「AがP(を)Vてある」をOKとする話者

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NOJIMA Motoyasu

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Sep 25, 2010, 7:29:18 AM9/25/10
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皆さん

大阪市阪南市出身の30代男性がアンケートに回答してくれて,
次のように「AがP(を)Vてある」をOKと判断しています。

「おとん(が)(朝からずっと)窓あけたぁるで」
「孝典(が)大根(を)煮たぁるで」

でも,京都出身の20代男性は不可としています。地域差も個人差もあるようです。

野島本泰

Hiroyuki Suzuki

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Sep 26, 2010, 3:47:36 AM9/26/10
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野島さん、みなさま

兵庫県加古川の鈴木です。

「お母さんが干してある」のメール以来、この種の用法について考えてみましたが、

> 「おとん(が)(朝からずっと)窓あけたぁるで」
> 「孝典(が)大根(を)煮たぁるで」

の用例を見て、気づいたことがあります。

結論から言うと、播州弁について、特定の条件のもとでは、「お母さんが干してある」を
許容することができます。

まず、(意味上の)目的語は省略できませんから、

「*お母さんが干してある」

で、必ず下のように言う必要があります。

「お母さんが洗濯もん干してある」

上例の「洗濯もん」は目的語に見えますが、統語上はそうでないかもしれません。
なぜなら、「洗濯もん」に「を」格をつけることができないからです。

「お母さんが洗濯もん干してある」
「*お母さんが洗濯もんを干してある」

これを考えると、より自然な発話として、次のものが存在します。

「洗濯もんはお母さんが干してある」
「*洗濯もんをお母さんが干してある」

そして、この構文が意味するところは、単なる事実の叙述ではなく、発話者が
聞き手に対して語用論的に要求をしていることが多いです。

つまり、「お母さんが洗濯もん干してある」という発話に対し、聞き手は
「だから自分は今から干しに行く必要はないのだ」というふうに受け取るのが自然です。

ですから、

> 「おとん(が)(朝からずっと)窓あけたぁるで」
> 「孝典(が)大根(を)煮たぁるで」

で(を)が入る例も許容する人とは判断がやや異なります。
しかし、よく考えてみると、「お母さんが洗濯もん干してある」という発話には違和感が
ありますが、次のような例になると、まったく問題ありません。

「お母さんが朝ごはん作ってある」

さらに項を増やして、

「お母さんが犬にえさやってある」

も自然です。しかも、これらの文では「朝ごはん」「えさ」に「を」を付加しても許容できる
可能性があります。
いずれも、「自分が{ごはんを作る/えさをやる}必要なはい」ということを含意します。

つまり、動詞によってこの種の構文を許容度に差があるということで、その差が生まれる
基準がどこにあるのかはまだはっきり認識できません。ぱっと思い浮かんだのが、
動作か状態か、という差異で、「作る」「やる(与える)」ははっきりと動作の完了を
示し、その後の状態に言及しませんが、「干す」の場合、干すという動作の後も
干された状態が続いていることを表している気がします。ですから、「干してある」には
状態を示すという、野島さんの意図したいことと異なる意味が出てくるのですが、
「作ってある」「やってある」にはそういう意図がでない(でにくい)と理解されるのかも
しれません。もしくは、単なる個人の言葉遣いの習慣に由来するものなのかも
しれません。

広くみなさまからの意見をいただければ幸いです。

鈴木博之

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