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小選挙区の議席は支持率に比例しない! !

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GON

unread,
Nov 5, 2003, 4:01:29 AM11/5/03
to
よく議席予想で直近の政党支持率を単純に割り振って
やってますけどあれって多分外れるね。

何故なら、小選挙区制ではいくら競っていても相対的に
優位なほうが勝ってしまうので結果、支持率通りに
議席が決まらず相対優位の政党がほとんどの選挙区で
勝ってしまうという現象が起こるでしょう。

特に今回の選挙ではその傾向が強く出るだろうと思います。
大量の死票です。

日本の政治風土を無視して欧米の真似こきをやったもんだから
そのしっぺ返しをもろに受けてしまうんでしょうね。

事実上、1党独裁です。

国会は形骸化し、本質的な議論は自民党内の密室で行われる
という政治形態が益々強まるでしょうね。

本当は日本にとっては時代時代に即した多様な主張を持つ政党が
出てきてそのときそのときの社会的要望を実現していけるように
中選挙区制にすべきであって、政権交代はその中の核となる2大
政党が小政党と連携して様々な政策を取り入れながらやっていく
べきなんです。

私なんかはネット世論を代表するような政党がいくつか出てきても
面白いと思うんですが小選挙区制じゃ議席を獲得することはほとんど
不可能に近いでしょうね。こういった身近な政党が出てきたら若い世代も
政治に関心を持つようになるんじゃないでしょうか?

そのためにも中選挙区制に戻すか、あるいはより改良された中選挙区制を
考えて日本独自の日本人にフィットした選挙制度を作るべきです。

今回、民主党が大負けしたら小選挙区制について大いに考えてもらいたい
ものです。

Junya Suzuki

unread,
Nov 5, 2003, 8:27:02 AM11/5/03
to
"GON" <g...@mocha.freemail.ne.jp> wrote in message
news:boae9a$r50$1...@news511.nifty.com...
> よく議席予想で直近の政党支持率を単純に割り振って
> やってますけどあれって多分外れるね。

えーと、新聞に載っている議席予想は政党支持率から引っ張りだしているのでは
ないんですけど、本当にそんな調査だと思っていたんですか?

議席数予想の元データは「政党支持率」ではなくて「各選挙区ごとのアンケート」
ですけど。もっとも生データが出ることはなくて一定のトレンド分析みたいのは
織り込まれているらしいですけど、その部分がノウハウです。

選挙終わって午後8時3分ぐらいに当確が出るのも、出口調査と事前のアンケートが
あるからですが。

> 今回、民主党が大負けしたら小選挙区制について大いに考えてもらいたい
> ものです。

えーと、議席は伸ばすらしいですけど>民主党。


NAKAMOTO Tetsuya

unread,
Nov 5, 2003, 9:02:28 AM11/5/03
to
GONさん wrote...
Message-ID: <boae9a$r50$1...@news511.nifty.com>
> そのためにも中選挙区制に戻すか、あるいはより改良された中選挙区制を
> 考えて日本独自の日本人にフィットした選挙制度を作るべきです。

中選挙区制の問題点があまりに浮き彫りになったので現在の小選挙区+
比例代表区制になったわけですけれども、喉元を過ぎるとやっぱり熱さ
を忘れるんですかね。

どんな選挙制度にも一長一短があります。逆に言えば完璧な選挙制度な
ど存在しないわけです。結果が自分の望む通りにならないからと言って、
選挙制度のせいにしても仕方がありません。

どんな選挙制度でもはっきり言えることはただ一つ、有権者に最も支持
された政党が勝つ、それだけです。

> 国会は形骸化し、本質的な議論は自民党内の密室で行われる
> という政治形態が益々強まるでしょうね。

むしろ、現在の選挙制度に変わってから政治が分かり易くなっていると
思うけど。中選挙区制ってのはその特性からどうしても派閥政治の温床
になる傾向がありますが、小選挙区制に変わってからその傾向がだいぶ
薄れました。

