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Minoru Nagai / 永井 稔

unread,
Aug 24, 2003, 5:35:36 AM8/24/03
to
永井@茨城県在住です。

7月に国会を通り、問題になっている国立大学法人法ですが、附則8条第2項の
表記に問題があると感じています。

附則8条第1項では、現在「法人である職員団体」が法人化の際に「労働組合
法の適用を受ける法人である労働組合」になることが規定され、第2項では「
法人である労働組合」が国立大学等法人成立後60日以内に労働委員会の証明と
登記を行なわなければ、「解散するものとする」とあります。

これが、「解散するものとする」ではなく、「法人である労働組合は労働組
合法が適用されなくなるものとする」であれば、問題ないと思うのですが、
「勤労者の団体」に「解散するものとする」と言うのは、憲法28条の「勤労者
の団結する権利」に反するのではないか、と感じています。


国家公務員は、憲法28条の適用に対し、同じ憲法15条第2項による制限を受
けています。具体的には国家公務員法の中で団体行動権と団体交渉権に制限が
加えられていますが、あくまで憲法15条第2項を強く主張することで、「全体
の奉仕者」としての活動を阻害する行為を禁じているだけであって、憲法28条
に反するような表記にはなっていません。

今回の大学法人法はいろいろと問題のある法律ですが、私はこの条文の表記
が一番気になっています。

※憲法28条で規定される「勤労者の団体」は、国家公務員法第108条の2によ
り、「職員団体」、労働組合法第2条により、「労働組合」と呼び名が規定
されています。


●国立大学法人法

附則
(各国立大学法人等の職員となる者の職員団体についての経過措置)
第八条
国立大学法人等の成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項
に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第四条の規定に
より各国立大学法人等に引き継がれる者であるものは、国立大学法人等の
成立の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労
働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人である
ときは、法人である労働組合となるものとする。
2 前項の規定により法人である労働組合となったものは、国立大学法人等の
成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び
第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その
主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散
するものとする。
3 第一項の規定により労働組合となったものについては、国立大学法人等の
成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただ
し書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。


●日本国憲法

第二十八条【労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権】
 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これ
を保障する。

第十五条【公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙と秘密投票の保障】
1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、
その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。


SASAKI Masato

unread,
Aug 24, 2003, 6:24:53 AM8/24/03
to
佐々木将人@函館 です。

結論から先に言うと

>From:"Minoru Nagai / 永井 稔" <m_n...@d5.dion.ne.jp>
>Date:2003/08/24 09:35:36 JST
>Message-ID:<3f4886e8$0$267$44c9...@news2.asahi-net.or.jp>
>
>「勤労者の団体」に「解散するものとする」と言うのは、憲法28条の「勤労者
>の団結する権利」に反するのではないか、と感じています。

全く反していません。

労働組合法の5条1項を見ればわかるとおり
労働組合法の適用を受けようとする労働組合は
2条の要件を満たした上
5条2項の要件を満たすことについて
労働委員会に(証拠を提出して)立証しなければ
労働組合法上は労働組合として扱われません。
(この要件が例えば救済命令の発令要件ではあるけど
 審査手続開始の要件ではないから
 救済命令発令時までに資格審査をしておけばよいとしたのが
 いわゆる東京光の家団体交渉拒否事件における
 昭和61年2月27日東京地裁判決(判例時報1183号p158))

そしてそういう定めを置くこと自体が団結権を制限するものではないことは
団結権自体は組合設立の自由であるところ
労働組合法の要件を満たさないと
労働組合法の保護を与えないというだけのもので
労働組合法による保護を求めないのであれば
当該労働組合に対し組合という団体自体をあれこれするものではないことから
異論のないところです。

さらに労働組合法の11条では
5条1項の手続をとったことの証明を受けた労働組合が
さらに所定の手続(法人登記)をすることで
法人格を取得することとなっていますが
そのような定めを置くこと自体が団結権を制限するものではないことは
その手続をとらないと法人格を認めないというだけで
法人格が不要であれば
当該労働組合に対し組合という団体自体をあれこれするものではないことから
異論のないところです。

ここまでのところをまとめると
労働組合と名乗る団体については、法律上は
A 法人である労働組合法上の労働組合
B 法人ではないが労働組合法上の労働組合
C 労働組合法上は労働組合にはならない労働組合
に分かれ
公務員の労働組合はたいてい法律上は職員団体ですから
Cに該当します。
(法人である職員団体も法人格のあるCにすぎません。)

で、CがBなりAなりになるためには
労働組合法5条1項や11条の手続を別途にとらなければなりませんが
諸般の事情に鑑み
(端的に言えば現時点で職員団体が5条や11条の手続をとれないだろうから。)
その要件を緩和して
「法人化後60日以内にやればいいよ」
としたのが附則8条2項です。
附則8条2項によって法人化の際に5条の手続をとってないにもかわらず
なおBとして労働組合法の規定の適用があるし
11条の手続をとらなくともAとして法人たる労働組合となるという
いわば優遇規定な訳です。

