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FATファイルシステムのMS特許 却下

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IIJIMA Hiromitsu

unread,
Mar 22, 2005, 6:34:01 PM3/22/05
to
いいじまです。

comp.lang.asm.x86 より転載。
Microsoft の FAT 特許ですが、めでたく :-) 却下となっています。

今回は PUBPAT(Public Patent Foundation)という団体が動いています。
米国は特許を取ったもん勝ちというイメージがありましたが、それに対抗する
動きもちゃんとあるんですね。

#ところで、「潜水艦特許」の問題は解決したんでしたっけ?
#「先願主義vs先発明主義」ではまだ折れていないはずですが。

-------- Original Message --------
From: Grumble <dev...@kma.eu.org>
Newsgroups: comp.lang.asm.x86
Subject: Re: Writting an OS and want to write FAT support for it?
Date: Tue, 22 Mar 2005 12:57:22 +0000 (UTC)
Message-ID: <d1p4hn$ap2$1...@news-rocq.inria.fr>

Spiro Trikaliotis wrote:

> You can find the FAT32 specification here:
> http://www.microsoft.com/whdc/system/platform/firmware/fatgen.mspx
>
> But, Microsoft claims patents, thus, you should have a look here, too:
> http://www.microsoft.com/mscorp/ip/tech/fat.asp

AFAIU, the patents mentioned on Microsoft's website have been rejected.
http://www.pubpat.org/Microsoft_517_Rejected.htm

========================================================================
飯嶋 浩光 / でるもんた・いいじま http://www.ht.sakura.ne.jp/~delmonta/
IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta mailto:delm...@ht.sakura.ne.jp

Shigehiko SASAKI

unread,
Mar 23, 2005, 5:36:31 PM3/23/05
to
佐々木@でかいの です。

> #ところで、「潜水艦特許」の問題は解決したんでしたっけ?

1994年の米国特許法改正により、特許権の期限が出願の20年後と
権利化の17年後のどちらか早い方までと改正されました。
ただし、米国特許庁の審査手続きの遅延が認められた場合は
権利化の17年後まで認めるという発明者保護規定があります。

また、2000年の米国特許法改正により、早期公開制度が導入されました。
米国外での優先権を主張する特許出願は、特許審査の成否にかかわらず
出願後18ヶ月以内に内容が公開されます。
ただし、米国外での優先権を主張しない場合は、早期公開されません。

複数国での権利化をもくろむ特許では、早期公開されるため
原理的に「潜水艦特許」はありえません。

米国内だけの権利化をねらう特許においても、2014年以降は
20年以上前に公知だった陳腐化した技術が権利化されることは
なくなり、「潜水艦特許」の問題は事実上解決すると思われます。

でかいの企画 佐々木茂彦
ssa...@dekaino.net

SUZUKI Wataru

unread,
Mar 29, 2005, 10:01:45 AM3/29/05
to
# 補足と訂正と少々疑義。
 フォロー先は、fj.misc。

24 Mar 2005 07:36:31 +0900,
in the message, <rm7jjyy...@emma.dekaino.net>,
Shigehiko SASAKI <ssa...@dekaino.net> wrote
>1994年の米国特許法改正により、特許権の期限が出願の20年後と

ただし適用は95年6月8日以降出願分。

なお、他に延長規定もあり。

>権利化の17年後のどちらか早い方までと改正されました。

そんな規定ありますか?

例えば、2000年1月1日の出願につき、2年後の2001年12月31日に特許登録が
なったとします。
すると、出願日から20年後は2019年12月31日、登録日から17年後は2018年12月
31日となり、前者の方が特許期間が長くなります。
ここから判る通り、出願から登録までの期間が3年に近い方が特許期間の上で
は有利となのでそれを狙った審査引き伸ばしが横行しそうなものですが。
実際には、改正後の平均審査期間は2年程度と言われているようです。

95年6月8日現在有効な特許および継続中の出願については、登録後17年または
出願日から20年のいずれか「長い」方のようですが
(これは改正法適用前の特許および出願については改正後よりも不利にならな
 い範囲で従前の規定を適用するということであろう。)。

