第 9 回 HiSoPra*(歴史社会言語学・歴史語用論)研究会(3月20日(金, 祝)オンライン)のご案内

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Kaoru Horie

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Feb 3, 2026, 9:20:34 PMFeb 3
to Kaoru Horie
(代理投稿です。重複して受け取られましたらご容赦ください)
第9回 HiSoPra*(歴史社会言語学・歴史語用論)研究会を2026年3月20日(金、祝)、13:00~17:00に下記の要領で開催いたします。
Zoom によるオンライン開催となりますので、事前の参加申し込みが必要です。
3月17日(火)までに、下の URL からお申込みください。3月19 日(木)に Zoom のミーティング URL をお知らせします。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScwkCngYa6bswNxBcyIhoiyLJXNeHLg2J9wdXI-hMQduuD2rA/viewform?usp=dialog
HiSoPra*研究会事務局 
hisopr...@gmail.com ******************************* 第 9 回 HiSoPra*(歴史社会言語学・歴史語用論)研究会プログラム ******************************* 2026年3月20日(金、祝)オンライン開催 ★ 13:00 開会 第1部 研究発表 ★ 13:05–13:40   研究発表 1   司会 家入葉子(京都大学) 塩濱靖雄(神戸市外国語大学大学院生)
「『カンタベリ物語』で人間から神への呼びかけに使われた二人称代名詞:
 特徴的な写本を用いた精査」 ★ 13:45–14:20   研究発表 2   司会 福元広二(法政大学) 廣田友晴(ブリティッシュコロンビア大学大学院生)
「未来表現willとbe going toの競合―話者の生年に基づく分析―」
休憩 第2部 特別企画 ★ 14:30–17:00 テーマ:「言語(学)から歴史(学)にどうアプローチすれば何が見えてくるのか?」            司会 堀江 薫(愛知大学・名古屋大学[名誉教授])
報告1 高田博行(学習院大学[名誉教授])「言語学からナチズムを捉える」
報告2  石部尚登(日本大学)「1866年日白修好通商航海条約にみる言語選択」 
報告3 佐藤知己(北海道大学)「日露交渉史とアイヌ語研究」 
★ 17:00 閉会

