In article <DsDK3...@sainet.or.jp>,
man...@sainet.or.jp (Manami Hosoda) wrote:
> 初めてお便りします。
はじめまして。
> 細胞分画法によって最初に核、植物なら次に葉緑体、次にミトコンドリア、
> 次に小胞体とリボソームが分離されるとあるのですが、
> ゴルジ体はどうなるのでしょうか。
> また、他の細胞小器官はどうなるのでしょうか。
細胞分画法とは、おおざっぱに言ってしまえば、細胞をつぶして、遠心して
細胞内小器官(オルガネラ)を沈降のしやすさによって分けていく、という
方法です。加えた遠心力とそれによって沈降してくるオルガネラは、おおむね
以下の通りです。
---------------------------
遠心力 沈降するオルガネラ
(ジー;グラムではない)
---------------------------
1000g 核
10000g ミトコンドリア、リソソーム
100000g 小胞体、ゴルジ体
残り(上清) サイトゾル(細胞質基質)
---------------------------
ここで、「おおむね」と書いたのは、これで 100% きっちり分かれるわけ
ではないからです。おとなりの画分にも混じってしまうこともあります。
また、人によって、かける遠心力の数値が少々異なったりすることもあり
ますので、あくまで目安です。あるオルガネラだけを取ってきたい場合は、
さらに密度勾配遠心などを行って、精製してやることが必要です。
こんなところでよろしいでしょうか。
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横 尾 岳 彦 (yok...@nibh.go.jp)
工業技術院 生命工学工業技術研究所
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In article <DsFJx...@sainet.or.jp> man...@sainet.or.jp (Manami
Hosoda) writes:
> In article <yoko-o-0306...@bhyoko-o.nibh.go.jp>, yok...@nibh.go.jp
> says...
>>
>> 横尾@牛久在住つくば勤務です。
>>
>> In article <DsDK3...@sainet.or.jp>,
>> man...@sainet.or.jp (Manami Hosoda) wrote:
>>
>>> 細胞分画法によって最初に核、植物なら次に葉緑体、次にミトコンドリア、
>>> 次に小胞体とリボソームが分離されるとあるのですが、
>>> ゴルジ体はどうなるのでしょうか。
>>> また、他の細胞小器官はどうなるのでしょうか。
> お返事ありがとうございました。
> あのあと別の文献で調べたところ、
> ゴルジ体も小胞体などといっしょにミクロソームとして
> 分画されるとでていました。
> リソソームがミトコンドリア分画に出てくるということは、
> ミクロソームはリソソームよりさらに小さな
> 小胞になっているということなのでしょうか。
> やはり、きっちり分けることはできないのですね。
> さらに分けたいときに、密度勾配法を使えばよいということも分かり、
> たいへん参考になりました。
> ありがとうございました。
まず、小胞体(microsome の日本語訳)という言葉ですが、もともとはこの細胞
下分画法で100,000g の遠心で「小胞体画分」に回収される膜系ということで
命名されたものです。
一方、形態学特に、電子顕微鏡による細胞内小器官の観察によって、発見・命
名されたのが「ゴルジ装置」であり、「Endoplasmic Reticulum (ER:適切な日
本語訳はない。日本では普通 ER と呼んでいる)」です。
で、両者の対応ですが、特別な配慮を行わず、普通に細胞を破砕し、遠心によっ
て小胞体画分を回収すると、そこには、細かく壊れた ER、ゴルジ装置、その
他の膜系(エンドソーム、輸送小胞、分泌小胞、細胞膜の破片など)が集まりま
す。で、この雑多な膜系の分画は、「ミトコンドリア画分」に回収されない程
度に小さい膜系であるということだけが共通点です。
この分画から、さらに特定の膜系を分離したい場合は、わずかな比重の差やわ
ずかな大きさの差を利用して、速度勾配遠心法や密度勾配遠心法を用いたり、
その他の特別な方法を用いて分離したりします。
そして、もともとのご質問のゴルジ装置の回収法ですが、大きく分けて2つの
方法があり、ゴルジ装置をバラバラに壊して、小胞体画分から精製する方法と、
ゴルジ装置の形態を保ったまま精製する方法とがよく用いられています。
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* Yasushi Okada, MD. | Email:yok...@m.u-tokyo.ac.jp *
* Dept. Anatomy & Cell Biology | Tel:81-3-3812-2111 ext.3336 *
* Univ. Tokyo JAPAN | Fax:81-3-5689-4856 *
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In article <YOKADA.96...@kinesin.kinesin.kaibo1.m.u-tokyo.ac.jp>,
yok...@kinesin.kaibo1.m.u-tokyo.ac.jp (Yasushi OKADA) wrote:
> 岡田@東大です。
こんにちは。フォローをありがとうございます。
> >> In article <DsDK3...@sainet.or.jp>,
> >> man...@sainet.or.jp (Manami Hosoda) wrote:
> >>
> >>> 細胞分画法によって最初に核、植物なら次に葉緑体、次にミトコンドリア、
> >>> 次に小胞体とリボソームが分離されるとあるのですが、
> >>> ゴルジ体はどうなるのでしょうか。
> >>> また、他の細胞小器官はどうなるのでしょうか。
> まず、小胞体(microsome の日本語訳)という言葉ですが、もともとはこの細胞
> 下分画法で100,000g の遠心で「小胞体画分」に回収される膜系ということで
> 命名されたものです。
>
> 一方、形態学特に、電子顕微鏡による細胞内小器官の観察によって、発見・命
> 名されたのが「ゴルジ装置」であり、「Endoplasmic Reticulum (ER:適切な日
> 本語訳はない。日本では普通 ER と呼んでいる)」です。
う、これは知りませんでした。私は、「小胞体= ER」だと思いこんでいた
ものですから。確かに、マイクロソームを翻訳すると、「小胞体」になります
ね。
> で、両者の対応ですが、特別な配慮を行わず、普通に細胞を破砕し、遠心によっ
> て小胞体画分を回収すると、そこには、細かく壊れた ER、ゴルジ装置、その
> 他の膜系(エンドソーム、輸送小胞、分泌小胞、細胞膜の破片など)が集まりま
> す。で、この雑多な膜系の分画は、「ミトコンドリア画分」に回収されない程
> 度に小さい膜系であるということだけが共通点です。
単純に考えると、ライソソームもここに来そうなものですが、生化学辞典などに
よると、ミトコンドリアと同じ画分に来るそうで、これはちょっと不思議に
感じます。よっぽど重いのかしら。