>また、2000年の米国特許法改正により、早期公開制度が導入されました。

改正は1999年11月です。
適用となるのが2000年11月29日以降出願分。

>複数国での権利化をもくろむ特許では、早期公開されるため
>原理的に「潜水艦特許」はありえません。

2000年11月29日以降の出願分についてはその通り。

ただし、そのような場合は元々「米国で公開されなくても他国で公開される」
ので特許出願があることは直ぐに判るので従前も潜水艦特許にはなりにくかっ
たです
(米国で出願されているかどうかが不明でも他国で出願されていれば米国でも
 出願されている可能性があることは直ぐ判る。)。
元々危険なのは米国内にだけしか出願しない特許。

実質的に解決になってないから改正が「不完全」と評される所以。
米国の特許戦略としては、公開制度を導入したくないけど導入しないと国際的
に批判の対象になるだけなので公開しても実害の少ない分だけ公開するように
したというのが本音だろう。

なお連邦巡回控訴裁判所が2002.1.24に、意図的に登録手続を遅らせた場合に
権利行使を認めないという判断しているので、2000年11月28日以前の分につい
てもこれが効いてくる場合もあるとは思います
(あまり適用はしない気がしますが。)。

>米国内だけの権利化をねらう特許においても、2014年以降は
>20年以上前に公知だった陳腐化した技術が権利化されることは
>なくなり、「潜水艦特許」の問題は事実上解決すると思われます。

どうでしょう?

元々問題になった潜水艦特許の中には(おそらく最長で)38年も経ってから権
利化したものまである(と言うか、今現在もっと長い期間潜行中のものもある
かも知れない。)ので、2014年(正しくは2015年6月8日。)を過ぎても暫くは
まだ改正前の亡霊が残る可能性は否定できません
(ちなみに2015年の段階で「20年以上前に公知」とは限りません。
 公開制度がない時代の分は出願しても直ぐに公知化するわけではないので出
 願が20年以上前でも「公知化したのはもっと後」ということもありえます。
 例えば1990年出願の特許が今日現在まだ非公知で潜行しているといった可能
 性はあります。
 これが来年辺りに公知になって5年くらいで汎用技術となった後さらに10年
 後の2020年頃に特許が成立すれば、充分潜水艦特許になります。
 そもそも、「20年以上前に公知」になったとしても陳腐化するとは限らない
 し、権利化しないとも限りません。
 元々潜水艦特許になるような特許は、寿命の長い基本技術だから問題になる
 ので、例えば1998年には公知となりその後20年に亙り産業界において重要な
 地位を占めていた技術が実は1996年に特許出願があり25年後の2021年に登録
 されたりすれば潜水艦特許となります。
 って言うか、公知とか陳腐とかは、特許登録においては出願時の技術水準が
 基準なので、出願後にどうなったかは関係がない。
 せいぜい、出願直後に陳腐化するような技術はそもそも出願時の技術水準に
 おいても特許に値しない程度の技術である可能性が高いとかその程度でしょ
 う。
 まあ陳腐化して「誰も使わない」ような技術ならいいんですけどね。)。

相次ぐ法改正で大幅に改善したのは事実ですが、まだ何時には解決と言い切れ
るほどではありません
(無論、何も起らない可能性もあります。
 それすら判らないのが潜水艦特許の困ったところ。)。


# ところで、先発明主義は潜水艦特許とは直接関係がない。
 と言うか、理屈上は全く関係なし。
 弁理士でもよく解ってないのか解っているけど適当に説明しているだけなの
 か、関係があるかのようなことを言っている人はいるけどね。
 例えば「米国では先発明主義に基づき公開制度を採用していないので……」
 とか平気で言ってみたり。
 先発明主義には全く手を付けずに公開制度を導入できるのは実証済み。
 なお、先発明主義の恩恵を受ける後願者は全特許出願者の0.2%程度しかい
 ないらしい。

--
SUZUKI Wataru
mailto:szk_wat...@yahoo.co.jp

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