人工台風で超巨大台風を抑えこむ

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hiroshi mizutani

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Aug 2, 2011, 4:55:09 PM8/2/11
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 フォーラム「資料庫」の「単体論文」で紹介しているのですが、超巨大台風(「用語集」に入れてありますが、最近は、hypercaneというそうです)を人工台風で先制して弱めてしまおうという論文があります。「Moshe Alamaro, Juergen Michele and Vladimir Pudov, Preliminary Assessment of Inducing Anthropogenic Tropical Cyclones Using Compressible Free Jets and the Potential for Hurricane Mitigation, JOURNAL OF WEATHER MODIFICATION, Volume 38 (2011)」です。
 著者からの私信では、「台風ばかりか、洪水や竜巻にも有効」とのこと。
 僕にはチャンとした内容の評価をすることはできませんが、こういった研究の現実味は半世紀前までとは様変わりなのでしょう。そもそもJOURNAL OF WEATHER MODIFICATIONという名前のジャーナルがあり、既にVolume 38というのも驚きです。この方面に詳しい方からのコメントが頂けたらと思います。

masudako

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Sep 26, 2011, 4:20:19 AM9/26/11
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Journal of Weather Modificationというのはわたしにとって初耳ですが、アメリカでの人工降雨研究は、雲物理の裏づけのあるものに限っても第2次大戦前後からあります(Fleming 2010 Fixing the Sky参照)。雑誌のウェブサイトhttp://www.weathermodification.org/ で過去の目次(TOCs)を見てみると、1969年の創刊当時には人工降雨研究のおもだった人が執筆しているようで、小さな学会誌程度の質のものと思われます。ただし最近は少人数になって話題が限られてきたように思われます。
台風のエネルギーを制御することはまだ夢物語です。しかし多少は科学的根拠のある夢を考えることはだれかがやるべきことでしょう(世の中の人々に期待させすぎないように注意する必要がありますが)。それにはまず気象学(大気物理学)がこれまでに得た台風の理解をふまえる必要だと思います。Alamaroさんたちの論文については、まだ読んでいないのでなんとも言えませんが、台風を熱機関としてみる議論(現代の代表的な著者はKerry Emanuel)と、台風の発生を積雲対流と渦との相互作用として考える議論(文献が多く何をあげるのが適切かはよくわかりませんが)を参照していないならば、あまりよい研究ではないと思います。
わたしの理解では、台風は熱帯の大気大循環にとって必然的なものではありませんが、積雲対流と渦とはそれぞれ必然的なので、渦との関係で積雲のできる位置を調節してやって(人工降雨技術の応用かもしれません)台風という構造をとりにくいようにしてやることは、夢物語ではありますが、科学的根拠をもった制御の可能性の糸口にはなりうると思います。

水谷 広

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Sep 29, 2011, 6:09:25 PM9/29/11
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masudakoさん:
 
状況が良く解りました。
 
まだ夢状態で、分野としては低落傾向ですか。
 
データは質も量も桁違いに手に入るのだから、上昇してるのかと思ってました。
 
むしろ、無邪気な段階が終わって、真面目に取り組む困難さと周囲の大人の目が気になって少しおとなしくしている「元腕白」状態でしょうか。
 
今回の台風15号は大分被害をもたらしましたが(家の垣根を打ち壊していきました!)、悪さが目立つものばかりではないので、悪さを抑え良い点を伸ばすとか、そもそも無くしてしまったときの副作用があるのかないのか、異なった地域の生物(人間も)がメリットデメリットをどう考えるかなど、あちこちに目を配りつつ、「天災」に対する備えとして、いずれ「あったら良い」技術だとは思います。(ちゃんとした技術にまでするのは極めて困難そうですが...)
 
地表の気温が高くなっていることは事実で、そうなれば大型の台風が発生し易くなると言われています。帰宅難民や停電したときの困り具合だけを見ても、昔より今のほうが、天災に弱い暮らしになっているように思います。
 

水谷 広

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Aug 29, 2012, 12:54:37 AM8/29/12
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827日付けの情報ピックアップにありますように、ハリケーンの発達を抑制するのにcloud whitening(この所、whiteningよりもbrighteningの方が良く使われているようですが意味は同じ)を活用しようという提案がAtmospheric Science Lettersに出ています(http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/asl.402/abstract;jsessionid=8207C01E57ABAFD0652A866C77BE420E.d03t02)。ハリケーンの勢力を1カテゴリーは下げられるとの事(「カテゴリー」については、本フォーラムの「用語集」参照下さい)。提案では、cloud whiteningの対象を層積雲としています。そこで素人の質問が湧きます。巻雲ではなく、それ以前の層積雲を狙うとすると、どの雲が将来ハリケーンに生長するかの検討がついていないと「下手な鉄砲」を打ちすぎてしまうのではと心配です。気象制御は、フレミングの「Fixing the Sky: The Checkered History of Weather and Climate Control」(最近、和訳がでたようです)にもあるように、昔からの「夢」ですが、同時に様々な問題も引き起こしてきました。本に書かれている以前の失敗を繰り返さず、さらには、これだけグローバル化した人類圏での新たな問題を生ずることなく制御する知恵も一緒に生まれつつあるのでしょうか? 詳しい方のお考えを伺いたいです。

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