GHCi での値の出力には通常 print 関数、つまり Show クラスの show メソッドを使って値を文字列に変換したものが使われます。この値出力用の関数を、-interactive-print オプションを使って「C a => a -> IO ()」型の任意の関数に置き換えられるようになりました。(C は値を出力する関数で利用する、任意の型クラスです。)
一つ重要なのが、-interactive-print オプションを使って渡せるのは Show クラスを制約とする関数ではなく、任意の C クラスを使った「C a => a -> IO ()」型の関数が使えることです。これにより GenericPretty などのプリティプリンタを使った出力が可能になっています。
* setNumCapabilities 関数でプログラムの実行に使用する CPU コア数を減らせるように
GHC 7.4.1 の setNumCapabilities 関数では、Haskell プログラムの実行に利用する CPU コア数を増やすことはできても、減らすことはできませんでした。今回ようやく、プログラムの実行に利用する CPU コア数を減らすこともできるようになりました。(利用する CPU コア数を減らす際には、当然減らすための後片付けが必要です。利用する CPU コア数を即座に減らせられるわけではない点に、注意してください。)
Data.Bits モジュールの Bits クラスから、 Num クラスをスーパークラスとする制約が取り除かれました。今後 Num クラスの文脈が必要な Bits クラスを使ったコードを書く場合、Bits クラスだけでなく、Bits クラスと Num クラスの両方を文脈とする必要があるので注意して下さい。
あと、書き忘れていましたが、GHC 7.6.1 で Mac OS X 版のインストーラーが、GHC 7.6.2 で Windows 版のインストーラーが提供されなくなっていますね。これは一般ユーザー向けの Haskell Plaform で GHC のバイナリを含めたインストーラーを提供しているので、GHC のリリースではインストーラーを提供するのを止めたということみたいです。(実際、HEAD では Mac OS X 版と Windows 版のインストーラー用のコードが削除されています。)