Google Groups no longer supports new Usenet posts or subscriptions. Historical content remains viewable.
Dismiss

魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)

21 views
Skip to first unread message

Teruo TAKEUCHI

unread,
Feb 1, 1998, 3:00:00 AM2/1/98
to

1998/02/01 Teruo TAKEUCHI

魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)( 第二次世界大戦前の魚雷 )
------------------------------------------------------------------
件名 ( References for torpedo's "engine")
◆ ( Motomu Nakashima o-2417 )さん wrote: 1998/01/17
> 魚雷の動力機関に機械屋として技術的に興味があります.
> (給気を必要とせずに短時間大きな出力を発生する特徴を
> 持っているところ)
>
> なんでも,少し聞いたところでは,液体酸素を気化させて,
> それをタービンかエアピストンのようなものに流してスクリュー
> を回しているようですね.いわゆる発火式のエンジンでは無いとか.
> (嘘かもしれませんが (^^;))
>
> このあたりのことについて,原理,構造などについて詳説してある
> 手に入る文献ってありますでしょうか?
------------------------------------------------------------------
上の記事( References for torpedo's "engine")で質問された事を、
インターネットで調べて見ました。

解ってきた事は、
1.最も重要な性能は( 静粛性 )で有って、必ずしも高出力では無い事。
2.魚雷開発の時期が原動機の発達時期と重なり、自由に選べ無かった事。
3.原動機はタービン機関をはじめ、様々なタイプの物が使われている事。
4.エネルギー源には圧縮空気をはじめ、相当特殊な物が使われている事。
など等です。

第二次世界大戦前のアメリカ海軍で開発された、初期の魚雷の話です。
http://members.dialnet.net/rrupert/ustorp1.html#fn3
US NAVY TORPEDOES ( by Frederick J Milford )
Part One: Torpedoes through the thirties
アメリカ海軍の魚雷 パート1:魚雷の30年間
------------------------------------------------------------------
5
The unique idea of the Howell torpedo was to store energy for
propulsion in a heavy cylindrical object rotating at high speed.
This idea went through several stages of development. The first
proposed version was, even by 1870 standards, very small, about
twelve inches in diameter and 48 inches long.

The rotating assembly was given a large angular velocity,
thus storing energy for propulsion, and then launched.

This also ran, but Howell concluded that having the axis of the
flywheel (the rotating charge in these early devices) parallel to
the torpedo axis was faulty in principle.

The propulsive arrangement was changed to use a flywheel on a
shaft perpendicular to the torpedo axis to store energy with
appropriate gearing to drive two propellers at the stern.

ユニークなアイデアの( Howell) の魚雷は、高速で回転している重たい
円柱形部品の中に、推進のためのエネルギーを貯蔵する事でした。
このアイデアは、さまざまな発展段階をを経ました。最初に計画された案
は、ちょうど1870年を基準としても大変小さく、およそ直径12イン
チで長さ48インチでした。

回転部品は大きな角運動速度を与えられ、そして推進のためのエネルギー
を貯蔵し、その後発射されました。

このとるに足りない程の魚雷のセンター軸に対して、平行な方向に回転軸
を持ったフライホイール( 回転を蓄積するこれら初期の装置 )である
( Howell)の最終結論には、しかし本源的な欠陥が存在しました。

その、推進力の発揮出来る配置方式は、船尾の2つのスクリューを駆動す
るためにふさわしい伝動装置と共に、魚雷のセンター軸に対して直角方向
に回転軸が付いた、エネルギー貯蔵用フライホイールを使うために、変更
されました。
------------------------------------------------------------------
6
E.W.Bliss and Co. produced five varieties of Whitehead torpedoes
for the US Navy: 3.55 meter Mks.1, 2 and 3 and 5.0 meter Mks.1 and
2, all 17.7" (45 cm) in diameter. The propulsion systems were
compressed air powered, three cylinder, radial Brotherhood pattern
engines.

The distinguishing technical features of these torpedoes
as compared to the Whiteheads were, larger diameter (21"), turbine
engines, alcohol fired dry heaters and higher pressure air.

