誕生日の前日である昨日、親友から「父が死んだ」と
いう電話があり、家に帰ると彼から誕生日を祝う MD が
届いていた。
せめて仮通夜だけでもと、車とフェリーで1時間半ほど
かけて、夜中にかけつけた。
親友が大学生の頃に Diabetic であることが判明。その
後は合併症で腎不全になり透析を受けたり、胃ガン手術を
受けたりしながらも頑張ってきたが、ついに力尽きたのだ。
遺影こそ最後に会った数年前のままだったが、最後は体重が
37kg だったという死に顔は、別人のようだった。
故人の傍らの座布団の上で、生まれたばかりの赤ちゃんが
眠っていた。親友にとって2人目の子供であり、故人に
とって4人目の孫である。「もう71歳だったし、孫娘の誕生を
見届けることが出来たんだから、幸せだったと思う」と彼は
静かに言った。
父親の声で、赤ん坊が目を覚ました。彼女を抱っこした
親友と、かつては彼の部屋で昨日まで父親が使っていた
部屋に行き、わずかの時間だが若い頃の話をした。
40分ほどで、慌ただしく鹿児島に戻る。帰りのフェリー
では、デッキから遠くに揺れる夜景をぼんやりと眺めながら、
昔のこととこれからのことを考えていた。
本人の心構えがどうであろうと、時は確実に過ぎていく。
ならば、出来るだけのことをするだけだ。
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すべては無の見ている夢 ならば良い夢を 酔生無詩
▲ Nachi Yumesawa --夢沢那智--
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