MLのみなさま
関西心理言語学研究会(KCP)では,関西言語学会(KLS)にて言語実験についてのチュートリアル/ワークショップを行います。 言語の実験研究に関心はあるけどやったことがない人を対象に,PCがあれば手軽にできる実験手法をチュートリアル的に紹介する予定です。「手軽」といっても,やったことがなければ,簡単なソフトでもなかなかとっつきにくいものですが,このワークショップは,その「最初の一歩」を踏み出しやすくするのが目的です。
当日のワークショップでは,スライドによる簡単な説明とデモを行います。また,ご自分のPCを持ってきていただければ,プレゼンを聞きながら自分でも実行できて,実験手法をより身近に感じることができると思います。必要なソフトやスクリプトへのリンクは当日までにKCPウェブサイトに掲載します。
http://www.konan-u.ac.jp/hp/els/psychling/
大勢の参加をお待ちしています。
関西言語学会(KLS)ワークショップ
【日時】6月10日 (土) 10:00--12:00
【場所】京都大学 吉田南キャンパス 総合人間学部棟地下1階 C会場 1B06 教室
KLS公式サイト:
http://kls.h.kyoto-u.ac.jp/?p=724
【発表者】中谷健太郎(甲南大学),中野陽子(関西学院大学),田中幹大(甲南女子大学),青木奈律乃(甲南大学院)
【タイトル】パソコンがあれば出来ることばの実験研究の実際
【要旨】
今日,言語学における実験的アプローチの重要性はますます増している。その理由の一つとして,現代言語理論の転機であったチョムスキーのAspectの出版から半世紀余りが経過し,英語や日本語のように研究が進んだ言語において主要な文法性判断がかなりの程度出揃い,それにともない,判断に揺れが見られる文法性判断に基づいて言語能力についての理論を築くことの危険性が反省されるようになったことが挙げられると考えられる。また,実験手法の発達とコストの低下により,多くの研究者が実験を実行しやすくなったという事情ももちろん大きく影響しているだろう。そのような研究史的な流れの中で今後は,単純化された「言語能力」対「言語運用」の二項対立を超えて,動的な言語理解・算出と静的な言語知識の双方を合理的に説明できる言語モデルの探求がより求められるようになるだろう。
しかし日本におけることばの実験的アプローチによる研究は,特に関西圏において(少なくとも当ワークショップ発表者が)期待するほどは広がっていないように思える。その理由はいくつもあると思うが,そもそも「やり方が分からない」という身も蓋もない躓きがあるのではないかと想像される。
当ワークショップではそういう「関心はあるがそもそもやり方が分からない」という研究者,あるいは研究者の卵をオーディエンスに設定し,コストも機材も最小限で済み,複雑な技術がなくても実行できる実験手法を紹介し,デモンストレーションを行う。研究成果ではなく,実験手法のチュートリアルに特化する。
青木はクラウドソーシング・サイトLancersを介し,無料のクラウド実験サービスIbex farmを利用した容認性判断実験の手法,中谷は無料ソフトLingerを利用した自己ペース読文実験の手法,中野は無料ソフトのDMDXと市販のゲームパッドを用いて,語彙判定課題や,形態素処理の研究に使われている閾下プライミング課題(マスクをかけた刺激を,呈示されたことに気づかない程短時間呈示した後,ターゲット語を呈示してその効果を調べる課題),田中は,E-Primeを利用した,代表的な言語産出の実験方法(絵描写タスク,文再生タスク,談話スクリプトタスクなど)の手法をデモンストレーションする。
*当日のデモで使われるアプリやスクリプトへのリンクは,随時下記KCPウェブサイト掲載される予定です。
http://www.konan-u.ac.jp/hp/els/psychling/
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問い合わせ/連絡先
田中幹大 (甲南女子大学)
mta...@konan-wu.ac.jp
中谷健太郎(甲南大学)
kent...@konan-u.ac.jp
中野陽子 (関西学院大学)
y-k.n...@kwansei.ac.jp
祐伯敦史 (立命館大学)
yuh...@fc.ritsumei.ac.jp