アメリカ海軍用の( E.W.Bliss and Co.)で制作した5隻の変化に富んだ
( Whitehead ) の魚雷で(3.55メーターMks.1、2)と(3)
と(5.0メーターMks.1、2)はすべて17.7インチ(45cm)
の直径でした。その推進装置は圧縮された空気を動力源として、3個のシ
リンダーを持ち、星形配列のエンジンでした。

( Whitehead ) の設計に匹敵したこれらの魚雷を見分ける技術的な特徴
は、より高圧の空気を使いアルコール燃料の乾燥ヒーターを持った、より
大きい直径の21インチ、タービンエンジンでした。
------------------------------------------------------------------
7
The use of chemical energy, the heat of combustion of alcohol, was
a great innovation, but similar innovations were being made by
both Whitehead and Armstrong at about the same time. About 750
Bliss-Leavitt torpedoes Mks.1 through 3 were procured by the US
Navy.

Three Decades of Torpedo Development: 1908-1938

The Bliss-Leavitt Mk.423 was, similar to the Mk.3, but designed
especially for submarines. Mk.5 was a Whitehead design produced
by Vickers and by the new torpedo factory at Newport.

The power plant was a dry heater system a four cylinder
reciprocating engine, the last piston engine used in US torpedoes
until the Mk.46.

The Bliss-Leavitt Mk.6 introduced a new turbine configuration
in which the wheels were horizontal.This configuration has been
the most common choice for US Navy torpedo turbine systems ever
since.

The Bliss-Leavitt Mk.7 was the last 17.7" torpedo acquired by the
US Navy, but it was a milestone.It introduced cooling of the
combustion chamber by spraying water into it in addition to the
fuel and air.

The resulting mixture of steam and combustion products was
a better working fluid for the turbine than heated air and
dramatically improved the range.

アルコール燃焼熱によるその化学エネルギーの使用は、偉大な革新でした
がしかし、同様の革新は( Whitehead )と( Armstrong )両者ほぼ同時
に作られつつ有りました。およそ750隻の( Bliss-Leavitt ) 設計の
(Mk.1から3)は、アメリカ海軍に調達されました。

魚雷開発1908-1938年の30年間

( Bliss-Leavitt ) 設計の(Mk.423)は(Mk.3)と同系です
が、しかし潜水艦のために特別に設計されました。(Mk.5)は
( Whitehead ) の設計で( Vickers )社 と( Newport ) の新しい魚
雷工場で制作されました。

その動力装置は乾燥ヒーター方式4気筒の往復機関で、(Mk.46)に
なるまでアメリカ国内で使われた、最後のピストンエンジン魚雷でした。

( Bliss-Leavitt ) 設計の(Mk.6)は、新しいタービン形式を導入
し、そのタービンホイールは水平配置方式を取り入れました。アメリカ海
軍のタービン方式魚雷にとって、もっとも普通の選択をした時から、今ま
でこの形式でした。

( Bliss-Leavitt ) 設計の(Mk.7)は最後の17.7インチ魚雷で、
アメリカ海軍にとって手慣れたものでしたが、しかしそれはほんの一里塚
でした。導入されたその燃焼室の冷却方法は、燃料や空気に加えてその中
に直接水噴射しました。

スチームと燃焼ガスの混合生成ガスは、熱せられた空気と劇的に改善され
た燃焼温の度高低差よりも、タービンのためにはより勝れた働きをする流
動体でした。
------------------------------------------------------------------
8
Just outfitting these ships required over 3000 torpedoes and this
was certainly a production record until WW II. Mk.8 was also
extensively modified during its long service life; Mk.8 Mod.8 was
last major modification of this remarkable weapon.

Marks 9 through 12 were 21" steam, turbine powered torpedoes, with
the same general features as described above, differing mainly in
detail. Mk.9 was the last torpedo manufactured by EW Bliss and Co.
and the Mk.10 was the last designed by them.

Electric propulsion was an alternative to steam. Electric
torpedoes were wakeless, but their range-speed characteristics
were relatively poor.

Beginning in 1915 with a contract with Sperry Gyroscope Company
and continuing sporadically at NTS25 after 1918 attempts were,
however, made to develop an electric torpedo.

These efforts
led to three development torpedoes Electric Torpedoes Mk.1
and Mk.2 and the WW II Mk.20. None of these were issued as service
weapons. The electric torpedo did not become important until WW II.

