リハビリの日数制限とギラン・バレー症候群 (あらまし) 平成18年4月1日に診療報酬が改定され、脳血管疾患等のリハビリは発症後180日までとされました。ギラン・バレー症候群は、この「脳血管疾患等」にも入っていますが、リハビリ日数制限の「除外規定」の疾患にも入っているため、「治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合」には、そのまま継続してリハビリを受けることができるとされました。 現在病院でリハビリを受けられている方で、もしリハビリの日数制限の話がありましたら、ギラン・バレー症候群が「除外規定」になっていることを承知のうえ、自分の症状にあった日数のリハビリをしていただくように、主治医(と理学療法士、作業療法士)にお願いしてみてはいかがかと存じます。 なお、リハビリ算定日数の起点は、実施日(平成18年4月1日)直前になって、「発症日」から、3月31日以前に発症等した患者については「平成18年4月1日」に変更されました。 (以下、若干詳しい説明) 平成18年2月15日、中央社会保険医療協議会(中医協)は厚生労働大臣に「平成18年度診療報酬改定」を答申しました。この中で、リハビリについては「長期にわたり効果が明らかでないリハビリテーションが行われている」との指摘を踏まえ、疾患ごとにリハビリの算定日数上限を設定するとしました。 脳血管疾患等のリハビリ………発症後180日まで 運動器のリハビリ ………発症後150日まで 呼吸器のリハビリ ………発症後 90日まで 心大血管疾患のリハビリ………発症後150日まで この段階で、厚生労働省の議事録では、「厚生労働大臣が定める患者であって、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断できるもの」は除外することとされました。 また、リハビリの集団療法は廃止され、個別療法のみとされました。 詳細は下記HPの14~15ページをご覧ください。 同通達の中で、リハビリは上記答申と同じ内容となっています。 詳細は下記HPの17ページをご覧ください。 同通達の163ページでリハビリの算定日数上限を設定した疾患別表の「脳血管疾患等疾患」(=算定日数上限180日)の「ウ」に「多発性神経炎(ギランバレー症候群)」が示されましたが、同通達の163および164ページで「除外規定」として「治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合であって、別に厚生労働大臣が定める疾患」の「カ」に「難病患者リハビリテーション料に規定する患者」とされました。 詳細は下記HPの163ページおよび164ページをご覧ください。 詳細は下記HP「厚生労働省法令等データベースシステム」の「法令探索」の「本文検索へ」をクリックし、現われた画面に「難病患者」と「リハビリテーション料」の項目を入れて検索すると、告示「特掲診療料の施設基準等」が現われます。同告示の第九の五の(2)のイに「難病患者リハビリテーション料に規定する疾患」は「別表第十に掲げる疾患」としてあり、2ページに別表第十「難病患者リハビリテーション料に規定する疾患」が出てきます。その23番目にギラン・バレー症候群が掲載されております。 ある新聞(平成18年4月28日付朝日新聞朝刊)では、「除外の対象となる疾患」は「主治医が医療上必要と判断した場合、上限日数を超えても保険でリハビリができる」と説明していますが、一方で「除外規定も『主治医の判断』がどこまで認められるか不明だ」と危惧していました。 また、ギラン・バレー症候群の回復過程は、当HPの「闘病記(投稿)集」で見られるように様々ですので、リハビリがいつまで必要かは患者によって異なっています(私の場合は、発症2年経過後からリハビリによりメキメキ回復してきました)。 さらに、ギラン・バレー症候群は稀な病気であることから、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)にとっては、回復過程がよく分からないということもあります。 |