> 政権交代はその中の核となる2大政党が小政党と連携して様々な政策を
> 取り入れながらやっていくべきなんです。

で、その結果、取引条件として小政党にも重要ポストを与えたりしなけ
ればならなくなるわけですね。それこそ派閥政治の論理と変わらない。
かつての非自民8会派連立政権(細川内閣)を思い出せば分かると思いま
すが、政権内の駆け引きで政治が機能しなくなるのがオチです。

> 今回、民主党が大負けしたら小選挙区制について大いに考えてもらいたい
> ものです。

今回は恐らく民主党が政権を取るのは難しいと思われますが、次は分か
んないよ。小泉政権が大チョンボをやれば(もしくは何もできなければ)、
即座に民主党に政権が変わるでしょう。まぁ、それまでもうちょっと我
慢していなさいな。

小選挙区制の特徴として「有権者の意向を敏感に反映する(=増幅効果)」
という点がありますので、何かあればその長所がフルに発揮されること
でしょう。

--
中本徹也 (NAKAMOTO Tetsuya) @ HACHIOUJI City, TOKYO.
tets...@pop02.odn.ne.jp

A-11

unread,
Nov 5, 2003, 7:26:50 PM11/5/03
to
http://www.freeml.com/ctrl/html/MLInfoForm/electio...@freeml.com
で、
選挙制度について考えてみませんか?
論客が少なくて困ってるんです。

YASUI Hiroki

unread,
Nov 6, 2003, 6:46:46 AM11/6/03
to
安井@東大です。

NAKAMOTO Tetsuyaさん in <boavtt$cps$1...@nwjp2.odn.ne.jp>,


> どんな選挙制度にも一長一短があります。逆に言えば完璧な選挙制度な
> ど存在しないわけです。結果が自分の望む通りにならないからと言って、
> 選挙制度のせいにしても仕方がありません。
>
> どんな選挙制度でもはっきり言えることはただ一つ、有権者に最も支持
> された政党が勝つ、それだけです。

小選挙区制の場合、全国総得票数の多い政党が全国総得票数の少ない政党
に獲得議席数では負けるという事態が発生し得ます。
単純化した例を挙げるなら、有権者数100の選挙区が全部で10区ある国で
下記のように投票された場合を想定することができます。
      A党 B党 当選
  第1区 45票 55票 B党
  第2区 45票 55票 B党
  第3区 45票 55票 B党
  第4区 45票 55票 B党
  第5区 45票 55票 B党
  第6区 45票 55票 B党
  第7区 60票 40票 A党
  第8区 60票 40票 A党
  第9区 60票 40票 A党
  第10区 60票 40票 A党
この場合、A党は全国合計で510票を獲得し、B党の490票を上回って「有
権者に最も支持された政党」となりますが、獲得議席数ではA党が4、B
党が6となって、B党の勝利となります。小選挙区制の下では、「有権者
に最も支持された政党が勝つ」とは限らないのです。

そして、こうした逆転現象は机上の空論というわけではありません。英国
では1951年総選挙と1974年2月総選挙において、二大政党の総得票数と獲
得議席数が逆転するという現象が発生しました。
 # 英国1951年総選挙
 #  ・保守党…得票率48.0%, 議席数321
 #  ・労働党…得票率48.8%, 議席数295
 # 英国1974年2月総選挙
 #  ・保守党…得票率37.8%, 議席数297
 #  ・労働党…得票率37.1%, 議席数301
また、米国でも前回の2000年大統領選挙において、一般有権者からの総得
票数ではトップになった民主党のゴア候補が、大統領選挙人の獲得数で共
和党のブッシュ候補に敗れるという事態が発生しています。これは、各州
での最多得票者がその州に配分されている大統領選挙人を総取りするとい
う、小選挙区制に類似したシステム故の事態といえます。
--
* Freiheit | 安井宏樹(YASUI Hiroki), jya...@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp *
* Recht | 東京大学大学院法学政治学研究科・比較法政国際センター *
* Einigkeit | (現代ドイツ政治,ヨーロッパ政治史) *

