まあ、おおざっぱに言えばそうでしょうけど、検潮所で長期にわたって観測した結果の
平均値を使う、といったほうがより正確だと思います。
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/level/
http://www.gsi.go.jp/KIDS/ADVISE/bsav2.htm
には、
> 日本海側と太平洋側では日本海側の平均海面ほうが20cm
> ぐらい高くなっています
と書かれていますねえ。どういうことだろう?
~~ ◯ ~~~~~~~ ‥ ・ ~~~~~~~~~~~
\\ ・ : 佐脇貴幸
\☆ /\/\ .: ・ t-sa...@aist.go.jp
/ / \ ‥・
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> > 日本海側と太平洋側では日本海側の平均海面ほうが20cm
> > ぐらい高くなっています
> と書かれていますねえ。どういうことだろう?
海面は海底面の高さにも影響されると記憶してます。
海底が高ければ海面も高くなる。
神田敏広 <ca...@kgc.co.jp>
推測ですが、地球を球ととるかジオイドととるかの違いではないでしょうか?
測量屋さんにとっては地球は球形に扱いたいはずですが、
実際の海面はジオイドになっているので食い違いが出ているんだと思います。
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:: ■■さんぽ■■ <mue...@csc.jp>
:: PGP fingerprint: 42FC 4F53 2FB6 5810 1B1B 97A3 F166 2DE7
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"Sawaki, Takayuki" <t-sa...@aist.go.jp> writes:
> http://www.gsi.go.jp/KIDS/ADVISE/bsav2.htm
> には、
> > 日本海側と太平洋側では日本海側の平均海面ほうが20cm
> > ぐらい高くなっています
> と書かれていますねえ。どういうことだろう?
自信ないですが、黒潮関係してませんか?
つまり、流れがあると、それによるコリオリ力が働き、その圧力勾配支える為
に海面の高さが変化する。
# 大気で、高気圧、低気圧に対し、渦状に風が起きることのアナロジー。
平均海面を精密に計ることで、海流分布とその変動を追うことができるとその
昔地球物理の講義で聞きました。
--
===============================================
Kiyohide NOMURA
Department of Physics,
Kyushu University,
812-8581 Fukuoka
JAPAN
e-mail:kno...@stat.phys.kyushu-u.ac.jp
http://maya.phys.kyushu-u.ac.jp/
TEL,FAX:+81-92-642-2566
================================================
"Sawaki, Takayuki" <t-sa...@aist.go.jp> wrote in message
news:3D87F16B...@aist.go.jp...
> Sampo wrote:
> > 普通海面の高さって、干潮時と満潮時の平均を使うんじゃありませんでしたっ
け?
>
> まあ、おおざっぱに言えばそうでしょうけど、検潮所で長期にわたって観測した
結果の
> 平均値を使う、といったほうがより正確だと思います。
> http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/level/
>
> http://www.gsi.go.jp/KIDS/ADVISE/bsav2.htm
> には、
> > 日本海側と太平洋側では日本海側の平均海面ほうが20cm
> > ぐらい高くなっています
> と書かれていますねえ。どういうことだろう?
恐らく水位差は、太平洋と大西洋(というかパナマ近くの太平洋と大西洋)の
塩分濃度差が原因じゃあないでしょうか。
#氷山が浮くのと同じく、軽いほうの水が浮く
まず一般論として「水位差は存在し得る」のです。
その理由は、端的に言えば、海が「均一な静水」ではないからです。
「不均質な水」「動いている水」の水面は水平とは限りません。
具体的にどういう「不均質性」や「運動」によって水面勾配が生ずるかは、
各々の事例によって、実に様々です。
In article <5fznud8...@sujahta.phys.kyushu-u.ac.jp> Kiyohide Nomura <kno...@sujahta.phys.kyushu-u.ac.jp> writes:
>つまり、流れがあると、それによるコリオリ力が働き、その圧力勾配支える為
>に海面の高さが変化する。
># 大気で、高気圧、低気圧に対し、渦状に風が起きることのアナロジー。
In article <amfea8$bed$1...@pin3.tky.plala.or.jp> "Nakagawa" <nak...@silk.plala.or.jp> writes:
>恐らく水位差は、太平洋と大西洋(というかパナマ近くの太平洋と大西洋)の
>塩分濃度差が原因じゃあないでしょうか。
というような要因も利く実例が沢山ありますが、
元記事で問題になっているパナマ地峡の両側や、
派生して話題になった太平洋と日本海の水位差に
このような要因が利いているかどうかは、個別に検証が必要です。
実際、パナマ地峡ではどうかというと、
In article <all2er$gad$1...@maha2.doga.co.jp> Masamichi Takatsu <ta...@doga.jp> writes:
>http://www.geocities.co.jp/Berkeley/3860/infopanama/canal.html
>> 第二パナマ運河構想では、スーパータンカーの通航が可能なように海面と同じ
>> 高さの水平式運河が考えられています。しかし、太平洋と大西洋との水面の高
>> さが異なる(満潮時は太平洋が約3m高い。干潮時は大西洋が約3m高い。)こ
>> とから強い潮流発生の危険性、さらには両洋間での生態系の変化が危惧されて
>> います。
>というのを見つけました。
ということなので、平均水位差よりもむしろ、
干満差による潮流が問題視されているようですね。
ところで、
In article <2002092000125...@csc.jp> Sampo <mue...@csc.jp> writes:
> 推測ですが、地球を球ととるかジオイドととるかの違いではないでしょうか?