さて60日以内に手続をとらないと法人解散な訳ですが
これは優遇規定の結果所定の審査がなくても法人格を認めるのですから
ある種の異常事態な訳です。
そこでその措置を暫定的なものとしてとらえ期限を切るのは
全く合理的な話です。
そしてその手続のために60日というのは
十分な日程でしょう。
さらに法人が解散とされたところで
その労働組合が本則に基づいて
(=附則8条2項を使わずに)
5条の手続や11条の手続をとれば
それはその審査がきちんと行われる訳ですし
上でも述べたとおりそれにとおらなかったとしても
単にCとして扱われるだけということなのですから
団結権は全く侵害していません。

> これが、「解散するものとする」ではなく、「法人である労働組合は労働組
>合法が適用されなくなるものとする」であれば、問題ないと思うのですが、

これでもかまいませんが
法技術上
「職員団体時に取得した法人格はどうなるか?」
がこの規定では明らかになっていません。
解散規定にした方が法人格の処理について明確です。

----------------------------------------------------------------------
Talk lisp at Tea room Lisp.gc .
c...@nn.iij4u.or.jp 佐々木将人
(This address is for NetNews.)
----------------------------------------------------------------------
ルフィミア「私のアンソロ本を書くって本当?」
まさと  「それ、微妙に間違っている……。」

Keizo Matsumura

unread,
Aug 27, 2003, 12:31:12 AM8/27/03
to

> ●日本国憲法
>
> 第二十八条【労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権】
>  勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これ
> を保障する。
>
> 第十五条【公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙と秘密投票の保障】
> 1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
> 2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
> 3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
> 4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、
> その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

ここで言う公務員は、一般の国家公務員(教授や事務官や技官)のことではない
のでは?

国会議員のことをいっているような気がするのですが。

まつむら

SASAKI Masato

unread,
Aug 27, 2003, 7:24:13 AM8/27/03
to
佐々木将人@函館 です。

>From:Keizo Matsumura <kma...@nr.titech.ac.jp>
>Date:2003/08/27 13:31:12 JST
>Message-ID:<3F4C3410...@nr.titech.ac.jp>
>
>> 第十五条【公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙と秘密投票の保障】
>> 1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
>> 2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
>> 3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
>> 4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、
>> その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
>
>ここで言う公務員は、一般の国家公務員(教授や事務官や技官)のことではない
>のでは?
>
>国会議員のことをいっているような気がするのですが。

3項4項については半分正解
(選挙によって選ばれる地方議会の議員や知事・市町村長が抜けています。)
1項2項についてはすべての公務員についてあてはまります。

元々15条の公務員の選定罷免権というのは
参政権の一種だと考えられているのでして
公務員も特定の公務員に限定するものではないと考えられている一方
すべての公務員の選定・罷免につき
直接的な権利を持つものだとも解されていません。
(昭和24年4月20日最高裁判決 民集3巻5号p135)
ゆえに本来は1~4項の全てについて「全ての公務員」とも言えるのですが
3・4項はどう考えても選挙によって選ばれる公務員であることが明白。

SUZUKI Wataru

unread,
Sep 11, 2003, 10:31:52 AM9/11/03
to
At Sun, 24 Aug 2003 19:24:53 +0900,
in the message, <20030824...@nn.iij4u.or.jp>,
c...@nn.iij4u.or.jp (SASAKI Masato) wrote
>解散規定にした方が法人格の処理について明確です。

思うに、「解散」という言葉を文字通りに「団体としての実体を失わせる」と
いう意味だと考えているだけの話ではないかという気がします。
「法人格を剥奪する」「特定の関係において一定の性質を有する団体として処
遇しない」という意味だとは思っていないのではないかと。

# 確かに文字通りに捉えれば「解散」という言葉はどうかとは思いますが。
 まあ強いて言えば、一定の法律関係において団体の存在を認めないのと同じ
 という意味でその法律関係における「解散」というところか。
 ……まあちょっと考えてみれば、「文字通り解散させた」としても、そのあ
 と団体を事実再結成されれば結局手の打ちようがないから無意味だというこ
 とはすぐ判りそうなものではある。

オウム真理教の「解散」命令だって「宗教法人格の剥奪」であって、団体自体
は今でも存続しているわけで
(名前を変えたのは解散命令とは法律的には関係がない。)、
文字通り「解散」しているわけではないと
(これを本当に文字通り強制解散させるとすれば
 (どうやるのかは問題だが。)
 さすがに宗教的結社の自由を侵害している。)。


ところで会社の場合に法人格の喪失は定義上会社でなくなることを意味し、会
社でなくなった会社の実質を備えた団体というのが実際に存続しうるのかとい
うと、個人企業に毛が生えたような会社ならそのまま個人企業として存続は
可能だよね、一応理屈上は。

--
SUZUKI Wataru
mailto:szk_wat...@yahoo.co.jp

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