NTP が、とても便利で、気に入っているのですが、閏秒実施
で、狂うのではと、少し心配しています。
杉本
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東本郷 6-17-1-602
オンボード tel 045-473-7678
fax 045-474-5351
WEB ---
http://www02.so-net.ne.jp/~ob_henry
> NTP で得られる 秒の値とJSTの関連、JSTと、JJYの関連、
> 閏秒実施の場合のNTP 値との差異、知りたいのですが、
> どなたか、ご存知有りませんか? 関連URL,ドキュメント
> のヒントも、教えていただければ有りがたいです。
JSTというか、UTCとの差ですね。差は(原理的には)ありません。もともとNTP
はUTCにあわせることになっていますので。
http://www.miz.nao.ac.jp/ntp.html
このあたりが役に立つのではないでしょうか。
> NTP が、とても便利で、気に入っているのですが、閏秒実施
> で、狂うのではと、少し心配しています。
NTPが扱っている世界は閏秒で調整された後の世界です。
もしかすると、世の中のStratum 1サーバの中にはATから(TAI経由で:-)UTCを
算出するときに閏秒を忘れちゃったりするものもあるかもしれませんが、それ
はそのStratum 1サーバが悪いのであって、NTPクライアントがなにかを気にし
なければいけない性質のものではないはずです。
# UT(UT0, UT1, UT2)/TAI(AT)とUTCの関係をお話することもできなくはないで
# すけど、どうします? :-) かなり入り組んだ話になりそうですが。私も正確
# に理解しているとはいえないし。
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中山隆二
nakayam...@lab.ntt.co.jp
> # UT(UT0, UT1, UT2)/TAI(AT)とUTCの関係をお話することもできなくはないで
> # すけど、どうします? :-) かなり入り組んだ話になりそうですが。私も正確
> # に理解しているとはいえないし。
>
> --
> 中山隆二
> nakayam...@lab.ntt.co.jp
手抜きで、結構ですので、概要を教えて頂けませんか?
PC、WSの時計が、NTP抜きでは、恥ずかしい位ずれて
いきますね。 組込み機器で、I/O A/D の値をCGI
サーバーに向けて、カレンダー、時計付きで送付したい
のですが、NTPのくれる時計データー(経過秒数)の意
味合いを、あんまりむちゃくちゃ、非常識で無い程度、理
解出来れば、嬉しいのです。 是非、お教え願えません
か?
杉本
Article <9fijd5$610$1...@news01cb.so-net.ne.jp> にて、
"Henry Sugimoto of O.B." <ob_h...@da2.so-net.ne.jp> さん、
> > # UT(UT0, UT1, UT2)/TAI(AT)とUTCの関係をお話することもできなくはないで
> > # すけど、どうします? :-) かなり入り組んだ話になりそうですが。私も正確
> > # に理解しているとはいえないし。
# できれば署名の引用は避けてくださるとありがたいです。
> 手抜きで、結構ですので、概要を教えて頂けませんか?
> PC、WSの時計が、NTP抜きでは、恥ずかしい位ずれて
> いきますね。 組込み機器で、I/O A/D の値をCGI
> サーバーに向けて、カレンダー、時計付きで送付したい
> のですが、NTPのくれる時計データー(経過秒数)の意
> 味合いを、あんまりむちゃくちゃ、非常識で無い程度、理
> 解出来れば、嬉しいのです。 是非、お教え願えません
> か?
