研究会趣旨
物理学と機械学習を融合する研究領域として誕生した学習物理学領域は、発足から3年が経ち、様々な融合研究の成果が生まれています。一方で、生成AIの推論能力の向上により、物理学の現場においても、生成AIを共同研究者としても利用するような状況が生まれつつあります。 本研究会は、学習物理学領域における多様な物理学の生成の成果を紹介し、一方で、それらの学術的意義や将来の物理学にどのようにつながっていくかを多様な観点から議論するものです。第一部では、学習物理学領域の多様な研究成果を概観し、次に第二部では、情報学、数学、英文学、といった周辺の分野で生成AIもしくはそこから生まれる統合された「生成科学」の方向性を紹介していただきます。パネルでは、物理学とAIのさらなる学際融合研究領域の進展に向けて、現状と未来を議論します。
プログラム
第一部 学習物理学における物理学の生成
13:30-15:50(講演各20分)
AIによるスケーリング則の発見 広野雄士(筑波大)
計算物理学における物理的配位生成 富谷昭夫(東京女子大/京大)
物理的ニューラルネットによる極小曲面の生成 棚橋典大(京大)
超伝導物質の波動関数の生成 金子隆威(上智大)
自己学習による分子動力学の生成 永井佑紀(東大)
世界最強LHCにおける生成AI 森永真央(東大)
拡散生成模型と量子力学 田中章詞(理研)
第二部 生成科学に向けて
16:20-17:40(講演各20分)
AIと理論物理学の現状 橋本幸士(京大)
記号創発システム論と生成科学 谷口忠大(京大)
生成AIと生成文学 ー 動的体験メディアとしてのGenbookの開発 南谷奉良(京大)
自動数学 三内顕義(京大)
第三部パネルディスカッション:物理学と生成科学
17:40-18:20
富谷・棚橋・金子・永井・田中・広野・三内
モデレータ:橋本