YASUI Hiroki

unread,
Nov 11, 2003, 6:00:13 AM11/11/03
to
安井@東大です。
自己フォローです。

> NAKAMOTO Tetsuyaさん in <boavtt$cps$1...@nwjp2.odn.ne.jp>,

>> どんな選挙制度でもはっきり言えることはただ一つ、有権者に最も支持
>> された政党が勝つ、それだけです。

安井 in <ymrmk76d...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>,
> 小選挙区制の場合、全国総得票数の多い政党が全国総得票数の少ない政党
> に獲得議席数では負けるという事態が発生し得ます。
{中略}


>                    小選挙区制の下では、「有権者
> に最も支持された政党が勝つ」とは限らないのです。
> そして、こうした逆転現象は机上の空論というわけではありません。

前記事では英国と米国の全国選挙の事例を挙げておきましたが、日本で一
昨日行われた第43回総選挙でも、東京ブロックという一部においてですが、
得票と獲得議席の逆転現象が生じました。
東京ブロックでは、民主党が全25選挙区に候補者を出した一方、自民党は
東京12区を除く全選挙区に候補者を立て、公明党は東京12区だけに候補者
を立てました。自民・公明の両党が選挙協力で合意していたことを考慮す
れば、両党が一つの選挙ブロックを構成して東京での小選挙区選挙を戦っ
ていたと見做しても大過ないように思われます。
そして、選挙の結果は以下の通りでした。
 ・民主党…小選挙区得票率42.16%, 議席数12
 ・自・公…小選挙区得票率42.12%, 議席数13
ごく僅かな差ではありますが、小選挙区での合計得票率と獲得議席数は逆
転しています。
 # データは毎日新聞2003年11月11日付朝刊11面のものに依拠しました。
このような逆転現象が生じた原因としては、民主党は大差をつけて勝つこ
とが多かったのに対し、自民党/公明党は接戦を競り勝つパターンの方が
多かった、という点が指摘できると思います。言うなれば、一部の選挙区
で大勝したことによる死票が民主党に発生してしまったわけです。小選挙
区制では、勝てないことによる死票だけでなく、勝ちすぎてしまったこと
による死票も生じ得るのだという点を押さえておくべきでしょう。

GON

unread,
Nov 11, 2003, 9:59:00 AM11/11/03
to
"YASUI Hiroki" <jya...@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp> wrote in message news:ymrm65hr...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp...

>  ・民主党…小選挙区得票率42.16%, 議席数12
>  ・自・公…小選挙区得票率42.12%, 議席数13
> ごく僅かな差ではありますが、小選挙区での合計得票率と獲得議席数は逆
> 転しています。

1議席程度じゃほとんど誤差の範囲でしょう。

> このような逆転現象が生じた原因としては、民主党は大差をつけて勝つこ
> とが多かったのに対し、自民党/公明党は接戦を競り勝つパターンの方が
> 多かった、という点が指摘できると思います。言うなれば、一部の選挙区
> で大勝したことによる死票が民主党に発生してしまったわけです。小選挙
> 区制では、勝てないことによる死票だけでなく、勝ちすぎてしまったこと
> による死票も生じ得るのだという点を押さえておくべきでしょう。

”勝ちすぎることによる死票”というのは要は勝ちすぎて1議席どころか
2議席与えても良いぐらいなのに1議席しかもらえないことによる死票
ってことですよね?でも、それは自民党のほうが多いと思うよ。
地方なんかは圧倒的に自民党の得票率が多いわけなんだから。

むしろ、比例に惜敗率が加味されているお陰で、競っている場合は
どっちも当選し競っていない場合は片方しか当選できないようになって
いてうまく死票が少なくなるように機能していると思いますが。

