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「93式魚雷」は本当に「内燃機関」 ?

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teruo Takeuchi

unread,
Feb 4, 2000, 3:00:00 AM2/4/00
to
2000/02/04 Takeuchi
□ 「93式魚雷」は本当に「内燃機関」?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
# 今回のフォローアップツーから japan.jiei-tai を外します。

( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships
news:87bdd1$pnk$1...@news00.iij4u.or.jp

> 私> 燃焼室(加熱室)で燃料を燃焼させたところに清水を噴射し
> 私> て発生させた高圧ガス(混合気)をシリンダ内に送り込んで
> 私> ピストンを駆動しているのですから、機関内燃焼方式です。

今回はそのことがテーマでは無かったのですが、なかなかこの件も
興味有る問題でしたので良しとしましょう。

私が以前「魚雷のエンジンに関する話題」で気にしていたところは、
「燃焼室」と言ってみたり(加熱室)と言って見たりしていたとこ
ろでした。

普通一般には「内部で燃焼する」機関の場合に「燃焼室」と言う言
い方をするのであって、ほとんど(加熱室)と言うような表現はし
ませんから、この「表現の仕方」に疑念をもっていたわけです。

もし「燃料を燃焼させたところに清水を噴射し」と言う作動方式が
本当に正しいと言うご意見をお持ちでしたら、それを「証明」する
何らかの「確実な資料」を示していただきたいと思いました。

「図面」あるいは「写真」あるいは「公式文書」などなど、ウエブ
上の資料でももちろん良いですから、それらをを示して頂ければ、
それは「証明できたことになる。」と思います。

くれぐれも「証拠の提示」をよろしくお願いしたいと思います。

Kaz SHiMZ

unread,
Feb 4, 2000, 3:00:00 AM2/4/00
to
清水です。

記事 <389A088B...@mx2.tiki.ne.jp> で, teruo Takeuchi
<take...@mx2.tiki.ne.jp> さんは書きました;

>> 私> 燃焼室(加熱室)で燃料を燃焼させたところに清水を噴射し
>> 私> て発生させた高圧ガス(混合気)をシリンダ内に送り込んで
>> 私> ピストンを駆動しているのですから、機関内燃焼方式です。
>
>今回はそのことがテーマでは無かったのですが、なかなかこの件も
>興味有る問題でしたので良しとしましょう。

「良しとしましょう」ですか。teruo Takeuchi さんは偉い御方だった
のですね。ふーん。(相変わらず他人を苛ただせる文体だなぁ)


>もし「燃料を燃焼させたところに清水を噴射し」と言う作動方式が
>本当に正しいと言うご意見をお持ちでしたら、それを「証明」する
>何らかの「確実な資料」を示していただきたいと思いました。

はぁ、とりあえず入手が容易なものとして、光人社NF文庫の「潜水艦入門」
を挙げておきます。もっとも、この本は「公式文書」ではなく、引用・参照
した一次資料等のリストもないのですが、

teruo> 実は、あの記事を書いてから、魚雷に詳しい方から、メールを頂きました。
teruo> その内容を要約すると、日本では内燃方式のエンジンは、研究試作はされ
teruo> ていたが、大戦中実戦投入までにはいたらなかった、と言う事だそうです。

を「証明」する何らかの「確実な資料」を提示していただけたなら、その
反証として、更に「確実な資料」を提示させていただきます。あ、もちろ
ん、teruo Takeuchi さんではなく、件の「魚雷に詳しい方」から提示して
いただいてもらっても結構です。気長に待ちますので何卒ヨロシク。


>「図面」あるいは「写真」あるいは「公式文書」などなど、ウエブ
>上の資料でももちろん良いですから、それらをを示して頂ければ、
>それは「証明できたことになる。」と思います。

資料の提示を他人には要求する一方、自分は要求されてもノラリクラリと
逃げ回っている teruo Takeuchi さんには、この程度にしておきます。い
つものことながら、自分は書きたい放題で論証なし、反論してくる相手に
は論証を要求、ではねぇ...

# 世の中、give and take が基本です。NetNews も同じだと思う。

--
清水 和佳%浜松は静岡ではないと主張する会
.
遠州浜松出身、神戸/宝塚/船橋/越谷/千葉/西宮/三鷹 経由、目黒区目黒在住
ksh...@dd.iij4u.or.jp / ksh...@hk.airnet.ne.jp / ksh...@sfc.co.jp

NAKAI Tetsushi

unread,
Feb 5, 2000, 3:00:00 AM2/5/00
to
中井@東大精密です.

>>>>> 時刻 4 Feb 2000 03:36:08 GMTに
ksh...@dd.iij4u.or.jp (Kaz SHiMZ) さんは言いました。

> 清水です。

>> もし「燃料を燃焼させたところに清水を噴射し」と言う作動方式が
>> 本当に正しいと言うご意見をお持ちでしたら、それを「証明」する
>> 何らかの「確実な資料」を示していただきたいと思いました。

> はぁ、とりあえず入手が容易なものとして、光人社NF文庫の「潜水艦入門」
> を挙げておきます。もっとも、この本は「公式文書」ではなく、引用・参照
> した一次資料等のリストもないのですが、

資料の入手の容易さと詳細さからすれば,「コンバットAtoZシリーズ4図解
海軍水雷戦隊」林譲治,並木書房,ISBN4-89063-073-2,pp65--69 がよいと思
います.91式,90式,酸素魚雷の管系統図が掲載されています.ただ巻末の参
考文献リストに「海軍水雷史」”海軍水雷史刊行会”があること.

私の所有する「海軍水雷史」(編集 海軍水雷史刊行会)のpp5--180におけ
る掲載図とほとんど変わらないことから,元資料は「海軍水雷史」であると思
います.

多分,「海軍水雷史」は防衛庁戦史資料部にいけば閲覧は可能であると思い
ますが,何分非売品なので,財団法人 水交会内 海軍水雷史刊行会 〒150 東
京都渋谷区神宮前1-5-3 まで連絡されるとよろしいかも知れません.

史料批判は非常に大切なことですから,是非頑張ってやって下さい.批判の
際には,できれば,「信用できない」などの口先だけでなく,刊行史料などを
該当箇所を示して頂けると幸いです.

--
東京大学戦史研究会 平成2年度入会 会員
東大精密 中井 徹志 nakai@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp

teruo Takeuchi

unread,
Feb 7, 2000, 3:00:00 AM2/7/00
to
2000/02/07 Takeuchi
□ 「93式魚雷」は本当に「内燃機関」?「熱走」の意味。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships
news:87lg36$34$1...@news00.iij4u.or.jp

> 木俣滋郎の「潜水艦入門」は、teruo Takeuchi さんが紹介され
> たウエブページよりも信憑性がない、

誰が書いたとか、書物だとか、ウエブだとか、と言うことではなく
て、どの程度詳しく説明してあるかによって、その「信憑性」が判
断できるのではないかと思います。

今回私がウエブで紹介したのは「エンジンの形式」に付いてであっ
て「燃焼方式」の話題ではないですから、その「伝達機構」が写っ
ている写真を示すことで、「確度の高い証拠」となるわけですね。

> ちなみに、この本の p.129 には九三式魚雷の機構図(断面図)
> が載っており、ウエブ上の写真よりは数段明快だ、と私は感じて
> おります。

そのようなすばらしい資料をお持ちなら、ぜひともスキャナーで取
りこんで「GIFの添付ファイル」として皆さんに公開して頂きた
いものです。

その本からの多量のコピーでも無いわけですから、「引用記事」と
して認められると思いますよ。

それから、その本に書いてある「内燃を示す記述の部分」を「正確
に記した引用形式として」このニュースで発表していただければ、
多くの方の判断が大変しやすくなりますので、ぜひともよろしく。

> で、あたくしは、teruo Takeuchi 氏の文脈における「内燃」方
> 式とは、いかなる機構なのか、もお尋ねしているのですが...

------------------------------------------------------------
1998/02/01 TAKEUCHI <34D3C726...@i.bekkoame.or.jp>
魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)( 第二次世界大戦前の魚雷 )

1998/02/07 TAKEUCHI <34DBDD7C...@i.bekkoame.or.jp>
魚雷の原動機はなぜ特殊か(2)( 第二次世界大戦中の魚雷 )

1998/02/13 TAKEUCHI <34E408ED...@i.bekkoame.or.jp>
魚雷の原動機はなぜ特殊か(3)( 現役魚雷と新型魚雷 )
------------------------------------------------------------

そのことは、上の( fj.sci.military)に以前投稿した記事にも詳
しく書いていますので、何とかこの「過去記事」を読んで見てくだ
さい。本格的な議論はそれからにしたいと思います。

この記事は自分で言うのも何ですが、なかなか力作ですよ。(笑)
もしこの「過去記事」が読みにくい環境なら、この記事のコピーを
再投稿しても良いですけどね。

しかしこの件に付いては、他の方が大変うまく表現をされた記事も
ありますので、下に紹介しましょう。

------------------------------------------------------------
98/03/13 Re: Armoring of MBT( MBTの装甲 )E.
news:6eaeil$fc$1...@fserv.edsys.center.nitech.ac.jp
fj.engr.mech( Hiroaki Kawasawa )

普通内燃機関というのは,ガスサイクルの中で燃焼が有るもの,
つまりガスサイクルの作動流体が燃焼ガスであるものをさすの
ではないでしょうか?

そのサイクル内に気液の2相を持ち,液体の蒸発による体積膨
張を利用する形のものでなければ作動流体が蒸気であろうとも
蒸気機関とは呼びません.
------------------------------------------------------------

この引用記事の全文は残念なことに無くしてしまいましたが、ほぼ
完璧な説明かと思います。

> 「従来通りである《 外燃機関 》」の部分の論証をお願いします。

「外燃、内燃」と言う話題は、「はずみ車」や「単なる圧縮空気」
を使っていた後に出てきたと考えられる「加熱機関」におけるその
「加熱方式」の違いを論じているので有って、それ以前の「加熱し
ない方式」に付いては議論の外のことなのですね。

> 第二次世界大戦までの魚雷の駆動方式の大分類は、「内燃」
> 「外燃」ではなく「冷走式」「熱走式(湿式含)」「電気式」あ
> たりで、熱走式を外燃・内燃に区分することはされていません。

なぜそのころの熱走式が「外燃、内燃」に区別されていなかったの
かと想像すると、設計者の頭の中には「内燃」などと言う発想その
ものが無くて、「外燃」しか考えられなかったと言うことでしょう。

またそのことが「内燃方式」は無かったことを暗示しているような
気もしますね。有れば区分がされていたはずですから。

それから「区分や分類方式」と言うものは、国や団体や地方や個人
によって、さまざまに変化しどれが正しいと言うものは基本的に無
いと考えても良いと思います。

最近の記事にもありますが、「運動エネルギー弾」も「成形炸薬弾」
も「徹甲弾」と呼ぶべきだと主張される方もおられましたが、そう
言う表現の仕方も「一概に間違いだ」とは言えないわけですね。

> で、湿式でない熱走式はガスタービンと同程度に内燃機関ですが、
> 湿式の場合、機関駆動の主体が厳密には燃焼生成物だけではない
> ので内燃機関と言い切るにはチト逡巡があったりもしますが...

「熱走式はガスタービンと同程度に内燃機関」と言う表現は完全に
間違っていると思いますよ。

引用した記事にも書かれていましたように、「その機関の作動流体
が燃焼ガスであるもの」が「内燃機関」である、と百科辞典などに
も定義されています。

あなたも書いておられるように「熱走式」には(乾式と湿式)があ
るはずですから、「空気だけを加熱する」のが(乾式)で、
「水を内部に噴射して蒸気を作る」のが(湿式)と言うことなので
はないのでしょうか。

ですから「熱走式」と言うだけでは「空気や水を単に外部からあた
ためているだけ」のことなのか、あるいは「内部で燃焼させて温度
を上げる方式のものか」は、一概には言えないわけですね。

もし外部からあたためているだけであれば、この方式は「外燃機関」
と呼べるものだと言えます。

そこで簡単に分類をして見ました。

------------------------------------------------------------
魚雷 -+- 電気式魚雷 ---+-- 蓄電池式
| |
| +-- 海水電池式
| |
| +-- 燃料電池式?
|
+- 熱機関式魚雷 -+- 冷走式 -+---------------- 蓄圧式
|
+- 熱走式 -+- 外部燃焼式 -+- 空気式
| |
| +- 蒸気式
|
+- 内部燃焼式 -+- ガス式?
|
+- 蒸気式*
------------------------------------------------------------

大体こんな感じになりますが(?)記号のものは存在するのかは分
かりません。

最後の「内部燃焼式」で「蒸気式」のものこそが、現在アメリカな
どで主流となっている「過酸化水素水」などを燃料とした方式なの
ですね。

> # アメリカで開発されていた魚雷が内燃機関であるなら、
> # 日本海軍の酸素魚雷も内燃機関でしょう。

この問題はそう言う単純な話ではないのですね。

上で紹介している3件の私の記事には、ウエブページ上の一部分の
翻訳しかしていませんが、その内燃機関に使われる特殊な燃料の話
なども出てきますので、ぜひ過去記事を読んで見てくださいませ。

もし過去記事が探し難いなら、もう一度再投稿しても良いですよ。

> 自分が * いいかげんな * ことを言うことに関しては

その考え方こそがが間違っているわけですね。「いいかげんなこと」
なのかどうかは、即座には誰にも《 決められない 》ことなのです。

「オウムの麻原」と言う人間が悪人なのかどうかは、裁判によって
「証拠」が見つかった時点で決まるわけですね。

「戦車の砲塔に付いている機銃はスポットライフルとして使える。」
と言う話をしたら、「出鱈目を言うな。」とか言った人がいました。

しかしそれを言うには、その方式は決して出来ないと言う《 証拠 》
か、あるいは《 誰にでも分かる論理的な証明 》が出来ない限り、
それは相手に対する《 誹謗中傷 》と言う《 犯罪 》になるのです。

私はそれが出来ることの「証明」を近々しようとは思っていますが。

日本の魚雷がどう言う機関形式なのかに付いては「分からない」と
言う立場を表明していますので、証拠を出す必要も無いわけですね。

お互いに法律を少し勉強することにでもしましょうかね。 (@^.^@)

Yoshihisa Kawanabe

unread,
Feb 8, 2000, 3:00:00 AM2/8/00
to
In article <389EC2D5...@mx2.tiki.ne.jp>, teruo Takeuchi
<take...@mx2.tiki.ne.jp> wrote:
> しかしそれを言うには、その方式は決して出来ないと言う《 証拠 》
> か、あるいは《 誰にでも分かる論理的な証明 》が出来ない限り、
> それは相手に対する《 誹謗中傷 》と言う《 犯罪 》になるのです。
じゃあ,Takeuchi氏は立派な犯罪者ですね:-)
「星型が入ると考えるのは非常識」などと事実と異なることを根拠に
他人を「中傷」をしたのですから.

> 私はそれが出来ることの「証明」を近々しようとは思っていますが。
えっと,こうすればできるという可能性なら,すでにTanakaさんも示唆されて
いますが,それとは違う方法なんですよね?
それに,あなたが主張したのは,「同軸機銃は,主照準装置の故障時に,
スポッティングライフルとして使うように装備されている」という「事実」
であって,使えるかどうかという可能性の話ではありません.

実在を証明するのは,簡単でしょ?実在の例を挙げればいいんだから.
はやくやってくださいませ.楽しみに待っています.

--
Y.Kawanabe

Kaz SHiMZ

unread,
Feb 9, 2000, 3:00:00 AM2/9/00
to
清水です。

記事 <389EC2D5...@mx2.tiki.ne.jp> で, teruo Takeuchi
<take...@mx2.tiki.ne.jp> さんは書きました;

>それから、その本に書いてある「内燃を示す記述の部分」を「正確
>に記した引用形式として」このニュースで発表していただければ、
>多くの方の判断が大変しやすくなりますので、ぜひともよろしく。

木俣滋郎「潜水艦入門」光人社NF文庫 pp122-123.

--

 第二次世界大戦時には直径21インチ(53.3センチ)のものが標準となり、
 (中略)そして動力装置や自動操舵装置も大きく進歩していたのである。

  原動力はこのころにはホワイトヘッド式の圧縮装置によるものは影を
 ひそめ、熱空気型にかわっていた。これは内燃機関の一種で、高圧空気
 を加熱室に送りこみ、ここに石油を噴射して点火爆発し、これに水を噴
 射してできた混合気をシリンダーに送り、ピストンを駆動させる方式で
 ある。

--

さて、提示された過去の投稿、

>1998/02/01 TAKEUCHI <34D3C726...@i.bekkoame.or.jp>
>魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)( 第二次世界大戦前の魚雷 )
>
>1998/02/07 TAKEUCHI <34DBDD7C...@i.bekkoame.or.jp>
>魚雷の原動機はなぜ特殊か(2)( 第二次世界大戦中の魚雷 )
>
>1998/02/13 TAKEUCHI <34E408ED...@i.bekkoame.or.jp>
>魚雷の原動機はなぜ特殊か(3)( 現役魚雷と新型魚雷 )

は手元にあるので参照してみたところ、

>1998/02/01 TAKEUCHI <34D3C726...@i.bekkoame.or.jp>
>魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)( 第二次世界大戦前の魚雷 )

で、teruo Takeuchi 氏みずから以下のように英文和訳されてますね。

> アメリカ海軍用の( E.W.Bliss and Co.)で制作した5隻の変化に富んだ
> ( Whitehead ) の魚雷で(3.55メーターMks.1、2)と(3)
> と(5.0メーターMks.1、2)はすべて17.7インチ(45cm)
> の直径でした。その推進装置は圧縮された空気を動力源として、3個のシ
> リンダーを持ち、星形配列のエンジンでした。

あれ? 「星型配列のエンジンでした」と明記されてますねぇ。ふーむ。

# そういや、第一次世界大戦中の U ボート搭載の魚雷も、すべて星型配列
# の機関だったことが、「世界の艦船」1993年11月号に書かれていました。

ついでに、以下の部分(1908-1938 の米軍の魚雷開発の話の一部)は「内燃
機関」であることを説明していますよねぇ。

> ( Bliss-Leavitt ) 設計の(Mk.7)は最後の17.7インチ魚雷で、
> アメリカ海軍にとって手慣れたものでしたが、しかしそれはほんの一里塚
> でした。導入されたその燃焼室の冷却方法は、燃料や空気に加えてその中
> に直接水噴射しました。
>
> スチームと燃焼ガスの混合生成ガスは、熱せられた空気と劇的に改善され
> た燃焼温の度高低差よりも、タービンのためにはより勝れた働きをする流
> 動体でした。

これを、前述の「潜水艦入門」の論述と読み比べてみてくださいませ。

で、記事 <389EC2D5...@mx2.tiki.ne.jp> に戻って、

> なぜそのころの熱走式が「外燃、内燃」に区別されていなかったの
> かと想像すると、設計者の頭の中には「内燃」などと言う発想その
> ものが無くて、「外燃」しか考えられなかったと言うことでしょう。

これの論拠(「確実な証拠」)はありますか?