軍の部隊が過不足なく必要とした、これら艦船のための3000発以上の
魚雷、この事実は第二次大戦まで生産量の記録を、間違いなく出しました。
(Mk.8)は広範囲にわたって改造していた間中、その長い兵役寿命を
持っていました。(Mk.8 Mod.8)は、この注目すべき兵器の最
後の全面的改造でした。

(Mk.9から12)は21インチ、スチームタービン駆動の魚雷で、
全般的には同じ様な特徴でしたが、むしろ異なる事の大部分は細部に有り
ました。(Mk.9)は( E.W.Bliss and Co.)で制作した大量生産方式
の最後の魚雷で、そして(Mk.10)はそれらの最後の設計でした。

電気推進は、スチームに対しての代案でした。電気魚雷は無航跡でしたが、
しかし航続速度に関する特性は、どちらかといえば貧しいものでした。

1915年の初め( Sperry Gyroscope Company )が請け負った、
(NTS25)は1918年以降、断続的な開発の試みでは有りましたが、
しかしながら、電気魚雷は開発されて制作される事になりました。

これらの努力は3っつの魚雷開発へと導き、電気魚雷(Mk.1と2)と
第二次大戦の(Mk.20)は、サービス兵器として支給されました。
その、電気魚雷は第二次大戦に至るまで、重要になりませんでした。

------------------------------------------------------------------
ここに書かれた魚雷の話は、1939年以前の古いものです。現在よりは
るかに技術の劣っていた時代に関わらず、その原動機は多彩でした。

今回の記事に出てきた原動機のタイプは、
1.回転力をあらかじめフライホイールに蓄積して、その駆動力で動かす。
2.圧縮された空気をボンベに詰め込んで、その圧力でエンジンを動かす。
3.高圧縮(液体)気体を燃焼熱で気化し、その圧力でエンジンを動かす。
4.燃焼室で燃料を燃焼しガスを発生させ、その圧力でエンジンを動かす。
5.充電しておいた蓄電池でモーターを回転させて、その駆動力で動かす。

このほかには、
蒸気機関、空気機関、液体酸素水素ガスタービン、の使用も考えられます。
静粛性、起動性、運動性、探知力、は魚雷に取って最も必要な特性です。
ソナーを使って目標を追尾する誘導魚雷は、自分自身が騒音を出さない必
要が有り、そのため爆発音の発生する一般的な往復動内燃機関は、使え無
かったのだと考えられます。

内燃機関は一般的に重量当たりの馬力と航続力は有るのですが、魚雷には
特に長い航続性能は必要無く、魚雷開発の初期には内燃機関自体が発展途
上で有って、結局圧縮空気の使用に落ち着いたと思われます。
圧縮空気方式は、点火装置の必要が無く、空気圧の調整のみで速度が変え
られ、全体として信頼性が高かったと想像されます。

燃焼ガス方式に付いての説明。
1.液体ロケットエンジンと同じ様な、点火装置付きの燃焼室を用意する。
2.燃料と(液体?)圧縮空気と水を、燃焼室に噴射して点火する。
3.蒸気エンジンと同様なピストンエンジンか、蒸気タービンを用意する。
4.蒸気分の多い低温燃焼ガスの圧力で、エンジンを回転さす。
5.排気ガスは蒸気分が多く、海水と攪拌すればほとんど海水にもどせる。
6.連続燃焼なので音は静かで、排気による航跡はほとんど残らない。

今回の記事で私自身が面白いと思った事は、
1.フライホイールで動く魚雷が作られた事。
2.普通の圧縮空気で動く機関は作られたが、魚雷開発の初期の頃だけで、
現在はほとんど使われてない事。
3.タービンを使うタイプは、タービンの軸が魚雷のセンター軸と90度
直交した配置になっている事。
4.外燃機関、内燃機関、と言う区別の仕方は、特に意味が無かった事。
5.電気魚雷は、第二次大戦まであまり発達し無かった事。

最近の私の疑問点は、
1.魚雷の攻撃を回避するには、どんな方法が有るのだろうか。
2.魚雷と潜水艦は、どちらにより静粛性が必要なのだろうか。
3.ソナーはどのくらい遠方の敵艦を見つけられるのだろうか。
4.海底に鎮座した潜水艦も、発見して攻撃出来るのだろうか。
5.誘導魚雷には、どのくらい複雑な追尾が可能なのだろうか。
良く考えてみると、魚雷は音だけが頼りなんですよね。