> 測量屋さんにとっては地球は球形に扱いたいはずですが、
> 実際の海面はジオイドになっているので食い違いが出ているんだと思います。
という観点ですが、
これは元記事の「パナマ地峡の両側の水位差」には全く関係しません。
パナマ地峡に関しては、運河を通して水が流れてしまうという問題ですので、
海面が「ジオイドに対して」傾いているからどうこうという問題です。
ジオイドと楕円体(こういう問題で球体を使うことはありません)との
不一致の問題は何の影響も及ぼしません。
但し、派生して出てきた「太平洋と日本海の水位差」にはこの観点が関連します。
この場合の「水位差」は測量基準に対するものであり、
実際に運河を掘ったら水が流れるかどうかという問題ではありません。
ですから、測量基準である楕円体に対して
ジオイドが傾いているかどうかが、本質的に利いてきます。
実際、「太平洋と日本海の水位差」の大部分は、
この問題の効果だとされているようです。
ちなみに、
In article <s7fhegn...@xxx.kgc.co.jp> KANDA Toshihiro <ca...@kgc.co.jp> writes:
>海面は海底面の高さにも影響されると記憶してます。
>海底が高ければ海面も高くなる。
こんな効果は存在しません。
ついでに細かい話を2つばかり……
In article <all6s8$nl0$1...@news2.u-ryukyu.ac.jp> hi...@eve.u-ryukyu.ac.jp (MUNEMOTO Hisaya) writes:
>しかしなんでみんな大西洋と書くんだろう。カリブ海ですよ、カリブ海。
カリブ海は大西洋の縁海です。
大局的に見れば大西洋の一部と言っても良い。
間違いとは言いきれないでしょう。
In article <2002091401372...@csc.jp> Sampo <mue...@csc.jp> writes:
> そういうのって水位差って言うんでしたっけ?
> 干満の差があるのはもちろんなんですが。
> 普通海面の高さって、干潮時と満潮時の平均を使うんじゃありませんでしたっけ?
それは「水位差」あるいは「水位」という言葉を
どういう目的で用いるために定義するかに依存します。
今は「運河を掘ったら水が流れるかどうか」が問題になっているわけですから、
平均海水位のみを考えたのでは不充分ですね。
戸田 孝@滋賀県立琵琶湖博物館
to...@lbm.go.jp
そうでしょうね。
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geoid/
> >しかしなんでみんな大西洋と書くんだろう。カリブ海ですよ、カリブ海。
> カリブ海は大西洋の縁海です。
> 大局的に見れば大西洋の一部と言っても良い。
> 間違いとは言いきれないでしょう。
いや、そりゃそうなのですが、パナマ運河の水位差の話で「大西洋」
といってしまうと、広~い太平洋と広~い大西洋に水位差がある、
とイメージしてしまう人が多いだろうと思うのです。
そうではなくて、アンティル諸島で仕切られた部分は干満差が少ない
ということを認識しなければなりません。だからカリブ海と明記しな
いと誤解の原因になるし、水位差も理解できないでしょう。
In article <all6s8$nl0$1...@news2.u-ryukyu.ac.jp>, 私 wrote:
> やっぱりこれは太平洋と大西洋の水位差ではなく、太平洋とカリブ海の水位差
> として考えないとダメだと思います。
<to...@lbm.go.jp> wrote in message news:amj9u7$3...@nws-7000.lbm.go.jp...