> > で、湿式でない熱走式はガスタービンと同程度に内燃機関ですが、
> > 湿式の場合、機関駆動の主体が厳密には燃焼生成物だけではない
> > ので内燃機関と言い切るにはチト逡巡があったりもしますが...
>
> 「熱走式はガスタービンと同程度に内燃機関」と言う表現は完全に
> 間違っていると思いますよ。

ああ、この部分は、以下のようなつもりでしたので訂正させてください。

九三式魚雷と同時代、あるいはその一世代前( = teruo Takeuchi 氏の書
くところの「従来通りである《 外燃機関 》」の指す「従来」と認識され
うる時期)の熱走式の機関は、ガスタービンと同程度に... (以下同じ)


>もし外部からあたためているだけであれば、この方式は「外燃機関」
>と呼べるものだと言えます。

ですから、「外部からあたためているだけ」の証拠(そのような駆動機関
を持った魚雷の具体例)を例示していただけませんか?

で、おおよそ75行にわたり、teruo Takeuchi 氏の認識を鏤々説明されて
いますが、「従来通りである《 外燃機関 》」ことの論証(「確実な証拠」
の提示)は皆無でしたね。認識の淵源もまた、ご自分の認識ですから。

閑話休題。

ところで、私は <3510E652...@i.bekkoame.or.jp> の teruo Takeuchi
さんの記事(いちおうのサマリーの形態になっている)で、とりあえず魚雷
の駆動機関に関する話は一端終息したものと考えていたのですがねぇ...

というわけで、あえて再燃させたのは誰で、その動機はどこにあったのか、
よーく考えてみるといいと思う訳です。

teruo Takeuchi

unread,
Feb 10, 2000, 3:00:00 AM2/10/00
to Kaz SHiMZ
2000/02/10 Takeuchi
□ 「93式魚雷」は本当に「内燃機関」?(過去記事をご紹介。)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships
news:87qn0g$jl$2...@news00.iij4u.or.jp

------------------------------------------------------------
> 木俣滋郎「潜水艦入門」光人社NF文庫 pp122-123.
------------------------------------------------------------
>  原動力はこのころにはホワイトヘッド式の圧縮装置に
>  よるものは影をひそめ、熱空気型にかわっていた。

>  これは内燃機関の一種で、

>  高圧空気を加熱室に送りこみ、ここに石油を噴射して
>  点火爆発し、これに水を噴射してできた混合気を
>  シリンダーに送り、ピストンを駆動させる方式である。
------------------------------------------------------------

確かに「内燃機関」とは書いてありますから、少なくともこの記事
を書かれた方はそう思われていたと理解できます。

しかしこの文章には、いくつかの「奇妙な表現」の部分が見うけら
れるように思いました。

1.まず「圧縮装置」と言うのは「圧縮機」(コンプレッサー)の
ことですから、正しくは「圧縮空気」か「圧縮ボンベ」と言う
ことの間違いのように思います。

2.それから「これは内燃機関の一種で」と言う説明は、その上の
「熱空気型」のことを指して言っているのだと思います。

しかしこの機関が「内燃機関」だとするなら「燃焼ガス型」と
か「燃焼蒸気型」とかと言う方がより適当のように思いました。

3.これは以前にも指摘しましたが「高圧空気を加熱室に」と言う
言い方では正に「外燃」で有るかのような印象を持ちます。
「内燃機関」であるなら「燃焼室」と表現すべきと思いますが。

そのような理由もあって、「内燃機関」と言う用語が使われていた
としても、全体として考えれば「本の数行の文章だけ」の証拠では、
「証拠能力は低い」と言う感想を持ちました。

もう過去にも何度か紹介しました百科辞典の記載にも、同様に不正
確と思われる表現も有ります。

------------------------------------------------------------
マイペディア 1995-CD(「魚雷」部分の全文です。)
------------------------------------------------------------
魚雷 ぎょらい
魚形水雷の略。水中を航走,敵艦船の水線下に命中爆破する海戦用
攻撃兵器。特に潜水艦の有力な攻撃手段であるが,水上艦艇や飛行
機からも発射または投下する。

1864年オーストリア海軍のルピスが英国の⇒ホワイトヘッドの協力
で初めて製作。大形のものは61センチ×9メートル,炸薬(サクヤク)
量500キロ,核弾頭のものもある。速力30~50ノット,射程4万メー
トル程度まで。

推進は通常圧縮空気による。無航跡魚雷としては蓄電池による電動
機推進の電気魚雷や,1933年日本で完成した酸素魚雷がある。

針路保持はふつうジャイロによるが⇒ホーミング魚雷も出現。
起爆は接触式,超音波式,磁気式,光電式など。
------------------------------------------------------------

上の部分の「推進は通常圧縮空気による。」と言うところですが、
より普及したものと言えば「蒸気式」と考えた方が正しいかも知れ
ません。

また、「酸素魚雷」とは書いてはありますが、それを燃焼に使った
「熱機関」だとすら書いてはありません。

この例からも分かるように、単なる数行の文章では「物事の真相」
を見つけることは難しいことが、理解できると思います。

( Kaz SHiMZ )さんが「本」の記事を「そのまま信用するべきだ」
と主張されるのでしたら、「百科辞典」の記事もまた信用しなけれ
ばならないことになって矛盾が出てくるわけですね。

> ついでに、以下の部分(1908-1938 の米軍の魚雷開発の話の一部)
> は「内燃機関」であることを説明していますよねぇ。

そうですよ。

私はウエブ上で見つけた「アメリカの魚雷」に関する記事を元にし
て、私の「魚雷に対する考え」を記事にしたわけです。

ですので何度も言ってますように「日本の魚雷の話」を記事にした
のでは無いですから、「日本の魚雷のことをあれこれ言われても」
《 分からない 》と答えるしかないのです。

> ですから、「外部からあたためているだけ」の証拠(そのような
> 駆動機関を持った魚雷の具体例)を例示していただけませんか?

それは少しでも「原動機」のことを理解している方なら、しごく当
然の常識であって、いまさらするほどのことも無いのですが簡単に
説明して見ましょう。

まず「蒸気機関」では「ワット」と言う人がが発明して以来、日本
でも昭和の中ごろまで「蒸気機関車」として実用的に使われてきま
した。

これらはすべて「外燃機関」なわけですが、「ディーゼルやガソリ
ンエンジン」の普及とともに次第に内燃機関へ移行して行ったわけ
です。

その大きな理由は、結局「熱効率の良さ」であっったのですが、
「内部での燃焼」は「空燃比」などを精密に制御する技術のためか、
当時としては難しい方式だったのだと思われます。

そして《 内燃の蒸気機関 》が一般的なものだと主張されているよ
うですが、「原動機の本」や「原動機関係のウエブ」で調べて見れ
ば、恐らくどこにも書かれていないと思いますので、相当に特殊な
機関であったことに気づかれると思います。

------------------------------------------------------------
1998/01/21 Re: [Q] References for torpedo's "engine"
<MR.NAKAI.98...@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp>
------------------------------------------------------------
中井@東大精密です.
# 余談ですが,うちの学科は戦前は魚雷とかも研究していた
みたいですが…

せっかく参考文献示したから,いい加減なことは書きたくなく
てうちで調べてこようと思ったけど,まあ,この調子だから大
雑把でいいや.

あのさ,冷走魚雷ってのが,圧縮空気でピストンを駆動して走
る奴,これが最初.

そんでもって,パワーが足りないから,燃焼室を設けてあった
めたもので走るのが熱走魚雷.燃料は,ケロシンとか用いたみ
たい.

まかり間違っても,内燃機関じゃないんだけどな.
だからさ,魚雷は内燃機関じゃなく,外燃機関なの.

まあ,あとの技術利用の話は,どっか,fj.engr.* あたりで
やって下さい.
------------------------------------------------------------

上の「燃焼室を設けてあっためたもので走るのが熱走魚雷.」と書
かれてありますが、これが正に「外燃の空気機関」と言うことです。

「東大精密」さんがこのような見解を書かれたと言うことは、恐ら
くどこかの「専門的な文献」に出ていたと言うことでしょうね。

「うちの学科は戦前は魚雷とかも研究していた」とか言われるほど
の方が、「まかり間違っても,内燃機関じゃないんだけどな.」と
言ってられたので間違いはないでしょう??( Kaz SHiMZ)さ~ん。

------------------------------------------------------------
1998/02/02 Re: 魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)
<6b33qt$f55$5...@mdcsv.mdcnet.co.jp>
------------------------------------------------------------
> 第二次世界大戦前のアメリカ海軍で開発された、初期の魚雷の話
> です。
> http://members.dialnet.net/rrupert/ustorp1.html

見ました。なかなか内容の濃い記事です。貴重な情報の紹介あり
がとうございました。

> 今回の記事に出てきた原動機のタイプは、

> 1.回転力をあらかじめフライホイールに蓄積して、その駆動力で動かす。
> 2.圧縮された空気をボンベに詰め込んで、その圧力でエンジンを動かす。
> 3.高圧縮(液体)気体を燃焼熱で気化し、その圧力でエンジンを動かす。
> 4.燃焼室で燃料を燃焼しガスを発生させ、その圧力でエンジンを動かす。
> 5.充電しておいた蓄電池でモーターを回転させて、その駆動力で動かす。

「補足ですが」
旧日本海軍では90式空気魚雷が3.の方式になります。圧搾
空気を燃料で加熱して星型4気筒のピストンを駆動させる外燃
式駆動機関です。

この空気を酸素に変更し、航続距離のアップと無航跡を実現し
たものが酸素魚雷になります。

酸素での始動は異常燃焼を起こすため、空気で始動した後、
徐々に純酸素に切り替えていく方式で、93式酸素魚雷がこれ
に該当します。

ただし、酸素魚雷は扱いが難しく、航空機搭載には91式空気
魚雷が採用されていたそうです。

BY型と呼ばれる内燃式の魚雷も開発されてはいたのですが、
数々の技術的問題があり、実戦配備されるまでにはいたらな
かった、とされています。

2.の冷熱式は初期の段階で採用されていたようですが、空気
の膨張に伴うシリンダの冷却が問題とされ満足の行く性能では
なかった様です。

-- 糸魚川潔 (いといがわきよし) ---------------- vvvvvvvv
-- マイクロデータ株式会社 -- +◎--◎+
-- http://www.mdcnet.co.jp/~ito/index.html -- | v |
-- itoi...@mdcnet.co.jp -- ` ~ ´

------------------------------------------------------------

どうもこの記事からすると圧搾した酸素の圧力でピストンを動かし、
その排気された酸素と燃料を燃焼させて「加熱室」をあたためてい
たと考えれば良いようですね。

転載許可をもっらっていませんので( ○○ )さんで失礼します。
------------------------------------------------------------
1998/03/26 Re: メール有り難う御座いました。( Re:魚雷の)
( ○○ )さんからのメール。
------------------------------------------------------------
>(BY型)というのが(93式魚雷)の事だったのでしょうか。

これは違います。BY型と言うのは純粋な内燃機関で、いわゆ
る自動車のエンジンに近いものです。

この方式は燃焼効率が良く、馬力が出せるため、高速魚雷に発
展する事が期待されていたらしいのですが、熱処理が解決でき
ずに、開発が中止されています。

 すなわち、内燃式の魚雷で実戦配備されてものは、は少なくて
も旧日本軍には無かったと思います。

それと93式魚雷と言うのは空気魚雷ですね。方式としては外
燃式になりますが、酸素では無く空気を使用するものです。

93式魚雷は航空機搭載用の魚雷ですので、航続距離はそれほ
ど重視されず(1500m程度)、信頼性と維持管理の容易さ
を重視したものと思われます。
------------------------------------------------------------

( Kaz SHiMZ )さんお分かり頂けましたでしょうか。
「木俣滋郎」さんの書かれたものより、「数段詳しい方」がおられ
ることが分かったでしょう。

> というわけで、あえて再燃させたのは誰で、その動機はどこに
> あったのか、よーく考えてみるといいと思う訳です。

「あえて再燃させた」のは( Kaz SHiMZ )さんの方ですね。

私は《「93式魚雷」は『星型エンジン』などでは無いのだよ。》
と言う、エンジンの配置に関する記事を書いていただけですから。

# 「星型エンジン」に付いての話題は、別のスレッドで書きます。

# しかし(糸魚川)さんて、何でこんなに詳しいのだろう。??
それ聞くのを忘れてたな。こんどいつか聞いていて見よ~っと。

# そろそろ春ですね~。次はどんな記事を書こうかな~。

∩ ∩
⌒ ⌒
(^ . ^)
( )⊃
〇 〇

Takashi Nishikawa

unread,
Feb 10, 2000, 3:00:00 AM2/10/00
to
外燃機関か内燃機関かは「外燃/内燃」の言葉の定義の問題だけだから、
どうでもいいや

In article <38A228FC...@mx2.tiki.ne.jp>, teruo Takeuchi wrote


>転載許可をもっらっていませんので( ○○ )さんで失礼します。
>------------------------------------------------------------
>1998/03/26 Re: メール有り難う御座いました。( Re:魚雷の)
> ( ○○ )さんからのメール。
>------------------------------------------------------------

[snip]


> それと93式魚雷と言うのは空気魚雷ですね。方式としては外
> 燃式になりますが、酸素では無く空気を使用するものです。
>
> 93式魚雷は航空機搭載用の魚雷ですので、航続距離はそれほ
> ど重視されず(1500m程度)、信頼性と維持管理の容易さ
> を重視したものと思われます。
>------------------------------------------------------------
>( Kaz SHiMZ )さんお分かり頂けましたでしょうか。
>「木俣滋郎」さんの書かれたものより、「数段詳しい方」がおられ
>ることが分かったでしょう。

これが例の「魚雷に詳しい人からのメイル」の内容でしょうか?
93式酸素魚雷と91式航空魚雷の区別も付かないような人が、
“「木俣滋郎」さんの書かれたものより、「数段詳しい方」”
なんですか?
航空機用にも酸素魚雷は存在するんですけどね。

# その某氏がNetNewsに出てきたがらないのも分かる気がする...
--
Takashi \textsc{Nishikawa}


Kaz SHiMZ

unread,
Feb 10, 2000, 3:00:00 AM2/10/00
to
清水です。

メールでも届いたので、先にメールにて返信しましたが、ニュースにも同じ
文章を投稿されているので、特に前半部分を推敲して投稿することにします。

>------------------------------------------------------------
>> 木俣滋郎「潜水艦入門」光人社NF文庫 pp122-123.
>------------------------------------------------------------
>>  原動力はこのころにはホワイトヘッド式の圧縮装置に
>>  よるものは影をひそめ、熱空気型にかわっていた。
>
>>  これは内燃機関の一種で、
>
>>  高圧空気を加熱室に送りこみ、ここに石油を噴射して
>>  点火爆発し、これに水を噴射してできた混合気を
>>  シリンダーに送り、ピストンを駆動させる方式である。
>------------------------------------------------------------
>
> 確かに「内燃機関」とは書いてありますから、少なくともこの記事
> を書かれた方はそう思われていたと理解できます。
>
>しかしこの文章には、いくつかの「奇妙な表現」の部分が見うけら
>れるように思いました。
>
>1.まず「圧縮装置」と言うのは「圧縮機」(コンプレッサー)の
> ことですから、正しくは「圧縮空気」か「圧縮ボンベ」と言う
> ことの間違いのように思います。

あぁ、ここは間違いかもしれません。この文脈では、正しくは「減圧装置を
通した圧縮空気」であるように思います。


>2.それから「これは内燃機関の一種で」と言う説明は、その上の
> 「熱空気型」のことを指して言っているのだと思います。
>
> しかしこの機関が「内燃機関」だとするなら「燃焼ガス型」と
> か「燃焼蒸気型」とかと言う方がより適当のように思いました。

それは用語法の些細な相違ですね。「燃焼ガス型」とか「燃焼蒸気型」をも
内燃機関に分類することもありますので「内燃機関の一種」という言い方は
ありえるでしょう。(ガスタービンやターボジェットなど)


>3.これは以前にも指摘しましたが「高圧空気を加熱室に」と言う
> 言い方では正に「外燃」で有るかのような印象を持ちます。
> 「内燃機関」であるなら「燃焼室」と表現すべきと思いますが。

それも些細な相違ですね。

酸素魚雷以前の機関では、空気のうち酸素部分のみが酸化剤として利用され
(燃料の燃焼のために使われる)、残りの窒素等の部分や、噴霧された水が
まさに「加熱」されて膨張した状態となって、燃焼生成物とともにシリンダ
に送られ、ピストンを駆動しています。ここで、駆動主体を酸素以外だと見
做せば「加熱室」ですし、実際に燃料を燃焼しているので「燃焼室」と表現
しても、どちらも日本語としては間違いではないでしょう。

ちなみに、あなたの書く「空気を外から加熱する」方式の外燃機関を積んだ
魚雷の具体例を、私は知りません。魚雷の機関が「外燃機関」であるとされ
る場合、それは「シリンダ内燃焼ではない」という理屈が普通です。大昔の
中井さんの投稿にしても、その理屈で「外燃機関」としています。それは、
記事 <MR.NAKAI.98...@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp> で判ります。

中井> 特に疑問に思うのが,一般的に機械の分野だと内燃機関というのは,シリン
中井> ダの中でガスを燃焼させるものを意味すると受け取るのが普通だと思います.
中井> そういう受け取り方だと,「内燃方式の蒸気機関」というのはシリンダのなか
中井> で蒸気を発生させるイメージを持ちますが違いますか?
中井>
中井> それに対して,外燃機関というと,燃焼室で燃やしたガスが高温で膨張して
中井> 高圧ガスになり,それがシリンダに送り込まれてピストンを動かすものをさす
中井> と思います.

