イラクのWMD(大量破壊兵器)の捜索に当たっていた米調査団のケイ団長の辞
任によってWMD保持を理由にイラクに先制攻撃を敢行したブッシュ大統領の戦争の
大義は泡と消えた。この戦争は明らかにブッシュ大統領のイラクのWMD保持誤認と
いう過失であったのだ。
ケイ団長は辞任に当たって「イラク戦争が始まった段階でイラクにWMDの備蓄
があったとは思われない」「90年代に大規模なWMDの生産計画があったとは思わ
れない」と語っている。
このイラク攻撃が過失であったとするなら、その過失による国家破壊、文明破壊
と何万人もの過失致死傷の罪は大きい。このブッシュ大統領の罪が問われることはな
いだろうが、ブッシュ大統領は次期大統領選への立候補は辞退するのが当然である。
日本政府は、「過去にイラクが化学兵器を保持し、それをイラン・イラク戦争や
クルド族に対して使用したことは事実だし、査察を妨害したことで大義がある」と強
弁しているが、これでは米国の過失に盲従した不明の言い訳にもならない。
ただ、唯一の救いは、サダムの独裁恐怖政治からイラク人を解放したことであろ
う。これは戦争の主たる目的ではなかったが、せめてもの酌量要因とはなるだろう。
今米国とそれに同調した国々がなすべきイラクに対する償いは、イラクの復興と
民生安定しかない。しかし、その足取りは遅々しとして進んでいないどころか、アメ
リカの占領政策の失敗によってイラクがテロの見本市と化しつつあるのだ。
この現状を直視し、世界はアメリカの暴走を阻止できなかった責任を
痛感して、他民族国家イラク復興の進め方に知恵を絞り、協力せねばならない。
村上新八