えーと、UTとかATというのは時刻の定義のことでして、NTPのプロトコルとは
全く無関係な話になってしまいます。なんか勘違いさせてしまったようですみ
ません。
で、続けようかどうしようか迷っていた(のと、時刻定義の再調査とかしてい
たため時間が経ってしまった)ので、せっかくなのであまり役に立たないかも
しれませんが、梨の礫ではあんまりなのでなるべく関係があるようにお話して
おきます。
# しつこいようですが、素人に毛の生えたような状態ですので間違ってるかも
# しれません。
今では時刻の定義が天体現象とは無関係に決められていることはご存知でしょ
うか。昔は太陽の南中(ある日の正午)から次の南中(翌日の正午)までの間を一
日と定義していましたので、この86400分の1が1秒の定義でした。
# 実際には地球の自転速度は一年を通じて一定なわけではありませんので、い
# ろいろな補正を加えて平均的な一日を定義するわけですが、その話はまた後
# ほど。
ところが、水晶時計などを用いる時代になると、その南中の時刻自体がどの時
計で測っても進んでいる状態になっていることがある時わかりました。(要す
るに地球の自転速度がどんどん遅くなっている)
# ホントかな? :-) もしかすると話をわかりやすくするための作り話かも。
そこで、1967年にはある物質(セシウム133原子)が二つの状態の間を遷移する
時間の9192631770倍を1秒とすることが決まりました。この自転で1秒は天体現
象とは独立なものになったのです。
この定義による時刻をAT(Atomic Time/原子時)と呼びます。ただし、個々の原
子時計の計測した時刻にも誤差がありますので、世界中のATを集積して「これ
が正しい時刻」と国際度量衡局が定める時刻があります。
これがTAI(International Atomic Time/国際原子時)と呼ばれるもので、これ
こそがSIの世界で認められている正しい時刻といえます。
# なんでIATじゃないのかはよく知りません。略語の頭文字が逆転していると
# ころから邪推すると、きっとフランス語圏の陰謀なのでしょう。:-)
ところが、世間は相変わらず地球の自転に縛られて生きているわけで、いくら
定義から得られた時刻とはいえ、使い勝手がよくないのは目に見えています。
そこで、旧来の天体観測から得られる時刻も併用することになっていて(これ
も非常に怪しい)、その観測によって得られた時刻をUT(Universal Time/世界
時)と呼びます。UTは観測データそのものであるUT0とそれに経度による誤差を
加えたUT1、さらにそれに季節変化を加味したUT2の三つの時刻があります。
# この辺はかなりいいかげん。
さて、これをそのまま普通の生活で使う時刻にしてしまってもいいのですが、
それではTAIの立場がありません。:-)
そこで、TAIとUT(UT1)の差が1秒未満(0.9秒以下だったかも)になるように補正
を加えて,それを通常の生活で用いる時刻とすることになりました。これがUTC
(Coordinated Universal Time/協定世界時)と呼ばれるもので、その補正分を
閏秒と呼ぶわけです。
このUTCに地域の時差を加えたものがLST(Local Standard Time/地方標準時)で、
JST(Japan Standard Time/日本標準時)もその一種ということになります。
図にすると以下のような感じでしょうか。
UT0→UT1→UT2
↓(↓時差)
UTC→LST
↑(←閏秒)
AT→TAI
で、これまでの話でわかるように、閏秒を加えるか否かというのはTAIからUTC
を生成するときのみに関係する話で、UTCを作ってしまった後では無関係なの
です。
したがって、原子時計からNTPサーバへ時刻を供給する場合(たとえば通信総合
研究所が行っている<http://www.jst.mfeed.ad.jp/peerstats.html>の図にあ
る一番上のフェーズ)には、(そこで担当している人が)いつ閏秒が加算される
かを気にする必要があります。実際には事前に設定しておいて、そのときにな
ればシステムが勝手に加算して時刻を供給するのだと思いますけど。
そして、NTPサーバからはUTCに順ずる時刻が出されているわけですから、その
クライアントとしては特になにも気にする必要はないということになります。
ユーザサイドでなにか気にする局面があるとすれば、自前のNTPサーバをGPSの
電波などから作るときがそれにあたるかもしれません。GPSの出している時刻
がすでに閏秒込みだったらやっぱり気にする必要はないのでしょうが、その辺
はよく知らないので。
長々と続けてしまいましたが、こんなもんでいかがでしょう?
続くようならfj.sci.astroとかかな? 一応Followup-Toを付けておきます。
--
中山隆二
nakayam...@lab.ntt.co.jp
#本投稿はfj.net.lan,fj.sci.astroにクロスポストしています。
#突然割り込んで申し訳ないです。でも、丁寧な説明、感激しました。
#私も時間関係/時間同期系はサッパリわからんちんな人なので。
中山さんは書きました。
Nakayama Ryu~ji <nakayam...@lab.ntt.co.jp> writes:
> えーと、UTとかATというのは時刻の定義のことでして、NTPのプロトコルとは
> 全く無関係な話になってしまいます。なんか勘違いさせてしまったようですみ
> ません。
>
> で、続けようかどうしようか迷っていた(のと、時刻定義の再調査とかしてい
> たため時間が経ってしまった)ので、せっかくなのであまり役に立たないかも
> しれませんが、梨の礫ではあんまりなのでなるべく関係があるようにお話して
> おきます。
...中略...
