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PC遠隔操作事件、片山さん保釈

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Yasushi Shinjo

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Mar 9, 2014, 10:14:32 PM3/9/14
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新城@筑波大学です。こんにちは。

PC遠隔操作事件の裁判が始まってもずっと拘留されていた片山さんがやっと保
釈になりました。出てこれたのは、まずは本当に良かったと思います。編集さ
れていない記者会見の模様は、IWJ や Videonews に出ています。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/127748
http://www.videonews.com/press-club/0804/003200.php
http://blogos.com/article/81701/

今までの大手メディアの報道は、完全に警察・検察からの「大本営発表」をそ
のまま垂れ流しでした。これからは、片山さん本人からの話を直接聞くことが
できるようになりましす。マスメディアからの情報しか受け取ってなかった人
は、騙されていたと思うのかもしれません。マスメディア以外の情報チャネル
を持つことが大事です。

この会見でのポイントとしては、こんな感じ。

・片山さんを犯人と直接結びつける証拠がない。(今までのマスメディアの報道
は、かなりおかしい。)
・猫の首輪からは、別人の DNA が出ている。片山さんの DNA は出ていない。
・雲取山の山頂で USB メモリを埋めることはできなかった。
・片山さんの PC もまた遠隔操作されていた可能性がある。
・片山さんは、iesys を作る能力(C#言語やマルウェア開発の知識)がない。

マスメディアは、今までの報道姿勢を変えることができるでしょうか。保釈に
ついて、テレビや新聞で使っている写真は、よい表情のものを使っている感じ
はしました。閉じ込められていた所からやっと開放されて、うれしさのあまり
よい表情しか出せなかったのかもしれません。捕まる前の写真や映像ひどかっ
た。最悪は、猫カフェ盗撮。

でも、柏の通り魔事件で容疑者がが「チェックメイト」と言ったとか、そうい
う話が出てくるのもなんかおかしい。特定秘密ではないだろうが、そういう話
を警察が出してはいけないのではないか。

\\ 新城 靖 (しんじょう やすし) \\
\\ 筑波大学 情報工学        \\

Yasushi Shinjo

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Mar 9, 2014, 11:34:48 PM3/9/14
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新城@筑波大学です。こんにちは。

PC遠隔操作事件で保釈された片山さんですが、さっそく IWJ がインタビューを
しました。初回は、生中継だったみたいですね。私はアーカイブで見ました。

2014/03/07 【PC遠隔操作事件】岩上安身による片山祐輔さん・佐藤博史弁護士 独占インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/128266

片山さんは、録音録画をすれば取調べに応じると言っていたのですが、その理
由がわかりました。警察の調書で C# の能力について、言っていることと違う
ことが書かれていたのが発端。その後、取調べはほとんど行われなかったので、
きつい尋問はなかったとのことだした。例外は、逮捕後に「弁解録取」という
手続きやるはずなのに、それをやらないで、取調べをした所。

あと、江ノ島の防犯カメラの画素数の問題も出てきました。次の記事だと、画
素数「3Mピクセル」。法廷に出てきたのは、DVD品質だから、720*480でかなり
荒い。弁護側は元の画像を出して欲しいと請求しているのに、検察が出さない
とのことでした。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130211/crm13021100440000-n1.htm

荒い画像しか出さないとなると、元の鮮明な画像が出てきたら、片山さんが犯
人ではないという証拠になるのを、隠しているという話も成り立ちます。上の
記事とはまったく逆です。ただ、防犯カメラの画像の全体で3Mピクセルでも、
広い範囲を撮影したいたとすると、片山さんが写っていた部分は法廷に出され
た程度の不鮮明なものしかないということはありそうです。どちらにしても、
元の3M ピクセルを出して欲しい。さらに超解像の技術もあるのだから、使って
みて欲しい。

佐藤弁護士は、去年の2月の逮捕直後、警察や検察には心ある人がいるのを期待
して、「決定的な証拠はないだろう、あれば見せて早く楽にして欲しい」と、
いろいろ場外で接触していたようです。佐藤弁護士と接触した人は、黙ってし
まって、半分証拠がないことを認めたみたい。でも組織の上の方の指示で動い
ているので、末端の人は何もできなかったという考えです。IWJ の岩上さんは、
去年の2月には日米捜査当局の協力関係の話が出ていたので、それが影響して立
ち止まれなかったという説を出していました。この話は、再配信されています。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/63241

私は、トップダウンが効いていて、日米協力の絡みで止まれないというのは少
し違うかなあと思いました。中央サーバの指令を末端が聞くというような話で
はないと思いました。そうではなくて、組織の内部の一人ひとりが、人間性を
失ってしまって、個人の感覚が失われて、単に立場を守るような行動をしてい
るのかと思いました。一人ひとりが分散アルゴリズムで行動していると、こん
な感じで全体としては無実の人を何年間も閉じ込めたり、戦争に突っ込んでいっ
たりすることはあるのか思います。分散アルゴリズムを正すのは、P2P なので
けっこう面倒ですけれど、まあやるしかないのでしょう。

このインタビューでは、IWJ 岩上さんの他に、三上洋さんという「IT ジャーナ
リスト」も片山さんに質問していました。鋭い質問はなかったなあという印象
です。遠隔操作事件の犯人は、さまざまなメールをマスメディア等に送ってい
るのですが、そのメールを送信したという痕跡が、片山さんの周辺からまった
く出ていないということを聞き出していました。

