立夏も過ぎ、いよいよ夏です。北極の氷が気になる季節です。最近のニュースを見ていると、これが増々危ないように思うのですが、そんなことは無いのでしょうか?
たとえば、情報ピックアップの過去1ケ月の記事だけでも、「北極海そのものがメタン発生源」とか、「北極海氷が減っているのは偶然ではなく、大気中の二酸化炭素濃度の増加による」とか、「PIOMAS(2010年代後半に夏の北極海から氷が事実上無くなることを予想)とCryosatによる海氷体積データとが一致」とか、「PETM(5500万年前に起きた急激な温暖化)の原因は当時の海と陸から有機物起源の炭素が流入したこと」というものがあります(http://geoeng.brs.nihon-u.ac.jp/index.html)。
こういった背景で、万が一にも、今年の夏に北極海の氷が2007年の極小値を下回ることになれば、大変です。(残念ながら、この確率は万に一つよりも遥かに高そう)
「正のフィードバックで急激な温暖化とそれに伴う異常気象が起こる」と大騒ぎになり、いよいよジオエンジニアリングが登場するというB級映画のような展開になるかも知れません。
地球環境問題の本質は、人間による地球限界を越えた物質・エネルギー消費ですが、そのガバナンスさえ儘ならない現在、ジオエンジニアリングのガバナンスができるとも思えません。(今日5月12日付で情報ピックアップに「ガバナンスあれかし!」の記事を紹介しています)
シュワちゃんだかXXマンだかが銀幕の上で活躍するのは楽しいですが、未熟なジオエンジニアリングが暴れる現実は悪夢です。
一方で、「北極海底の資源を得、物資を輸送するために氷は邪魔だ」とか、「太陽活動が低下しているので、温暖化は忘れて良い」といった話もあります。
誰だって悪夢を見るよりも呑気な話の方が好きです。
どなたか明るい話題の提供お願いします。
情報ピックアップ7月26日付けでお知らせしましたが(http://geoeng.brs.nihon-u.ac.jp/index.html)、ジオエンジニアリングの最初の実施場所は北極海ではなく、カリフォルニアかも知れないという話があります。
言うまでもなく、北極海海氷は今も史上最少記録に並ぶ勢いで減っている(http://www.ijis.iarc.uaf.edu/jp/seaice/extent.htm)のですが、世界各地で起きている熱波も馬鹿にできず、そちらが先にジオエンジニアリングされるという発想です。
6年前のカリフォルニアでの熱波に対してジオエンジニアリングをしていたら、日中の気温を何と7℃も下げることができたというシミュレーション結果が報告されています(http://www.atmos.ucla.edu/~qli/publications/Bernstein_2012_ACPD.pdf)。
この調子だと、熊谷が世界初のジオエンジニアリング実施場所になるかも知れませんネ。
「人間の知恵が地球システムを制御できるまでになるのがいつなのか」という視点よりも、「進化を生き抜いた人間の特性がいつどこで破れかぶれな行動を取らせるか」に注目した方が、ジオエンジニアリングの最初の実施場所を特定するのには役立つのかも知れません。