これに続いて中井さんはこうも書かれています。

中井> 私の持っている情報では,熱走魚雷というのは,まず燃焼室があってここに
中井> 空気とケロシンと水の噴射をして燃焼させ蒸気ガスを発生させ,それを複動機
中井> 関に送り込んでエネルギを取り出しています.
中井>
中井> これを,たけうちさんはどうも「内燃方式の蒸気機関」と呼び誤っていると
中井> 思われますが違いますか?少しでも,機械をかじった人ならば,上記のエンジ
中井> ンは外燃機関と呼ぶと思うのですが.

で、ここにおける中井さんの定義(「狭義の内燃機関」とします)と、ガス
タービンやターボジェットも含める定義、すなわち「燃焼生成物でピストン
を駆動するなら内燃機関」という定義(「広義の内燃機関」とします)の二
つの認識があり、木俣さん(および私)は後者のスタンスなわけです。


>そのような理由もあって、「内燃機関」と言う用語が使われていた
>としても、全体として考えれば「本の数行の文章だけ」の証拠では、
>「証拠能力は低い」と言う感想を持ちました。

要するに、あなたが(第二次大戦までの)熱走式魚雷のメカニズムについて
無理解だからでしょう。ホントのホントに「空気を外から加熱している」の
だと考えておられるのですか? 燃焼に必須の酸素はどこから供給されている
と認識されているのでしょうか? 高圧空気を駆動用と燃焼用の2系統に供
給しているとでも思っておられるのでしょうか?

いずれにせよ、同時代の米軍の魚雷の駆動機関を「内燃機関」と認識するの
は広義の内燃機関の定義に基づくものであり、そのスタンスであれば日本海
軍の九三式酸素魚雷の駆動機関も「内燃機関」にならざるを得ないはずなの
に、teruo Takeuchi 氏はその矛盾を認識できていないだけ。


>また、「酸素魚雷」とは書いてはありますが、それを燃焼に使った
>「熱機関」だとすら書いてはありません。

はぁ、「潜水艦入門」の pp131-133. には書いてありますので、参照してく
ださい(長文になるので引用しません)。


>この例からも分かるように、単なる数行の文章では「物事の真相」
>を見つけることは難しいことが、理解できると思います。

それがわかっているから、数行の引用はあまりやりたくないのです。で、長
文の引用はしんどい :) ので、参照すべき書名を提示しているのです。そし
て、「物事の真相」を見つけたいなら、その書物を参照して批判するなり賛
同するなりしてください。

まぁ、あなたは参照もしないで難癖つけるのが得意な人であることは承知し
ていましたが、今回改めて認識を深くしました。

# もう引用せんとこ...


>> ですから、「外部からあたためているだけ」の証拠(そのような
>> 駆動機関を持った魚雷の具体例)を例示していただけませんか?
>
>それは少しでも「原動機」のことを理解している方なら、しごく当
>然の常識であって、いまさらするほどのことも無いのですが簡単に
>説明して見ましょう。

(以下中略)

>上の「燃焼室を設けてあっためたもので走るのが熱走魚雷.」と書
>かれてありますが、これが正に「外燃の空気機関」と言うことです。
>
>「東大精密」さんがこのような見解を書かれたと言うことは、恐ら
>くどこかの「専門的な文献」に出ていたと言うことでしょうね。
>
>「うちの学科は戦前は魚雷とかも研究していた」とか言われるほど
>の方が、「まかり間違っても,内燃機関じゃないんだけどな.」と
>言ってられたので間違いはないでしょう??( Kaz SHiMZ)さ~ん。

あの、ご自分で書かれた記事 <3510E652...@i.bekkoame.or.jp> を読み
返してください。上記の中井説を、他の方の投稿を論拠として、あなた自身
が論駁しておられましたよね? teruo Takeuchi は複数存在するのですか?

teruo> ------------------------------------------------------------------
teruo> 元記事 fj.engr.mech Re: Armoring of MBT( MBTの装甲 )E.
teruo> news:6eaeil$fc$1...@fserv.edsys.center.nitech.ac.jp
teruo> ○ ( Hiroaki Kawasawa )さん wrote: 98/03/13
teruo> > 普通内燃機関というのは,ガスサイクルの中で燃焼が有るもの,つまり
teruo> > ガスサイクルの作動流体が燃焼ガスであるものをさすのではないでしょ
teruo> > うか?
teruo> > そのサイクル内に気液の2相を持ち,液体の蒸発による体積膨張を利用
teruo> > する形のものでなければ作動流体が蒸気であろうとも蒸気機関とは呼び
teruo> > ません.
teruo> ------------------------------------------------------------------
(中略)
teruo> 内燃機関と言うのは作動流体が燃焼ガスで有る、と百科事典にも出ていま
teruo> すので説明は省きますが、( NAKAI Tetsushi )さんが考えている様に、
teruo> シリンダーの中で燃焼すると言う考えは、思考のはばを狭めます。

で、私の「内燃機関」の捉え方は、首尾一貫して「広義の内燃機関」です

# で、結局、teruo Takeuchi の「外燃機関」説の確実な証拠の提示は皆無。


さて、糸魚川さんの記事を引用した部分までばっさり省略して、

>どうもこの記事からすると圧搾した酸素の圧力でピストンを動かし、
>その排気された酸素と燃料を燃焼させて「加熱室」をあたためてい
>たと考えれば良いようですね。

ああ、なんたる無知 :)

# 「非常識」はこういう文面にこそ似つかわしい...

従来の高圧空気を使用した熱走式は、「潜水艦入門」にある通り

>  高圧空気を加熱室に送りこみ、ここに石油を噴射して
>  点火爆発し、これに水を噴射してできた混合気を
>  シリンダーに送り、ピストンを駆動させる方式である。

で、酸素魚雷は上記の「高圧空気」を「高圧酸素」に置き換えたものです。


>転載許可をもっらっていませんので( ○○ )さんで失礼します。

はいはい。

> それと93式魚雷と言うのは空気魚雷ですね。方式としては外
> 燃式になりますが、酸素では無く空気を使用するものです。
>
> 93式魚雷は航空機搭載用の魚雷ですので、航続距離はそれほ
> ど重視されず(1500m程度)、信頼性と維持管理の容易さ
> を重視したものと思われます。

九三式魚雷といえば水上艦搭載用の酸素魚雷です。日本海軍の航空魚雷で有
名なのは九一式のほうで、これは、中井さんの挙げられた「海軍水雷史」と
九一会編「航空魚雷ノート」(ともに東京神田神保町の文華堂書店で入手で
きます。本日在庫確認済)の両方に出ています。

# 「コンバット AtoZ シリーズ4 図解海軍水雷戦隊」も文華堂書店あり
# ました。文華堂書店は通信販売もやっています。

>( Kaz SHiMZ )さんお分かり頂けましたでしょうか。

はぁ、糸魚川さんのことはよく存じていますが、○○さんの方は、思い切り
勘違いされていますね。こういう情報は鵜呑みにして、中井さんや田中(圭)
さんの所論には頭から(論理ではなく感情で)反発するスタンスが、チト理
解できません :)

>「木俣滋郎」さんの書かれたものより、「数段詳しい方」がおられ
>ることが分かったでしょう。

いや、teruo Takeuchi さんの場合「類は友を呼ぶ」のだなぁ、ということ
が判っただけです。いろいろなメールが集まってくるのですねぇ...

ではでは。

teruo Takeuchi

unread,
Feb 10, 2000, 3:00:00 AM2/10/00
to
2000/02/10 Takeuchi
□ 「93式魚雷」は本当に「内燃機関」?(内燃の定義)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships

>>2.それから「これは内燃機関の一種で」と言う説明は、その上
>> の「熱空気型」のことを指して言っているのだと思います。

> 「燃焼ガス型」とか「燃焼蒸気型」をも内燃機関に分類すること
> もありますので

そう言うことでは無く「内燃機関」の一種で有るものを「熱空気型」
と呼ぶことを、何とも変な表現の仕方だと指摘しているわけです。

> >>  ここに石油を噴射して点火爆発し、これに水を噴射して

それからもう一つ変なところがありました。上の「点火爆発」と言
うところですが、普通こう言う「連続燃焼機関」の場合には「爆発」
などと言う表現は決して使いません。

シリンダー内で燃焼するタイプの内燃機関では、「爆発」と表現す
る場合もありますが、この場合も厳密な意味では「燃焼」なのです。

> 魚雷の機関が「外燃機関」であるとされる場合、
> それは「シリンダ内燃焼ではない」という理屈が普通です。

その認識こそが根本的な「大間違い」なのです。

「内燃機関」の定義は前前回の記事で(Hiroaki Kawasawa)さんが
完璧にされています。これは「百科辞典」などでも調べて確かなこ
とが分かっています。もう一度良く理解できるまでお読みください。

> 中井> 一般的に機械の分野だと内燃機関というのは,シリンダの
> 中井> 中でガスを燃焼させるもの

これに対する解答は、すでにしたことが有りますので解決済みの問
題です。すなわち間違いであると言うことです。

それだけでは無く、もし「ガソリン機関」のようにシリンダの中で
燃料を燃焼させるタイプの「内燃機関」だと仮定すると、その燃焼
は《 断続的な燃焼になり「爆発音」が起こりますから 》
「魚雷のエンジン」としては、まったく使えない方式となります。

> 中井> 熱走魚雷というのは,まず燃焼室があってここに空気とケ
> 中井> ロシンと水の噴射をして燃焼させ蒸気ガスを発生させ,

> 中井> 上記のエンジンは外燃機関と呼ぶと思うのですが.

仮に「熱走魚雷」の定義が上のような「内部の燃焼」だとすると、
( Hiroaki Kawasawa )さんの説明のごとく「作動流体が燃焼ガス」
であるので、「内燃機関」となり、上の呼び方は間違っていること
になります。

> 「空気を外から加熱している」のだと考えておられるのですか?
> 燃焼に必須の酸素はどこから供給されていると認識されているの
> でしょうか?

前回の記事でも少し動作方式を説明しましたが、「外燃の空気魚雷」
と仮定すると次のような動作になります。

------------------------------------------------------------
1.「ボンベ」に入った「高圧圧縮空気」を「加熱室」に噴射する。
2.「加熱室」に入った空気は「燃料によるバーナ」で加熱される。
3.「膨張した加熱空気」はバルブの制御によりピストンを動かす。
4.「ピストン」を動かし終わった空気は低圧となり排気をされる。
5.「排気された低圧空気」は「バーナ」燃焼用のエアー源となる。
6.「燃焼し終わった排気ガス」は水中に放出され海水に溶けこむ。
------------------------------------------------------------

ちなみに「空気を外部から加熱する機関」としては、スターリング
エンジンと言うのも有りまして、日本の新型潜水艦にはこの機関が
使われるのだそうですよ。

感想ですが、エンジンの議論をするのであれば「外燃」「内燃」の
定義ぐらいは最低限マスターしてからにして欲しいと思いました。

> 同時代の米軍の魚雷の駆動機関を「内燃機関」と認識するのは広
> 義の内燃機関の定義に基づくものであり、

「内燃機関」の定義に「広義」とか「狭義」とか、そう言う種類の
ものは何も無いのです。

( Hiroaki Kawasawa )さんの説明をもう一度良くお読みください。
これがすんなり理解できない事には正確なことは何も分かりません。

> そのスタンスであれば日本海軍の九三式酸素魚雷の駆動機関も
> 「内燃機関」にならざるを得ないはずなのに、

アメリカの方式は「過酸化水素水」と言う液体を使ったものですか
ら、恐らく日本の酸素魚雷と呼ばれるものとは違うもののはずです。
同じように考えることなどはまったく出来ません。

>>また、「酸素魚雷」とは書いてはありますが、それを燃焼に使っ
>>た「熱機関」だとすら書いてはありません。

> はぁ、「潜水艦入門」の pp131-133. には書いてありますので、
> 参照してください

今回のように2冊の本が有って、それぞれに違うことが書いてある
場合、どちらの見解を取るのが良いかは、どうして決めれば良いの
でしょうか。

単に「こちらが正しいと思い信じるだけ」のことであれば、それは
単なる《 宗教 》でしかありません。確実な証拠を見つけることで、
その正しさが決められるわけです。

> 文の引用はしんどい :) ので、参照すべき書名を提示しているの
> です。そして、「物事の真相」を見つけたいなら、

私は何度も言っていますように「日本の魚雷に関しては分からない」
と言う立場ですから、何が正しいかを「本などを買ってまで」する
つもりは無いのです。

> # で、結局、teruo Takeuchi の「外燃機関」説の確実な証拠の
> 提示は皆無。

そうですよ。私自身は「分からないと」言っていますので、証拠を
示す必要は無いのです。

「何かを証明したいと思った人」こそが、誰にでも納得の行くよう
な「確実な証拠を示して」説明すれば良いだけのことです。

しかし今回、複数の方が「魚雷は外燃機関である」と言われている
ことが分かったわけですから、その意見も謙虚に検討して見る必要
があると言っているだけのことです。

> 従来の高圧空気を使用した熱走式は、「潜水艦入門」にある通り

そのように、確たる証拠も無く単純に信じてしまうことを《 宗教 》
と言うのでしょう。

# 私は最近「宗教のグループ」( news:fj.life.religion ) に
良く行くのですが、良かったらご一緒にいかがですか。
「内燃教の教祖さま」でもやりはじめますかねぇ。?(笑)

> 中井さんの挙げられた「海軍水雷史」と九一会編


> 「航空魚雷ノート」(ともに東京神田神保町の文華堂書店で入手
> できます。本日在庫確認済)の両方に出ています。

私の場合、基本的には「実物写真」や「詳しく詳細に書かれた文書」
あるいは「論理的に明快な説明」以外のものは、信用しない立場を
とっています。

# 昔々には「大本営発表」などと言う「真っ赤なうそ情報」があ
りましたよねぇ。ご存知だったでしょうか。?

私が《「93式魚雷」は『星型エンジン』などでは無いのだよ。》
の記事で引用した「駆動部の写真」のように、「明快な証拠付き」
の記事を今後は( Kaz SHiMZ )さんにも期待したいと思います。

くれぐれも《 宗教 》にだけはならないよう、気を付けましょうね。

NAKAI Tetsushi

unread,
Feb 12, 2000, 3:00:00 AM2/12/00
to
中井@東大精密です.

>>>>> 時刻 Thu, 10 Feb 2000 11:57:00 +0900に
teruo Takeuchi <take...@mx2.tiki.ne.jp> さんは言いました。

> ------------------------------------------------------------
> 1998/01/21 Re: [Q] References for torpedo's "engine"
> <MR.NAKAI.98...@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp>
> ------------------------------------------------------------
> 中井@東大精密です.
> # 余談ですが,うちの学科は戦前は魚雷とかも研究していた
> みたいですが…

> せっかく参考文献示したから,いい加減なことは書きたくなく
> てうちで調べてこようと思ったけど,まあ,この調子だから大
> 雑把でいいや.

> あのさ,冷走魚雷ってのが,圧縮空気でピストンを駆動して走
> る奴,これが最初.

> そんでもって,パワーが足りないから,燃焼室を設けてあった
> めたもので走るのが熱走魚雷.燃料は,ケロシンとか用いたみ
> たい.

> まかり間違っても,内燃機関じゃないんだけどな.
> だからさ,魚雷は内燃機関じゃなく,外燃機関なの.

> まあ,あとの技術利用の話は,どっか,fj.engr.* あたりで
> やって下さい.
> ------------------------------------------------------------

この部分は訂正させて下さい.「魚雷用噴水加熱機関」としておいて下さい.

> 上の「燃焼室を設けてあっためたもので走るのが熱走魚雷.」と書
> かれてありますが、これが正に「外燃の空気機関」と言うことです。

> 「東大精密」さんがこのような見解を書かれたと言うことは、恐ら
> くどこかの「専門的な文献」に出ていたと言うことでしょうね。

「海軍水雷史」186ページの「魚雷関係の研究論文」とありまして,その中
に日本の大学で学位論文として認められた論文タイトルが列挙してあります.

その中で

昭和4年3月 三菱造船(株)長崎兵器製作所,福田由朗(工博)
「魚雷用噴水加熱機関の性能」

がありますので,当時としてはそう呼ばれていたと考えられます.

> 「うちの学科は戦前は魚雷とかも研究していた」とか言われるほど
> の方が、「まかり間違っても,内燃機関じゃないんだけどな.」と
> 言ってられたので間違いはないでしょう??( Kaz SHiMZ)さ~ん。

また,前述書の中で,内容180ページに渡る第1編「魚雷兵器」の記述の中で,
魚雷の馳走機関を「内燃機関」と言及しているのは,わずかにオットーサイク
ルの試製魚雷BYの箇所であることも付記しておきます.


