木材の変色の実験
北海道音威子府在住の木工家福田亨さんが木材の変色の実験をされて、ご自身のフェイスブックで公開されていたので、許可をいただいてシェアさせてもらいます。
木材の変色の実験しました。
まずは、パロサントとパープルハートを UV照射機にかけて変色の様子を観察。
パロサント、パープルハートはともに、切ったその時は茶色なのですが、時間とともに、緑・紫へ色付いていき安定します。その発色性に個体差や環境で変化があるので 何が作用してるのかを知るためやってみました。
結果は、ともに発色しました。が、パロサントは日光にやる変化の方が色が鮮やかに緑色に、パープルハートは屋内で放置していたものの方が発色の良い紫色になりました。
パロサントは紫外線で緑に発色されるというのは大体わかったのですが、なぜUV照射機だと暗く、太陽光だと鮮やかなのかはまた掘り下げなくてはいけなそうです。
パープルハートは太陽光に当てていない屋内でも発色するので、紫外線だとは断言できませんが、紫外線でも発色する。という感じです。
屋内でも発色しつつ、塗装等すると変化が弱まるところをみると 酸化反応なのではないかという推測も立ちます。
そこで、パープルハートには酸化・塩基化の実験もしてみました。
ついでに、フェルナンブーコというオレンジの材。これは以前象嵌で使った時に、酢酸ビニル樹脂系の接着剤を用いた際 接着層が赤く変色した経験から、酸化によって赤くなるのではないかと予想しての事です。
また、朴の木は酢ビでの接着層が色褪せる気がしてて、酸化で色褪せるのかと実験。
結果は驚きの連続。
フェルナンブーコは、写真右が酸化、左が塩基化ですが、酸化の方は色が薄くなり塩基化した方は驚く程赤くなりました。酸性に対して反応が薄かったのも驚きですが、何よりアルカリ性に赤くなるのが不思議です。
では酢酸ビニル樹脂の何に反応して赤くなり、塩基の何に反応して赤くなったのか。矛盾が生まれました。酢酸ビニル樹脂系はアルカリ性なのでしょうか。
朴は写真撮ってませんが、反応が薄かったです。塩基で若干黒ずんだけど接着層の変色とは違うので 酢ビがアルカリ性だとも言いきれません(酢酸ビニルと言ってるし酸性だと思う)。
また、パープルハートは酸性(右側)では赤くなりました。ここまでは予想が当たります。が、アルカリ性(左側)が真緑になりました。
スゥーと赤味が抜けて、褐色を経てグリーンに。もはやグリーンハートです。
パープルハートの赤味が帯びる原因は酸化であろうという予想はとりあえず当たったものの、それ以上の発見でした。
塩基化による仕上げ技法といえば、石灰を用いて栗や楢や桑などを黒ずませる時代仕上げという技法と、アンモニアの気体をオーク材に燻らすスモークドオークなんかが耳馴染みがあります。おそらくどれも木に含まれるタンニンと反応して黒ずむと思うのですが、今回パープルハートが緑化したのは謎です。
以上となります。

UV照射

パープルハート照射前





