ文法構造にあります。

つまり、 他の言語の文法的な性、数、時制、相、法などに相当する機能語 (cmavo) が全てオプションであって、文法構造がそれらを話し手に強制することがないという特色です。
これこそが他のどの言語からでもロジバンへの翻訳を正確にすることを可能にしますし、ロジバン話者が母語で強制されていた性、数、時制、相、法などの束縛から自由になることも可能にしています。 この性質は言語という文化の中立性を支えるものだと思います。
 

i'esai 
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