YASUI Hiroki

unread,
Nov 25, 2003, 5:57:35 AM11/25/03
to
安井@東大です。

> 安井 in <ymrm65hr...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>,


>>  ・民主党…小選挙区得票率42.16%, 議席数12
>>  ・自・公…小選挙区得票率42.12%, 議席数13
>> ごく僅かな差ではありますが、小選挙区での合計得票率と獲得議席数は逆
>> 転しています。

GONさん in <boqtfl$rpp$1...@news511.nifty.com>,
> 1議席程度じゃほとんど誤差の範囲でしょう。

この逆転現象は「誤差」ではなく、特定の得票分布がもたらす必然です。


>> このような逆転現象が生じた原因としては、民主党は大差をつけて勝つこ
>> とが多かったのに対し、自民党/公明党は接戦を競り勝つパターンの方が
>> 多かった、という点が指摘できると思います。言うなれば、一部の選挙区
>> で大勝したことによる死票が民主党に発生してしまったわけです。小選挙
>> 区制では、勝てないことによる死票だけでなく、勝ちすぎてしまったこと
>> による死票も生じ得るのだという点を押さえておくべきでしょう。
>
> ”勝ちすぎることによる死票”というのは要は勝ちすぎて1議席どころか
> 2議席与えても良いぐらいなのに1議席しかもらえないことによる死票
> ってことですよね?

大まかなイメージとしてはそう捉えてもらって構いません。

>           でも、それは自民党のほうが多いと思うよ。
> 地方なんかは圧倒的に自民党の得票率が多いわけなんだから。

GONさんの仰る「地方」(例えば四国など)での場合、自民党が大半の選
挙区で議席を獲得していますので、得票の「圧倒的」な多さが得票率と議
席数の逆転現象に結びつくことはありません。逆転現象を左右する要素は
“勝ちすぎによる死票”の多寡そのものではなく、得票分布の態様だから
です。
この点については、既に拙稿<ymrmk76d...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>
において“得票比が45%対55%の選挙区6つと60%対40%の選挙区4つ”という
例を挙げて説明しており、また前記事
<ymrm65hr...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>でも「勝つパターン」に言
及しているところではありますが、もう一度繰り返して整理しますと、
  “一部で大勝し、残りで惜敗”という得票パターンの政党と“大半で
  競り勝ち、一部で大敗”という得票パターンの政党とが出現したとき、
  得票率と議席数の逆転現象が生じやすい
という話になります。
 # なお、このパターン以外にも、“ほとんどで惜敗”政党と“一部で勝
 # 利し、残りで惨敗”政党との間で得票率と議席数の逆転現象が生ずる
 # ことがあります。カナダの1993年総選挙では、全国政党である進歩保
 # 守党が16.0%の得票率で2議席しかとれなかったのに対して、ケベック
 # 州の地域政党であるケベック連合は同州でのみ票を固め、全国単位で
 # の得票率は13.5%でしかなかったものの、進歩保守党を大きく上回る
 # 54議席を獲得しました。
「地方」での自民党の場合、“大半で大勝”や“一部で大勝し、残りで競
り勝ち”というパターンになっていますので、逆転現象が生じないのです。
このように、同じ得票率でも得票分布の態様によって議席数が大きく左右
され得るというのが小選挙区制の特徴です。
 # ゲリマンダリングと呼ばれる意図的な選挙区割り操作は、こうした小
 # 選挙区制の特徴を利用しています。


> むしろ、比例に惜敗率が加味されているお陰で、競っている場合は
> どっちも当選し競っていない場合は片方しか当選できないようになって
> いてうまく死票が少なくなるように機能していると思いますが。