> -- 糸魚川潔 (いといがわきよし) ---------------- vvvvvvvv
> -- マイクロデータ株式会社 -- +◎--◎+

> BY型と呼ばれる内燃式の魚雷も開発されてはいたのですが、
> 数々の技術的問題があり、実戦配備されるまでにはいたらな
> かった、とされています。


> 転載許可をもっらっていませんので( ○○ )さんで失礼します。
> ------------------------------------------------------------
> 1998/03/26 Re: メール有り難う御座いました。( Re:魚雷の)
> ( ○○ )さんからのメール。
> ------------------------------------------------------------
>> (BY型)というのが(93式魚雷)の事だったのでしょうか。

> これは違います。BY型と言うのは純粋な内燃機関で、いわゆ
> る自動車のエンジンに近いものです。

> この方式は燃焼効率が良く、馬力が出せるため、高速魚雷に発
> 展する事が期待されていたらしいのですが、熱処理が解決でき
> ずに、開発が中止されています。

「海軍水雷史」61~62ページによれば,V型12気筒のオットー・サイクルの
内燃機を搭載した試製魚雷を三菱造船(株)長崎兵器製作所で完成しています.
ただ,熱処理というもとの◯◯さんの記述は不正確かと思います.同書62ペー
ジから引用しますと,

「 処が航送の途中、一個か二個の気筒が時々 miss-fire し雷速が一時的に低
下し,従って深度機の吊錘が不規の運動をする為,横舵機が変調し魚雷が頭を
水面に一時的に上げ又深度につくという現象を呈した.

原因調査の結果,主機械の空気効率をあげるため,気筒内の圧縮比を極め
て高くせざるを得なかった為,点火プラグの火花間隙を極端に小さくした.こ
の為プラグの端子間に一時的に,炭素の粉がつきショートしたためであること
が判明した.長崎兵器は,これの対策を講ずるためにはディーゼル機関による
以外に方法はなしとの結論を出し,オットー式の内燃魚雷をあきらめ,大井上
技師を欧米に派遣して,小型ディーゼルの研究を進めたが,彼の帰朝後三菱の
神戸造船所に移し,専らディーゼル自動車の研究に転身させたので,魚雷とは
別方向に進む事となった.」

私は,発動機の方は疎いもので,以上のような現象のことを熱処理と専門家
の方々おっしゃるのでしょうか?

> ( Kaz SHiMZ )さんお分かり頂けましたでしょうか。
> 「木俣滋郎」さんの書かれたものより、「数段詳しい方」がおられ
> ることが分かったでしょう。

ちなみに,「海軍水雷史」の第一編 「魚雷兵器」の執筆者のかたは,大八
木静雄 元技術少将で旧海軍において魚雷を研究なされていた方ですので,こ
の方より旧海軍の詳しい証言は得られないと思います.

> # そろそろ春ですね~。次はどんな記事を書こうかな~。

いや~,teruo Takeuchi 氏の電波系の投稿に反応するの180ページも本を読
んでしまいました.全然割が合わん気分ですね.

電波ならどこかよそに飛ばして下さい:-)

--
Tetsushi Nakai E-MAIL:Mr.nakai@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp
my pgp
Key fingerprint = FE 9B B5 23 15 1F DE 46 3E E8 88 01 1C 90 0C 89

teruo Takeuchi

unread,
Feb 13, 2000, 3:00:00 AM2/13/00
to Kaz SHiMZ
2000/02/13 Takeuchi
□ 「93式魚雷」は本当に「内燃機関」?(空気を外から加熱)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships

> ちなみに、あなたの書く「空気を外から加熱する」方式の外燃機
> 関を積んだ魚雷の具体例を、私は知りません。

上のご質問が「日本の魚雷」に限って言われていることなら、私も
残念がら証拠を提示することは出来ません。

しかし「アメリカの魚雷」も含んだ全世界に対することを言ってい
るのだとすれば、すでに下のような記事を書いたことが有ります。

------------------------------------------------------------


1998/02/01 TAKEUCHI <34D3C726...@i.bekkoame.or.jp>
魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)( 第二次世界大戦前の魚雷 )

http://members.dialnet.net/rrupert/ustorp1.html
------------------------------------------------------------
6
(略)
The propulsion systems were compressed air powered, three
cylinder, radial Brotherhood pattern engines.

The distinguishing technical features of these torpedoes
as compared to the Whiteheads were, larger diameter (21"),
turbine engines, alcohol fired dry heaters and higher
pressure air.

その推進装置は圧縮された空気を動力源として、3個のシリンダー
を持ち、星形配列のエンジンでした。

( Whitehead ) の設計に匹敵したこれらの魚雷を見分ける技術的
な特徴は、より高圧の空気を使いアルコール燃料の乾燥ヒーターを
持った、より大きい直径の21インチ、タービンエンジンでした。
------------------------------------------------------------
7
The use of chemical energy, the heat of combustion of alcohol,
was a great innovation, but similar innovations were being
made by both Whitehead and Armstrong at about the same time.
(略)
Three Decades of Torpedo Development: 1908-1938
(略)
The Bliss-Leavitt Mk.7 was the last 17.7" torpedo acquired by
the US Navy, but it was a milestone.It introduced cooling of
the combustion chamber by spraying water into it in addition
to the fuel and air.

The resulting mixture of steam and combustion products was
a better working fluid for the turbine than heated air and
dramatically improved the range.

アルコール燃焼熱によるその化学エネルギーの使用は、偉大な革新
でしたがしかし、同様の革新は( Whitehead )と( Armstrong )
両者ほぼ同時に作られつつ有りました。

魚雷開発1908-1938年の30年間

( Bliss-Leavitt ) 設計の(Mk.7)は最後の17.7インチ

魚雷で、アメリカ海軍にとって手慣れたものでしたが、しかしそれ
はほんの一里塚でした。導入されたその燃焼室の冷却方法は、燃料
や空気に加えてその中に直接水噴射しました。

スチームと燃焼ガスの混合生成ガスは、熱せられた空気と劇的に改
善された燃焼温度の高低差よりも、タービンのためにはより勝れた
働きをする流動体でした。(誤字訂正1個所)
------------------------------------------------------------

上の記事はすべて年代順に書かれたものと思いますが、この記事か
ら分かることは、
------------------------------------------------------------
「より高圧の空気を使いアルコール燃料の乾燥ヒーターを持った」
------------------------------------------------------------

と、書かれていますので、少なくとも一時期のアメリカの魚雷に関
しては、空気の(乾燥ヒーター)を持った「外燃空気機関」の存在
していた事は明らかに分かります。

日本の場合はまったく分かりませんが、アメリカの場合には下のよ
う時間経過で開発が進んだようです。

------------------------------------------------------------
1.圧縮空気式。(圧縮空気の空気圧のみで動かす空気機関)
2.加熱空気式。(暖めた空気の圧力で動かす外燃空気機関)
3.燃焼蒸気式。(空気と水と燃料を燃焼する内燃蒸気機関)
4.化学燃料式。(過酸化水素と燃料を燃やす内燃蒸気機関)
------------------------------------------------------------

A.空気蒸気式。(空気と水噴射蒸気で動かす外燃蒸気機関)
B.純粋蒸気式。(水を加熱して蒸気で動かす外燃蒸気機関)
------------------------------------------------------------
(AとB)の方式は、アメリカの場合なぜか見つかりませんでした。

2番の「外燃式の空気機関」が存在することは上で説明しましたね。

3番の「燃焼蒸気式の内燃機関」は、4番「化学燃料式の内燃機関」
になる前にアメリカでは開発されていたことになりますから、日本
でも作られていた可能性も否定は出来ないと思います。

「93式」が「水と空気の両方を使う蒸気機関」だったとするなら
ば、結局3番の方式かA番の方式のどちらかと言うことになります。

アメリカではA番の方式が無いところを見ると、「93式」も3番
の「燃焼蒸気式の内燃機関」で有った可能性は「否定は出来ない」
と思います。

後は確実な証拠が欲しいところです。 (@^.^@)

私は( Kiyoshi Itoigawa )さんに、メールで直接その「外燃機関
と考えることの根拠」を聞かれるのが早道だと思います。?

>> それと93式魚雷と言うのは空気魚雷ですね。
>> 93式魚雷は航空機搭載用の魚雷ですので、

上の( ○○ )さんの記事ですが、「93式」のところを「91式」
に変えれば、すべて問題は無いのでは無いでしょうか。?
何か単純な間違いのようですね。

# ご返事がありましたら、ニュースで結構です。

Tohru FUKUSHIMA

unread,
Feb 14, 2000, 3:00:00 AM2/14/00
to
In message <38A6ABFC...@mx2.tiki.ne.jp>,
teruo Takeuchi <take...@mx2.tiki.ne.jp> wrote...

|
|( Whitehead ) の設計に匹敵したこれらの魚雷を見分ける技術的
|な特徴は、より高圧の空気を使いアルコール燃料の乾燥ヒーターを
|持った、より大きい直径の21インチ、タービンエンジンでした。

 (Bliss-Leavitt魚雷の)Whitehead魚雷に対する
技術的特色上の大きな違いは、大径(21インチ)、
タービンエンジン、アルコールを燃料とする乾式ヒーター、
そしてより高圧の空気であった。


|アルコール燃焼熱によるその化学エネルギーの使用は、偉大な革新
|でしたがしかし、同様の革新は( Whitehead )と( Armstrong )
|両者ほぼ同時に作られつつ有りました。

 アルコールの燃焼熱という化学エネルギーの利用は
偉大な革新的出来事ではあったが、同様の技術革新は
ほぼ同時期にWhiteheadとArmstrongによっても
なされつつあった。


|( Bliss-Leavitt ) 設計の(Mk.7)は最後の17.7インチ
|魚雷で、アメリカ海軍にとって手慣れたものでしたが、しかしそれ
|はほんの一里塚でした。導入されたその燃焼室の冷却方法は、燃料
|や空気に加えてその中に直接水噴射しました。
|
|スチームと燃焼ガスの混合生成ガスは、熱せられた空気と劇的に改
|善された燃焼温度の高低差よりも、タービンのためにはより勝れた
|働きをする流動体でした。(誤字訂正1個所)

 Bliss-Leavitt Mk.7は米海軍に納入された最後の
17.7インチ魚雷であったが、しかしそれは画期的な
ものであった。燃焼室内部に燃料と空気とに加え
清水を噴射することで燃焼室を冷却する技術が
導入されたのである。その結果生じる、混合した蒸気と
燃焼生成物は、タービンにとっては加熱された空気よりも
良好な作動流体であり、射程距離は劇的に改善された。


 というわけで…

|------------------------------------------------------------
|「より高圧の空気を使いアルコール燃料の乾燥ヒーターを持った」
|------------------------------------------------------------
|
|と、書かれていますので、少なくとも一時期のアメリカの魚雷に関
|しては、空気の(乾燥ヒーター)を持った「外燃空気機関」の存在
|していた事は明らかに分かります。

 …たけうち氏による "dry heater" の訳が変だという
だけの話では。


 "dry heater" を乾燥ヒーターと訳することの問題は、
概ね次のようになるかと思います:

1) 「空気を乾燥」させる必然性は何処にあるのでしょう?
空気を暖めれば体積が膨張するのは判りますが、
それは乾燥させることとは別の話です。

2) 外燃機関では機関本体の外で燃焼を行うはずですが、
上記引用部には「外で燃やす」という表現は
何処にも見当たりません。
本当にそうならかなり珍しいものと思うのですが、
何故記載がないの?

3) 上記特徴はBliss-Leavitt Mk.1~3のみならず
推進装置の基本構成に大きな変更がないMk.4~6にも
あてはまるはずですが、もしこれらが
作動流体たる圧縮空気を外部から暖める方式なのだとすれば、
作動流体として燃焼生成ガスを用いるMk.7との間には
大きな、おそらくは "innovation" と呼ぶに相応しい
変化があることになります(何せ外燃式→内燃式への
パラダイムシフトなのですから)。
しかし、そうした記載は上記文献の何処にも認められません。

 こうした複数の疑問が生じること、及び他の文献に記された
魚雷推進装置の発展の歴史(*1)との整合性に鑑みるなら、
"dry" はむしろ、後に出現するBliss-Leavitt Mk.7の湿式(*2)、
すなわち燃焼室内に清水噴射を行う方式と対比させた
「乾式」と訳する方がより妥当ではないかと思われます。

(*1) 世界の艦船1999.1 (No.547) 特集・潜水艦のすべて
1906年には圧縮空気で燃料を燃やしてレシプロあるいは
タービン機関を駆動する熱走魚雷が登場して(以下略)
…野木圭一「潜水艦搭載兵器の変遷」から引用

世界の艦船1992.2 (No.446) 特集・アメリカの潜水艦
潜水艦草創期の魚雷はホワイトヘッドの縦舵機付き
冷走魚雷だったが、間もなく乾式加熱装置を備えた
タービン魚雷になり、1912年から噴水加熱装置付きの
純然たる熱機関魚雷を搭載した。これは駆逐艦と共用の
Mk7魚雷である。
…高須廣一「米潜水艦のウェポン・システム」から引用

これら記事に記された乾式・湿式熱走魚雷の登場時期は、
Milford FJ "US NAVY TORPEDOES" に記載された
Bliss-Leavitt Mk.1~3(1904~1906年)及び
同Mk.7(1911年)の配備時期とほぼ一致する。

(*2) この表現は清水さんの記事
<87lg36$34$1...@news00.iij4u.or.jp> にも
登場していますね。


|「93式」が「水と空気の両方を使う蒸気機関」だったとするなら
|ば、結局3番の方式かA番の方式のどちらかと言うことになります。

 93式長魚雷を上記分類にあてはめるなら、3番の進化形である
4番相当(ただし過酸化水素ではなく酸素+清水を用いる)と
するのが妥当かと。

--
end
------------------------------------------------------------------------
Tohru FUKUSHIMA%「と」でない人の間では、それがcommon senseです
fu...@mb.infoweb.ne.jp

Itosan

unread,
Feb 14, 2000, 3:00:00 AM2/14/00
to
In article <87tel1$qfh$1...@newsserv.cc.ehime-u.ac.jp>, t-n...@en2.ehime-u.ac.jp
says...

>> それと93式魚雷と言うのは空気魚雷ですね。方式としては外
>> 燃式になりますが、酸素では無く空気を使用するものです。
>>
>> 93式魚雷は航空機搭載用の魚雷ですので、航続距離はそれほ
>> ど重視されず(1500m程度)、信頼性と維持管理の容易さ
>> を重視したものと思われます。

>これが例の「魚雷に詳しい人からのメイル」の内容でしょうか?


>93式酸素魚雷と91式航空魚雷の区別も付かないような人が、
>“「木俣滋郎」さんの書かれたものより、「数段詳しい方」”
>なんですか?

 私の(なつかしい)投稿のよーな気がします。

 あ、これは恐らく91式と93式をモロにタイプミスしています。(汗)
# この前の投稿には93式酸素魚雷と表現してますんで区別がつかない
# 訳では無いんです....   <-- 言い訳がましいですけど

>航空機用にも酸素魚雷は存在するんですけどね。

 94式酸素魚雷と言うのがありますね。

 これは扱いが難しい事と、生産過程が複雑な事から91式航空魚雷
 の需要増の圧迫を受けて生産が中止されたと記憶しております。

# 91式の生産が安定した後に再開されたのかもしれませんので、94
# 式の「その後」については詳しくありません。

># その某氏がNetNewsに出てきたがらないのも分かる気がする...

 (T_T)

 最近は fj.(sci)rec.military が静かだったのでROMもしてなかった
 のですが、知らない間に盛りあがっていますね。

 過去の経緯がわからないので参加できないのですが、話の流れ
 からすると、魚雷の発動形式の分類の話題なのでしょうか?
 
 私的には、たまたま効果のあったものが表面にでているだけで、
 戦時中の兵器と言うのは多種な形式を試作、実戦投入している結
 果、例外だらけで「分類不可能」と言う所が正直な所では無いで
 しょうか?

# 内燃(BY)も外燃も酸素も空気もありますし、ロケットもあったよーな....

teruo Takeuchi

unread,
Feb 14, 2000, 3:00:00 AM2/14/00
to
2000/02/14 Takeuchi
□ アメリカの魚雷のエンジン。(93式魚雷)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Tohru FUKUSHIMA )さん news:fj.rec.ships
news:8872ds$mhh$1...@nw042.infoweb.ne.jp

>  (Bliss-Leavitt魚雷の)Whitehead魚雷に対する
> 技術的特色上の大きな違いは、大径(21インチ)、
> タービンエンジン、アルコールを燃料とする乾式ヒーター、
> そしてより高圧の空気であった。

>  アルコールの燃焼熱という化学エネルギーの利用は
> 偉大な革新的出来事ではあったが、同様の技術革新は
> ほぼ同時期にWhiteheadとArmstrongによっても
> なされつつあった。

>  Bliss-Leavitt Mk.7は米海軍に納入された最後の
> 17.7インチ魚雷であったが、しかしそれは画期的な
> ものであった。

> 燃焼室内部に燃料と空気とに加え
> 清水を噴射することで燃焼室を冷却する技術が
> 導入されたのである。その結果生じる、混合した蒸気と
> 燃焼生成物は、タービンにとっては加熱された空気よりも
> 良好な作動流体であり、射程距離は劇的に改善された。

> | --------------------------------------------------------
> | より高圧の空気を使いアルコール燃料の乾燥ヒーターを持った
> | --------------------------------------------------------

> 1) 「空気を乾燥」させる必然性は何処にあるのでしょう?
> 空気を暖めれば体積が膨張するのは判りますが、
> それは乾燥させることとは別の話です。

現在から見れば、当時の翻訳はまずい部分も多々有ったようです。

( dry heaters )と言うのは「液体で暖める方式」に対し、直接
気体で熱すると言う事で「乾式ヒーター」又は「乾式加熱器」と訳
すのが正しかったと言うことでしょう。

> 2) 外燃機関では機関本体の外で燃焼を行うはずですが、
> 上記引用部には「外で燃やす」という表現は
> 何処にも見当たりません。

( heaters )の( ers )には「加熱作業をする人」「加熱装置」
の意味があるそうなので、「燃焼」( combustion )とは区別でき
るとは思いますが。

しかし( heater )には「焼く人」と言う意味のように、燃焼を意
味する場合も有るらしく、「燃焼」と言う意味を否定することはで
きないようです。

> 本当にそうならかなり珍しいものと思うのですが、
> 何故記載がないの?

