動詞「のさる」について、次の論文を忘れていました。
山田敏弘(2007)「日本語における自他の有対性と他動性―岐阜県方言の自動詞「おぼわる」「鍛わる」「のさる」「どかる」を通して―」、角田三枝、佐々木冠、塩谷亨(編)(2007)『他動性の通言語的研究』、271-282頁
279頁から引用しておきます。
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(13) この荷物、まんだのさるか。
(13)は共通語の「のせることができる」に近い意味を表す。主語が人であっても「のさるか」を用いて乗車人数の余裕を尋ねることが可能であるが、意志的動作には用いられない。次の(14a)は非文法的である。
(14) 「もう一人のさるか。」
「のさるぞ」
「なら {a. *のさろ / b. のろ} か。」
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この意味記述は、座間市の方言の「のさる」にもそのままあてはまると思います。
野島本泰
2010年2月17日14:48 NOJIMA Motoyasu <nojima....@gmail.com>:
> 皆さん
>
> ここしばらく体調が優れなかったのですけれど、41歳の誕生日であるせいか、
> どうしても思い出せずにいたことが、いろいろと頭に浮かんだりして不思議なものです。
>
> 昌彦さんにサル形の話を初めて伺ったときに、「そういえば座間でも…」と思い浮かんだ
> 似非サル形のうちの一つが思い出せました。「のさる」というものです。
> この nosaru の s は語根形態素(nos)の一部ですから、宇都宮方言の -rasar とはまったく
> 関係のないものですが、この動詞の場合、座間では:
>
> 自動詞 のる nor-u
> 自動詞 のさる nos-ar-u
> 他動詞 のせる nos-e-ru
>
> という関係にあるからか、「さる」が語尾として取り出しやすかったんだと思います。
>
> すぐに思い浮かぶ意味は、何か(例:リヤカー)の上に物を載せようとして、
> スペースがあるかどうかを問題にしている時に、
> 「まだ楽にのさるよ(まだ楽に載せられるよ)」のように使う、というものです。
>
> 僕の母は76歳ですが、使い方を訊いてみたところ、「最近は使わなくなったから
> (自然な文脈がすぐには答えられない)」といっていました。
>
> 野島本泰
>