誤訳が見つかりましたらご指摘下さい。勉強になります。
次回の記事は、第二次大戦から最新型までの魚雷の話です。

------------------------------------------------------------------
本年4月開通する世界最大の吊り橋3910m明石海峡大橋から16Km
神戸電鉄 山の街 take...@i.bekkoame.or.jp (たけうちてるお)
------------------------------------------------------------------

Kiyoshi Itoigawa

unread,
Feb 2, 1998, 3:00:00 AM2/2/98
to

>第二次世界大戦前のアメリカ海軍で開発された、初期の魚雷の話です。
>http://members.dialnet.net/rrupert/ustorp1.html#fn3

見ました。なかなか内容の濃い記事です。貴重な情報の紹介ありがとうござ
いました。

>今回の記事に出てきた原動機のタイプは、
>1.回転力をあらかじめフライホイールに蓄積して、その駆動力で動かす。
>2.圧縮された空気をボンベに詰め込んで、その圧力でエンジンを動かす。
>3.高圧縮(液体)気体を燃焼熱で気化し、その圧力でエンジンを動かす。
>4.燃焼室で燃料を燃焼しガスを発生させ、その圧力でエンジンを動かす。
>5.充電しておいた蓄電池でモーターを回転させて、その駆動力で動かす。

「補足ですが」

旧日本海軍では90式空気魚雷が3.の方式になります。圧搾空気を燃料
で加熱して星型4気筒のピストンを駆動させる外燃式駆動機関です。
この空気を酸素に変更し、航続距離のアップと無航跡を実現したものが酸
素魚雷になります。酸素での始動は異常燃焼を起こすため、空気で始動し
た後、徐々に純酸素に切り替えていく方式で、93式酸素魚雷がこれに該
当します。
ただし、酸素魚雷は扱いが難しく、航空機搭載には91式空気魚雷が採用
されていたそうです。
BY型と呼ばれる内燃式の魚雷も開発されてはいたのですが、数々の技術
的問題があり、実戦配備されるまでにはいたらなかった、とされています。
2.の冷熱式は初期の段階で採用されていたようですが、空気の膨張に伴
うシリンダの冷却が問題とされ満足の行く性能ではなかった様です。


-------------------------------------- vvvvvvvv
-- 糸魚川潔 (いといがわきよし) ---- +◎--◎+
-- itoi...@mdcnet.co.jp ---------- | v |
--------------------------------------- ` ~ ´


NAKAI Tetsushi

unread,
Feb 2, 1998, 3:00:00 AM2/2/98
to

中井@東大精密です.

>>>>> Teruo TAKEUCHIさんの出した
>>>>> <34D3C726...@i.bekkoame.or.jp>でいった
>>>>> fj.sci.militaryというニュースグループで
>>>>> =?iso-2022-jp?B?GyRCNXtNayROODZGMDUhJE8kSiQ8RkM8bCQrIUojMSFLGyhC?=という話題で

> 最近の私の疑問点は、
> 1.魚雷の攻撃を回避するには、どんな方法が有るのだろうか。
> 2.魚雷と潜水艦は、どちらにより静粛性が必要なのだろうか。
> 3.ソナーはどのくらい遠方の敵艦を見つけられるのだろうか。
> 4.海底に鎮座した潜水艦も、発見して攻撃出来るのだろうか。
> 5.誘導魚雷には、どのくらい複雑な追尾が可能なのだろうか。
> 良く考えてみると、魚雷は音だけが頼りなんですよね。

Peter P. Perla 博士が書いた The Art if War Gaming (Naval Institute
Press 刊)によれば,アメリカ海軍大学で実際に用いている教材のHarpoon4
というゲーム使っているそうです.疑問の点は,それが出ているかと思います.

なお,Harpoon4 は,Crash of Arms 社から,実際に出版されていて日本で
も入手可能です.

詳しい情報は,デザイナーの
<URL:http://members.aol.com/ekettler/h4/h4.htm> ところから辿れるでしょ
う.

--
Tetsushi Nakai E-MAIL:Mr.n...@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp
Dept. of Precision Machinery Engineering, The University of Tokyo
------------------------------------------------------------------
P.S. My E-mail address adds Mr. for the reason of SPAMer

0 new messages