“勝ちすぎによる死票”については、「比例に惜敗率が加味されているお
陰」云々の話は関係ありません。
また、落選による死票について論じられておられるのだとしても、現行の
選挙制度においては、小選挙区での死票が議席に換算されることはありま
せん。GONさんは惜敗率に言及しておいでですが、惜敗率というのは同順
位の比例候補者の中での当選順位を決める指標であるに過ぎないのだとい
うことを失念しておられるのではないでしょうか。比例区での当選者数を
決めるのはあくまでも比例区票の得票数であり、小選挙区での死票の数や
惜敗率ではないのです。

GON

unread,
Nov 25, 2003, 8:30:06 AM11/25/03
to
"YASUI Hiroki" <jya...@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp> wrote in message news:ymrm3ccc...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp...

> 安井@東大です。
>
> > 安井 in <ymrm65hr...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>,
> >>  ・民主党…小選挙区得票率42.16%, 議席数12
> >>  ・自・公…小選挙区得票率42.12%, 議席数13
> >> ごく僅かな差ではありますが、小選挙区での合計得票率と獲得議席数は逆
> >> 転しています。
>
> GONさん in <boqtfl$rpp$1...@news511.nifty.com>,
> > 1議席程度じゃほとんど誤差の範囲でしょう。
>
> この逆転現象は「誤差」ではなく、特定の得票分布がもたらす必然です。

たった0.04%の違いで精々1議席ですから誤差の範囲だと思います。

例えば得票率が10%も違うのに逆転が起こったら問題だと思いますが
精々数%で最小単位議席の逆転ですから誤差の範囲だと思います。

>   “一部で大勝し、残りで惜敗”という得票パターンの政党と“大半で
>   競り勝ち、一部で大敗”という得票パターンの政党とが出現したとき、
>   得票率と議席数の逆転現象が生じやすい

それはその選挙制度に依存するアノマリみたいなもんですね。
選挙制度を数理モデル化してシミュレーションしてみれば
起こりうるアノマリのパターンをすべて調べることができる
でしょう。最大のアノマリが発生する支持率の配位も最適化問題を
解くとかして求めることもできるでしょう。

で、そういったアノマリのうちどの程度の逆転劇まで許容できるのかを
設定してそれを超えるアノマリがどの程度の確率で起こるのかを
シミュレーションすることでその選挙が最適なものかを判断すること
が可能になるんじゃないでしょうか?

>  # なお、このパターン以外にも、“ほとんどで惜敗”政党と“一部で勝
>  # 利し、残りで惨敗”政党との間で得票率と議席数の逆転現象が生ずる
>  # ことがあります。カナダの1993年総選挙では、全国政党である進歩保
>  # 守党が16.0%の得票率で2議席しかとれなかったのに対して、ケベック
>  # 州の地域政党であるケベック連合は同州でのみ票を固め、全国単位で
>  # の得票率は13.5%でしかなかったものの、進歩保守党を大きく上回る
>  # 54議席を獲得しました。

しかし、それは単純小選挙区制だから起こることであって日本のような
比例を加味した制度では起こりづらいんじゃないの?

ところで、日本の小選挙区制って比例代表並立制?それとも併用性?
当初は並立制でしたが惜敗率を加味した時点で併用性になった気がしますが・・・

> > むしろ、比例に惜敗率が加味されているお陰で、競っている場合は
> > どっちも当選し競っていない場合は片方しか当選できないようになって
> > いてうまく死票が少なくなるように機能していると思いますが。
>
> “勝ちすぎによる死票”については、「比例に惜敗率が加味されているお
> 陰」云々の話は関係ありません。

極端な勝ちすぎなんてどれほどあるんでしょうか?有名候補は与野党に
分散してますからトータルで考えればならされると思います。どちらかの
政党にだけ人気候補が偏ってる場合は “勝ちすぎによる死票”の問題が
発生するでしょうけど現実はうまいことバランスしているように思えます。