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《発表要旨》 研究発表 1 『カンタベリ物語』で人間から神への呼びかけに使われた二人称代名詞: 特徴的な写本を用いた精査 塩濱靖雄(神戸市外国語大学大学院生) 13世紀以降の中英語では、一人の相手を呼びかける際、二人称代名詞の単数形 ( T形) と複数形 (V形) が使い分けられていた。しかし、神を呼びかける際の用法 は写本差を考慮した包括的な議論がされていない。よって『カンタベリ物語』を 題材に、人間からキリスト教と多神教の神に使われた代名詞とその存在を示唆す る動詞を特定した。次に、キリスト教の神にT/V形が使い分けられている『郷士 の物語』第865-93行目の写本間の異同をManly and Rickert (1940) で確認し、 継承過程をOwen Jr (1998) の系統樹で考察した。最後に、最古の写本 (Hg) とT 形とV形の頻度がそれぞれ高い写本2冊 (PsとHe) とを比較した。概して、作中で はV形よりもT形の頻度が高い。分析箇所の異同は1430年代を期に確認される。全 ての写本に共通して使われているV形が1箇所あり、それは神に問いかけて創造物 を批判する箇所と一致する。各写本の読みと歴史を踏まえ、神へのV形の用法を 検討する。 研究発表 2 未来表現willとbe going toの競合―話者の生年に基づく分析― 廣田友晴(ブリティッシュコロンビア大学大学院生) 現代英語において、話者が未来の事柄について言及する際には、willとbe going toが主に用いられる。これら二つの未来表現の競合は、とりわけカナダとイギリ スにおけるスピーチ・コミュニティから収集された話し言葉データを用いて分析 されてきた。これらの研究では、be going toの通時的な台頭が繰り返し指摘さ れている。しかし、先行研究の結果は、調査時点での年齢、調査実施時期、ある いは話者の生年といった異なる時間軸に基づいて報告されているため、研究間の 比較は必ずしも容易ではない。  本発表では、まず先行研究を話者の生年という観点から再解釈した上で、カナ ダ・イギリス口語英語におけるbe going toの相対頻度が世代別に整理可能であ ることを主張する。次に、カナダ・ビクトリアにおける話し言葉を収録した Victoria English Archive(D’Arcy 2017)に基づく分析を通じ、この再解釈の 妥当性を検証する。 特別企画 「言語(学)から歴史(学)にどうアプローチすれば何が見えてくる のか?」 《企画趣旨》 言語学における「歴史」は、言語現象を時間軸に沿って捉えるための分析の《視 点》である。一方、歴史学の「歴史」は、過去の社会的・政治的営みそのものを 指し、分析の《対象》そのものである。同じ語を用いながらも、両者が担う役割 は本質的に異なる。しかし、この違いは、言語学が歴史学に接近することを妨げ ない。むしろ、一次史料の媒体である言語に着目し、その言語データを分析する ことで、過去の社会的・政治的営みを言語学的手法で読み解くことが可能となる。 それは歴史学の知見を補完し、ときに再検討を促す契機ともなりうる。 本企画では、言語学の方法を用いて歴史学の対象にいかに迫りうるのか、そして それによってどのような視界が新たに開けるのかを探る。「言語学か歴史学か」 という二分法ではなく、「言語学かつ歴史学」という学際的視点のもと、言語デ ータを通じて過去の社会的現実を再考し、両分野に貢献しうる研究の可能性を検 討したい。 《各報告趣旨》 報告1 「言語学からナチズムを捉える」 高田博行(学習院大学[名誉教授]) ナチズム研究は長らく制度的側面の分析が中心であったが、言語や表象に着目す る研究も確実に蓄積されてきた。それでも、言語の役割を体系的に扱う研究は発 展途上にある。本報告は、ヒトラーの演説を一次史料として言語学的に分析し、 ナチズムがいかに言語的実践を通じて構築され、大衆の認知や感情に作用したの かを検討する。分析は三つのアプローチから構成される。第一に、批判的談話分 析・レトリック分析によって、敵対者を病理化するメタファー、反復・対比など による情動操作の構造を抽出する。第二に、約170万語から成る演説コーパスを もとに語彙頻度や共起ネットワークの変化を検証し、言語使用の推移を可視化す る。第三に、身振り・声質・聴衆反応を含むマルチモーダル分析によって、演説 が相互行為の中でどのように効果を生み出したのかを明らかにする。最後に、こ れらの分析結果を歴史学におけるナチズム研究の知見と照合し、言語学的手法が どのような補完的可能性を持ちうるのかを考察する。 報告2 「1866年日白修好通商航海条約にみる言語選択」 石部尚登(日本大学) 本報告は、1866年に日本とベルギーの間で締結された日白修好通商航海条約を事 例に、幕末外交交渉における言語選択を歴史社会言語学的視座から再検討する。 具体的には、条約本文や交渉記録、議会資料等の一次資料に基づき、言語選択や 言語規定、メタ言語的言説を、交渉現場での「実践」(オランダ語使用)と条文 上の「規範」(仏・蘭語併用)のズレから分析する。それにより、外交的威信と 実務的実利がいかに調整され、ベルギー国内の言語政治と接続されたのか、また 日本が「世界言語システム」へ組み込まれていく「言語的開国/近代化」の実態 の一端を描き出す。本報告は、条約を単なる合意文書としてのみならず、多言語 運用体制(言語制度)を設計する動的な場として捉え直す視角を提示し、外交史 研究を補完する可能性を示す。 報告3 「日露交渉史とアイヌ語研究」 佐藤知己(北海道大学) 文字で書かれる習慣がなかったアイヌ語の研究では実地調査に基づく資料が重視 され古記録は優先度が低いとみなされて、顧みられない傾向が強かった。しかし、 早くに消滅した千島方言のような場合には断片的な資料であっても言語的にはも ちろん、歴史的にも貴重である。日露交渉史における重要事件である「ゴローニ ン事件」(1811年)のロシア士官ゴローニンの残した自筆アイヌ語資料を分析す ると、彼の回想録『日本幽囚記』の信憑性を確認できる。たとえば、ロシア語か らの借用語のリスト、千島方言内部の差異を示す語彙のリストなどである。他方、 ゴローニンはアイヌ語通訳上原熊次郎のロシア語理解を酷評しているが、これは 上原の立場やすぐれたアイヌ語能力を考慮すると額面通りには受け取れず、歴史 的には再考の余地があると言える。このような事例を紹介し、歴史資料の専門家 ではないアイヌ語研究者の努力には限界があり学際的な協力関係が必要であるこ とを述べる。 +++++++++++++++++++++++++++ +++++++++++++++++++++++++++


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