2026 木工家育成講座開催のご案内 谷進一郎
これまで「木工家」として独立自営していくためには、木工の基礎を職業訓練校や専門学校などで身につけ、自分のやりたい「木工」をやっている工房で数年間修業して独立するのが、現実的で早道だと言われてきました。
私の工房でも1986年から約40年間に約20名が入れ替わり、スタッフとして修業してもらいましたが、そのうち半数の約10名が全国各地で独立自営して「木工家」として活躍しています。
しかし、近年では個人工房で弟子に給料を払って修業させてくれるところはとても少なくなって、木工修業することが難しくなっているようです。
私の工房でも、現在では新たにスタッフとしての修業は受け入れられない状況です。
私も78歳になっていますから、今だからできることも色々ある一方で、正直年々できないことも増えてきている状態ですが、私は50年を超えて木工を続けてきて、様々な経験をして「木工家」としてのノウハウも多少蓄積してきたつもりです。
そこで、正式にスタッフとして雇用して修業してもらった時と同じ様にはできませんが、「木工家」を目指していたり、すでに開業している次世代の方で私の話を聞きながら見学したい方がいらっしゃれば、ノウハウや「できること」を少しでも伝えていきたいと考えて、2017年から「木工家育成講座」を始めました。
これまで「木工家育成講座」には、木工家志望の若手からベテランの木工家まで、2017年から2020年まで4年間、一年ごとに参加メンバーが交代して延23人の方が参加してくれました。
過去の講座の参加者は、長野県内が7名で、その他は、東京、神奈川、埼玉、千葉、山梨、静岡、愛知、岐阜、福井、大阪、から来ていました。
しかし、2020年にコロナの影響で中止となって、そのまま再開しないで過ごしていましたが、その後も講座についての問い合わせなどをいただいておりました。
そこで、昨年(2025年)講座を再開しました所、7名の方が長野県内の他、山梨、富山などから参加していただきましたので、参加者は延べ30人となりました。
昨年の講座の様子は、私のInstagramで、公開していますので、遡ってご覧いただくことができます。
今年も一応以下の内容について解説したり、必要があれば作業の実演などをしたいと考えています。
作品(デザイン 注文 用材 様々な加工技術 練りつけ合板や送り蟻加工や曲木の作業の実演や体験などしました」)
工房(木工機械 電動工具 一般工具 手道具 治具 型 様々な工夫)
木材、金物(常用の約20種、その他木材サンプル約150種 木材や金物の入手先 管理 木取り)
資料(木工家具や工芸関係の約500冊の蔵書「主な書籍のリストはこちら」
http://www.mokkou.org/kai_in/17木工家具の本.pdf
展覧会(個展、グループ展、公募展、ギャラリー)
商品開発(アイディア、デザイン展開、モックアップ、ディテール)
情報発信(マスコミ、ネット、DM)
ネットワーク(信州木工会 木工家ウィーク 木工家ネット)
開催日 基本的に一ヶ月に1回、日曜日か土曜日の開催を予定しています。
期間は4月から11月まで(8月はお休み)7回開催する予定です。
できるだけ参加しやすいように、毎月の開催日は私と参加者の都合に合わせて決めるつもりです。
開催時間 13時から18時まで(1回5時間・途中休憩有)
場所 谷工房(長野県小諸市甲4741-5)
Googleマップでは「谷進一郎工房」で検索して場所を確認してください。
ストリートビューでも工房外観がご覧になれます。
定員 6名 参加費 1回1名5,000円
工房や私の情報はWebサイト・谷進一郎 木の仕事・でご覧下さい。
http://www.tani-ww.com/
今年の私の出品する予定の展覧会は、まだWebサイトのトップページを更新していませんが、4月から11月まで、東京、松本、名古屋、大阪、仙台、富山、など各地の展覧会に出品する予定がありますので、講座の開催日も調整させていただきます。
私の最近の国展出品作は国画会のページでご覧下さい。
http://kokuten.com/4608
YouTubeチャンネル 木工家フォーラム では、木工に関する様々なトークを動画でご覧いただけます。
https://www.youtube.com/channel/UCgMbwGL2hdaEa_63A-MrvkQ
YouTubeチャンネル 木工家 谷進一郎 Woodworker Shinichirou TANI では、木工作業、木工の講習会や展覧会などの動画をご覧いただけます。
https://www.youtube.com/channel/UCOR2nD5RPFnP5HAE3QrBVqQ
連絡先や工房の場所などは 谷進一郎工房 でGoogle検索してください。
お問い合わせなどはメールで、お願いいたします。
谷進一郎
shinichi...@gmail.com
各年度の終了後に木工家育成講座の参加者の皆さんから感想文をいただきましたが、その一部を紹介いたします。
2017年
工房を見るだけで 様々な機材、治具、接着材などの違いを感じ、また、加工一つ取っても刃の出具合や1度での切削量、切削していく順序と講座の中で見た数回の実演でも見知 らぬ多くのやり方を見て発見の連続でした。