> また、落選による死票について論じられておられるのだとしても、現行の
> 選挙制度においては、小選挙区での死票が議席に換算されることはありま
> せん。GONさんは惜敗率に言及しておいでですが、惜敗率というのは同順
> 位の比例候補者の中での当選順位を決める指標であるに過ぎないのだとい
> うことを失念しておられるのではないでしょうか。比例区での当選者数を
> 決めるのはあくまでも比例区票の得票数であり、小選挙区での死票の数や
> 惜敗率ではないのです。

要は選挙制度はその選挙区の民意が素直に繁栄されれば良いんです。

典型的な例が山崎元自民党幹事長の落選です。民主の候補が大差をつけて当選
しましたからその選挙区の民意は山崎さんにNO!を突きつけたわけですよね。
これが惜敗率が加味されていなかったら山崎さんも民意とは反対に比例で救われて
当選してしまっていただろうと思います。

そういう意味で民意が素直に繁栄されていたと思ってます。

YASUI Hiroki

unread,
Dec 9, 2003, 5:13:06 AM12/9/03
to
安井@東大です。

>>> 安井 in <ymrm65hr...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>,
>>>>  ・民主党…小選挙区得票率42.16%, 議席数12
>>>>  ・自・公…小選挙区得票率42.12%, 議席数13
>>>> ごく僅かな差ではありますが、小選挙区での合計得票率と獲得議席数は逆
>>>> 転しています。

>> GONさん in <boqtfl$rpp$1...@news511.nifty.com>,
>>> 1議席程度じゃほとんど誤差の範囲でしょう。

> 安井 in <ymrm3ccc...@as302.ecc.u-tokyo.ac.jp>,
>> この逆転現象は「誤差」ではなく、特定の得票分布がもたらす必然です。

GONさん in <bpvlh0$prd$1...@news511.nifty.com>,


> たった0.04%の違いで精々1議席ですから誤差の範囲だと思います。
> 例えば得票率が10%も違うのに逆転が起こったら問題だと思いますが
> 精々数%で最小単位議席の逆転ですから誤差の範囲だと思います。

小選挙区制の下での議席配分は、総得票数と得票分布によって一意に定ま
ります。そうである以上、それは「誤差」ではありません。


>>  # なお、このパターン以外にも、“ほとんどで惜敗”政党と“一部で勝
>>  # 利し、残りで惨敗”政党との間で得票率と議席数の逆転現象が生ずる
>>  # ことがあります。カナダの1993年総選挙では、全国政党である進歩保
>>  # 守党が16.0%の得票率で2議席しかとれなかったのに対して、ケベック
>>  # 州の地域政党であるケベック連合は同州でのみ票を固め、全国単位で
>>  # の得票率は13.5%でしかなかったものの、進歩保守党を大きく上回る
>>  # 54議席を獲得しました。
>
> しかし、それは単純小選挙区制だから起こることであって日本のような
> 比例を加味した制度では起こりづらいんじゃないの?

日本の現行制度でも十分に起こり得ます。
例えば、もし仮に、中国ブロック・四国ブロックの自民党が党中央に反旗
を翻して独自の新党を結成した場合、今回の総選挙の数字でいくと、
  全国得票率:小選挙区で5.18%、比例区で3.55%
  獲得議席数:小選挙区で29、比例区で8の合計37議席
という規模の政党になりますが、これを共産党の
  全国得票率:小選挙区で8.13%、比例区で7.76%
  獲得議席数:小選挙区で0、比例区で9の合計9議席
という数字と比較すれば、そこでは全国得票率と議席数の逆転現象が生じ
ていることが分かります。


