かて飯

[Takanori Oshiro]

米がふんだんに供給されるようになる以前は農村では飢饉に備えて穀物の消費を
減らすためにかて飯という混ぜ御飯が常食だったそうです
米に大根やかぼちゃや芋などを混ぜて増量させた御飯だったそうで白米だけの御
飯はお祝いのときしか食べられなかったそうです
沖縄でも戦前までは芋が常食で米ははれの日にしか食べられませんでした
ですから米に対する願望が強く国家の収奪の対象となると同時に祭儀の対象とし
て祭り上げられました
貧しいなかにいると貧しさが分らなくなるのと同様に米を当然のこととして食べ
るようになると米の有り難さが分らなくなってきます
イスラム教にはラマダンといって日中断食をする月がありますが飽食の時代と言
われる日本においては断食でもしないと食べ物の有り難さが分らなくなっている
のではないでしょうか
最近のグルメ番組の氾濫には抵抗を覚えます
禁耕でもして食べ物を再認識しないと国の祭儀も存続の危機に陥るのではないか
と思いました
大城貴紀