みなさん、こんばんは。切込隊長mkIIと申します。
FBSTAGE9番に掲載したところ、某オフライン会合で”FBSTAGEは巡回してない
が、是非読みたいとの事でしたので、こちらに再掲載いたします。
FBSTAGEや他のフォーラムで既に読まれた方は、二度手間をおかけ致します
が、
ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。
------------------------------------
-
何とかという、名の知れた雑誌の記者という人から、「金をやる」とのこと
で、
”20代前半で起業した人”という取材で使う座談会に出て欲しいという話が来
た。
「金をやる」の4文字がなければ行かないものを、わざわざ、藤沢くんだりま
で
遠征するのも馬鹿らしいと思ったが、金は是非欲しいのと、すっかり大学版ショ
ー
ビジネスと化した我が母校の堕落した姿を再確認したいのとあって、当事者意識
が
ゼロの状態でいる俺だった。
時間ぴったりに行ったのだが、何人かそれらしき奴等がいる以外は、張り紙す
ら
なく、禁煙と堂々と書いてある部屋の中央にどっかり腰を下ろして、おもむろに
懐
からポケット灰皿をとりだし、俺はバシバシ煙をふかしていた。
ほどなく、記者らしき人が「すみませ~ん」とか言いつつやってきたのは15
分
過ぎであった。小間使いの若い女性が、ジュースやら座談会のセッティングやら
と
パタパタ動き回っているのをみると、「おお、マスコミってこうなのか」と実感
を
する。そのうち、三々五々集まってきて、一人ひとりに番号札を渡されたのだ
が、
3、4番目ぐらいに行った俺は13番の札を渡された。なめとんのか。
しかし、内容はともかく、ベンチャーな人達というのは、実に爽やかで清々し
い、
非常に若やいだ連中であるらしい。何ぞ雑誌のグラビアから出てきたかのよう
な、
白い歯をキラーンとか輝かせている人種なのであった。
衣服も、良いものを着ている。「ども、はじめまして」と、慣れた感じで名刺
を
奴等が差し出すときに香が漂うのが分かるし、携帯はピロピロ鳴っているし、ほ
ぼ
異国に来たような世界。
いつしか、ロの字にテーブルがセットされ、端っこに陣取った俺は、ぷかぷか
と
タバコを吸っていた。とにかく、前日はほぼ徹夜の状態で、しかも秋葉原の量販
店
のオヤジと”下町のナポレオン”をしこたま飲んでおり、当然数日風呂に入って
お
らず、薄汚ぇ濃緑のジャンパーと同色のバンダナ、洗ってない黒いジーパン、そ
れ
と悪化の一途をたどる水虫に鉄槌を加える季節はずれの健康サンダルという格好
の
俺であった。しかし、金を貰わぬうちは帰らぬ。
気分としては、ほとんどホテルのディナーに呼ばれた刑事コロンボである。
藤沢在学時代に、同期だった奴がにこやかに近づいてきた。こいつは帰国子女
で、
個人的には実にやな奴であり嫌いであり話したくないのでありそばによらないで
欲
しい人間なんであるが、俺に好かれているという見事な勘違いをまる6年に渡っ
て
続けてきた偉い男だ。ピッツバーグの片田舎の出身だが日本ではモテモテであっ
た。
実に気に入らん。おお、こいつも起業したのか、知らなかった。バーカバー
カ。
そうこうしているうちに、何とかいう偉い学者が中心になって演説を始めた。
これは座談会ではなかったのか。頭の中を疑惑がよぎったが、だんだん事情が
つ
かめてきた。おお、どうやらこれは、前途有望な若者が、向学心に燃えて偉そう
な
話を聞いて、それをきっかけに、志を同しくするもの同志、座談会にて語り合う
と
いうオチではないのか!
偉そうな話をよそに、窓の外を眺めながら”あんな建物いつできたんだ、知ら
な
いぞ、あんな建物、あれ、あそこにも怪しげな建物がある、おお、あっちには
昔、
やる気ないプレハブがあった場所だぞ、なんかへんてこなデザインの建物ができ
て
るぞ、金があるからといって浮かれおって”などと思っていた。
知らないうちに座談会に移行していて、皆、自己紹介だとか抱負だとか事業内
容
だとか、くっだらねぇ話が始まり、半分寝かかっていた。こいつら、10億だの
と
金を引っ張ってきている割には、”そりゃ詐欺じゃねえか”とか”なんで、こん
な
事業が成立するのか不思議でしょうがない”とか”15年で返すって、結局事業
の
計画性がないんじゃないのか”とか奇妙奇天烈な人達の集団であることに気付い
た。
その一方で、「夢」であるとか「成功」といった言葉に、非常に敏感に反応す
る
人種でもあるらしかった。
”従業員は夢実現のパートナー”などと赤面するじゃねぇか馬鹿野郎と思う言
葉
を連発して、しかも皆それで盛り上がり、”もし上場したら””従業員が100
人
を超えたらどうすべきか”などと熱心に聞きたがるガイもいて、一種の熱病に冒
さ
れているかのようであった。当社の従業員に期待していることといえば、売り上
げ
て欲しいのであり終電前に帰らないで欲しいのでありみだりに休憩を取らないで
欲
しいのであり電話はさっさととって欲しいのでありマンガなんか読んでないで欲
し
いのであり要はキリキリ働いて欲しいのである。それ以上でもそれ以下でもな
い。
上手く事業が回ったら、それはそれで考えましょう、というのが至ってシンプ
ル
な我が社の要求であるといったら皆閉口してしまった。いかん、刺激が強すぎた
か。
その直後、議論の中心にいた男が、「君には夢がないのか」と言い出し、「昼
間
から見る夢はない」などと答えたら口論になってしまった。やったぜ大将。
つづく
96/12/27(金) 06:42 切込隊長
mkII(BZT00066)
In article <349E6601...@asahi-net.or.jp>,
katsumi arai <yc2k...@asahi-net.or.jp> says:
>続けてきた偉い男だ。ピッツバーグの片田舎の出身だが日本ではモテモテであっ
私を呼ぶのだろう....
--
nC++%いまどきモテモテって....
たぶん、
Nifty$erveのシスオペが勝手にfjの各NGの「シスオペ」
に就任
↓
接続時間に応じてシスオペに報酬が支払われる
という予告だろう。
「切込隊長」だからな。。。。
end