> ところで、日本の小選挙区制って比例代表並立制?それとも併用性?
> 当初は並立制でしたが惜敗率を加味した時点で併用性になった気がしますが・・・

日本の現行制度は小選挙区比例代表並立制です。併用制ではありません。
並立制とは、小選挙区部分での議席配分と比例代表部分でのそれとが完全
に分離したものを指します。要するに、全然別の制度の選挙を二本立てで
行うわけです。
 # だからこそ、「並立」制という名前が付けられたわけで…。
それに対して、併用制は基本的に、
 ・議席全体の配分を比例代表で決定した後、
 ・具体的な当選者を小選挙区当選者(ドイツの場合、その割合は全議席
  の半分)で充当していき、
 ・小選挙区当選者では充当しきれない分を比例代表名簿の順に充当して
  いく、
という制度です。基本は比例代表制ですので、人によっては小選挙区併用
型比例代表制という呼び方をすることもあります。
 # 細かいことを言うと、ドイツの制度での議席配分方法はもう少し複雑
 # なのですが、ここでは割愛します。
日本の現行制度では、小選挙区部分での議席配分と比例代表部分でのそれ
とを完全に分離していますので、紛れもなく並立制です。

また、GONさんは「惜敗率を加味した時点で併用性{ママ}になった」と
論じてもおいでですが、前記事でも


>>    GONさんは惜敗率に言及しておいでですが、惜敗率というのは同順
>> 位の比例候補者の中での当選順位を決める指標であるに過ぎないのだとい
>> うことを失念しておられるのではないでしょうか。比例区での当選者数を
>> 決めるのはあくまでも比例区票の得票数であり、小選挙区での死票の数や
>> 惜敗率ではないのです。

と指摘した通り、惜敗率が議席配分そのものを左右することはありません
し、そもそも、「議席全体の配分を比例代表で決定」という要素が欠けて
いる以上、それは併用制ではありません。
 # やや乱暴な言い方をしてしまえば、惜敗率というのは、党が自分で決
 # めても良いはずの比例名簿の順位決定を有権者に丸投げして委ねると
 # いう制度です。何度も言うようですが、これによって獲得議席数が増
 # 減したりするということはありません。


> 要は選挙制度はその選挙区の民意が素直に繁栄されれば良いんです。
> 典型的な例が山崎元自民党幹事長の落選です。民主の候補が大差をつけて当選
> しましたからその選挙区の民意は山崎さんにNO!を突きつけたわけですよね。
> これが惜敗率が加味されていなかったら山崎さんも民意とは反対に比例で救われて
> 当選してしまっていただろうと思います。

細かなことかもしれませんが、自民党の山崎拓副総裁(当時)の惜敗率は
90.3%ですので、「民主の候補が大差をつけて当選」とまで言い切るのは
いかがなものかと思います。
 # ちなみに、この90.3%という数字は、全国の高惜敗率落選者ランキン
 # グで第6位に入るほどの“惜しい”数字だったりします。
 ### もっとも、そのランキングの1位から4位までが九州ブロックの他の
 ### 自民党候補者で占められていますので、復活当選の可能性という点
 ### から言えば、山崎候補の惜敗率の“惜しさ”はそれほど高くないと
 ### も言えますが。

それと、現行制度上、惜敗率を比例選出議員の決定に利用するかどうかは、
政党の側の裁量に委ねられています。今回の山崎候補のケースでは、たま
たま自民党が重複立候補者全員を等しく同順位に並べ、その中での比例復
活当選者の決定を惜敗率に委ねるという決定を下したが故に、GONさんが
御指摘になったような結果になったわけですが、もし仮に、自民党がその
ような名簿順位決定をせず、当選回数や閣僚・党三役経験などの順にしっ
かりと序列付けしてしまっていたならば(現に、共産党は全ブロックの比
例名簿順位を自分達で先に全て決めてしまっています)、恐らく、自民党
副総裁たる山崎候補はかなり上位に登録されて当選していたことでしょう。
 # さらに言えば、完全に順位を決めるところまでいかずとも、閣僚や党
 # 三役を務めている候補者の同列順位を、他の重複立候補者の同列順位
 # よりもワンランク上に優先させるだけで、山崎候補は無事に復活当選
 # を果たしていた計算になります。

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