確かに、一般日常的なエンジン類から見るとあまり知られてはいま
せんが、「スターリングエンジン」は正にこの「燃焼ヒーター方式」
で動く「外燃空気機関」なのです。

シリンダー内部に封入された気体(空気、水素など)を、外部から
「熱交換器」のパイプをかいして「バーナーで加熱」する方式です。

「スターリングエンジン」の実用化は最近ですが、歴史的には相当
に古くから考えられていたようですので、「外部加熱の空気機関」
と言うものが、そう「特殊のものだ」とまでは言えないと思います。



> 3) 上記特徴はBliss-Leavitt Mk.1~3のみならず
> 推進装置の基本構成に大きな変更がないMk.4~6にも
> あてはまるはずですが、もしこれらが作動流体たる
> 圧縮空気を外部から暖める方式なのだとすれば、

どの魚雷がどの方式だったかの細かことに付いては、私は正確には
良く分かっていませんが。

> 作動流体として燃焼生成ガスを用いるMk.7との間には
> 大きな、おそらくは "innovation" と呼ぶに相応しい
> 変化があることになります(何せ外燃式→内燃式への
> パラダイムシフトなのですから)。

------------------------------------------------------------


アルコール燃焼熱によるその化学エネルギーの使用は、偉大な革新
でしたがしかし、同様の革新は( Whitehead )と( Armstrong )
両者ほぼ同時に作られつつ有りました。

------------------------------------------------------------

上の前回の記事でも引用しましたが、この中には「偉大な革新」と
言う言葉と「同様の革新」と言う言葉が出てきています。

ですので少なくとも、この「英文の解説記事」を書かれた方にとっ
ては、「ヒーター方式」も「内部燃焼方式」もともに「偉大な革新」
だったと感じられた、と言うことなのではないでしょうか。

> しかし、そうした記載は上記文献の何処にも認められません。

何が「革新的」なのかは、人によって感じ方が異なるので、議論は
ひかえますが、技術的な発展の多くの場合は、段階的に進歩する
「部分的な改良改善」がほとんどだと思うのです。

実験の結果、もし「圧縮空気の膨張」による「気体拡張冷熱」の作
用で「膨張室」(加熱室)や「シリンダー」が凍りつくほどに冷え
たとします。

その時に技術者が思いつくことを想像すれば、「海水の熱で暖める」
とか、「燃焼の熱で暖める」とかを考えるのが、まあ普通の考え方
のような気がするのです。

>  こうした複数の疑問が生じること、及び他の文献に記された
> 魚雷推進装置の発展の歴史(*1)との整合性に鑑みるなら、

> "dry" はむしろ、後に出現するBliss-Leavitt Mk.7の湿式(*2)、
> すなわち燃焼室内に清水噴射を行う方式と対比させた
> 「乾式」と訳する方がより妥当ではないかと思われます。

その可能性は否定はできませんが、下のような部分も有りました。

------------------------------------------------------------


スチームと燃焼ガスの混合生成ガスは、熱せられた空気と劇的に改
善された燃焼温度の高低差よりも、タービンのためにはより勝れた
働きをする流動体でした。

------------------------------------------------------------

この文章に来て、はじめて「スチームと燃焼ガスの混合生成ガス」
と言う言葉を使っているところが、注意するところではないのかと
思っています。


そしてもし「乾式ヒーター」方式と言うのが「燃焼ガス」のみを使
う「内燃機関」であったとすれば、それは「ジェットエンジン」な
どの「ガス機関」と同じものになります。

そうだとすれば、すでにこの時点で「燃焼」と言う言葉が出てきて
おかしくはないような気もしますが、なぜか「ヒーター」と言う言
葉しかでてこないのです。

まあその辺が、前回の「日本の評論家の方が書いた記事」と同様に、
大変分かり難いところとなっています。

またいずれにせよ、これらの機関のンシリンダーには蒸気機関特有
の「スライドバルブ」が付いているはずです。

もしこのエンジンが「内燃のガス機関」だったとすれば、バルブは
「高温のガスにさらされ」ますので、それがうまく作動するのかに
少し疑問を持ちます。

> (*1) 世界の艦船1999.1 (No.547) 特集・潜水艦のすべて

> 世界の艦船1992.2 (No.446) 特集・アメリカの潜水艦

> これら記事に記された乾式・湿式熱走魚雷の登場時期は、
> Milford FJ "US NAVY TORPEDOES" に記載された
> Bliss-Leavitt Mk.1~3(1904~1906年)及び
> 同Mk.7(1911年)の配備時期とほぼ一致する。

> (*2) この表現は清水さんの記事
> <87lg36$34$1...@news00.iij4u.or.jp> にも登場していますね。

もし「乾式・湿式熱走魚雷」と言うものが、ともに「内燃機関」で
有ったと仮定して、それが「両方同時期に存在した」とする見解は
少し考え難いところです。

なぜなら、明らかに「水噴射をする」の「湿式蒸気熱走魚雷」の方
が、「燃焼温度的」に有利で進歩した方式なのですから、「内燃式」
の機関を作るのならすべてこの方式にしたと思うからです。

それに対して、
「水噴射式湿式蒸気熱走魚雷」が「内燃式」であり、
「外部乾式加熱空気熱走魚雷」が「外燃式」であると考えた方が、
その技術的なレベル差から考えて両方有っても不思議では無く、
それが自然なような気もします。

>  93式長魚雷を上記分類にあてはめるなら、3番の進化形である
> 4番相当(ただし過酸化水素ではなく酸素+清水を用いる)と
> するのが妥当かと。

------------------------------------------------------------


1.圧縮空気式。(圧縮空気の空気圧のみで動かす空気機関)
2.加熱空気式。(暖めた空気の圧力で動かす外燃空気機関)
3.燃焼蒸気式。(空気と水と燃料を燃焼する内燃蒸気機関)
4.化学燃料式。(過酸化水素と燃料を燃やす内燃蒸気機関)
------------------------------------------------------------

仮に「93式が内燃機関」だったとすると、単に「空気を酸素」に
置き換えただけの「気体の酸化物」の使用と言うことになり、
「3番の改良形式」とした方が適切とは思います。

液体の「過酸化水素」を使う目的は、「高圧用の重たいボンベ」が
不要なること、と英文の解説記事にも書かれていましたし、そのと
ころは私の記事でも翻訳されています

まあ今回は日本民族に対して奮発する意味でも(3.5番)ぐらい
の認識にしておきます。「日本の魚雷」だけでなく「魚雷全体」に
対して、ますます混沌のようすになってまいりました。 (@^.^@)

あとは「山口の回天記念館」にまで行って「実物を分解して見る」
しか、残された証明の方法はなさそうですね 。。。。 (@^.^@)

> 「と」でない人の間では、それがcommon senseです

# それが何んであれ「常識」と言うものも「信じているもの」の
ことですから、それも一種の《 宗教 》とは言えるでしょうね。

# もしそれが「論理的なもの」であれば、相手を説得することも
出来ますが、やはり確実なのは「証拠の提示」でしょう。

# 「常温核融合」とかと言うのも有りましたが、日本だけが信じ
て研究を進めた結果、結局「大失敗」に終わりました。

# 「トンデモ兵器」かそうで無いものかは、その方面の技術知識
と充分な経験さえあれば、明確に判断できるものです。

# 「と」と言う物を「無闇に嫌う人」こそ、「そう言うことには
疎い人なのかなぁ」と、雰囲気的には感じてはいますけれどね。

Kaz SHiMZ

unread,
Feb 14, 2000, 3:00:00 AM2/14/00
to
清水です。

記事 <38A2C132...@mx2.tiki.ne.jp> で, teruo Takeuchi
<take...@mx2.tiki.ne.jp> さんは書きました;

>感想ですが、エンジンの議論をするのであれば「外燃」「内燃」の
>定義ぐらいは最低限マスターしてからにして欲しいと思いました。

定義は把握した上で書いてます。三省堂の新明解国語辞典ではなく、
理工学社の機械工学辞典に依存している、とも明言してます。


>> 同時代の米軍の魚雷の駆動機関を「内燃機関」と認識するのは広
>> 義の内燃機関の定義に基づくものであり、
>
>「内燃機関」の定義に「広義」とか「狭義」とか、そう言う種類の
>ものは何も無いのです。
>
>( Hiroaki Kawasawa )さんの説明をもう一度良くお読みください。
>これがすんなり理解できない事には正確なことは何も分かりません。

だから、私の言う「広義の内燃機関」とは、すなわち Hiroaki Kawasawa
さんの説明と同じであり、私の内燃機関の認識もこれです、と書いている
のですが... なんだかなぁ。

>アメリカの方式は「過酸化水素水」と言う液体を使ったものですか
>ら、恐らく日本の酸素魚雷と呼ばれるものとは違うもののはずです。
>同じように考えることなどはまったく出来ません。

ワルタータービンの機構なら存じておりますので、「内燃か外燃か」に
ついては「同じように考えることはできる」と思いますが...

>> はぁ、「潜水艦入門」の pp131-133. には書いてありますので、
>> 参照してください
>
>今回のように2冊の本が有って、それぞれに違うことが書いてある
>場合、どちらの見解を取るのが良いかは、どうして決めれば良いの
>でしょうか。

あれれ?「酸素魚雷で酸素を燃焼に使ったのではない」と明言されている
本があるのでしょうか? その本の書名を再提示願えませんか?


>私は何度も言っていますように「日本の魚雷に関しては分からない」
>と言う立場ですから、何が正しいかを「本などを買ってまで」する
>つもりは無いのです。

なるほど。

>しかし今回、複数の方が「魚雷は外燃機関である」と言われている
>ことが分かったわけですから、その意見も謙虚に検討して見る必要
>があると言っているだけのことです。

だから、その「魚雷は外燃機関である」の論拠は、「内燃機関」の定義が
「シリンダ内燃焼であること」に基づくものだけでしょ、と書いている訳
です。中井さんの記事はそうでした。他の方はどうでしたか?


>> 中井さんの挙げられた「海軍水雷史」と九一会編
>> 「航空魚雷ノート」(ともに東京神田神保町の文華堂書店で入手
>> できます。本日在庫確認済)の両方に出ています。
>
>私の場合、基本的には「実物写真」や「詳しく詳細に書かれた文書」
>あるいは「論理的に明快な説明」以外のものは、信用しない立場を
>とっています。

なるほど。しかしそれは「teruo Takeuchi が信用しない」というだけの
ことですよね。で、「世間一般の評判」とは関係ない、と。

>私が《「93式魚雷」は『星型エンジン』などでは無いのだよ。》
>の記事で引用した「駆動部の写真」のように、「明快な証拠付き」
>の記事を今後は( Kaz SHiMZ )さんにも期待したいと思います。

私は「誰にでも検証可能な」明快な証拠は提示しているつもりです。記事
に直接引用しないだけのことで、原本にあたって貰えれば誰にでも判断が
可能だと思っているので、これで十分でしょう。

ところで、先日 <take...@mx2.tiki.ne.jp> 宛にメールを出したところ、
「武内 達雄」さんという方から「宛名間違ってませんか? 私は酸素魚
雷には興味ないのですが」という返信がありました。

teruo Takeuchi 氏の投稿記事にある、From: が正確な表記か否か、確認
していただけませんか?

Tohru FUKUSHIMA

unread,
Feb 14, 2000, 3:00:00 AM2/14/00
to
In message <38A76E45...@mx2.tiki.ne.jp>,
teruo Takeuchi <take...@mx2.tiki.ne.jp> wrote...
|

|確かに、一般日常的なエンジン類から見るとあまり知られてはいま
|せんが、「スターリングエンジン」は正にこの「燃焼ヒーター方式」
|で動く「外燃空気機関」なのです。

 いや、何もたけうち氏に講釈を求めずとも、そんなことは
fj.rec.militaryの参加者なら多くの方が既に御存じでしょう。

 で、そのスターリングエンジンが高出力を求められる
用途にも使われるようになったのは、20世紀後半以降の
ことのようです:

http://www.bekkoame.ne.jp/~khirata/japanese/history2.htm
http://www.bekkoame.ne.jp/~khirata/japanese/history3.htm

 件の魚雷に係る議論は、確か1900年初頭のことでしたね。


|またいずれにせよ、これらの機関のンシリンダーには蒸気機関特有
|の「スライドバルブ」が付いているはずです。
|
|もしこのエンジンが「内燃のガス機関」だったとすれば、バルブは
|「高温のガスにさらされ」ますので、それがうまく作動するのかに
|少し疑問を持ちます。

 今論じているのは、タービンエンジンを備えているが
清水噴射機構は持たないBliss-Leavitt Mk.1~6について
ですよね?

 レシプロエンジンならともかく、タービンエンジンで
どうしてスライドバルブが必要になるのか、私には
その理由が判りません。宜しければ解説を賜りたく。


|もし「乾式・湿式熱走魚雷」と言うものが、ともに「内燃機関」で
|有ったと仮定して、それが「両方同時期に存在した」とする見解は
|少し考え難いところです。

 別に問題は作動流体の温度だけではないのですが、
ともあれ原理と実装とは別の話です。どれほど原理的に
優れていようとも、それに基づいて作られた兵器が
期待通りの性能を現場で発揮しなければ、コトは自分達の
命に拘わります。いわゆる "proven in combat" であることが
珍重されるのはそういう理由からです。

 また、多少性能は劣っていても、例えばWW II当時に
ドイツが用いていた電池式魚雷G7eや米国製Mk.18が
しばしば通商破壊戦に用いられたことからも判るように、
性能で劣ることを以って直ちに利用価値がなくなるとは
限りません。

 そういうわけで、少しも考え難くなぞありません。


|それに対して、
|「水噴射式湿式蒸気熱走魚雷」が「内燃式」であり、
|「外部乾式加熱空気熱走魚雷」が「外燃式」であると考えた方が、

 清水さんやにしかわさんもおっしゃっておられるように、
それは単に言葉の定義の問題に過ぎませんので、
どの熱機関を外燃式あるいは内燃式と呼ぶかという議論に
私は関与する意思はありません。


|液体の「過酸化水素」を使う目的は、「高圧用の重たいボンベ」が
|不要なること、と英文の解説記事にも書かれていましたし、そのと
|ころは私の記事でも翻訳されています

 その代わりに過酸化水素の取り扱いの難しさに
悩まされるわけです。そのことは"US NAVY TORPEDOES"にも
記載がありますね:

http://members.dialnet.net/rrupert/ustorp3.html

|Unfortunately, there is a risk of uncontrolled decomposition
|of Navol and the attendant explosive hazard.
|HMS Sidon was lost in 1955 to just such an accident.

|There were occasional problems with spontaneous decomposition
|of the Navol, and opinions about safety differed
|with some individuals feeling it was too risky
|for submarine service.


 前者には後者にはない安全上の不利があって、逆に後者には
重量及び容積上の不利がある。とはいえ、結果として得られる
航続距離については、外径も同じ、総重量/弾頭重量とも
ほぼ同じのMk.16 mod.1と95式長魚雷とで、ほとんど差は
ありません(*)。雷跡が目立たない点でも同じ。
内燃/外燃の境目を何処に引くのかという議論と同様、
所詮は言葉遊びに過ぎませんので別にこだわりはしませんが、
私の目には大差ないもののように映ります。

(*) 95式の性能諸元は前の記事に記した野木氏の論文にも
示されていますし、ほぼ同じ値を以下のWWWサイトでも
参照できます:

http://www.skypoint.net/members/jbp/torps.htm


|# もしそれが「論理的なもの」であれば、相手を説得することも

 あ、たけうち氏を説得するつもりは毛頭ありませんです。
そんなことが可能だなどとは全く思っていませんから :)

--
end
------------------------------------------------------------------------
Tohru FUKUSHIMA

fu...@mb.infoweb.ne.jp

teruo Takeuchi

unread,
Feb 14, 2000, 3:00:00 AM2/14/00
to
2000/02/14 Takeuchi
□ 「93式魚雷」の話題は一時お休みにしたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships

「93式魚雷」の話題に付いては、お互いに「論理的な証明」も難
しいようですので、新たな証拠が出てくるまで一応お休みにしたい
と思います。

2000/02/14 アメリカの魚雷のエンジン。(93式魚雷)
news:38A76E45...@mx2.tiki.ne.jp>

上記のスレッドで、「魚雷エンジンの一般的な話題」にテーマを替
えましたので、良かったら今後はこちらの方に参加下さい。

それから「内燃と外燃」の定義に付いてもう一度調べて見ました。

他の百科辞典では、基本的な部分は前回と同じ内容の説明でしたが、
「シリンダー内で燃焼するものを、内燃機関と呼ぶ場合も有る」と、
但し書きが書かれていたものも有りました。

また、アメリカの特許の表題には、「外燃の機関」と出ていたのに、
これが「シリンダーの外で燃焼するだけ」の「内燃機関」の図面に
なっていたのが有りました。

良くは分かりませんが、「日本とアメリカ」でも、その「内燃外燃」
の定義には、違いが有るのかも知れません。ややこしいもんですね。

> teruo Takeuchi 氏の投稿記事にある、From: が正確な表記か

# 大変申し訳無いです。
最近設定しなおした時に間違ってしまったようなのでした。
間違った方にはお詫びのメールを送っておきました。

正しいアドレスは、 mailto:take...@mx2.wt.tiki.ne.jp です。

KIDZU takashi

unread,
Feb 15, 2000, 3:00:00 AM2/15/00
to
こんにちは、木津@阪大です。

# いちおー Followup-To: fj.misc を指定しています。

>>>>> In article <w04sbfa...@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp>, NAKAI Tetsushi <na...@tsl.pe.u-tokyo.ac.jp> writes:

>> いや~,teruo Takeuchi 氏の電波系の投稿に反応するの180ページも本を読
>> んでしまいました.全然割が合わん気分ですね.