メールの送信とかプログラム開発の痕跡を残さないようにするなら、仮想計算
機を使う等の方法も有り得るのですけれど、そうなると「仮想計算機」という
痕跡が残ります。それも消すのに、仮想計算機の中で仮想計算機を動かしても、
外側の仮想計算機は残るわけです。乗っ取った計算機を遠隔で使いながら
iesys を開発するというのは、かなり辛い。そんな遅延が大きい環境で高度な
プログラムを作るのはかなりつらい。

iesys のバイナリは、最後、Visual Studio でコンパイルされたものですが、
片山さんは職場で Eclipse しか使っていませんでした。これは同僚も見ていた
はずです。Eclipse で C# のプログラムを開発するのは、不可能ではないので
しょうが、まあ実際問題、iesys クラスのプログラムを作るのは辛いのでしょう。

最後に、片山さんを支援するために、寄付金を集める活動が始まるという話も
ありました。(3月10現在、まだ始まってないと思います。)

Yasushi Shinjo

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Mar 16, 2014, 10:08:27 PM3/16/14
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新城@筑波大学です。こんにちは。

ko...@ie.u-ryukyu.ac.jp (Shinji KONO) writes:
> http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20140311-00033448/
> なんだけど、TrueCrypot 領域に Visual C# 2010 Express に入れてたみたいな
> のがファイル削除のゴミから見つかったみたいですね。TrueCrypot って、
> こんなゴミが残るようなタコなものなんですか? Mac にも Secure Empty Trash はあるのに。

この辺り、技術的によく分からないことがあります。TrueCrypt という、
Windows 用の暗号化された仮想ドライブを使って F: ドライブを作って使って
いたという話があります。その暗号化されたデータ自体は普通のハードディス
ク(C: ドライブ)に残っていたということなのでしょう。でも、TrueCrypt なら
ば、暗号化されているはずなので、文字列がそのまま見える形で C: に残るは
ずはありません。となると、C: に残っていたのは、F: へのパス名のようなも
のが残っていたということなのでしょうか。

あと、痕跡が残っていたこと自体が非常に怪しいとも言えます。普通、悪いこ
とをする人は、そういう痕跡を残すようなことはしません。ssh で攻撃するな
ら、踏み台を何台も経由するし、ソフトウェア開発なら、私なら VM を使って
痕跡を消します。痕跡が残っていたとすると、犯人がわざと痕跡を残したと考
えるのが自然です。ネットワークで攻撃を受けたら、それは踏み台だと考える
のが自然なように。(どこかの国が、サイバー攻撃に反撃するような話をしてま
したが、それは踏み台を攻撃するだけで意味がありません。)

あと、Visual Studio Express の問題も残っています。犯罪に使われていた
iesys.exe は、Express がつかない製品版でコンパイルされていたという話を
昔聞いた気がします。その製品版がインストールされた痕跡は、片山さんが使っ
ていたコンピュータには存在しないと。その話は、どうなったのかなあ。(片
山さんはウイルス作成罪では起訴されていません。検察としては、ウイルス作
成罪も起訴したかったのでしょうが、その証拠が集められなかったのでしよう。)

それから、論理学の話もあります。今は、次の命題が問題です。

「片山さんが犯人」ならば「痕跡が残っている」

今は、その逆の話が出ています。

「痕跡が残っている」ならば「片山さんが犯人」

論理学では逆は真ではありません。というのも、次のどちらも成り立つからです。

「片山さんが犯人」ならば「痕跡が残っている」
「片山さんが以外の人が犯人」ならば「痕跡が残っている」

検察がすべきことは、下の可能性を0にすることです。これが0にできないな
ら、片山さんは無罪です。これが推定無罪の原則です。過去の遠隔操作事件で
誤認逮捕起訴された人と同じ話になります。

この辺りの論理の話は、次のビデオ記事の後半に出ていました。前半は面白く
ありません。後半の 1:00 くらい、宮台真司さんが出た辺りが論理の話。

http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/003205.php
ニュース・コメンタリー (2014年03月08日)
遠隔操作ウイルス事件裁判で問われているもの
ゲスト:落合洋司氏(弁護士・元検事)

> 遠隔操作されたとすれば、この辺りも操作可能だとは思うけど、2011 年からの
> 履歴だと、結構、 厳しいかな~

痕跡が多く残っているのは、片山さんにとっては有利な話のはずです。どれか
一つでもアリバイが成立したら、片山さん無罪で終わりです。

もちろん、時計をずらしてアリバイをごまかすのは可能です。でも、そんな時
計をずらすくらいのことをやるくらないなら、そもそも痕跡を残すようなバカ
なことはやらないでしょう。誰か同僚に見つかる危険性を犯しながら、派遣先
のコンピュータを使って変なプログラムを開発するようなバカなこともやらな
いでしょう。犯人がそんなバカとは思えません。(コンピュータの時計が信用で
きないということになると、2011年からどうのという話もまったく意味がなく
なります。)

\\ 新城 靖 (しんじょう やすし) \\
\\ 筑波大学 システム情報系     \\
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