制作中の実物を見ながら、解説をもらえるということも非常に面白かったで す。普段の作業における細かな工夫を見ることができ、他の参加者の方々と一緒に聞き、質問し合えた環境はとても良かったです。
専門学校などでは施設や機械設備が充実しており、個人規模の工房のスタイルがイメージしにくいのではないかと思います。個人工房で独立を目指す人にとっては、今回のような講座は、大変参考になるのではないかと思いました。
2018年
会社勤めや訓練校ではあまり学ぶことのなかった、一人で仕事をしていくための工夫を見られたことが良かったです。
また、試行錯誤を繰り返して今に至った、というものが工房のあらゆるところにあったことも印象に残っています。
講座の内容ではありませんが、講座を受けていたことで木工関係の知り合いが増え、沢山の方とお話しできたことも良かったです。
更に体感できたのは物づくりに対する谷さんと参加者の姿勢や考え方を学べたことです。
これは技術的な事しか伝えられない書物では出来ないことで実際に谷さんのお話しを伺ったり、参加者との意見交換を行う事で刺激を得られた貴重な時間となりました。
何といっても「よりよく、使いやすく」する工房内の工夫です。よりよく暮らそうとする姿勢がなければ、モノのニーズを感じることはできないし、作り手としてよい仕事を生み出すことができないですね。
講座は初心者向けというか、自分ような工房を構えて10数年やっている者に場違いではないかと思いながら、やっぱり自分のやったきたこととの「差」を図るにはいい機会と思って参加したのですが、制作における技術やプランニング、作業場の創意工夫、自分との共通点もあったりと、さまざまな発見や気づきがありとてもよかったです。
谷さんの工房の紹介や仕事の道具などの紹介は毎年同様な内容と思いますが、特別講座や展覧会の同行などその年で違う講座もあると思いますので、講座期間は1年ですが毎年受講したくなります。
今年に関しては経験者が多く、普通に質問が出てましたけど、初心者とか工房をもったことが無い方だったら気付かないことが多かったように思いましたが、受講内容がハイレベルなので7回では少ないかもしれません。
2019年
木工を始めてから20数年とはいえ、以前勤めていた建具屋での知識しか無かったので知らなかった事や、知ってはいたけど手順が曖昧だった事が確認できたなど、良いことばかりでした。
学校を出てすぐに独立した私にとって、このような機会を頂けることは大変ありがたいです。(このように教えてくださる方もなかなかいらっしゃいません。)すぐに実行に移せるものばかりではありませんが、今後も仕事をしていく中で、活きてくると思います。
練り付け合板は小さな個人工房で、できることが驚きでした。扉などの鏡板になる部分には、練り付け合板を積極的用いていこうと思います。
制作中の作品や完成品を見ながらその解説をして頂いたり、その製作現場であり創意工夫の宝庫である工房を見学することが出来たりと、この講座に参加出来て良かったです。
特に印象に残っているのは谷さんの経歴を伺う中で垣間見える若い頃の木工の業界の話です。松本民藝家具時代から独立されその後仲間同士でグループを作って活動しておられた時代の動きがそうそう聞けることではないお話だなと感じました。
書籍の会も自分としては楽しい内容でした。ネットの時代といえ書籍に記載されている内容の方がとても濃いものと思っています。大変貴重な資料も含め拝見できたのは色々と刺激になりました。
2025年
閉鎖的な職人の世界(特に木工業界)において、このような講座は本当に貴重な事だと思います。技術、知識、情報、経験、これらは中々教えてもらえないのが、まだまだ見て盗みなさいといった木工世界です。
この講座は聞いた事には全て答えてくださるオープンな講座です。本当に参加者としては目からウロコの様な事も多く、参加者の皆さんも集中力がすごいすてきな会です。
私が知らない知識、谷さんが今まで培ってきた技術や工夫、また使用している道具やメーカーなど、細かいところまで教えていただき、大変勉強になりました。
木工の中でも色々な分野でご活躍されている方々とご一緒でき、ほとんど初めての作業が多かった私ですが、少しだけやった事のある方の核心をつくような質問で、より深く理解することができたと思っています。皆さんとの情報交換も有意義でしたが、谷さんの作業場を隅々まで見せて頂けた事が何より有意義でした。
谷さんの実演により、道具や機械の使い方など、そのコツや誤解していたことなどがあきらかとなりたいへん有意義でした。また受講生から学びたいことの希望をとり入れて頂けたためより価値ある学びでした。
実際に制作された作品を多く拝見し、その意図や制作過程について直接お話を伺えたことも非常に貴重な経験となりました。また、毎回多くの木工関連の書籍にも触れさせていただき、見識が大きく広がりました。
曲木や送りアリの講座では、実際に工程を拝見したり体験することによって、資料やウェブ上の情報では得られない貴重な体験となりました。展覧会へ同行させていただいた際は、一人で鑑賞するだけでは気づけない視点や感想を伺えたことも非常に印象に残っております。
その他、講座についての改善点や要望などもありましたので、今後の参考にさせてもらいながら、内容については今年の講座の参加者が決まりましたら、皆さんと相談しながら進めたいと考えています。
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