そりゃそうでしょう。teruo Takeuchi 氏自身こうおっしゃっておられます。

>>>>> In article <373799C2...@i.bekkoame.ne.jp>, teruo Takeuchi <take...@i.bekkoame.ne.jp> writes:

>> まあ意識してやってるわけでも無いのですが、適度に間違いの入った、俗に
>> 言う「アバウトな記事」を書けば、その記事内容に何か言いたい人が必ずと
>> 言っていいほど登場してきて、結果として話題が盛り上がると言う効果も、
>> 有るようにように思うのですよ。
>> 私個人のメリットとしては、その結果いろいろと詳しい知識が得られて有り
>> がたいとは思ってます。そう言う意味で、適当にアバウトな記事も、また意
>> 味があるのでは無いかと、個人的には思っているのですけどね。

要するにウソをばらまいても、その悪影響を見かねた誰かからマトモな情報をふ
んだくれて幸せっつーわけですな。

『情報略奪者』にきっちりしたフォローをするのって「思うツボ」とゆーもの
でわ。

P.S.
だいたい福島さんが「むちゃくちゃなこと」(*)と評されたのは93式魚雷のエ
ンジンが星型かどうかなんてことではなかったりします。あたかもそれについて
評したかのように編集し、subject をつけていますけれど。しょせん、そーゆー
記事なんです。

(*)<6p7jvu$cdr$1...@nw013.infoweb.ne.jp>

木津 隆史@情報数理系専攻.基礎工学研究科.阪大 伊熊猫賞×4
ki...@ics.es.osaka-u.ac.jp
--「良かったをさがすんだ」
--`Happiness is mandatory. Are you happy?'

teruo Takeuchi

unread,
Feb 17, 2000, 3:00:00 AM2/17/00
to
2000/02/17 Takeuchi
□ 《 ガスタービン 》の魚雷。(アメリカの魚雷)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Tohru FUKUSHIMA )さん news:fj.rec.ships
news:888sp7$35i$1...@nw042.infoweb.ne.jp

> で、そのスターリングエンジンが高出力を求められる用途にも使
> われるようになったのは、

「スターリングエンジン」の実用化が難しかったのは、その熱効率
の悪さだったのですが、エンジンの内部に存在する「熱交換方式」
の構造などからも分かるように、本質的に「複雑な形式の空気機関」
だとは、言えると思います。

それに対して、「魚雷で使う場合の空気機関」の方式では、蒸気機
関と同様に、単に送りこまれる空気を加熱するだけのことですから、
同じ「空気機関」とは言ってみても、スターリングエンジンとは単
純に比較し難い問題とは言えると思います。

> 今論じているのは、タービンエンジンを備えているが清水噴射機
> 構は持たないBliss-Leavitt Mk.1~6についてですよね?

http://www.geocities.com/Pentagon/1592/ustorp1.htm

もう一度上の記事を読みなおして見たところ、Mk.1~Mk.3
までは( Whitehead )と( Bliss-Leavitt )の双方に同じ型番の
魚雷が有り、統一した型番はMk.4からだそうです。

> タービンエンジンでどうしてスライドバルブが必要になるのか、

( Whitehead )のMk.1~Mk.3は「単なる圧縮空気方式」
で、「星型3気筒のレシプロエンジン」と書かれていました。

( Bliss-Leavitt )のMk.1~Mk.3は「加熱空気方式」で、
「タービンエンジン」らしいです。

もし「タービン方式」ならば「内燃式の空気エンジン」でも可能性
はあるかとは思いますが、その方式は《ガスタービンエンジン》と
言うか《ロケット》に近い方式ですので、相当の高熱が発生します。

http://www.jal-foundation.or.jp/html/TaikiKansoku/html/e-2_nenpishihai.htm

上の資料などからすると、1100度から1300度(最近では、
1400度以上も可)の「高熱の作動流体」が発生するようなので、
当時から耐熱性の有るタービンが作れたのかに付いては、少し疑問
な気もします。

日本の魚雷にも、「タービン方式」のものが有ったのかに付いては
良く知りませんが、もし「ピストン方式」が多かったのだとすれば、
前回も説明しましたように「バルブの加熱」と言う問題で、作るの
は難しかったと思います。

アメリカで《ガスタービン方式》の魚雷が一時期存在していたのだ
としても、「水噴射内燃蒸気方式」の、当時「蒸気エンジン」と呼
ばれていたものに、すぐに取ってかわったわけですから、この方式
にこだわる必要も無かったと言えるわけです。

> 別に問題は作動流体の温度だけではないのですが、ともあれ原理
> と実装とは別の話です。

まあそう言う問題は、何事においても言えることですから、単なる
「燃焼方式」に「こだわる考え方」こそ、意味の無いこととも言え
るでしょう。

「魚雷の性能」と言うと「速度、航続距離」のみが重要視されがち
ですが、「静粛性」「軽量性」「確実性」「取り扱いのし易さ」な
どなど、総合的に考えられるべきことでしょう。

最近日本の特許などを見てみると、良くは分からないのですが、
近代の日本の魚雷では「普通の蒸気タービン」が使われているよう
な印象も持ちました。

これが事実だったら完全な「外燃機関」になるのですが、世界の魚
雷とも用途も違う可能性も有りますので、これらの方式を比べるこ
ともまた無意味な気もします。

また下のウエブページでは、兵器に関する面白い知識がいろいろ書
いてあるのですが、魚雷に関しても下記のような記述が有りました。

これがまたまた「本当の話?」だったら、時代も進歩したものだと
感じましたね。 (@^.^@) この話は本当に本当かなぁ。????

http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/D1000311.html
------------------------------------------------------------
311 日本には酸素魚雷と言う世界に冠たる魚雷が
ありましたけど、今はそういう動力の魚雷は
ないんでしょうか?
------------------------------------------------------------
1. バッテリ・モーター技術の飛躍的発達により、
無理して酸素を使う必要がなくなりました。
今の魚雷は 電動 で、しかも対水上艦より
むしろ対潜水艦用です。

2. 酸素魚雷はその長射程・秘匿性・大威力弾頭
から「アウトレンジでの一撃必殺武器」の地
位を誇っていましたが、現代は水面スレスレ
を飛ぶエグゾゼやハープーンなどの対艦ミサ
イルがその地位を担っています。

3. 無いわけでは有りません、ただ最近の魚雷は
対潜用なので三次元機動の結果として深度の
変化に伴う水圧変化が排気に問題となるので
主流では無いだけです
------------------------------------------------------------

http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/D1000652.html
http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/D1000670.html
http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/D1000778.html
http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/D1000783.html
http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/D1list.html
http://www.epsnet.co.jp/~vought/

□ その他の「アメリカの魚雷」に関する参考資料です。

http://www.geocities.com/Pentagon/1592/ustorp2.htm
http://www.geocities.com/Pentagon/1592/ustorp3.htm
http://www.geocities.com/Pentagon/1592/ustorp4.htm
http://www.geocities.com/Pentagon/1592/ustorp5.htm

# 分からないこと多きこと、また楽しからずや 。。。。

teruo Takeuchi

unread,
Feb 21, 2000, 3:00:00 AM2/21/00
to
2000/02/21 Takeuchi
□ 《 星型エンジン 》の魚雷。「93式魚雷」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships
news:87qn0g$jl$2...@news00.iij4u.or.jp

1998/02/01 TAKEUCHI <34D3C726...@i.bekkoame.or.jp>
魚雷の原動機はなぜ特殊か(1)( 第二次世界大戦前の魚雷 )

> > その推進装置は圧縮された空気を動力源として、3個のシリン


> > ダーを持ち、星形配列のエンジンでした。

> あれ? 「星型配列のエンジンでした」と明記されてますねぇ。

そうでしたねえ。上の記事を書いてからもう2年も経ってしまった
のですが、自分が書いたことをすっかり忘れていました。

さて前回の記事で、なぜ「星型エンジン」が「魚雷には常識はずれ」
と言ったのかと言いますと、

------------------------------------------------------------
1.「星型エンジン」は、外径の大きい形状を本質的に持っている。
2.魚雷の外側直径制限から、大きい排気量のエンジンは積めない。
3.少ない排気量で必要な馬力を出すため、必然的に高回転になる。
4.高速回転型エンジンは、減速機も含めて騒音レベルが高くなる。
------------------------------------------------------------
と、思ったからでした。

しかし日本を含めた各国の魚雷でも、「星型エンジン」の使用は多
そうですし、日本の「BY型」とか言う内燃機関の魚雷では、オッ
トーサイクル(4サイクルエンジン)も考えられていたようです。

そうなるとどうも、このころまでの魚雷には「静粛性」などと言う
ものはあまり重要視されてないような感じにも思えて来ました。

恐らくその理由は、当時の使用目的が主として「対水上艦用」で、
「ホーミング機能の無い魚雷」だったからだと思われます。

「ホーミング機能を持つ魚雷」では、自身の「騒音レベルが高い」
とすると、その自身の騒音のために「ソナーの性能」が落ちてしま
うと思われるので、これでは致命的な欠陥にもなりかねません。

そのために「ピストン型のエンジン」を使う魚雷の場合には、
「横置きに配置した比較的大きな排気量のエンジン」を、「ゆっく
りと回転させる方式」に変わってきたのだと想像しています。

他の方も言われていましたが、現在のように「対潜水艦」が目的の
「ホーミングする魚雷」と言う条件付でなら、「星型エンジン」の
魚雷への使用は、上記の理由で「常識はずれ」と言えると思います。

teruo Takeuchi

unread,
Feb 22, 2000, 3:00:00 AM2/22/00
to
2000/02/22 Takeuchi
□ 《 ガスタービン 》の魚雷。(熱機関の歴史)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships
news:87qn0g$jl$2...@news00.iij4u.or.jp

> 九三式魚雷と同時代、あるいはその一世代前(略)の「従来通り
> である《 外燃機関 》」の指す(略)熱走式の機関は、
> ガスタービンと同程度に...

http://www.infobears.ne.jp/athome/baobab/techistory/chronological_table.htm
http://www1.sphere.ne.jp/apxh/APXH/isbn185310860X.html

上記の年表や資料から「熱機関の開発時期」を抜き出して見ると、
------------------------------------------------------------
1. 1765 ワット 蒸気機関
2. 1816 スターリング スターリング機関
3. 1878 オットー 4サイクル機関
4. 1882 ド・ラバル 蒸気タービン機関
------------------------------------------------------------
5. 190? ホワイトヘッド 圧縮空気機関 Mk.1~3
6. 1904 ブリスレヴィット 加熱空気機関 Mk.1~3
7. 1908 ホワイトヘッド 加熱空気機関 Mk.5
8. 1911 ブリスレヴィット 内燃蒸気機関 Mk.7
------------------------------------------------------------
9. 1937 ホイットル ジェットエンジン
------------------------------------------------------------
上のようになります。

「ガスタービン」と「ジェットエンジン」が、どのように違うもの
かの厳密な定義に付いては良く知りません。

しかし「ホイットル」と言う人が、航空機用エンジンとして開発し
たのが「ガスタービン」などの始まりと、百科辞典にも出ています。

もし仮に6番の「加熱空気機関」と言われる魚雷が「ガスタービン」
だったとすれば、1937年に発明された「ジェットエンジン」よ
りも「23年間」も早い実施と言うことになり、これは矛盾します。

http://www.geocities.com/Pentagon/1592/ustorp1.htm

また上記のページには、「Mk.5」に関する下のような記載もあ
りました。
------------------------------------------------------------
The power plant was a dry heater system using
a four cylinder reciprocating engine,
the last piston engine used in US torpedoes
until the Mk.46.

原動機には、「乾式のヒーターシステム」を使った
「4気筒の往復動機関」でした。

Mk.46まで、米国の魚雷の中で使用された
最後のピストンエンジンでした。
------------------------------------------------------------

もしこの「乾式のヒーターシステム」と言うものが、「内燃方式」
であったと仮定すれば、「バルブの過熱」と言う問題が発生する可
能性もあり、その採用は疑問でしょう。

上の年表から分かる別の面白い事実は、「内燃の4サイクル機関」
よりも「外燃の蒸気タービン」の方が、発明の時期が遅いことです。

また1937年に発明された「ジェットエンジン」は、同じ内燃機
関で有りながら1878年に発明された「4サイクル機関」よりも
「59年間」も後であったことに注目すべきでしょう。

機械関係から見ても、この「連続燃焼であるガスタービン」と言う
機関は、「温度的」にはかなり過酷な方式なのです。

その「ガスタービン」より「4サイクル機関」の方がかなり早く開
発出来たのは「吸気-圧縮-(燃焼)-排気」と続く工程の中で、
「燃焼部分が全体の1/4」でしか無かったことにあるのでしょう。

そう考えると( dry heater system)の「水噴射の無い乾式」の方
式に限って言えば、「外燃の加熱空気機関」だったと考えた方が、
結局は無理が無いとは言えます。

Mk.7から始まる「水噴射の有る湿式」に関して言えば、これは
「蒸気機関」と言うことになり「作動流体温度」も低いと思います
ので、内燃で有っても問題は無いわけです。

ですので、日本の「93式魚雷」のように「水噴射の有る湿式」に
限って言えば、「内燃」「外燃」両方の可能性が考えられると言う
ことになります。

まあ、この辺が今回の結論と言うことでしょうか。

Kaz SHiMZ

unread,
Feb 22, 2000, 3:00:00 AM2/22/00
to
清水です。

記事 <38B1541D...@mx2.wt.tiki.ne.jp> で, teruo Takeuchi
<take...@mx2.wt.tiki.ne.jp> さんは書きました;

>もし仮に6番の「加熱空気機関」と言われる魚雷が「ガスタービン」
>だったとすれば、1937年に発明された「ジェットエンジン」よ
>りも「23年間」も早い実施と言うことになり、これは矛盾します。

私の主張は

九三式魚雷と同時代、あるいはその一世代前( = teruo Takeuchi 氏の書
くところの「従来通りである《 外燃機関 》」の指す「従来」と認識され

うる時期)の熱走式の機関は、ガスタービンと同程度に内燃機関である。

であって、

九三式魚雷と同時代、あるいはその一世代前( = teruo Takeuchi 氏の書
くところの「従来通りである《 外燃機関 》」の指す「従来」と認識され

うる時期)の熱走式の機関は、ガスタービンである。

ではありません。
ちなみにここにおける私の「同程度に内燃機関」は、

ガスタービンやターボジェットをも内燃機関に含める定義、すなわち「燃
焼生成物がピストン等を駆動することにより、熱エネルギーを運動エネル
ギーに変換する機構をもつ駆動機関」という定義に沿うもの

という意味です。

teruo Takeuchi 氏の得意技、 他人の主張を誤解(捏造?)してそれを批判
することで、自説の正当性を訴えようとしていますが、それが的外れなのは
上記の通り。


>もしこの「乾式のヒーターシステム」と言うものが、「内燃方式」
>であったと仮定すれば、「バルブの過熱」と言う問題が発生する可
>能性もあり、その採用は疑問でしょう。

「バルブの過熱」というよりも「機関全体の加熱」という問題を回避する
意図もあって、「湿式」が考案されています。つまり、

 「乾式」に「機関の加熱」という問題があったために、「湿式」の開発に
 拍車がかかった

であり、あえて必然論的に誇張して書くと

 「湿式」が出現したのは、先行した「乾式」の「機関の加熱」という問題
 を解決するための歴史的必然であった

とも書けるでしょう。(後段はあくまで「誇張」です。為念)

# 「バルブ」のない「内燃機関」も、ガスタービン以前から存在してるの
# だが... ディーゼル機関・オットー機関しか知らんのかねぇ... 「焼玉
# 機関」などの原始的な2ストロークエンジン等。


>そう考えると( dry heater system)の「水噴射の無い乾式」の方
>式に限って言えば、「外燃の加熱空気機関」だったと考えた方が、
>結局は無理が無いとは言えます。

「馬鹿の考え休むに似たり」「百聞は一見に如かず」という俚諺があります
が、神戸でしたら諏訪山の図書館にでもいって、中井さんや私がこれまで紹
介した書籍でも見てください。(山の街から30分程度で行けるハズ)

dry heater system は、これら書籍にある機構図・機構説明の文章からする
と、記事 <38A2C132...@mx2.tiki.ne.jp> に見られる teruo Takeuchi
氏の以下の説明とは異なるものであるのは、中学生程度以上の日本語読解力
がある人には即座に理解できるでしょう。

> 前回の記事でも少し動作方式を説明しましたが、「外燃の空気魚雷」
> と仮定すると次のような動作になります。
>
> ------------------------------------------------------------
> 1.「ボンベ」に入った「高圧圧縮空気」を「加熱室」に噴射する。
> 2.「加熱室」に入った空気は「燃料によるバーナ」で加熱される。
> 3.「膨張した加熱空気」はバルブの制御によりピストンを動かす。
> 4.「ピストン」を動かし終わった空気は低圧となり排気をされる。
> 5.「排気された低圧空気」は「バーナ」燃焼用のエアー源となる。
> 6.「燃焼し終わった排気ガス」は水中に放出され海水に溶けこむ。
> ------------------------------------------------------------

私も teruo Takeuchi 氏を説得する気は毛頭ありませんが、とりあえずこの
スレッドに関しては、

・木俣滋郎「潜水艦入門」光人社NF文庫
・林譲治「コンバット AtoZ シリーズ4 図解海軍水雷戦隊」並木書房
・海軍水雷史刊行会「海軍水雷史」(非売品)
・九一会編「航空魚雷ノート」(非売品)

等を参照のうえ、判断されることを「広く」お勧めします。


(追記)

> まあ、この辺が今回の結論と言うことでしょうか。

例によって、「今回の空想」だと思いますです :)

