UTokyo Linguistics Colloquium: 水野庄吾さん講演会

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Naonori Nagaya

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Feb 4, 2026, 6:58:23 AMFeb 4
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メーリングリストのみなさま


東京大学の長屋尚典です。

水野庄吾さん (ライプツィヒ大学/京都大学 博士課程) の講演会「相対的場所表現の多様性と普遍性: 機能基準型類型論のアプローチを用いて」を下記の通り開催します。

日時: 2026年2月10日 (火) 16:00〜18:00
場所: 東京大学本郷キャンパス 文学部3号館 言語学演習室

参加を希望される方は前日までにこちらでご登録ください。当日のハンドアウト等はメールで共有されます。

https://forms.gle/awS4aMCUXapbqsYg7

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相対的場所表現の多様性と普遍性: 機能基準型類型論のアプローチを用いて
水野庄吾 (ライプツィヒ大学/京都大学 博士課程)


 本発表では,相対的場所表現の機能基準型類型論研究を報告する。具体的には,系統的・地域的に独立した140言語からなるサンプルを用い,相対的場所という機能が通言語的にどのように表現されるのかを調査することで,相対的場所を表す言語手段,すなわち相対的場所表現の多様性と,その中で繰り返し観察される規則,すなわち普遍性を明らかにする。とりわけ,形態統語類型論の研究史において重要である,形式の長さ (coding length), 語順,拘束性,言語変化,意味と形式のマッピングという5つの側面に着目し,それらに関して相対的場所表現が示す普遍性を報告する。さらに,それらの普遍性がどのように説明され得るかを検討することで,先行研究において言語が持つ制約として提案されてきた5つの要因(類像性,有標性,構成性,言語変化,効率性)を比較・検討し,形態統語類型論研究に新たな知見を提供する。
 言語は驚くほどの多様性を示す。しかし,その多様性は決して無秩序なものではない。そこには繰り返し観察される規則的なパターン,すなわち普遍性が存在する。つまり,多様性は一定の制約を伴う。このように多様性を把握し,その中で見られる普遍性を特定することで,人類言語に課された制約を明らかにすることが現代言語類型論の大きな目標である (水野 2027参照)。
 本発表が採用する機能基準型類型論とは,形態統語類型論の一種であり, ある機能を表すために用いられる言語手段を通言語的に調査することで,その多様性と普遍性の特定,およびそこに課される制約を明らかにするアプローチである。つまり,このアプローチでは,研究対象とする機能について,通言語的に妥当な定義が前提として必要となる。
 本研究の対象である相対的場所を含む場所・空間表現は,人間の認知・知覚が直接に反映されることから,その機能・意味に関しては豊富な先行研究が存在する (e.g. Levinson & Wilkins 2006; Palmer et al. Forthcoming; Bohnemeyer et al. 2022)。これらの研究を踏まえることで,相対的場所の機能は,機能基準型類型論研究を行う上で前提として必要となる通言語的に妥当な定義として,十分に定義され得る。
 それにも関わらず,相対的場所表現は,形態統語類型論の文脈においては,ほとんど着目されてこなかった。そこで本研究は,相対的場所を概略,「図(figure)が地(ground)に対して,軸方向に空間的に分離した位置」と機能的に定義し,前後,上下,横の5つの具体的な位置を設定することで,これを表す言語手段を通言語的に調査する。具体的には140の言語からなるサンプルを用いて調査することで,相対的場所を表す主要手段は19種類あることを示す。さらに,それらの形式の長さ,語順,拘束性,言語変化,意味と形式のマッピングという5項目に関して分析し,様々な普遍性が見られるということを明らかにする。最後に,これらの普遍性がどのように説明され得るかを検討し,従来の類型論研究で提案されてきた5つの説明要因(類像性,有標性,構成性,言語変化,効率性)を比較・検討する。その結果,本研究で特定された普遍性は,主として言語変化と効率性の2つの要因によって説明され得ることを主張し,形態統語類型論研究へ新たな知見を提供する。
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※ 本講演会は JSPS 科研費 25K04088 の助成を受けたものです。


みなさま、ふるってご参加ください。


長屋尚典

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Naonori Nagaya, PhD.
Department of Linguistics
The University of Tokyo
https://sites.google.com/site/naonorinagaya/
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