> クライアントとしては特になにも気にする必要はないということになります。
> ユーザサイドでなにか気にする局面があるとすれば、自前のNTPサーバをGPSの
> 電波などから作るときがそれにあたるかもしれません。GPSの出している時刻
> がすでに閏秒込みだったらやっぱり気にする必要はないのでしょうが、
すみません、元記事を私は知らないので、話しがずれてしまうかもしれません
が、便乗質問させて頂きます。
上に引用した内容をもっと知ろうと思う場合、
(i)主眼としてはLAN上にある各マシンの時刻同期(NTPを利用)をする
のに必要な知識を得ることを目的とした上で、かつ、
(NTPのネットワークプロトコル以前に、時刻の考えかたの基礎知識と
して引用部分の内容を知りたいと思うことを目的として)
(ii) 引用部分の内容をもっと知ろうと思い、かつ、
(iii) 引用部分の内容はわかるというレベルを前提にすると、
どのような文献をさらに読むのがよいでしょうか?さらなる学習の為のお勧
めの文献などありますでしょうか?
英文和文問いません。情報へのポインタで結構です。「こんなのが良いよ」
というものを教えていただけると幸いです。
--
Takahide Nojima
あとは http://jjy.crl.go.jp/ とか。
GPSに関する良い解説書があったら教えてください。
福本 淳
fuku...@imasy.or.jp
> (i)主眼としてはLAN上にある各マシンの時刻同期(NTPを利用)をする
> のに必要な知識を得ることを目的とした上で、かつ、
> (NTPのネットワークプロトコル以前に、時刻の考えかたの基礎知識と
> して引用部分の内容を知りたいと思うことを目的として)
WSではなく、I/O機器に正確なオンライン カレンダーを 実装する立場で、
役に立った情報を揚げてみます。
オープンデザイン 1997-10 に、SNTPパケットの説明が有ります。
パケット モニターと”桜時計”で、実際のパケットのやり取りを確認する
事が理解を助けます。
UTC が、実生活時間である事は、説明してもらいましたね。
カレンダー情報は、閏年 --- 400年、100年、4年毎の特例が
有ります。 100年のみ平年で、後は閏年です。
閏秒は www.miz.nao.ac.jp/leapsec.html が詳しいです。
利用は 桜時計(Winxxで、使える NTPクライアント、ローカルサーバ
ー)が、更に具体的な説明をえられでしょう。
手持機器では アライドテレシス社のルーター AR320 に、SNTP ロー
カルサーバーとしての説明が、CD内に英文で、有ります。 運用につい
ての説明も有りますよ。
最初の、記事を見ると、桜時計だけで良いのでは?
#フォロー遅れまして申し訳ないです。
Takahide Nojima <noj...@taito.co.jp> writes:
>
> (i)主眼としてはLAN上にある各マシンの時刻同期(NTPを利用)をする
> のに必要な知識を得ることを目的とした上で、かつ、
> (NTPのネットワークプロトコル以前に、時刻の考えかたの基礎知識と
> して引用部分の内容を知りたいと思うことを目的として)
>
> (ii) 引用部分の内容をもっと知ろうと思い、かつ、
>
> (iii) 引用部分の内容はわかるというレベルを前提にすると、
>
> どのような文献をさらに読むのがよいでしょうか?さらなる学習の為のお勧
> めの文献などありますでしょうか?
>
> 英文和文問いません。情報へのポインタで結構です。「こんなのが良いよ」
> というものを教えていただけると幸いです。
につきまして、
福本様、
"Henry Sugimoto of O.B." <ob_h...@da2.so-net.ne.jp>様
よりフォローいただきました。有難うございました。
早速参考にさせて頂きます。有難うございました。
--
Takahide Nojima
Taito Corporation EW Dev. sect.