> 実際、パナマ地峡ではどうかというと、
> In article <all2er$gad$1...@maha2.doga.co.jp> Masamichi Takatsu
<ta...@doga.jp> writes:
> >http://www.geocities.co.jp/Berkeley/3860/infopanama/canal.html
> >> 第二パナマ運河構想では、スーパータンカーの通航が可能なように海面と同じ
> >> 高さの水平式運河が考えられています。しかし、太平洋と大西洋との水面の高
> >> さが異なる(満潮時は太平洋が約3m高い。干潮時は大西洋が約3m高い。)こ
> >> とから強い潮流発生の危険性、さらには両洋間での生態系の変化が危惧されて
> >> います。
> >というのを見つけました。
> ということなので、平均水位差よりもむしろ、
> 干満差による潮流が問題視されているようですね。
というのを見て、いくらなんでも外海でそんな干満差はないだろう
と、頭ごなしに思っていたのですが、理科年表を見ると、
パナマの干満差は大潮で4.6mですね。これは太平洋の方。
大西洋(というかカリブ海)の方は書いてないんですが、ゼロではなさそうだし、
両側で干満の位相が120度ずれるので、殆ど逆相と言ってもよさそうなので、
相対的干満差6mは、実際にありそうです。
瀬戸内海は内海だから干満の差が激しいというのは、
中学か高校で習った地理の知識だったように思いますが、
世界で見ると全然正しくないですね。
韓国の仁川も大潮の干満の差8m…
日本の宮島2.9m
なるほど... 私も理科年表を見てみました。前に
In article <alrn26$9sv$1...@news2.u-ryukyu.ac.jp>, 私 wrote:
> しかし海峡の狭さだけでなく深さも潮の流れやすさには関係するでしょう
> し(島が連なってるところは海底も浅い)、カリブ海は広い分、流れ込む量
> も多いでしょうから、それなりの潮流があるはず、と思っています。
> # で、流れ込んだのが奥深くのパナマに届く前に引き潮に変わって出ていく。
> # だからパナマのカリブ海では干満差がないんじゃないかなと。
と書きましたが、大変申し訳ありません。このデタラメは大ハズレな気が
してきました。こんな説明ではダメそうです。カリブ海にはプエルトリコ
の南方に無潮点があって、大西洋と連続して潮浪が左回りしてますね。
カリブ海には大西洋(小アンティル側)から入ってメキシコ湾へ抜けていく
大きな海流(潮流じゃなくて)もあるみたいですし、海峡の狭さ、浅さなんて
関係なかったみたいです。でも
http://www.mirc.jha.or.jp/fushigi/current/
なんか読むと、私の頭では益々わかんなくなってきます...
# 潮汐とは関係ない話ですが、「黒潮も(中略)沖側の水位の方が
# 岸側の水位より高く、その水位差は約1mに達する」そうです。
ただ理科年表じゃパナマの詳細はわからないのですが(4.6mの測定地も運河
の出入口とは離れてるかも知れませんし)、太平洋側はパナマ湾なので潮差
が大きそうです。またカリブ海側は数cmじゃないでしょうか。(M2潮の図を
見るかぎりでは5~10cm、他の分潮も恐らく無視できる程度でしょう。)
In article <amsjiu$p9k$1...@pin3.tky.plala.or.jp>,
"Nakagawa" <nak...@silk.plala.or.jp> wrote:
> 瀬戸内海は内海だから干満の差が激しいというのは、
> 中学か高校で習った地理の知識だったように思いますが、
> 世界で見ると全然正しくないですね。
内海だから、というんじゃなくて、湾内が浅くなると、ってことじゃないで
しょうかね。仁川も宮島もパナマ湾も。
# 潮汐が浅海部に侵入してくると、波速の減少にともない波高が増大する
# (MIRC「海の事典」より)
In article <all6s8$nl0$1...@news2.u-ryukyu.ac.jp>, 私 wrote:
やっぱりこれは太平洋と大西洋の水位差ではなく、太平洋とカリブ海の水位差
として考えないとダメだと思います。
パナマ湾とカリブ海の水位差、だったみたいです... m(__)m
参考
http://www.kobe-jma.go.jp/Enganbousai/Tide_Engan/Kijyunmen/Kijyunmen.html
http://www.esst.kyushu-u.ac.jp/kaimen/isobe/lectures/index.html
http://www.mirc.jha.or.jp/online/w/w-tide/knowledge/
http://www.mirc.jha.or.jp/fushigi/encyclopedia/
など
読みましたよ。このページ、すごいです。
海洋学は奥が深い。