--

teruo Takeuchi

unread,
Feb 22, 2000, 3:00:00 AM2/22/00
to
2000/02/22 Takeuchi
□ 《 ガスタービン 》の魚雷。(日本の魚雷)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships

> 「バルブの過熱」というよりも「機関全体の加熱」という問題を
> 回避する意図もあって、「湿式」が考案されています。

上に書かれたことが事実かどうかに付いては、私は詳しくは知りま
せんが、たとえ事実だったとすると「余計に変な話」になります。

なぜなら、「乾式の内燃方式」は「ガスタービンと同程度の機関」
であり、 「湿式の内燃方式」は「蒸気エンジンと同程度の機関」
と言えるからです。

「蒸気エンジン」が開発されたのが「1765年」であり、
「ガスタービン」が開発されたのが「1937年」ですから、
その間には「172年間」もの「時代の技術格差」があるわけです。

この「172年間」の時代の差こそ「ガスタービン機関」と言うも
のが、「蒸気機関」などに比べていかに作り難かったのかを良く表
していると思います。

「連続燃焼」と言う「高温のガス」に金属がさらされることが、
その作り難さの最大の問題なのですが、タービン方式ならまだしも、
ピストン方式ではバルブが必要となるために、輪をかけてその難し
さが増すわけです。

ちなみに、1サイクル中に「1/4」の時間しか燃焼しない4スト
ロークエンジンでも、自分勝手な間違った改造などをすると、
ピストンが溶けると言うような事故が現在でも起こるそうです。

その大変作り難いはずの「ガスタービンと同程度の機関」の方が、
「172年」も前に作られていた「蒸気エンジンと同程度の機関」
すなわち「湿式の蒸気方式」より先に作られたとは、どう考えても
考え難いことなのです。

それから良く分かってないなと思うところは、「機関全体の加熱」
などは問題は無いのです。「機関全体」などは無尽蔵に有る海水で、
必要とあれば、いくらでも外部から冷やすことは可能なのです。

「バルブが問題」だと言っているのは、それが内部にあって冷却を
する事が困難な構造だからです。それが連続的な1000度以上も
の「高熱の火炎で加熱される」とすれば、そこに使われた金属は溶
けるしか無いわけです。

そしてついでに言いますと、「シリンダー外で燃焼させた高熱のガ
スを、シリンダーにまで導いて動かすような機関」は、一般的には
存在が確認されていないほどの、現在でも聞いたことが無いような
特殊なものなのです。

> # 「焼玉機関」などの原始的な2ストロークエンジン等。

「2ストロークエンジン」は、ピストンがバルブの変わりをしてい
ますが、この方法はシリンダー内で燃焼する機関の場合のみしか使
え無い方式です。

外部から「空気やガスや蒸気を」送りこむ往復動機関の場合には、
必ずと言って良いほど何らかのバルブが必要とされます。
どうも「内燃機関」には詳しくないことが、これで分かりましたね。

> dry heater system は、これら書籍にある機構図・機構説明の文

> 章からすると、(略)中学生程度以上の日本語読解力がある人に
> は即座に理解できるでしょう。

私はまだその本を一度も読んでないので何とも言えません。

しかし、その本を読まれた「東大精密」さんが、「内燃と言う言葉
はBY式の個所以外のところには、1個所も出てこなかった」と言
われていたわけですから、その証言で充分と思います。

そこでもう一度お願いしたいのですが、その内燃を証明できる図面
を何とかGIFにして、ニュースに添付して公開して頂きたいもの
です。そうすればそれが証明になるかも知れません。

> ・木俣滋郎「潜水艦入門」光人社NF文庫
> ・林譲治「コンバット AtoZ シリーズ4 図解海軍水雷戦隊」
並木書房
> ・海軍水雷史刊行会「海軍水雷史」(非売品)
> ・九一会編「航空魚雷ノート」(非売品)

私はこのグループで良く「証拠を提示してください」と言ってはい
ますが、これは厳密な法律的な意味で言っているのでは有りません。

しかし、上に上げられたようなような「書籍」では、まず証拠能力
は低いと思うのです。

例えば上に書かれたような文献の内容を、裁判所に「事実の証拠」
として提出しても、それを証拠として採用されることは少ないと思
われるからです。

書かれたものと言うのは「所詮だれかの創作物」なのですから、故
意に事実を曲げようとする意思は無くとも、間違って語り伝えられ
ると言うことは多いに有ることですね。

# 前回の私の下の記事で、「23年間」書かれた部分は
「33年間」の間違いでしたので、下のように訂正します。

------------------------------------------------------------
「正」 1937年に発明された「ジェットエンジン」
よりも「33年間」も早い実施と言うことになり、
------------------------------------------------------------

teruo Takeuchi

unread,
Feb 22, 2000, 3:00:00 AM2/22/00
to
2000/02/22 Takeuchi
□ 《 ガスタービン 》の魚雷。(日本の魚雷)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships

> 「バルブの過熱」というよりも「機関全体の加熱」という問題を

teruo Takeuchi

unread,
Feb 23, 2000, 3:00:00 AM2/23/00
to
2000/02/23 Takeuchi
□ 低温度の《 ガス機関 》の魚雷。(ガスタービン)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《 ガス発生機関 》に対する、補足説明です。

「ガスの発生方法」をいろいろ考えていて、「低温度のガスを作る」
可能性は「内燃の方式」でも、充分出来るように思えてきました。

その方法は大変に簡単なことで、燃焼室の中に本来必要とされる空
気量の2倍から3倍の空気を入れれば、それに応じた「比較的低温
度の燃焼ガス」が作れると言うものです。

反対の方向から考えれば、基本的には圧縮空気で動かす方式にして
おいて、ほんの少しだけ燃料を燃焼させ、「少しだけの燃焼ガス」
を作り出すと言うような方式です。

名前を付けるとすれば、「空気+ガス機関」と言うような感じにな
るのですが、発生ガスの量が圧縮空気の量と同量と仮定すれば、
仮にガスの燃焼温度が1000度であっても、半分の500度に下
げることが可能となります。

ちなみに一般的な自動車の排気ガス温度は、700度から900度
ぐらいらしいので、これなら蒸気機関の蒸気温度と比べてもそう高
い温度とも言えませんので、可能性は多いにあることになります。

しかし、その程度の数100度の温度なら、「外燃方式」でも簡単
に作り出せますから、今度は「何のためにやり難い内燃にするのか」
と言う問いかけをされたとすると、それにはうまい答えが見つから
ないと言うことになります。

ですので《 このような方法での「内燃ガス方式」の可能性も有る 》
と言うことは、「否定」まではできないと思います。

# 最近はやりの言葉で言えば、さしずめ「高バイパス比エンジン」
と言うようなところでしょうか。 (@^.^@)

# 「内燃式の蒸気機関」に付いては、最近下のところでも研究さ
れている見たいですね。

http://www.srimot.go.jp/eng/EUC/intro.html
------------------------------------------------------------
機関動力部の業務の概要
燃料電池、スターリングエンジン、内燃式蒸気機関等の研究
------------------------------------------------------------

Kaz SHiMZ

unread,
Feb 23, 2000, 3:00:00 AM2/23/00
to
清水です。

記事 <38B278B2...@mx2.wt.tiki.ne.jp> で, teruo Takeuchi
<take...@mx2.wt.tiki.ne.jp> さんは書きました;

私> 「バルブの過熱」というよりも「機関全体の加熱」という問題を
私> 回避する意図もあって、「湿式」が考案されています。


>
>上に書かれたことが事実かどうかに付いては、私は詳しくは知りま
>せんが、たとえ事実だったとすると「余計に変な話」になります。

teruo Takeuchi 氏にとっての「変な話」、ですよね。

>なぜなら、「乾式の内燃方式」は「ガスタービンと同程度の機関」
>であり、 「湿式の内燃方式」は「蒸気エンジンと同程度の機関」
>と言えるからです。

再三繰り返しますが、私の説(主張)は

内燃機関か外燃機関かという識別の指標として「燃焼生成物による機関駆
動か否か」に依拠した場合、湿式加熱方式は(乾式加熱装置も)内燃機関
である。それはガスタービンを内燃機関と識別するのと同じ理屈(認識)。

です。なにを誤解されているのか知りませんが、この部分についてはこれで
おしまい。

さて、乾式加熱装置の過熱問題の話ですよね。

>「連続燃焼」と言う「高温のガス」に金属がさらされることが、
>その作り難さの最大の問題なのですが、タービン方式ならまだしも、
>ピストン方式ではバルブが必要となるために、輪をかけてその難し
>さが増すわけです。

# teruo Takeuchi 氏 * 以外 * の方の便宜のために、引用断行。

乾式加熱装置は「海軍水雷史」(p.10) によると

 (前略)適当に減圧された空気を約1リットル位の燃焼室に導き、別に同
 じ燃焼室に導かれた少量の液体燃料(ケロシンまたはアルコール等)の霧
 と混じこれに点火して燃焼させ、この温度の上がった混合ガスを主機械に
 導く方法である。この燃焼方式を Dry Heater(乾式加熱装置)と称した。

となっています。ここで、アルコール燃焼炎の最高部分は摂氏1000度強です
が、この燃焼熱により * 低温 * の圧縮空気中の不燃成分(窒素等)を加熱
しているので、バルブ等を含む主機械に導びかれる段階の混合ガスの温度は
低下しています。また、空気の量に比して少量の燃料を供給するようにし、
混合ガスの温度を更に下げることも可能です。

また「海軍水雷史」(p.10)には、記事 <8872ds$mhh$1...@nw042.infoweb.ne.jp>
と <888sp7$35i$1...@nw042.infoweb.ne.jp> で福島さんが指摘された通り、

  これの詳しい資料は見当らないが文献によれば米国 Bliss 会社の Frank
 M.Leavitt が開発者であるといわれる。
  なお彼は主機械として従来保社が使用してきたブラザーフッド式のレシ
 プロ型を好まず、カーチス型タルビンを用い、これに上記の乾式加熱装置
 を装備した魚雷を作り、1903年(明治36年)実験に成功し(後略)

ともあります。

>「バルブが問題」だと言っているのは、それが内部にあって冷却を
>する事が困難な構造だからです。それが連続的な1000度以上も
>の「高熱の火炎で加熱される」とすれば、そこに使われた金属は溶
>けるしか無いわけです。

20世紀初頭に実在した乾式加熱装置では、この論の前提である、

 連続的な1000度以上もの「高熱の火炎で加熱される」

状態になっていないのは既に説明した通りです。つまり、「金属は溶けるし
かない」というほどには高温ではないです。

しかしながら、乾式において馳走能力を向上しようとすれば、熱エネルギー
の増大、つまり燃焼ガスの温度を上げることになり、加熱問題が生じます。

いっぽう、湿式加熱装置は「海軍水雷史」(p.11) によると

  1906年(明治39年)オーストリア海軍の予備士官 J.Gesztesy は上記の
 乾式加熱装置に、更に魚雷体内に別に貯蔵しておいた清水を霧状にして送
 りこんで水蒸気を作り、燃焼生成物との混合ガスで主機械(ブラザーフッ
 ド式)を動かす着想を得た。
  これによれば加熱装置に入る減圧圧縮空気中の酸素によって燃し得る充
 分な燃料を使用し得て、多量の熱エネルギーを得、一方燃焼ガス温度は別
 に吹き込む清水の量を適当に選んで主機械気筒構成材料(主として燐青銅)
 の耐え得る程度に押えることとした。
  これは前述の乾式加熱装置に比し数倍の熱エネルギーを利用出来ること
 となり、魚雷の馳走能力を画期的に上昇させることができた。
  この方式を Wet Heater(湿式加熱装置)と呼んだ。

ですので、乾式による性能向上の壁(機関の過熱の問題)を回避できる機構
となっていた訳です。

いずれにせよ、(九三式酸素魚雷やそれ以前の)魚雷の駆動機関は、内燃・
外燃の区分の指標を「燃焼生成物による機関駆動か否か」に置いて考えれば
内燃機関である、という私の主張は、依然として覆っていませんね。

次は、どんな推論をされるのやら... 「と」な前提になるのか、「誤読」に
よるものになるか、「捏造」によるものになるのか、はてさて...

Kaz SHiMZ

unread,
Feb 23, 2000, 3:00:00 AM2/23/00
to
清水です。

記事 <38B33184...@mx2.wt.tiki.ne.jp> で, teruo Takeuchi
<take...@mx2.wt.tiki.ne.jp> さんは書きました;

>しかし、その程度の数100度の温度なら、「外燃方式」でも簡単


>に作り出せますから、今度は「何のためにやり難い内燃にするのか」
>と言う問いかけをされたとすると、それにはうまい答えが見つから
>ないと言うことになります。

魚雷の駆動機関について、登場順を追って考えれば(前世代に対する改良
の蓄積、という観点で考えれば)

「やり難い内燃」

という認識からして既に事実誤認。

ベースとなった冷走式魚雷の機構に「加熱装置」を付加するには、記事
<38A2C132...@mx2.tiki.ne.jp> で teruo Takeuchi 氏が説明する
「外燃の空気魚雷」;

> ------------------------------------------------------------
> 1.「ボンベ」に入った「高圧圧縮空気」を「加熱室」に噴射する。
> 2.「加熱室」に入った空気は「燃料によるバーナ」で加熱される。
> 3.「膨張した加熱空気」はバルブの制御によりピストンを動かす。
> 4.「ピストン」を動かし終わった空気は低圧となり排気をされる。
> 5.「排気された低圧空気」は「バーナ」燃焼用のエアー源となる。
> 6.「燃焼し終わった排気ガス」は水中に放出され海水に溶けこむ。
> ------------------------------------------------------------

を採用するよりも、私が再三説明している、実在した「乾式加熱装置」の方
が簡単です。

おおむね、圧縮空気の減圧装置と駆動機関の間に燃焼室を置く・燃料タンク
を置く・燃料タンクから燃焼室までの配管をする、といった改造だけで済み
ます。実際、第一次世界大戦で帝政ドイツのUボートに搭載された魚雷には、
冷走式だったものを改造して熱走式にしたもの、も存在しました。

teruo Takeuchi 式外燃装置では、上記の改造に加えて、シリンダ等から排
出された空気の取り回しの追加(燃焼室まで戻すための配管、燃焼室から
の排気用の配管)も必要になるので、改造の工程がより複雑になり、かつ、
より大きなスペースを必要とします。

要するに、魚雷においては、teruo Takeuchi 式外燃機関の方が「やり難い」
のです。で、再三聞いてますが、ホンマにこの機関を積んだ魚雷の実例はあ
るんですか?

teruo Takeuchi

unread,
Feb 23, 2000, 3:00:00 AM2/23/00
to
2000/02/23 Takeuchi
□ 《 海軍水雷史 》によると。(ガスタービン)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships

> 乾式加熱装置は「海軍水雷史」(p.10) によると

>  (前略)適当に減圧された空気を約1リットル位の燃焼室に導
>  き、別に同じ燃焼室に導かれた少量の液体燃料(ケロシンまた
>  はアルコール等)の霧と混じこれに点火して燃焼させ、この温
>  度の上がった混合ガスを主機械に導く方法である。この燃焼方
>  式を Dry Heater(乾式加熱装置)と称した。

これが「正確な引用」なら、資料のでどころなどから考えて信用で
きそうなので、「内燃方式の証拠」と考えても一応は良いのでは無
いかと思います。

しかしその古い資料に( Dry Heater )などと言う英語が使われて
いるのでしょうかね。?

しかしそもそも、このような詳しく書かれた資料がちゃん現存する
のに、「なぜ今までその公表を渋っていたのか」それが少し気にな
るところでは有ります。

最初からこの部分を引用提示されてたら、その「資料の信憑性」の
みの議論で、それで一応議論は終わりになっていたと思うのですよ。

>  これの詳しい資料は見当らないが文献によれば米国 Bliss 会
>  社の FrankM.Leavitt が開発者であるといわれる。

上の記事は、どのグループの何年何月に投稿されたものでしょうか。
さがしても見つかりませんでした。上の人が「タービン方式」を好
んで製作されているのは知っていましたが。

> しかしながら、乾式において馳走能力を向上しようとすれば、熱
> エネルギーの増大、つまり燃焼ガスの温度を上げることになり、
> 加熱問題が生じます。

まあ、そう言うことでしょうね。「外燃でも内燃でも」温度が上が
ることによる問題は同じですから、結局のところ完全な燃焼による
「作動流体がガスだけの機関」は、やはり難しかったと思います。

> いっぽう、湿式加熱装置は「海軍水雷史」(p.11) によると

>  1906年(明治39年)オーストリア海軍の予備士官 J.Gesztesy
>  は上記の乾式加熱装置に、更に魚雷体内に別に貯蔵しておいた
>  清水を霧状にして送りこんで水蒸気を作り、燃焼生成物との混

>  合ガスで主機械(ブラザーフッド式)を動かす着想を得た。

これは「蒸気機関」となりますので、「作動流体の温度」の問題は
何ら起こらないと言うことになります。

>  これによれば加熱装置に入る減圧圧縮空気中の酸素によって燃
>  し得る充分な燃料を使用し得て、多量の熱エネルギーを得、
>  一方燃焼ガス温度は別に吹き込む清水の量を適当に選んで主機
>  械気筒構成材料(主として燐青銅)の耐え得る程度に押えるこ
>  ととした。

ちゃ~んと、「燃焼温度」の問題も書いてあるでは無いですかぁ。
なぜ早く、こう言う重要な部分の引用をしてくれなかったのでしょ
うかね。ぷんぷん。

「減圧圧縮空気中の酸素によって燃し得る充分な燃料を使用し得て」
と書いてあるところを見れば、やはり「乾式の方法」では、完全な
ガスだけによる「ガス機関」とまでは、行かなかったようですね。

>  これは前述の乾式加熱装置に比し数倍の熱エネルギーを利用出
>  来ることとなり、魚雷の馳走能力を画期的に上昇させることが
>  できた。この方式を Wet Heater(湿式加熱装置)と呼んだ。

う~む、完璧完璧。私は早くこの資料を読むべきであったなぁ。

そうすれば、引用以外の部分にもまだまだ重要な事柄が記載されて
いるところが有るだろうし。いつか時間が出来たら読んで見ます。
この本は「神戸の図書館」にもおいて有るのですよね。?

そうすると「東大精密」さんは何を読んでいたことになるのでしょ
うか。分かっていて黙っていたとか。まあ恐らくそうでしょう。??

> ですので、乾式による性能向上の壁(機関の過熱の問題)を回避
> できる機構となっていた訳です。

納得です。

そうすると( Itosan )さんと( 東大精密 )さんの解答は今回は
「不発弾」だったと言うことになるのですが。?

まあ私の思うところは、「シリンダー内燃焼のもの」を「内燃機関
だと思いこんでたところの誤解」だったのでは、と思っています。

日本の魚雷は《 分かりませ~ん 》で、最初から逃げていた私は、
ずるい人だったのでしょうか。??? (@^.^@)

teruo Takeuchi

unread,
Feb 24, 2000, 3:00:00 AM2/24/00
to
2000/02/24 Takeuchi
□ 低温度の《 ガス機関 》の魚雷。(余談の話)

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( Kaz SHiMZ )さん news:fj.rec.ships

> ホンマにこの機関を積んだ魚雷の実例はあるんですか?


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1.「ボンベ」に入った「高圧圧縮空気」を「加熱室」に噴射する。
2.「加熱室」に入った空気は「燃料によるバーナ」で加熱される。
3.「膨張した加熱空気」はバルブの制御によりピストンを動かす。
4.「ピストン」を動かし終わった空気は低圧となり排気をされる。
5.「排気された低圧空気」は「バーナ」燃焼用のエアー源となる。
6.「燃焼し終わった排気ガス」は水中に放出され海水に溶けこむ。
------------------------------------------------------------

これは「外部燃焼方式」として「加熱空気機関」を作ったとすれば、
このようになるだろうと言う、単なる私の「想像上」の話なのです。

しかしこの方式でも充分に動くとは思いますよ。何と言いましても
この方式の「スターリングエンジン」と言うのが立派に動いていま
すから。少し「内燃方式より熱効率が悪い」だけのことでしょうね。

□ ここからは(余談の話)なので~す。
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2000/02/23 Re: 《 ガスタービン 》の魚雷。(日本の魚雷)
news:fj.rec.ships news:88vjdl$9io$1...@news00.iij4u.or.jp

> 空気を約1リットル位の燃焼室に導き、別に同じ燃焼室に導か
> れた少量の液体燃料(略)の霧と混じこれに点火して燃焼させ、
> (略)この燃焼方式を Dry Heater(乾式加熱装置)と称した。

この( Dry Heater )と言う言葉を、45万語有ると言われるCD
ROM辞書でも調べて見たのですが、何も出てきませんでした。
また「機械用の辞書」にものってなかったのですね。

ですので、この言葉は「その時点で定義されたもの」だと今は思っ
ているのです。

しかしこれらの意味が、あの「アメリカの魚雷解説記事」に少しで
も書かれてさえいれば、今回はもっと分かり易い話に発展していた
だろうとは思いますね。

> 一方燃焼ガス温度は別に吹き込む清水の量を適当に選んで主機
> 械気筒構成材料(主として燐青銅)の耐え得る程度に押えるこ
> ととした。
 

当時の魚雷機関のシリンダーには「燐青銅」が使ってあったとは驚
きました。

「燐青銅」は「黄銅」(シンチュウとも言う)の少し赤みを増やし
たしたような「銅合金」で、強度があって錆びないので昔は良く使
われていたようです。

最近では「SUS」(ステンレス)がこれに変わって使われると思
うのですが、一般的に「銅合金系」は比重が重たいのが欠点です。

今日のように軽量化を目指す「機器や兵器類」には、「耐食アルミ
やチタン合金」の使用の方が、一般的と言うことになるのでしょう。

以前にも紹介しました、「ボフォース社」などの魚雷エンジンでは、
恐らく、カムなどの純機械的な部分を除いては、ほとんどがアルミ
製と言うことになっているのだと思います。

内部燃焼方式で、何度ぐらいの温度まで可能なのだろうかと言う問
題が有るのですが、最近の耐熱鋼でも900度程度、また最近の航
空機材料の「耐熱チタン軽合金」などでも500度程度だそうです。

アルミ合金などでは650度程度から溶け出すそうですので、実用
的な耐熱温度は400度程度でしょうか。4ストロークエンジンの
燃焼ガス温度が高温でもアルミピストンが耐えているのは、「吸気
と言う冷却工程」があるからだと思います。

当時の「燐青銅製シリンダー」と言うようなものが、どの程度の耐
熱性を持っていたものかは良く分かりませんが、やはり「純粋なガ
スだけを使った連続燃焼の機関」では、まったく無理だったと言う
ことでしょうね。

以上のことはともかくとして、今回引用された「海軍水雷史」と言
う本は、あのウエブ上にあった「アメリカの魚雷解説記事」に匹敵
するほどの面白い内容と感じましたので、いつか機会があればぜひ
読んで見たいものです。

話は変わりますが1年ほど前の「朝日新聞」にのっていた記事には、
「アメリカの魚雷」に使うための「セラミック製の燃料タンク」を
日本の「京○ラ」と言う会社が作っていると、書かれて有りました。

なぜ「セラミック製の燃料タンク」なのだろうかと、想像してみた
のですが、まず「軽量」なことと「過酸化水素」などの特殊な燃料
に耐える、と言うことのようです。

しかしその時にふと思ったことは、これが「武器輸出三原則」に抵
触しないのだろうかと言うことでした。

またこの記事に書かれた事実は、「日本の技術的に勝れた部品」が
無ければ、「アメリカの兵器も満足には作れない」と言うことを意
味しているようにも感じました。

Seki Naoki

unread,
Feb 26, 2000, 3:00:00 AM2/26/00
to

teruo Takeuchi <take...@mx2.wt.tiki.ne.jp> wrote in message
news:38B1541D...@mx2.wt.tiki.ne.jp...

> ------------------------------------------------------------
> 1. 1765 ワット 蒸気機関
> 2. 1816 スターリング スターリング機関
> 3. 1878 オットー 4サイクル機関
> 4. 1882 ド・ラバル 蒸気タービン機関
> ------------------------------------------------------------
> 5. 190? ホワイトヘッド 圧縮空気機関 Mk.1~3
> 6. 1904 ブリスレヴィット 加熱空気機関 Mk.1~3
> 7. 1908 ホワイトヘッド 加熱空気機関 Mk.5
> 8. 1911 ブリスレヴィット 内燃蒸気機関 Mk.7
> ------------------------------------------------------------
> 9. 1937 ホイットル ジェットエンジン
> ------------------------------------------------------------
> 上のようになります。

これにガスタービン機関の歴史を付け加えると

1791 バーバー ガスタービンのアイディアで特許取得
1864 ブールトン 燃焼ガスに空気流を加え、タービン入り口温度を下げるアイディ
アで特許取得
1872 シュトルツェ 多段軸流ガスタービンを製作
1905 カラバダン 爆発型(間欠燃焼)ガスタービン製作 -> 後にパルスジェットへ
1930 ホイットル ターボエンジンの特許取得

となります。(小学館「日本大百科全書」参照)
つまり、ジェットエンジンからガスタービンが生まれたのではなく、ガスタービン
の効率が上がった為、航空機に転用されるようになったのです。

それから、現在のガスタービンのタービン入口温度が高い事をもって内燃機関
より外燃機関の方が有利であると主張されていますが、ガスタービン(ブレイト
ンサイクル)機関はタービン入口温度が高いほうが機関としての熱効率が上が
る為に、なるべく温度を上げているだけのことであって、温度が低いとガスター
ビンが動かない訳ではないです。
それに、内燃だろうが外燃だろうが、同じ効率を出すためには同じ温度に上げ
なければならない訳で、外燃のほうが低い温度で済む、訳じゃないです。

Takeuchi氏は内燃機関は燃焼生成ガス100%の機関であると誤解しているよう
ですが、そんな機関はありません。たとえば、量論混合気(燃料が完全燃焼す
る混合気)でも、そこに含まれる空気の80%は燃焼に関与しない窒素であって、
燃焼ガスの熱力学的性質は空気とあまり変化していません。

つまり、熱機関は空気機関が基本で、そこに燃焼ガスが少し加わっているので
あり、「空気+ガス機関」とわざわざ区別して言ったりはしません。
まして、現在は、レシプロエンジンもガスタービンも熱効率を上げるため希薄燃
焼をしていますから、燃焼生成ガスの占める割合は微々たる物です。

それから、ガスタービンは製作が難しいか、と言うことですが、ガスタービンで
難しいのは圧縮機の部分で、出力を取出すタービン部はいいかげんな設計で
もそこそこの効率が出ます。
魚雷のことは良く分かりませんが、高圧ボンベから圧縮空気を燃焼室に送り
込むのではなかったでしょうか? これだと、圧縮機が必要無いので、機関とし
ては作りやすいですね。

teruo Takeuchi

unread,
Feb 26, 2000, 3:00:00 AM2/26/00
to
2000/02/26 Takeuchi
□ 《 ガスタービン 》の魚雷。(熱機関の歴史-2)
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( Seki Naoki )さん news:fj.rec.ships
------------------------------------------------------------
> 1791 バーバー  ガスタービンのアイディアで特許取得

そうですか。「特許の取得」はすでに1791年にやってましたか。
これは間違っていましたね。

> 1864 ブールトン  燃焼ガスに空気流を加え、タービン
> 入り口温度を下げるアイディアで特許取得

> 1872 シュトルツェ 多段軸流ガスタービンを製作

> 1905 カラバダン  爆発型(間欠燃焼)ガスタービン製作 ->
後にパルスジェットへ

> 1930 ホイットル  ターボエンジンの特許取得
------------------------------------------------------------

> となります。(小学館「日本大百科全書」参照)
> つまり、ジェットエンジンからガスタービンが生まれたのではな
> く、ガスタービンの効率が上がった為、航空機に転用されるよう
> になったのです。

そう言うことでしたかぁ。いやこう言う精密な説明をされると納得
するしかありませんね。

> 現在のガスタービンのタービン入口温度が高い事をもって内燃機
> 関より外燃機関の方が有利であると主張されていますが、

いや、「外燃機関の方が有利」などとそのようなことは一度も言っ
ていませんし思ってもいません。

考えていたことは「1000度近くにもなる燃焼ガス」ではピスト
ン式のバルブはもたないだろうから、作れないだろうなと想像して
いただけのことです。

> それに、内燃だろうが外燃だろうが、同じ効率を出すためには同
> じ温度に上げなければならない訳で、外燃のほうが低い温度で済
> む、訳じゃないです。

それはその通りですね。
しかしそう言うことも言ったことは無いと思いますよ。

> Takeuchi氏は内燃機関は燃焼生成ガス100%の機関であると誤解し
> ているようですが、そんな機関はありません。

そのことはすでに下の記事で、

2000/02/23 低温度の《 ガス機関 》の魚雷。(ガスタービン)
news:38B33184...@mx2.wt.tiki.ne.jp
------------------------------------------------------------


その方法は大変に簡単なことで、燃焼室の中に本来必要とされる空
気量の2倍から3倍の空気を入れれば、それに応じた「比較的低温
度の燃焼ガス」が作れると言うものです。

------------------------------------------------------------

とも書いていますから、よろしいのでは無いでしょうか。

> 熱機関は空気機関が基本で、そこに燃焼ガスが少し加わっている
> のであり、「空気+ガス機関」とわざわざ区別して言ったりはし
> ません。

詳しいその「発生ガス成分の分量の比率」までは良く知りませんが。

しかしたとえ80パーセントの窒素分が「不燃ガス成分」として残
たとしても、一般的なガスタービンでは、その空気に含まれていた
「すべての酸素」は燃焼のために使われてしまいますから、そう言
うものを「ガス機関」と呼ぶのでしょう。

一般的なガスタービンなどで、燃焼ガスの量の比率がどれくらいに
なるのかは、詳しいことはこれから調べて見ましょう。

「空気+ガス機関」と言ったのは、特に一般的なガス発生方式によ
る「ガスタービン」など「区別」するためでした。

結局完全な燃焼をすると、温度が上がりすぎるためにそれが出来ず、
高バイパス比とでも言える、「本来燃焼には必要としない空気」を
多量に混ぜることによって、数百度の温度にまでガスの温度を下げ
て運転したと言うことなのですね。

そしてその熱機関の命名の習慣が、もし「1番主になる作動流体の
名前を取る」と言うことであるとするならば、「空気の成分」の方
が「ガスの成分」より多いと主張される「純粋なガスタービン」は、
困ったことに「内燃式の加熱空気機関」と呼ばなければならないこ
とになってしまうわけです。

しかし現在の時点では、「実際には空気成分が多いと主張される」
が、「完全な燃焼をするもの」に対しては、すでに「ガス機関」と
言う名前が付けられてしまっているわけです。

そこでそう言うものとは区別をするために、完全に酸素を使い切ら
ず「燃焼に寄与しない空気を多量に含むもの」に対しては、仮にで
すが「内燃式の加熱空気機関」と呼んでも良いのではと、「提案」
しているような状態なのです。

そうすれば「スターリングエンジン」のような「外燃式の加熱空気
機関」とも対比が出来て、分かりやすい分類になるかと思われます。

> まして、現在は、レシプロエンジンもガスタービンも熱効率を上
> げるため希薄燃焼をしていますから、燃焼生成ガスの占める割合
> は微々たる物です。

それが本当のことなのかどうかは私にはすぐさまは分かりませんが、
「燃焼生成ガス」とは言って見ても、その中には「水蒸気成分」も
多量に含まれると思うのですね。

例えば「液体酸素」と「液体水素」を使う「ロケットエンジン」な
どでも、その生成ガスの成分は「純粋な水蒸気」と言うことになり
ますが、これも「蒸気機関」とは呼ばず「ガス機関」と呼びます。

このような名前の付けかたに関することが、以前にも紹介した下の
記事の意味することだと思うのです。

------------------------------------------------------------
fj.engr.mech( Hiroaki Kawasawa )
普通内燃機関というのは,ガスサイクルの中で燃焼が有るもの,
つまりガスサイクルの作動流体が燃焼ガスであるものをさすの
ではないでしょうか?

そのサイクル内に気液の2相を持ち,液体の蒸発による体積膨
張を利用する形のものでなければ作動流体が蒸気であろうとも
蒸気機関とは呼びません.
------------------------------------------------------------

上の記事の下側の「蒸気機関」の定義のところが面白いと思うので
すが、それはともかく、例えば燃焼室に「ほんの少しの水噴射」を
したとして、燃焼室内で「わずかな蒸気」を作ったとしましょう。

この燃焼室で作られたガスの成分比率が、仮に、
------------------------------------------------------------
1番目に多いのが「空気」。
2番目に多いのが「ガス」。
3番目に多いのが「蒸気」。
------------------------------------------------------------
とした時、この機関の名称はどのように決めれば良いのでしょうか?

ちなみにアメリカなどで「蒸気成分の多い場合」には、「スチーム
エンジン」と読んでいたのだそうです。

このように複雑な状況になってくると、厳密に名前を付けることな
どは不可能になってきますし、そしてあまり名前にこだわったりす
ると、そのことの方が弊害を生みそうな気もします。

> ガスタービンは製作が難しいか、と言うことですが、ガスタービ
> ンで難しいのは圧縮機の部分で、出力を取出すタービン部はいい

> かげんな設計でもそこそこの効率が出ます。

現在ならそう言うことも言えるのかも知れませんが、当時は耐熱材
料も良いのが無く、高温になる「出力タービン」の方も難しかった
のでは無いでしょうか。

以前の記事に出てましたように、魚雷のエンジンシリンダーには
「燐青銅」が使ってあったらしいのです。

これとは少し違う「アルミニューム青銅」の値では、400度付近
から急激に強度が低下して、700度にもなると常温時の1/6程
度の強度になってしまうことがその後分かりました。

どうも当時としては高温度にたえるような素材が無かったため、
やはり「高温のガスが発生するような機関」は作り難かったと思い
ます。

また、「燐青銅」を使ったタービン羽根の問題などが、下にも書か
れています。

http://www.epsnet.co.jp/~vought/ansq001/B1000112.html
------------------------------------------------------------
1. タービン翼の材質が燐青銅だったため折損が多発し、
不銹鋼を採用したところ良好な結果を示したので、
以後機会あるごとに更新されたようです。
------------------------------------------------------------

> 魚雷のことは良く分かりませんが、高圧ボンベから圧縮空気を燃
> 焼室に送り込むのではなかったでしょうか? これだと、圧縮機が
> 必要無いので、機関としては作りやすいですね。

その通りと思います。

開発の初期には「圧縮空気の圧力」のみで動かしたそうですから、
その単純な方式による「確実な始動性」などが求められたと言うこ
となのでしょう。

そして「圧縮機」を必要ないと言う意味は、言い方をかえれば、
「外気を必要としないエンジン」と言うことで、燃焼室部分だけを
見れば「ロケットエンジン」に近いものと言えるでしょうね。

( Seki Naoki )さんには、「名称の点」で同意は頂けないかも知
れませんが、もう一度分類のまとめをして見ました。

□ 第2次大戦当時の魚雷の「熱機関方式」。
------------------------------------------------------------
1.圧縮空気式。 圧縮空気の空気圧で動かす「蓄圧式空気機関」
2.内燃空気式。 空気と燃料を内部燃焼する「内燃式空気機関」
3.内燃蒸気式。 空気と水と燃料を燃焼する「内燃式蒸気機関」
4.化学燃料式。 過酸化水素と燃料を燃やす「内燃式蒸気機関」
------------------------------------------------------------

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